天の川の王子と召し使い狼   作:狼沢 噛斗

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 分けました。流石に長すぎた………だから、戦闘は後編にまとめます。お待たせしました。どうぞ!!!


中編

 

噛斗が売られるまで、残り3時間。

 

 

 「来るかなぁ………来て欲しいよなぁ……」

 

 

 待ち続けること4時間。未だに連絡がなく、棒立ちのまま、一人で立ち尽くしてるみるら。

 

 

 「あー!早く助けに行きてぇー!!」

 

 

 行き先のない感情を少し爆発させ、気持ちを少し落ち着けようとするMilky。すると、上空からみるらの元に影が落ちる。

 

 

 「ごめん!みるみる!少し遅れた~。終わったから来たよー。」

 

 

 上空から来たのは、現代には時代的にあってない牛車。それも豪華な装飾が施されたVIP専用の乗り物だ。それに乗っているのは、Milkyもよく知っている。月の姫『詩月姫 あまね』だ。

 

 

 「あまあま!めっちゃ豪華なのに乗ってるやん!わざわざ月から来るのにそんなのに乗ってるのww?」

 

 

 「違うんだって………何か友達が助けたい人居るのを手伝いに行くって、そう言ったら、何かうちの両親も動き出しちゃって………何か何でも使えって言われて………それでこんなのを……」

 

 

 みるらが笑いながら見上げるのを、少し照れながら答えるあまね。みるらのところまで来て着地し、一呼吸入れてから話しかけてくる。

 

 

 「とりあえず、こっちの準備はいいよ。それにしても、みるみるがいきなり手伝って欲しいなんて、ビックリしちゃった。それだけ大事なんだね。その子を助けるの。」

 

 

 そうあまねは問いかけると、みるらはあまねに振り向き、答えた。

 

 

 「もちろんだよ。あれだけ頑張ってた子を、種族の価値とか、金のために人生台無しにするなんて、俺が置いとけるわけないだろ?」

 

 

 そう言ってニヤリと笑う。そして、あまねが準備を色々している時、通話が鳴る。手にとって確認すると、そこには、『みーちゃん』と書かれていた。

 

 

 「《もしもし?みーちゃん?》」

 

 

 「《みーくん!ぼくも行けるよぉ!!先にこっちで待ってるね!》」

 

 

 深依からの連絡は、先に地球で待っているという連絡だった。それを聞いたみるらは笑みを浮かべながら喜ぶ。

 

 

 「《まじで!?みーちゃん忙しんじゃ………》」

 

 

 「《うーん……えっとね?ぼくが追ってる組織の末端がどうやらそこにあるらしくてぇ、少しでも情報が手に入る。……って誤魔化したら派遣してくれてさぁ………ぼくもみーくんのお手伝いするからぁ!》」

 

 

 「《ありがとぉみーちゃん!こっちにはもうあまあまいるから後は鵺だけだね………ペン王は完全にあれに付きっきりだからなぁ………》」

 

 

 『ペン王』とは、みるらが古くから付き合いはあるものの、現在とある事件の調査に出てて、今回の事件には全く協力出来ないと見て、声をかけていない。みるらなりの気遣いだった。(ペン王さんに関しては、また別の機会に紹介しますby作者)

 

 

 「《それじゃ、ぼくは現場に行くね!!教えて貰った所に行けばいいよねぇ?》」

 

 

 「《そうだよ。その情報は確かな所に貰ってるからさ。みーちゃんも知ってる人だよ。》」

 

 

 「《あぁ!そうなんだ!じゃ、安心して行けるよぉ!バイバイ!みーくん!》」

 

 

 そう言って通話が切れる。そして、みるらは懐から煙草を取り出し、一服しようとする。………ふと、口に咥えようとしたときに手に持ってた煙草が無いことに気づく。

 

 

 「………おい。そこに居るんだろ?早く出てこいよぉ!鵺!」

 

 

 「仕方無かろう。少し遊んでやろうと思ってな………」

 

 

 みるらが呼ぶと、背後から、何処からともなく所々が明らかに人間ではない姿の男?が現れる。その人物は、奪った煙草に火をつけ咥える。そして、一服する。

 

 

 「いや、それ俺のなんよ?何勝手に吸ってんの???」

 

 

 「いや、じゃって……煙草を吸いたくなって、丁度取り出してる姿が見えたのでな。そのまま拝借させて貰ったわ。」

 

 

 「いや、自分の吸えよ!!!俺の勝手に取るな!」

 

 

 そう言って、みるらは煙草を取り返そうとする。

すると、鵺からこう答えられた。

 

 

 「なぬ?みるきーはこの煙草が欲しいのか?我と間接接吻になるぞ??」

 

 

 「いや、唐突にそういうこと言うな!!お前から箱ごと貰うわ!」

 

 

 等と、男特有の悪ふざけをしている。しかし、鵺が真面目な顔をし、みるらに語りかけてくる。

 

 

 「しかし、お主が人助け………しかも、現地で少し知り合った狼を助けるために動くとはな………」

 

 

 「………だってさ、その子。俺と同じ年なのに、働いてさ、孤児院にお金を渡したりご飯食べさせたりしててさ。それなのに、独り暮らしで配信も最近やりはじめて頑張ってた時にさ……こんなこと許せる?」

 

 

 みるらは噛斗の苦労や努力が分かっていた故に、今回の事が許せず、全力で助けに行くと熱弁した。そのみるらの気迫をみて、鵺はニヤリと笑いながら、こう答えた。

 

 

 「なるほど、それは許せんな。何、我が手に掛ければ、ちょちょいのちょいよ。」

 

 

 「流石鵺。頼りになるわぁ……ぃよ!大妖怪!」 

 

 

 みるらはそう言ってよいしょをして、ふざけあう。一通りふざけあい、笑い合うと、あまねから行けるとの連絡が来て、準備が整ったようだ。と内心で笑いながら、とある地点に立つ。

 

 

 「………さて、まぁこんなもんかな?俺らは。後は別に協力者がいるけど、乗り込みは俺らだけだし。」

 

 

 みるらは足をダンッと踏み込むと、足元の装置が起動し、動き始める。足元に広がる地形が、地球の方へ向くように広がり、そして光を出し始める。そして、それは虹の架け橋となり、地球へ伸びる。その光景をみて、みるらは満足そうに笑う。

 

 

 「もしもの時にさ、これ、作ってたんだよ。かっこいいじゃん?」

 

 

 「みるみる………いくら王子だからって………こんなことに………」

 

 

 「ふむ、良いものじゃな………我も虹に変色してみるか……?」

 

 

 あまねは、この大仕掛けをみてドン引きし、鵺は自分も虹色になってみるかと思考している。

 

 

 「いや、やめとけwwゲーミング鵺はまじで腹痛くなるからwあ、後な?これ、俺のポケットマネーで作ったから。」

 

 

 「え!?嘘!?こんな大掛かりのやつ、自分のお金で作ったの!?」

 

 「当たり前じゃん!自分で作らないと、他の人も使えるじゃん?だから俺専用で、俺の能力を使って作ったんだよ。これ使えば二時間で地球(あっち)なんて余裕だよ。」

 

 

 みるらはその言葉と共に、虹の架け橋へと乗り、歩いていく。鵺もその後に続き、あまねも恐る恐る乗って歩き出す。

 

 

 「ねぇ、みるみる。これって本当に2時間で着くの?」

 

 

 あまねは、素朴な疑問をみるらに伝える。そうすると、みるらはニヤッと笑い、

 

 

 「いや、別に一瞬で着くけど?」

 

 

 「ええ!?一瞬なの!?」

 

 

 と、答えた。それを聞いて、ビックリして大声を出すあまね。

 

 

 「ん?あぁ普通に二時間経ってるけど、もう少しで着くよ?この中だと、一瞬くらいの時間だけど、実際は二時間掛かってる。浦島太郎現象だね。あまあまはかぐや姫だけどねww」

 

 そう茶化しながら話すみるらを唖然として見つめるあまね。鵺は当然だと、そういう顔でみている。

 

 

 「さて、かみとっち。待たせたね………今、助けに行くよ……」

 

 

 そう言って、みるらは終着点の地球に降り立つ。

 

 

 

 

 

噛斗が売られるまで、残り………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 薄暗い牢屋の中、俺は閉じ込められてる。不味い飯、ある程度の清潔で居られる位の設備しかない部屋に閉じ込められ、俺は、売られるのを待つ。

 

 

 「………そろそろかな………」

 

 

 

 そう考えてると、遠くの方から足音が聞こえてくる。こちらに近づき、牢を開ける。

 

 

 

 「ほら!立て!!」

 

 

 第一声がそれだった。相手は俺に乱暴は出来ない。しかし、大きな音やうるさい金属音は、俺の耳には不快音だったので、大人しくしたがった。

 

 

 「………」

 

 

 

 その時が来てしまった………俺は………僕は……売られてしまうんだ………そう思いながら、僕は長い廊下を歩く。暫くすると、眩い光が目に飛び込んでくる。目を開くと、大勢の観客、そしてステージ。その中央に、ケージみたいなのに押し込まれ、閉められる。

 

 

 「さぁさぁ。今回の大目玉!!なんと、純種は喪われてしまいましたが、ここに絶滅種族のニホンオオカミの獣人が見つかりました!!!」

 

 

 大量の拍手が聞こえる……それは感涙や称賛の拍手ではなく、これからの期待、新たな金のなる木を見つけ、喜んでる汚い大人達の喜びの拍手だ。

 

 

 「今回は、男の狼獣人ですが!!珍しいニホンオオカミの血を引き継いでます!!そして、傷もなく、潔白な姿。調べたところ未使用!!どうですか皆さん!!」

 

 

 価値を引き上げるため、アピールポイントをどんどんあげる司会者………うるせぇなぁ……童○で悪いかよ………嫌になってくる。

 

 

 観客……いや、顧客の目を見てるだけで分かる。これは、金を、知識を、欲望を、それを満たすために来てるだけの奴らだと……

 

 

 「さらに!!!ある程度の技術力も持っており、学習能力もそこそこあり、何でも出来ます!!さぁ!!1000万から!!」

 

 

 

 それを皮切りに、どんどんお金が跳ね上がっていく。奥の方で、ニヤニヤと金額の方を見てる……俺を売った貴族は、満足そうに見つめてる。

 

 

 「さぁさぁ、4500万ですよ!?ニホンオオカミの、しかも!獣人です!!まだ増やせますよ!!この一人から増やせるんですよ!!どうしますか!?」

 

 

 金額は十分だが、それでもまだ跳ねあげてくる。それをみて、声を出して喜ぶ貴族。………俺にそんな価値はないのに、なんでみんなは種族の………もう滅んだ種族を求めるのだろう………ゆっくりさせてくれ。もう放って置いて欲しい………俺は、自由に、幸せに……日常を過ごしたかった………

 

 

 しかし、俺はそれが許されない。もう、俺は今後、実験台、ないし色々調べあげられるだろう……閉鎖した空間で、一人寂しく生きるのだろう……

 

 

 「さぁ!!ただいま7200万ですよ!?これ以上は居ませんか!?もう2度と手には入らないモノですよ!?」

 

 

 司会者は煽る………億に行きそうだなぁ………多分、億を目指してる。しかも行って満足するのではなく、もっと高く売りたいのだろう………でも、少し不自然だなぁ………俺の後の商品は無いのだろうか………オークションにこれだけ時間を掛けるものなのか………いや、考えるのはよそう………

 

 

 「一億!!!!さぁ一億と2000万ですよ!!!!ここで終わりですか!?」

 

 

 …………声をあげる人が少なくなってきている。それはそうだ。俺に価値はあるが、それで喜ぶ人間は少ない……コレクターとして買おうとする人とかは潮時なのだろう。研究グループや、大富豪しか、もうこの場を支配できる人は居ないのだろう………もし、買われるのなら、どうせなら………

 

 

 「俺は、みるくんが良いなぁ……天の川で、二人で………遊びたいなぁ……」

 

 

 本音が少し漏れた。あの時、俺を是としてくれた彼、MilkyWayくん。僕はあれで救われた。純粋に、努力を認められ、応援してくれる。僕より遥か上の存在なのに、それでも僕と仲良くしてくれた。天の川の王子。

 

 

 僕は君になら買ってもらっても文句は言わない。むしろ光栄だろう。ありがとう。僕を大切に思ってくれた存在。この気持ちは俺が死ぬまで心に潜めておこう。……少し重い感情かもな……でも、この状況なら、一番言いたい。俺は、みるくんに会えて良かった………あの時間が、永遠に続くと思っていた………

 

 

 だからこそ、もう、あの時の会話は辛すぎて切ってしまった。申し訳ないことをした………最後に謝りたい。………そして、俺は、伝えたい………

 

 

 「………助けて。って言った方が良かったかなぁ………」

 

 

 それは無理だろう。相手は、王子。暇ではあったが、俺のために力を貸してくれるとは………到底思っていない。だからこそ、あの時の別れが、丁度良かったのだろう………本当に、時間が止まれば良いのに………あの時の幸せな時間を返してくれ………俺は皆と、幸せに、平和に生きたかったのに!!!!!

 

 

 「……あぁ助けて欲しいなぁ………」

 

 

 そう思っているうちに、金額をみる。今の金額は一億8000万。それで良いだろう………早く終わらせてくれ………もう、これ以上余計なことを考える前に、終わらせて欲しい………助けて欲しい………

 

 

 「他に居ませんか!?よろしいですか!?」

 

 

 司会者が締め切ろうとする………ようやく終わる………この、長いオークションも………………これで、俺の人生が………終わる………ありがとう、ここまで育ててくれたマザー。そして、孤児院の皆も仕事場の人たち………そして、みるくん。ありがとう……俺に関わってくれた人達に………幸せあれ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ………なら、俺は二億3000万出すけど?むしろ、もっと出せるよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………………勢い良く、扉が開き、入ってくる人影が見える。一人ではなく4人。そして、そこから…………声が聞こえた。その声は、今までの汚い声(あいつら)ではなく、俺が、今一番会いたかった(許して欲しかった)人の声が…………聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 「お待たせ、かみとっち。随分待たせちゃったけど、迎えに来たよ。…………ぁあーー!!!間に合った~!!」

 

 

 「おい。みるきー。まだ終わっておらんぞ?」

 

 

 「さぁ~て。助けるよぉー。ついでにぼくのお仕事も終わらさないとねぇ……」

 

 「あの子がみるみるのお気に入り?……確かに可愛い……でも、あんなに衰弱してるなんて……許せない。」

 

 

 みるくん含め、4人が、僕を………俺を助けに来たらしい………その瞬間、僕は、涙が止まらなかった………嬉しかった………俺のために助けに来てくれたのが………

 

 

 

 「さて、かみとっちを売ろうとした、その報いはしっかりと払って貰うぜ………?」

 

 

 みるくんはそう言って、ニヤリと笑った。波乱の幕開けを、俺は感じ取った………

 

 

 

 「皆………行くよ!」

 

 

 

 「「「おー!」」」

 

 

 

 噛斗奪還作戦が、今、始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 感想やら何やら待ってまーす。第2章の応募も随時待ってるのでどんどん言ってください!!


 推しの名前変更により、修正しました。
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