真・女神転生 デビルアバター 【旧名 玉藻転生】   作:タマモナイン

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大幅に設定加えて、執筆修正しました。


序章 長月
9月30日 前編


ある晩、人里離れた山奥で月夜に照らされた1人の少年が立っていた。

少年は悪魔を使役するデビルサマナーを生業をする者である。彼は悪魔と呼ばれる異形の討伐を終えたばかりであり、仕事の紹介人に連絡している最中の出来事であった。

 

「たった今妖樹サンショウは今倒したところだ。うん、このまま寄り道せず帰る……っ!?!悪い、後でかけ直す!!」

 

慌てて謝ってすぐ通話を切った。

突然エネミーソナーがレッドゾーンまで反応していた…!

おかしい!いまはグリーンゾーンだった筈だ。あのウリの化け物は苦労して倒したばかりなのに…。それにここの異界は解けたはずだぞ…。

 

「ちぃ…新手の悪魔か?回復アイテムは切れたし、アマノウズメを召喚しようにも戦闘不能だしな……。なんて厄日なんだよっ!!」

 

舌打ちをしつつも抜刀し、悪魔を迎え討つべく迎撃態勢に移した。

しかし、妙な胸騒ぎがする。

 

「まずいな…。足元は暗くて戦いにくいし、ここは動かず様子見だな…。うまい具合に行けばやり過ごせるかもしれない‥」

 

無事にやり過ごせることを祈りつつ嘆息した。

ついさっき妖樹サンショウとの戦いで、体力が相当消耗しているためにジリ貧は避けたい。

そう思った時である。

 

「…なんだ?!この感覚は……」

 

忽然身に寒気が駆け上がり、心臓の鼓動音が警報のように俺を揺さぶっている。

 

どくり!どくり!どくり!

どくり!どくり!どくり!

どくり!どくり!どくり!

 

こっちに何かが近づいている。

禍々しい者……異質な気配……

そして、何かが呼んでいる……

 

俺はその場に立ち尽くしたまま、感覚を研ぎ澄まして周囲を探した。

 

《があああああっっ!》

 

突然、頭上から絶叫が躍りかかった。

そばの木の上から、突然悪魔が鋭いカギ爪を振り上げて急降下してきたのだ。

俺は刀を横に薙ぎ、身を翻した。

 

「そこかよ!」

 

間一髪、悪魔の爪を回避する。

姿を現した悪魔は一本角は生やした小学児童サイズの背丈の鬼だった。

鬼の顔は悪意に歪み、小柄な体は瘤状に盛り上がった筋肉の鎧、伸びた四肢には鋭い爪がある。

鬼。古代神話の時代から、日本の闇に潜む魔物。

化け物は獣の臭いをまき散らし、視線は俺を狙っていた。

 

「チッ!勘がいいな、人間の小僧!この石ころがここに強く反応を示すと思って見にきたが…、原因は貴様だったとはな!」

 

悪鬼は舌打ちし、禍々しい石を俺に見せつけてにやりと邪笑した。

あの禍々しい石を細めるが、石への興味よりあの鬼の情報を優先に決める。》

 

「なんだ、あの石は…?それより先に《アナライズ》だな……」

 

左腕に装着しているCOMP…【ガントレッド】を操作しようとした時、悪鬼の爪が振り下ろされた。

 

「しねぇえぇ!」

 

悪鬼の叫びと同時に、俺は後ろに一歩退いた。俺の前を通過した鬼の爪は傍の木をめり込み、太い幹を切断した。

背筋が凍るが、避けた俺は【ガントレット】の操作に集中していた。

 

「〖アナライズ〗完了!」

 

〖アナライズ〗を終了すると、ディスプレイに鬼の情報が一気に表示された。

俺は瞬時に、解析された鬼の情報を目に焼き付けた。

 

「(種族は邪鬼、名前はアマノサクガミか…。各地の神社や寺院から祭器や呪物をぬすんでいるだと?!)」

 

心の中で鬼の情報を呟くと、刀…新刀を鬼の脳天へ斬り込んだ。

だが両手には重い衝撃が伝わってきた。

 

「くっ、固い!効かないだと…」

 

「そんな非力な一撃など痛くも痒くもないわ!お返しに死ねぇぇ!」

 

鬼は叫びと共に、再び鋭い爪を裂いてきた。俺より小柄な体であのスピード!

俺は生来の反射神経で斬爪を躱し、小鬼を隈なく見下ろした。

さっきから心臓の鼓動が激しく、心臓がある左胸を手で抑える。この化け物が現れてから、より一層心臓が何かの呼びかけに反応しているように思えた。

そして、俺は奴が握っているものを見る。

 

「おい、化け物。さっき石とか言っていたよな…。お前が今、その左手で握っている黒く光るものは何だっ!」

 

鬼の左手に握っている黒い石の欠片を刀で当てるようにして言った。

鬼は喜んで笑う。邪悪に歪んだ笑みはまさしく悪鬼そのものであった。

 

「この石がそんなに知りたいか、小僧。いいだろう…、教えてヤロウ。この石はな……チッ!?」

 

鬼…アマノサクガミは黒い石の破片の事を喋ろうとした瞬間、再び舌打ちをして上を見た。

 

 

………………‥見つけましたわ、アマノサクガミ…………………

 

 

何処からなく女の声が聞こえた瞬間、エネミソナ―に新たな反応と同時に全身が虚脱感に見舞われる。

 

「くっ、何だ。一瞬力が抜けるように感じたぞ、それに新手の反応かよ…。おい、アマノサクガミ!どこを見ている!!」

 

よそ見している鬼の名を言うが、鬼は俺に構わず厄介そうに上を見ていた。

俺も気になって視線をチラッと上を見る。

そこには、月の光を後光のように纏った人影が太い枝の上に立っていた。

美と戦慄が香り立つ。

 

「桃色の髪を靡かせた人影……。あれ?頭に獣耳がついている少女だとぉ!?」

 

夜風に靡く大きなリボンで結った桃色の髪は月光に艶めき、俺たちを見つめる双眸は星より美しい。胸元を露にした大胆にアレンジされた青い和服を纏った狐耳のや尾を持つ少女であった。

あの姿はまさしく悪魔であり、狐耳の少女が放つ美は魔性そのものだった。

戦慄をも纏った狐耳の少女から、俺は視線が離れなかった。いや心まで魔性に捕らわれてかもしれない。総毛立つほど美しく、魅入られるほど恐ろしい悪魔だった。

 

「…あんたは誰だ…」

 

「うげ!?見つかってしまった!!」

 

だが俺の問いを掻き消すように、アマノサクガミが大声で叫んだ。俺はここで我に戻り、双方を見る。

気まずそうにしているアマノサクガミを、狐耳の少女は冷たい視線を送っていた。

あの狐耳の少女はアマノサクガミに対して、宛がう様に指して不敵な笑みをする。

 

「ふふふ。この私の第七感(フォックスセンス)にかかれば、何処に逃げても無駄無駄ってもんです♪飛んでいる火にいるバタフライとはまさしくこのことです。アマノサクガミ、どうとっつかまえて料理してやりましょうか。ふっふふ!」

 

もしかしてアマノサクガミの奴…、あの狐耳の少女に追われていたのか。それに何よりもアマノサクガミが蛇に睨まれた蛙のように体が動かないのが証拠だ…。

しかし、彼女のあの笑みに危険を感じる…。あの眼…間違いなく獲物を追い詰めた狩人の目だ…。

この場から逃げるべきか考えるが、妙に狐耳の少女に近親感を感じる。

そう思ってた時である。

 

「アマノサクガミよ、伊邪澄神社から殺生石の欠片を盗んだ狼藉…。 

例え月が許してもこの太陽の化身であるこの私が許しません!」

 

狐耳の少女は腰に手を当てるポーズでアマノサクガミにヒーロー宣言をした。

その場で空気が凍り付き、俺はぞっと精神的な疲れが出てきた。

 

「最初のシリアスな展開どこにいったのやら……」

 

さすがに聞いているだけで耳が痛い。

そんなオレに対して、一瞬だけであるが殺気を消した狐耳の少女の視線を感じた。

 

「(俺を見ているのか…!まるで魂魄を見透かれている気分だ……。まさかあの狐っ娘は稲荷神の使いか?もしかして俺の秘密に気づいたのか!!)」

 

「……(アマノサクガミとの鬼ごっこの果てに、まさかこのような場所で637年の時を超えて私の魂魄を宿す者に出会うとは…。じゅるり…、これはまさしく運命!)」

 

あの狐耳の少女の邪な視線を受けて、ゾクッと鳥肌が立った…。

 

「何だ…?一瞬悪寒が走った…」

 

「小僧…、あの女狐に獲物として狙い定めラレタナ。俺様まで巻き込むなヨ…」

 

先程まで動けなかったアマノサクガミが被害者面して言う。その台詞はそのまんまお返しするわ…。

今はそんな事より状況把握が優先だ。この悪魔二体の様子を見ている限り…、アマノサクガミの奴は《殺生石の破片》を盗んだと、あの狐耳の少女に言ってよな……んっ!?

 

「(何だって、《殺生石の破片》だとぉぉぉぉ!この胸騒ぎの正体は奴が持っている石のことだったのかぁぁぁ!まずい、まずいぞ!)」

 

《殺生石の破片》の破片を見て、心当たりのあることを内心で叫んだ。

その心当たりとは、今無きお袋から幼い頃に毎日聞かされた昔話である。それは同時に死んだお袋と誰とも言わない秘密の約束であった。

 

 

かつて、玉藻の前という日本三大源翁心昭化生・白面金毛九尾の狐が殺生石に封印された。

しかし、封印された玉藻の前の憎悪や怨念は毒気となって周辺にばら撒き、大勢の人の命を奪っていった。

その後、源翁心昭という徳が高いお坊さんによって、殺生石をハンマーで粉々にかちわって事件を解決した…。

ここまでは玉藻の前に関する伝承話だが、実はその話には裏がある。その坊さんが殺生石をたたき割る前、こそっと玉藻の前が二度と元の肉体に受肉できないように玉藻の前の「魄」を抜き取ってしまったと言う。

坊さんは、殺生石から奪った玉藻の前の「魄」を困ったことに、自分の子供たちの体内にこっそりと一尾分ずつの「魄」を封印したという。それ以後、その坊さんの子孫たちが玉藻の前の「魄」を受け継いでいるという話である。

 

 

死んだお袋が何故その秘密を知っているかと言うと、お袋の先祖がその坊さんである。その秘密は子孫代々に口伝として語り継がれ、俺にもその秘密を知ると同時に受け継いでいる。

死んだお袋のことは10歳の頃に死んだからよく覚えてない。但し、お袋が言ってたことは頭の片隅に残っていた。

死んだお袋曰く、俺が玉藻の前の「魄」を宿していることである。

それまで数百年くらいの間、玉藻の前の「魄」に適した器というか子孫がいなかったということだ。

その為、ほぼ玉藻の前の「魄」は休眠状態だったらしいが、俺は玉藻の前の「魂」にお目が叶う逸材の器だったらしい。

そのおかげで幼少の頃から幽霊が見えたり、狐憑きにあったりとハードな人生を送っていたらしい…。

少し話がずれたが、「魄」というのは肉体に宿る陰の気であり、「魂」は肉体に宿る陽の気と言われている。そして、肉体には魂と魄が宿っている。

特に「魄」は肉体の活力を生み出すものであり、ぶちゃっけMAG…マグネタイトのことである。

まさかこのような展開を迎えるとは…。

 

「よりにあって、あの話を今頃おもいだしちまうとは…」

 

まさにこの展開は最大最悪そのものだ!

この話を意識したせいで、心臓の鼓動が早くなる。

 

一方、アマノサクガミと狐耳の少女だが…。

 

「この私を無視して何処を余所見しているんですか、アマノサクガミ。まさか隣にいる私のイケメン魂を奪おうと魂胆じゃないでしょうね!」

 

「うげっ!お前の存在、忘れていた」

 

アマノサクガミの一言により、狐の耳の少女のこめかみに青筋が浮かび上がった。

いやそれどころじゃないとうか、あの狐耳の少女が俺に対して言ったことだ。

 

「あんた、今俺をイケメン魂ってと言ったよな?!」

 

「おっほほほ。なんのことやら!狐耳がピコピコと痺れるこの感じ。ここは愛しの運命の相手に会ったと喜ぶべきかと!」

 

「人間の小僧…、お前哀れだな…」

 

はっきり自分の物になれと宣言しやがったよ、あの狐の耳の少女! それに俺に哀れな目で同情するアマノサクガミ。

これは漫才ですか?付き合っている俺まで、調子が狂ってしまう。

そして、狐耳の少女はアマノサクガミに威圧感バリバリに剝きだして、ギロっと睨んだ。

 

「アマノサクガミ…、これからあなたを殺します♡ 

 この身は黄帝陵墓の守護者にして、崑崙よりの運気を導く蔭の気脈!金色の陽光弾く水面の鏡!

 いざ参ります。ラブリー・サンシャインMAX!」

 

狐耳の少女がセーラームーンのような決め台詞と”キラッ!!”とポーズを決めた瞬間、またもやこの場に空気が凍り付いた。

見ていた俺ならずアマノサクガミまで、ドン引きでげんなりした。

あの狐耳の少女は俺とアマノサクガミの姿を見て、羽目を外したことに気づいた。

 

「あ、あれ?しまった、滑った。悪ふざけはOUT?」

 

俺らは揃って頷いた。

さて…これ以上、この場にいたら危険である。まして【殺生石の破片】とあの狐耳の少女とは関わりたくない…。

その時、おれはここで左胸をおさえた。心臓の鼓動が【殺生石の破片】と狐耳の少女が現れてから、共鳴あるいは拒絶するように激しく動いている。

 

―――――我を解放しろ、今宵の星のように

―――――私たちは再び一つに戻るのだ

―――――吞まれるな、交わるのだ

 

なんだ、この声は。

俺以外の誰かが、俺の中で呻いている。

俺はその言葉に怯えて、全力疾走でこの場を走りだした。

この場に残された悪魔二体はポカーンとしていた。

逃げ出す俺の姿を見たアマノサクガミは本来の目的を思い出した。

 

「…こんな阿保狐に構っている暇がなかったのを思い出した…。あっ!俺を置いてけぼりにするな!」

 

俺の後を追う様にアマノサクガミは獣のように四肢を四足歩行で走り出した。

ここに一体だけ取り残された狐耳の少女は、わなわなと拳を握り締めた。

 

「――――うっふっふふふふ、あッははははは……。”ぶっ殺すっ!!”……といいたいところですが、すーはー」

 

突然笑い出した彼女は、一呼吸してから怒りと殺気を抑止する。

 

「危ねぇ、余りの怒りで太陽を爆発させるところだったぜ…。この私を無視してあの野郎ならずイケメン魂まで逃げるとは…。こんな屈辱、安倍のヤロウ以来です」

 

逃げている俺たちの方角を見ながら、彼女の丁寧の言葉使いが荒くなるほど苛立っている証拠である。

 

「この絶好の機会を逃したら、またもやアマテラス様に見限られるどころか、折角念願叶って巡り合えた「魄」いえ私の一尾を逃げてしまう始末!このまま一石二鳥ならず百害あって一利なしです!」

 

そう言うと狐耳の少女は腰を低い姿勢で構え、全身から膨大なマグネタイトのオーラを全身から放出させた。

 

「奥の手をお見せしましょう!

 目覚めやがれ、私のコスモスいえマグネタイト!

 いきます!一合、二合、大・天・罰!

 いざ散りやがれ!この太陽爆発面脚を喰らいやがれーーー!」

 

闇夜の空を照らす月の光より輝く太陽の化身が繰り出す跳び蹴りは、自ら邪悪な悪鬼を滅ぼす破邪の矢となって解き放たれたのだ。

破邪の矢は音速を超えて俺たちの元に近づいてくる。

そんなことを知らない俺は全力で走っている途中、背後の方から遠くアクマサクガミが必死な形相になって追いかけてくるのに気づいた。

 

「俺を囮にして、自分だけ逃げるなんて卑怯だぞ!」

 

「げっ、ばれたか!近づいてくるな!」

 

奴に構うことなく、ただひたすらこの場から離れたい一心でさらに加速した。

すると後ろから自動車のヘッドライトに照らされたような光が俺の身にどんどんと包み込んでいく。

そして、急激に全身が虚脱感が襲う。

 

 

――――――お前はかつて一つだったもの

ーーー―――この運命から逃げられない

――――――それがお前の選択だ

 

なんだ、この声は…。それも女の声が聞こえてくる…。力が入らない…。

 

 

―――――――『言葉に惑わせるな、汝こそが我の器!今宵を持ってその体を明け渡すのだ!』――――――

 

 

今度は男の声が脳内に響き渡る。言い返したい気分だが、さらに力が抜けて走ることが出来ない…。

このままだと、アマノサクガミに追いかけられて食い殺される…と絶望感を抱いた時だった。

 

「ぐぎぃぃぃぃぃっ!」

 

後ろからアマノサクガミ悲鳴が、鼓膜に響く。

 

「一体…何が起きたんだ…?」

 

後ろに振り返った瞬間、強烈な閃光が周囲に拡散した同時に俺に左胸いや心臓に硬くて鋭い何かが突き刺さった。

シャツの下を流れてくる滴を感じて、俺は胸元に手に入れた。

すると俺のゆびが………ぬるり、と滑った。

見下ろした掌には赤い鮮血。いつの間にか俺の胸は、黒くて鋭利で固い物即ち【殺生石の破片】に撃ち抜けれた。

そうだ、魔石!俺は必死に傷口を塞ごうとする、だが回復アイテムは切れて、出血が止まらない。動揺し、死の恐怖をした。

 

―――ーこのまましぬのか

ーーーーだが、なぜこんな目に遭うのだ

 

生まれて初めてこんな夜に、俺は平和だった朝を無性に求めていた。

 

「…眩しいな」

 

もう朝かと前を見た時、真正面から全身に輝く狐耳の少女がライダーキックで突進してくる姿を見た。

 

「えっ!?なんでお前が!?」

 

思わずそのライダーキックの姿に驚いて、今の状態では避けられないと悟った。

あの狐耳の女悪魔の全身の輝きは、明鏡止水でも目覚めたのか。

そういえば、アマノサクガミはどうしたんだ?まさか悲鳴はもしかして奴か?ライダーキックでキルオーバーされたか…。

逃げようにも、身体に力が入らない。

立ちどまる俺の姿を見て、彼女は驚いた。

 

「ちょっ!なんでこんなところに貴方様がいやがるんですの!

 ハリーハリー!間に合いませっ――――!」

 

その声を聞こえた瞬間、骨格が砕かれるような衝撃を受けた。

俺は狐耳の少女のライダーキックを喰らって、閃光に包まれて意識を途絶えた…

 

……………

………

 

 

『――――めよ、長峰勇真よ…』

 

――――女の声…?誰だ。俺を起こそうとする奴は?

 

俺はその声に導かれて、瞼を開けた。

 

「ここはどこだ?知らない天井だな…」

 

『漸く目覚めおったか、人の子よ…』 

 

『どうかお許しください。長峰勇真さん…』

 

目覚めると隣に知らない女性の声と、もう一つ聞き覚えがある声が聞こえた。

俺は瞼をはっきりと開き、上半身をむくっと起き上った、そして、声がした方に振り向く。

 

「…………ここはどこ?あんたらは誰??そしてここは?」

 

俺の目の前に、太陽のように神々しい黒髪の長髪、太陽の形をした冠、白い衣を纏った大人の女性とあの狐耳の少女が全裸で土下座をしていた。

俺が見ると、二人の名乗りだしてくる。

 

「そう驚くではない。この状況に理解を苦しむのが分かるが、順序良く説明してやろう…。自己紹介が遅れたしまったが、妾の名は大和神族の長にして、天津神の最高神アマテラスであるぞ…」

 

「私は先日アマテラス様から高位分霊として人格を与えられ、【妖獣タマモ】から【女神タマモノマエ】になったタマモノマエと申します…。それであなた様を巻き込んで、その命を奪ってしまいました。心からお詫びを申し上げます。」

 

威風堂々と名乗るアマテラスと深々と地面に擦るように土下座するタマモノマエ。

なんで俺の前に日本で有名な神様と大妖怪がいるんだ?!

 

「なんでやねん?!」

 

おれにはそれが理解できなかった…。

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