『みなさん、大変です!今回の放送はピーがピーとなって××になっちゃうんです』
「宇美と」
「佳和の」
「ギャラポリ放送局!」
「こんにちは~。もうすっかり夏ですね。熱中症に気を付けてお過ごしください。ギャラクシーポリス広報課の星乃宇美(ホシノウミ)です」
「紫外線と暑さでバテ気味のモロコシフラワー星出身の永遠の17才。天野佳和(アマノカワ)です」
「佳和さん暑さに弱そう。向こうは年中温暖って、お話でしたもんね」
「そうなんですよ。こんなに暑いと、お客さんの反応も悪くて…」
「何でも汗をかけないみたいですね。この前一緒にスパに行った時も…」
「汗はかきますよ。ただ、人間みたいに体温調整機能がないんですよね」
「そうなんですか?」
「はぁ、はぁ…ダメ…私、もう無理…」
「わわっ、すごい汗。顔も真っ赤になって、大丈夫ですか?」
「演出です。汗と涙は自由自在です」
「もうっ、心配したじゃないですか」
~ギャラクシーポリスからのお知らせ~
「パパ~、空から女の子が!」
「パパは今、忙しんだ。ママに聞いて」
「ママ~、空から女の子が!」
「ママは今、手が離せないの。パパに相談して」
「え~、じゃあどうしよう…」
「そ~んな時!」
「これまでの常識では考えられない、奇妙なことに遭遇したら#○○110のギャラクシーポリス相談窓口へ。尚、緊急時には110をご利用ください」
「それでは今回も張り切って参りましょう」
「週刊ギャラクシーニュース!」
「まずはニュース速報です。今朝発生した幼稚園バスハイジャック事件ですが、犯人のショリータ星人が投降しました。投降した理由は現在聞き取り調査中ですが、犯人が異星人だと判明してギャラクシーポリスに応援を頼んだところ、犯人の態度が一変、『奴が来る前に』と投降したとのことです」
「犯人さんが賢明で助かりました。もしすぐに投降していないと、今頃は大変なことになっていたでしょうね。でも何故幼稚園バスを?」
「惑星ショリータでは子供の涙が美味とされており、最近地球産の子供の涙が特に高額で取引されているとのことです。ただ、最近では涙の回収が難しく、効率的に涙の回収をしようと幼稚園の送迎バスを狙ったものではないかと思われます」
「またずいぶん無謀なことをされましたねぇ」
「計画もずさんですし、警察ではその背後関係もこれから調べていくところです」
「放送をお聞きの皆さんも犯罪は決して行さないように」
「ギャラクシーポリスは優秀なメンバーがそろっています。どんな犯罪も見逃しません」
「以上、ギャラクシーニュースでした」
「お隣の異星人さんって、どんな人?」
「このコーナーは地球で生活している異星人さん達の生活や習慣、特性をお聞きするコーナーです」
「今回のゲストは戦場に咲く一輪の薔薇、ギャラクシーポリス生活安全総務係のインフェリシタス人のヘリアンテスさんです」
「…なんですが、少し遅れているようですね」
「ギャラフォンのGPSによると、もう近くまで来てはいるようですよ」
「今受付から連絡がありました。間もなく到着とのことです」
「仕方ありませんね。それではヘリアンテスさんがいらっしゃるまで、私の歌でも…。聞いてください、永遠の17歳、天野佳和の代表曲、『あなたの心にチェックイン!』」
「ちょっ~と、お待ちなさいっ!」
「わわっ、ヘリアンテスさんっ!?どうしたんですか?服もずぶ濡れでぼろぼろじゃないですか」
「ちっ、もう少しで歌えたのに…」
「それが、放送前に緊急出動があって…」
「今朝の幼稚園バスハイジャック事件ですね。事件はギャラクシーポリスが到着する前に犯人が投降したと…」
「さっき、ニュースで放送しましたよ」
「それがひどいのよっ。事件はすでに解決したの一点張りで、現場は解散、子供たちにも会えずじまいですわっ」
「あらあら、犯人さん以上に警察も賢明ですわね」
「何かおっしゃいまして?」
「ほらっ、佳和さん」
「ほほほほほ。でも、何故そんなにぼろぼろに?」
「それが、甘いものでも食べて落ちつこうとカフェに入ったんですけど…注文は忘れられるし、近くの幼稚園では運動会やってるし、ギャラフォンをカフェに置き忘れたことに気がついて取りに戻って、あわてて駆け付けてきたら、最後はゲリラ豪雨に落雷直撃ですわっ」
「相変わらずの不幸体質ですね」
「一部自業自得に思える部分もありますけど…」
「それより、先ほどのお知らせ、あれはどういうことですの?」
「どういうこと?と申しますと?」
「何かおかしなところありました?」
「男の子の連絡先ですわっ、連絡先。ああ、空から女の子だなんて、なんて羨まし…いえ、この男の子の純粋な悩み事、淡くて切ない少年少女のボーイ・ミーツ・ガール、これこそ私にふさわしい案件ではなくて?」
「まあ、あれはお知らせ用のフィクションですから」
「まずは相談窓口で受けて、内容によって然る部署で対応ですね」
「だまらっしゃい。これだから日本の警察は対応が遅いと言われるんですわ。放送を聞いているお坊ちゃま、お嬢様~、みんなの悩み事はヘリアンテスお姉さんのギャラフォン、030の…」
「ストーップ、ストーップ!」
「個人のギャラフォンの番号を公共にさらすのは規律違反ですよ」
「いいえ、将来を担うお子様たちのためですわ。みな様、メモのご用意はよろしくって?私の番号は…」
ピーッ、ガーッー
「なっ、なんですの?」
「なんだかマイクの調子がおかしいみたいですね」
「とりあえず、一旦マイクの電源を入れなおしてみてください」
「あら、今度は電源が入りませんわよ」
「故障でしょうか?」
「それじゃあ、わたしのマイクを貸しましょう。私たちは二人で使いますから」
「ありがとう。えっと、なんでしたっけ?」
「自己紹介、自己紹介をお願いします」
「そういえばまだでしたね」
「それではみなさま、開始から大分時間がたってしまいましたが、改めまして。今回のゲストは警視庁 公安部 外事特課 生活安全総務係のインフェリシタス人のヘリアンテスさんです」
「ぱちぱちぱち~」
「えっと…コホン。生活安全総務係のヘリアンテスです。地球の皆様の生活の安全と平和を守るため、惑星インフェリシタスのイグニース王国から来ました」
「そんなヘリアンテスさんにはファンも多く、今回ゲストにいらっしゃるということで、多くの応援メッセージが届いています。今日はその中の一部を紹介いたしましょう」
「こちらは文京区の小学一年生の男の子からのビデオメッセージです」
「あら、まあ。なんておいしそう…いえ、利発そうなお子様」
「放送をお聞きのみなさまには映像がお見せできなくてすみません。音声のみお楽しみください」
「それでは再生しますね」
「さっ、早くなさい」
「ヘリアンテスさん、目が血走ってますよ」
ピッ
『ヘリアンテスのおねえちゃん、こんにちは…』
ピーーーーーッ
「あら、動画止まっちゃいました」
「『このファイルは破損しています』って、出ていますね」
「もうっ、どうなってますの」
「大丈夫ですよ。他にもいっぱい来ていますから。別のにしましょう」
「あっ、佳和さん、その動画は…」
ピッ
『はぁ、はぁ、ヘリアンテスさん、いつもニュースで拝見して応援しています。ぼっ、僕はカメラが趣味で、ヘリアンテスさんの情報を見つけては、いつも現場に駆けつけているのですが、なかなかタイミングが合いません』
「なっ、なんですの?この暑苦しそうなおじさんは」
「あちゃあ~」
「まあ、熱心なファンさんですこと」
『でも、この前やっとお会いすることが出来ました。ただ、その時にちらりと見えた下着はヘリアンテスさんのイメージ゙とちょっと違うかな?と。僕のイメージとしてはもっと清楚な…あっ、これはその時に撮った写真を拡大したものですが…』
「汚らわしいっ、成仏なさいっ」
「だめっ、室内で炎の魔法は!」
ジリリリリー。
「大変だっ!スプリンクラーが作動したぞっ」
「機材が水浸しになるっ!退避だっ。早く機材を避難させるんだ!」
「放送をお聞きのみなさま、申し訳ございませんが、今回の放送はこれで中止ですっ。また次回!」
「やっぱり、ヘリアンテスさんが来ると無事には収まりませんね」
「もうっ、信じられませんわっ」
~♪エンディング~