最強提督物語〜大海原を駆ける戦士達〜   作:鬼武者

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第十九話髑髏兵の攻撃

スパイ拘束から1週間後 アメリカ合衆国 某州 某所

「まさか君がやられるとはね。トバルカイン君」

 

黒ずくめの初老の男が、目の前に立つトバルカインに話しかける。

 

「いやはや、面目次第もありません」

 

「の割には、案外うれしそうに見えるね」

 

「痛み分けではあるものの、実に楽しめました。私の副官達の言う通り、とても強い男ですよ」

 

「そう言えば君の副官達は確か、艦娘を助けたそうだね。顔を見られてはいないね?」

 

「えぇ。彼ら曰く、能力も使ってないそうですから問題ないでしょう」

 

副官達というのは、前作に出てきて翔鶴と瑞鶴を助けた謎の三人の男達である。実はあの3人はシリウス戦闘団の副官であり、トバルカインの前に居る男はシリウス戦闘団の団長である。

 

「それは上々。今後とも我らは監視に重きを置き、基本は介入はしないようにな。艦娘、霞桜、日本、そして長嶺雷蔵。いや「煉獄の主」には、生きていて貰わないと困る」

 

「上からは未だに「霞桜を殲滅後、艦娘の情報を奪い日本を抹消せよ」と命じられたままだと言うのに、かたや部下である貴方は真逆の事をする。良くやりますよ」

 

「当然だとも。世界を上の奴らの思い通りにはさせない。その為にも、君や副官の彼らにも頑張って貰わねばな。取り敢えず、君は任務に戻ってくれ」

 

「承知しました」

 

トバルカインは胸に手を添えて、優雅なお辞儀をして部屋を出ていく。いなくなったタイミングで、初老の男性が呟いた。

 

「ホント、彼は面白い」

 

手には長嶺の写真が握られていた。

 

 

 

同時刻 太平洋 エンタープライズ艦上

ところ変わって、ここは太平洋の洋上。現在長嶺はレッドアクシズとの決戦に出撃したアズールレーンに同行し、レッドアクシズの本拠地へ向かっている所であった。決戦という事もあり、アズールレーンのほぼ全戦力が出撃しており、その眺めはとても壮観である。

本来であれば鴉天狗を出して先陣でも切らせたいが、一応秘匿兵器である為そう簡単には出せず今はエンタープライズで世話になっている。

 

「長嶺、調子はどうだ?」

 

後ろから海風に長い銀髪をたなびかせながら、エンタープライズが近づいてくる。

 

「すこぶる良好だ。この辺は一応安全海域だから深海棲艦の襲来も多分ないし、目的地までは船旅を満喫するつもりだ」

 

「部下達は連れて来なくて良かったのか?」

 

「あぁ。不穏な臭いを発する情報が入ったから、一大隊には本拠地の防衛を任せてある。まあ今回の戦いには直接影響はしないと思うし、お前達には関係もない事だから気にしなくていいぞ」

 

「そうか」

 

この「不穏な臭いを発する情報」とは、勿論前回の最後に出てきたCIAの件である。

あの後、潜入に強いカルファンがCIAに入り込み、日本国内での諜報員の情報収集と万が一の防諜のために、裏社会に顔の効くベアキブルが動いている。グリムとレリックも電脳世界での知識や技術を活かして情報を集めており、マーリンとバルクは緊急時に備えて、24時間のアラート待機に入っていたりと大忙しである。

因みに今回の大艦隊についてもグリムが衛星をハッキングして写らないようにしている為、他国にアズールレーンやレッドアクシズの存在はバレないようになっている。

 

「主様」

 

犬神がいつもの愛くるしい感じではなく、戦闘時のような低い声で長嶺を呼ぶ。

 

「どうした?」

 

「この戦い、注意した方が良いよ。何か変な気を感じる」

 

「変な気か。お前らの勘って、恐ろしい程に当たるからなぁ。用心しておこう」

 

この犬神が感じた変な気は、幸か不幸か的中していた。今は長嶺や犬神も含めて知る由もないが、この後の戦いは色んな意味で頭痛の種が増える事となる。

約半日の航海で、天候は一気に変わった。日没後、突如艦隊は嵐に襲われて、駆逐艦の子達は飛ばされかけたりと大忙しである。

 

「おーおー、荒れてんなぁ」

 

そんな中長嶺は刀を携えて、堂々と艦種に立つ。その体幹の良さで、波で上下左右至る方向に揺れまくっている艦の上でも、全く動じずに荒れ狂う海を眺めていた。

 

(犬神の言っていた「変な気」、俺も感じる。多分この戦いは、レッドアクシズやアズールレーン、まして日本でもない「第三の勢力」が横槍を入れてくる気がしてならん)

 

「せめて亡霊共(・・・)出ない事を祈ろう。アイツらの居場所はもうこの世に存在してないし、してはならないのだからな」

 

次の瞬間、上空から赤い稲妻が降り注ぎ、艦隊は別の海域へ転移した。それも謎のオブジェと火山がある、見た事もない海域である。

 

「おいおい、もう何でもありか。艦隊ごと転移とか、何処の宇宙戦艦だよ」

 

最早凄すぎて呆れた長嶺は、半ばヤケクソ気味なコメントを語る。これまで数ある戦いを制した長嶺でも、こんな謎空間に転移させられたのは初めであった。

 

「ようこそ、私の海へ。歓迎するわ、アズールレーン」

 

よく見ると火山の正面に、赤城が浮遊して此方を見ていた。今度はその真下からセイレーン艦が大量に出てきて、瞬く間に目の前がセイレーン艦で埋まる。

 

「もうどうでも良いや。八咫烏、犬神。やっちゃいなさい!!」

 

安定の巨大化で本来の姿に戻り、敵艦隊へ攻勢を始める。一方、ロイヤル艦隊も動き始め、セイレーン側も艦載機を発艦させている。

 

「行きなさい、王家の戦士達!!」

 

エリザベスの号令に合わせ、ロイヤルKAN-SEN達が飛び出して艤装を纏い、セイレーンへの攻撃を始める。それに合わせてユニオン側も艤装を纏い、ロイヤルの後に続く。

 

「優雅は伊達じゃありませんよ」

「ドカンとやっちゃう!?」

「がんばる.......」

 

セイレーン艦とのドンパチが始まり、一段落つきそうなタイミングで今度は、重桜艦隊が海域に現れる。

 

「重桜も出てきた事だし、そろそろ俺も動こうか。子鴉!!」

 

安定の七機の黒いスーパーフェニックスが焔の旭日旗を空に描き、その中から巨大な戦艦が姿を現す。

 

「アレが追撃隊の言っていた、長嶺雷蔵の真の力か」

 

加賀がそう言うと、零戦に飛び乗って一気に長嶺の元に迫る。

 

「長嶺雷蔵。まさか貴様が、こんな巨大な艦を身に宿していたなんてな」

 

「一応これでも、日本を護る守護者だからな。先に忠告させて貰うが、俺との勝負は辞めておいた方がいい」

 

「ほう、怖気付いたか?艦の大きさの割には、小心者か」

 

加賀は完全に「敵と戦いたくないよぉ」という情けない理由で拒んでいると思っており、舐め切った表情で笑っている。まあ勿論、正反対の理由で長嶺は止めているのだが。

 

「何も怖い訳じゃない。ただ単にお前程度では、俺を倒せないからだ。その証拠に、後ろを見てみな」

 

「一体何が.......!?」

 

後ろを振り向くと謎の素早い航空機がセイレーンと重桜の戦闘機を、見た事もない兵器で殲滅している姿であった。

 

「あの機体の名はF27スーパーフェニックス。高い機動性と速度で1機で1000機の相手ができる、一騎当千を形にした様な機体だ。そして俺自身も」

 

そう言いながら兵装を操作し、主砲を手近のセイレーン艦に指向して撃つ。セイレーン艦5隻をぶち抜いて、一撃の元に海へと沈めた。

 

「こんな感じに強い。で、それでも戦うか?」

 

「.......預けていた方が良さそうだな」

 

そう言うと加賀は、今度はエンタープライズへの元へと向かって零戦に跨り飛んでいった。

 

「さあ!暴れるとしようか!!!!!」

 

機関出力を一杯にまで上げて、敵に肉薄攻撃を仕掛ける。

 

「此処は通さないぜ!!」

 

「ハッハー!!雪風様の幸運を前に、跪くのだぁ!!」

 

「邪魔だ!!」

 

ドゴォォォォォォン!!!

 

「痛いのだぁ.......」

「まだまだイケるぜ.......」ガクッ

 

「ちょっと大丈夫なの二人とも!?」

 

夕立、雪風の邪魔が入るが容赦なく主砲と副砲でぶっ飛ばす。二人とも目を回して海に倒れ込み、近くにいた時雨が駆けつける。

 

「お、いい感じのセイレーンじゃん!!」

 

シャキン

 

「ハァ!!!」

 

ザンッ!!

 

今度は手近の新品ノーダメのセイレーン艦を、一刀両断して沈める。余りの戦いぶりに敵味方問わずに、その戦いぶりに恐怖する。ある者は「味方でよかった」と呟き、またある者は「あんなのアリなの?」と呟く。

だが戦局は突如として、アズールレーン側の不利になる。エンタープライズが加賀によって倒されたのである。

 

「ん?っておい、エンタープライズ!!!」

 

長嶺が気付いた時は、ちょうど海に真っ逆さまに落ちていく所であり助けに行く事も出来なかった。

 

「クソッ、エンタープライズがやられたのは痛いな」

 

他の皆は浮き足立っているが、長嶺は意に返さない。仲間が戦場で命を落とすのは当然であり、例えそれが親友や恋人であっても眼前敵の排除を優先しなくては自分の命も危なくなるからである。まあ、余り関わりが無かったというのも理由に上がるが。

 

「お眠りなさい、灰色の亡霊。あなたの意志は黒箱に宿り、永遠の物となるのよ.......」

 

赤城がそう呟く。しかし次の瞬間、エンタープライズが落ちた周辺に光の柱が現れる。

 

「おいおい、今度は何だよ.......。しかも核みたいな所にエンタープライズいるし」

 

しかも光の柱の中心部にはエンタープライズが弓を携え、目を金色に光らせた姿で浮かんでいた。そして弓を構えて、加賀に射掛ける。

 

「!?何て速さだ」

 

放たれた矢は銃弾よりも早い速度で加賀を貫き、貫かれた加賀も「何をした?」と何が起きたか理解できないまま海に落ちた。おまけに今度は光の柱が膨れ上がり、敵味方問わず飲み込んでいく。

 

「犬神、八咫烏。光の柱へ突っ込むぞ」

 

『正気か!?』

『危ないよ!!』

 

「ハッ!たかが光だ。その程度じゃ、この俺は止まんないぞ!!」

 

そう言うと自ら光の柱に突撃し、案の定視界が光で一杯となる。

 

(さあ、鬼が出るか邪が出るか)

 

 

前回同様、韓国語と中国語で彩られた燃え盛る大都市に長嶺は立っていた。そしてやはり、目の前には鬼がいる。

 

「何の用だ」

 

「貴様に報告しておく事がある。近い内に貴様は私の封印を解き、再び全ての能力を受けるだろう」

 

「何でまた。前に協力して封印しただろ?」

 

「貴様が深海の化け物を相手にした時、術を使っただろう。アレの影響で封印が解けやすくなっている。無いとは思うが、ふとした時に解けるやもしれん。だからまあ、術がいきなり使えるようになっても驚かぬ様にな」

 

「わかった」

 

「ではな」

 

そう言うと鬼が手を翳し、長嶺の下に穴を作る。勿論重力に従って下に落ちていき、気がつくと八咫烏の背中に乗っていた。

 

「八咫烏、状況は?」

 

「分からぬ。我らも先程目醒めた所だ。現在の場所は、オホーツクのど真ん中だな」

 

「ロシアに見つかったら面倒だな」

 

おそロシアに見つかったら、本当におっそろしい事になりかねないので見つからない様に祈る。幸い流氷海域でレーダーも効きにくいし、空の目である衛星もハッキング済みだから見つかりにくくはなっている。

 

「主様、下見て!!」

 

「何だ、鯨でもいたのか?」

 

であればよかった。眼下にいたのは鯨ではなく、扶桑型戦艦。艦上では瑞鶴と高雄が「何か」と戦っていた。その「何か」を見た瞬間、長嶺の顔は一気に怒りに染まる。その何かは最初に感じていた「亡霊共」だったのである。

 

「お前達は此処で待機してろ。俺はアイツらを、殺す!!」

 

そう言った瞬間、八咫烏の背中から飛び降りて扶桑の甲板に向かって降下する。

 

 

「一体何なのだ、この者達は!!」

 

「真っ白な体に、会話すらせずに戦う。まるで骸骨ね.......」

 

その頃、高雄と瑞鶴は連携して4体の亡霊と戦っていた。その亡霊の姿は真っ白なボディスーツに身を包み、目は赤く光っていて、とても不気味である。しかも動きが素早く、防戦一方である。重桜でも一、二を争う剣の腕を持つ二人ですらこれなのだから、他の者が戦ってもすぐに殺されてしまうだろう。その為、他の皆は横に退いて、もし二人が倒されても他の者達を守れる様に戦える者は武器を抜いて構えている。

 

「瑞鶴殿、後ろだ!!!」

 

「何っ!?」

 

反射的に後ろを振り向くと敵がマチェットを背中に突き刺そうとする瞬間であり、位置的に回避不可能な場所であった。しかし刺さる直前に、突如空中から刀が降ってきてマチェットを弾いた。

 

「チャンス!」

 

一瞬の隙をついて、後ろに回避する。亡霊の方も念の為、後ろに下り両者とも睨み合いに入る。しかし始まって3秒もしないうちに、今度は人間が刀のある場所に降ってくる。

 

「おいおい。もうこの世に祖国は無いというのに、何をまだ戦っているのだ亡霊共」

 

瑞鶴や高雄等、アズールレーンと本格的に戦っていた者達はその声に聞き覚えがあった。煙が晴れるとそこに立っていたのは、二振りの刀を携えた長嶺の姿であった。

 

「長嶺雷蔵!?」

 

「なぜ貴様がここに.......」

 

「ただ単に空を飛んでいたら、この世に存在してはいけない亡霊を見つけたから、倒しにきただけだ。正直、俺でも倒せるか分からない。今は退け」

 

本来であれば「嫌だ」と二人とも意地を張るだろう。しかし今回の指示には従って置かないと不味いという事を、2人の本能が警告している。そんな訳で大人しく指示に従い、後ろに下がった。

 

「さて、これで心置きなく暴れられるな。行くぞ、亡霊共!!!」

 

そう叫ぶと長嶺は得意の肉薄攻撃を始める。亡霊は2体が機関銃を手から出して弾幕を展開し、残り2体はマチェットでの攻撃を仕掛ける。

 

「んな典型的な戦法が効くか!!」

 

刀で弾丸を弾き、迫り来るマチェットは刀で受け止めて、そのまま剣先の方へと受け流し、そのまま背中を斬りつける。

 

「あの化け物と互角に戦うとは.........」

 

「アレが長嶺雷蔵の本気.......」

 

実は本気では無い、という事は置いといて。後一歩で後衛の奴に間合いが届くというタイミングで、体中に激痛が走る。

 

「グッ!」

 

なんと先程倒したマチェット待ちの亡霊が、手持ちのナイフやマチェットを直接体内に転移させて、突き刺して来たのである。幸い抜いて攻撃力を高めようとしてくれた為、すぐに高速修復剤を体内に打ち込み傷を回復させる。

 

「やはり、能力を使う他ないな」

 

そう言うと長嶺は一度後方に下がり、刀を鞘に仕舞う。そして拳を甲板に力強く叩きつける。

 

「焰道!」

 

そう叫ぶと海から一斉に炎が吹き出し、その炎が長嶺に降り注ぐ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

長嶺自身が炎と一体化し、炎が消えると体中に炎の道ができ、目に炎を宿した状態となった長嶺が立っていた。

 

「さあ、第二ラウンドだ」

 

刀を抜くと、刀も同様に変化していた。閻魔は頭身がマグマの様な赤黒い物に変化し、幻月は青白いままだが、刃の部分が金色に輝いている。

 

「さあ行くぞ。奥義、空間斬!!」

 

幻月を振り下ろし、蒼白い剣の波動を敵に放つ。距離があり敵は上に飛んで避けたが、それを追いかけて股から一刀両断される。次は手近の奴に閻魔を突き刺す。

 

「まだまだ!奥義、炎菫!!」

 

外からは見えないが、亡霊の体内ではすごい事が起きている。突き刺した体内にある刀身部分から、炎のバイオレット・カンディルが亡霊の体内にくらいつく。カンディルというのはアマゾン川に住む、ナマズの仲間で「ピラニアより恐ろしい魚」として地元民は考えてる程に凶暴な魚である。そんな物を体内にぶち込まれたのなら、もう終わりである。

 

「さぁ、次はどいつだ?」

 

そう言ったのを合図に、残りの2体が瞬間移動で近接攻撃を仕掛けてくる。しかし焰道の能力で強化された身体能力で動きを察知し、マチェットが振り下ろされた瞬間に後ろを取る。勿論マチェットは甲板に刺さり、長嶺は無傷である。

 

「バーカ。後ろだ」

 

振り返る間もなく、刀を振り下ろして2体を排除する。

 

「終わりだ。八咫烏、犬神。コイツらを回収し、本部へ運べ。背後関係を明らかにして、警戒を強める」

 

「お、おい!」

 

帰ろうとすると、高雄から呼び止められる。

 

「何故、何故拙者らを助けたのだ?お主からすれば、拙者らは敵だろう?」

 

「敵ではない。アズールレーン側からすれば敵なんだろうが、生憎と俺は成り行きでアズールレーン側に付いているだけだ。アンタらレッドアクシズを敵とは認識していない。というか敵だと認識していたら、俺の戦艦の火力で島ごと全員海の底に沈めてる。それにこれは俺の勝手な勘だが、なーんかお前達とは仲間になりそうな予感がするんだよ。

俺の国、というかこっちの世界もそっちと同様に、セイレーンみたいな敵と戦っている。俺はその敵達に人間で唯一対抗できる部隊と、KAN-SENと似た様な存在の軍隊の中で一番損害を与えている精鋭部隊の司令官だ。司令官の立場として、君達のような存在は是非とも仲間にしておきたい」

 

常識からかけ離れた答えに全員が困惑し、正気なのか疑い始める。まあ敵だと思ってた奴から敵じゃない宣言された挙句、仲間に勧誘されているのだから無理はない。

 

「まあいいや。俺は帰る」

 

そう言うと流氷にワイヤーを打ち込み、立体起動を始める。そしてそのまま、アズールレーンとの合流を目指すのであった。

 

 

 

一時間後 アズールレーン捜索艦隊

「空間の崩壊が始まっていますね.......」

 

ベルファスト、ジャベリン、ラフィーの三人はエンタープライズと長嶺を探していた。しかも空間の崩壊、正確には空が割れて中に紫色の空間が広がるという謎すぎる状況になっていた。

 

「ベルファストさん!!アレ!!!」

 

「長嶺様!?」

 

目の前の流氷をワイヤーで飛ぶ長嶺の姿があった。大声で長嶺を呼ぶと、それに気づきそっちに向かう。

 

「おまえたち、無事だったか」

 

「長嶺様も、ご無事で何よりです」

 

「あの、エンタープライズさん見てませんか?」

 

「いや見ていないな」

 

長嶺はさっきの重桜艦隊から立体機動で空を飛んでいたが、エンタープライズの姿は見ていなかった。それよりも謎の異空間が空に出来上がっていることに、後始末をどうしようかと胃を痛めていた。

 

「と言うかこれ、どうなってんのよ。空がかち割れて中には謎の異空間は広がってるわ、南国の太平洋上にいたのに今は正反対のクソ寒いオホーツク海にいるし、お前達の世界じゃこれが普通な訳?」

 

「長嶺、不機嫌?」

 

「あぁ、そうだよ!この後始末、絶対面倒なんだよ!!何、神の悪戯か何かなの!?そんなら神様ぶっ殺しに、あの世まで鴉天狗で突撃かますぞ」

 

ラフィーの問いに、テンションが壊れた感じで答える長嶺に全員が苦笑いしている。

 

「で?エンタープライズ探してんなら、てつだ」

 

ドカーーーーン

 

どう言う訳か向こうの方から、爆発音が響く。取り敢えず行ってみるとそこには、エンタープライズが瑞鶴と翔鶴を完全に殺しにいっている戦闘が繰り広げられていた。

 

「エンタープライズ、変」

 

「エンタープライズさん.......」

 

「エンタープライズ様、御身に一体何があったのです.......」

 

「アイツ、まさかと思うが.......」

 

いよいよ止めを刺そうという時に、他の流氷から綾波が飛び出して艦載機をぶった斬る。

 

「嫌なのです!!!!」

 

ドーントレスは右主翼を斬り離されて爆発するが、それに綾波も巻き込まれて飛ばされてしまう。しかもその行く先には、謎の異空間への扉が開いていた。

長嶺が助けに行こうと動く前に、ジャベリンとラフィーが動いて綾波の元に向かっていた。

 

「やりやがったな。子鴉!!」

 

長嶺は子烏を呼び出し、不足の事態に備える。一方ジャベリン達はラフィーが綾波をキャッチし、ジャベリンが氷に錨を突き刺してラフィーを捕まえるという方法で綾波を助け出していた。しかし氷が運悪く砕けてしまい、三人とも真っ逆さまに落ち始める。

 

「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

長嶺も飛び降り、ジャベリンの錨を掴んで明後日の安全な方向にぶん投げる。

 

「子鴉、回収しろ!!!」

 

一機の子鴉が上手いこと錨に引っ掛けて、そのまま安全な場所まで飛ぶ。一方長嶺は、ウィングスーツを展開して滑空しながら謎空間の入り口から脱出する。

 

「あー、割とガチで死ぬかと思った」

 

どうにかこうにかで脱出に成功し、さっきの戦闘もあって一気に脱力する。取り敢えず気合いでアズールレーン艦隊まで帰還し、そのまま甲板に寝転んで眠った。

 

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