こちらも今年最後の投稿となりますので、続きは年明けをお待ちください
Another Side 楠芽吹
あれから珠を集めつつ奥へと進むと、明らかに異質な雰囲気をしたフロアに辿り着いた。
「ここがボスフロア………」
それを証明するかのように奥にある扉を守っている岩の巨兵………ゴーレムが佇んでいる。
しかも、このゴーレムは普通のゴーレムではなく、まるで阿修羅像のような3面6腕の異形。
その異形のゴーレムは私がフロアに入ったのを感知したのか3面の眼に赤い光を宿して起動する。
私は近付かれる前にストライクカノンを撃ちながら道中に手に入れた珠で使えるようになったアーツを発動させる為にウルフォを駆動させる。
「【エアストライク】!」
風属性の単体攻撃アーツを発動し、ゴーレムの顔に直撃させるも、大したダメージは与えられなかったようで、ゴーレムは怯みもせずに私へと向かってくる。
「なら!」
左に回り込んで接近しようとするも、このゴーレムは3面共に視界を有しているようで、拳による打撃で迎撃されてしまう。
咄嗟にストライクカノンを盾にしたので大きなダメージは負わなかったが大きく仰け反らされてしまった。
これではまともに接近するのもままならない。
「わかってはいたけども、ソロ攻略させるつもりなんて微塵も無いわね………」
それでも、と何度かアタックしたものの、やはり1人ではあの3面6腕を攻略する事が出来ず、床に倒れたところを上から拳で圧殺され、私は今まで倒してきたエネミーのようにエフェクトを散らして死に戻る事となった。
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「………本当に戻されるのね」
目を覚ませばそこはスタート地点のホールで、私のように戻った子やまだ出発していなかった子達がいた。
「楠さんも
「弥勒さん………ええ、完敗だったわ」
どうやら先にアレに挑んで強制転移させられた弥勒さんに出迎えられたので、情報を共有する事に。
「現状ではアレをソロで攻略するのは不可能だと思うわ」
「ですわね………3面とも視界が存在しているので死角は無し。6腕による手数も脅威的ですわ」
「そうね。アーツも試してはみたけれど、1人では有効打になるアーツを駆動させている時間が取れないわ」
「となれば前衛でゴーレムを引き受けるアタッカー、カノンでの中距離担当のガンナー、アーツによる支援のサポーターは必須ですわね」
アーツには攻撃の他に味方の
「アタッカーは私と弥勒さんでいいとして、ガンナーとサポーターを探さないとね」
「あ、あのっ!」
すると、そこへ1人の候補生が声を掛けてきた。
「そ、そのサポーターって私でも出来ますか!?」
「貴方は確か………」
「加賀城雀です!」
そう、加賀城さんだ。
弥勒さんの次に質問をしていたので印象に残っていたのだ。
加賀城さんは今回から選出された候補生の為、初対面の人ばかりでチームが組めず、1人でエネミーと戦うのが怖く未出発組の1人となっていたようだ。
無理も無い、戦う手段を与えられたからといって誰もがいきなり戦える理由ではないのだ。
「私は構わないけれど………」
「私達とてこの装備やアーツに関しては素人に近いのですから歓迎しますわ!」
私達はどちらかと言えば前衛タイプで、サポーターに向いていないと思っていたので、加賀城さんの申し出は正直ありがたかった。
他に目ぼしい人がいなかったので、とりあえずは攻略中のソロで攻略している人をスカウトする事にした。
3人でダンジョンへと戻り珠やチームメンバーになりそうな人を探しつつ加賀城さんに色々試してもらったが、ストライクカノンを使うよりはアーツを使ってもらった方が良さそうという事で予定通りサポーターをしてもらう事に。
新たに入手した珠も加賀城さん向けのものがいくつか見つかったので彼女に使ってもらう事にし、私や弥勒さん向けの珠もそこそこ見つける事が出来た。
そんな時だった。
「あ〜、そこの宝箱取られちゃったかぁ」
菫色の髪をした候補生の少女が私達が開けて消えていく宝箱を見てがっくりと項垂れる。
「貴女も珠を探していたのね………私達はいくつか被りがあるから欲しい珠によってはあげてもいいのだけれど………」
「マジ?」
「マジよ」
「ありがと〜、私は
浅霧汐音と名乗った彼女に私達は自己紹介を終え、要望の珠の種類を尋ねる。
「で、浅霧さんが欲しいのは?」
「銀の【精神】ってやつ。どうもカノンの射撃の攻撃力ってアーツの威力と同じATSって数値を参照するみたいでね〜」
「道理で【攻撃】を装着しても威力が上がらなかったのね………という事は浅霧さんは」
「カノン主体のガンナーだよ〜」
「私達のチームに入ってくださりませんか!」
「いいよ〜、3人共面白そうだし」
こうしてあっさりとガンナーを確保した私だが、念には念を入れて、と次に遭遇した候補生である山伏しずくさんを加えた5人でボスフロアへと向かうのだった。
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「あれが楠さん達が言ってたゴーレムかぁ………聞いてた以上に厄介そうだね〜」
フロアの外からゴーレムを覗き込んだ浅霧さんは苦笑しているも、退く気は無いようで「作戦は?」と聞いてくる。
「まずは全員でバフ系のアーツを発動させて能力を底上げしてから私と弥勒さんが前でアイツを抑える。その隙に浅霧さんと山伏さんは目を狙って射撃を。視界を奪ったところで加賀城さんのアーツで崩して畳み掛けるわ」
「おけ………あっ、私の【アナライズ】で先にサーチしとこっと」
【アナライズ】というのは浅霧さんのエクストララインに装着された【鷹の眼】というエクストラ専用の珠に備わっている鑑定のアーツで、相手の名前や有効な属性等が判別できるのだとか。
浅霧さん以外だと対象に出来る範囲が狭いので戦闘中にしか行えないのだが、どうも有効範囲は視力が関係しているようで、浅霧さんならフロアの外からでもあのゴーレムを鑑定可能なのだという。
「サーチ出来たけど………中々に厄介だよ、あれ」
鑑定した情報はウルフォに記録されるそうで、浅霧さんがその情報を私達に共有してくれた。
【アシュラ・ゴーレム】
攻撃属性:地、打
有効属性:水、空、幻、打
耐性属性:火、地、時、斬
3面6腕の阿修羅を模した魔導ゴーレム
3面全てに視界を持ち、死角も少なく、6腕による手数も優秀
正面の顔を切り換える事で攻撃パターンが変化する
「うわぁ………」
「【アナライズ】がなかったら詰みですわよね、これ………」
「元素属性ならまだしも、武器属性耐性が………」*1
「ね?」
属性はアーツやエネミーの属性を表す元素属性と武器の攻撃方法を表す武器属性があるそうで、元素属性は更に火、水、風、地の下位属性と時、空、幻の上位属性に分けられる。
チュートリアルによれば電子精霊も成長すれば元素属性を獲得する場合がある、とされている。
ウルフォで使用可能なアーツは主にアーツとエクストラのラインに填められた属性のものが使用でき、珠の種類によって決められた属性値の合計………こちらは全スロットからの換算によって決定するそうで、例外として【鷹の眼】に付属する【アナライズ】のようにどのスロットであれ填めれば使用可能になるものもある。
武器属性については斬、突、打の3つに分類されており、斬は斬撃、突は突きや射撃が該当し、打は打撃………なのだが、打属性の攻撃が行える装備を持っていない私では実質ストライクカノンによる射撃かアーツ攻撃の二択しか有効な攻撃手段がないのだ。
「あと、最後の一文も気になりますわね」
「攻撃パターン以外にも変わる要素はあるかもしれないわね………浅霧さん、切り替わったらもう一度【アナライズ】をお願いできる?」
「わかった〜」
そして、最初に使う補助アーツを予め駆動させてからフロアへと飛び込む。
「【フォルテ】!」
「【クレスト】!」
「【クロノドライブ】」
私、弥勒さん、山伏さんでそれぞれ攻撃、防御、素早さを強化するアーツを発動させ、5人にまとめてバフを掛けると、私と弥勒さんが先行、その後ろから山伏さんがストライクカノンで援護し、加賀城さんと浅霧さんは攻撃アーツを駆動させる。
「【アクアブリード】!」
「【ルミナスレイ】!」
水属性と幻属性の攻撃アーツが直撃し、アシュラ・ゴーレムが仰け反る。
「今よ!」
加賀城さんを除く4人の集中砲火が轟き、加賀城さんも次のアーツの駆動に入る。
アシュラ・ゴーレムもそれを黙って受け続けてはくれず、腕を振るい反撃してくる。
浅霧さんと山伏さんを下げて私と弥勒さんでブレードバレルで攻撃を仕掛けてヘイトをこちらに向けるが、やはり斬撃耐性のせいかダメージを与えれているという気がしない。
「いきます!【フロストエッジ】!」
そこへ先程の【アクアブリード】よりも威力の高い水属性アーツが発動し、アシュラ・ゴーレムの四方八方から氷の刃が襲いかかる。
そのアーツによりアシュラ・ゴーレムの外装が凍結して身動きを阻害する。
「今!」
その機を逃さず浅霧さんが正面の顔の左眼を射貫く。
「よしっ!効いていますわ!」
そのまま畳み掛けて面が切り替わる前に少しでもダメージを稼ごうとしたのだが、頭部が回転して切り替わってしまう。
それと同時にアシュラ・ゴーレムの身体が熱を発して凍結状態も解除されてしまう。
「浅霧さん!」
「ん、【アナライズ】」
それに合わせて浅霧さんが再び【アナライズ】を発動させ情報を共有させると、やはりというかアシュラ・ゴーレムの情報は変化していた。
【アシュラ・ゴーレム(第二形態)】
攻撃属性:火、地、打、突、斬
有効属性:風、時、突、打
耐性属性:火、地、水、幻
アシュラ・ゴーレムの第二形態こと憤怒の面
岩で出来た武器を腕に装備しており、それを使った攻撃パターンが追加
表面が赤熱しており、水属性への耐性を得たが、少し柔らかくなっており、武器耐性が下がっている。
「水属性効かなくなってるぅ〜!?」
「あっ、地面から武器生えてきて手で引っこ抜いた」
「曲刀、薙刀、戦斧、メイス、槍、鎖付き鉄球って………」
「武器耐性が下がったのはありがたいけれど、近付くのは容易ではなくなったわね………」
「ーーーーッ!!」
第2ラウンドの開始と言わんばかりにアシュラ・ゴーレムが吠え、戦闘は再開された。
Side Out
という事でアシュラ・ゴーレム第二形態突入
第三形態?ちゃんとありますよ………だって“3面”あるんですから
そして、サラッと登場したオリジナル防人の浅霧汐音ちゃん
彼女についてはまだ詳細は伏せておきます
詳細書くとネタバレになりそうな事多いんで、彼女
感想等がありますと執筆の励みになります
では皆様良いお年を