ここからは不定期投稿になります
あれから小学生になった雪兎は徹心の後ろ盾があるのを良い事に様々な物を生み出しつつ、自身の今後に備えて準備を進めていった。
無論、それだけではなく年相応に遊んだりもしているが、友人と呼べる程親しい者はおらず、むしろINABAの技師達とあれやこれやとやっている始末。
流石にこれは不味いと思った両親は武術を習わせるという名目で近くの徹心の知人が師範をしている道場に通わせて同年代の子らと交流させようとしたのだが………雪兎の前世である雪人はメカヲタクなだけでなく、アニメやゲームの技等を独自の技も我流再現するようなやつで、偶々通った道場が雪人の再現した流派に近いものだったせいで師範と意気投合してしまい、不完全だった技の完成度が上がった。
また、その道場では『剣を持ってないから戦えない等ありえない』という理由から剣と空手の二つを教えているのだが、雪兎はその双方の大会にて小学生の部三連覇を達成してしまい、大会から
そのせいか同年代よりも高校生や社会人の門下生の方との交流が増え、同年代から更に浮くようになってしまった。
唯一同年代で相手になるのは小学生にして既に戦闘狂の疑いがある同じく大会殿堂入りしている師範の孫娘くらいのものだ。
「どうしてこうなった………」
「あの子、良い子なんですけど、お父さんに似たのか色々規格外なんですよね………」
これには雪定も頭を抱える事になるが、美兎の方は既に諦めてるような気がする。
というのも美兎の父・徹心も色々規格外の人物だからだ。
その知人という師範*1に預けたのもそもそも間違いだったのかもしれない。
「兎も角、もう少し同年代の子らと交流を持ってくれるといいのだが………」
「ですね」
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一方、その雪兎はというと………
「………つまりは同志という事だな!」
「よろしくな!雪兎の兄ちゃん!」
「どうしてこうなった………」
とある同年代の少年少女に気に入られ、同志呼びされていた。
彼らの名は
そのしょうゆ豆味ジェラートは『わすゆ』の登場人物である三ノ輪銀が好んで食べていたものというのを思い出し、試しにと購入したところでその三ノ輪銀ともう一人の少年・雨宮望にそれを目撃され、二人ともしょうゆ豆味のリピーターだった事から同志扱いされ現在に至るという訳である。
「(ここで三ノ輪銀と接触するとはなぁ………まあ、イネスマニアのコイツなら休日にイネスにいればエンカウントするのは当然か)」
三ノ輪銀は『わすゆ』で先代勇者として活躍した一人で、勇者システムが不完全であった当時にして三体の大型バーテックスを命賭けとはいえ一人で撃退した英雄とすら呼べる戦績を刻む人物だ。
しかも、その三体というのが初代勇者達に甚大な被害を与え、実質壊滅に至る要因を作ったとされるバーテックスの
他にも彼女が使っていた端末は後に別の勇者に継承される等、かなり重要なポジションに位置する。
「(あと1年と少ししたらそんな過酷な戦いに出なきゃなんねぇんだよな、コイツ)」
神世紀296年、つまりまだ銀は4年生という事になる。
原作でも彼女達とバーテックスとの戦いは奇跡的と言っていい勝利も多く、雪兎というイレギュラーな存在がいる以上、何らかのイレギュラーが起きて彼女達が敗北し戦死する可能性もある。
そう考えると“今開発中の装備”の完成を急ぐ必要がありそうだ。
「(勇者システムの方も何とかしてデータを入手しておきたいな)」
そう考えると三ノ輪銀との繋がりというのも+になると雪兎は考える。
「どうしたんだ、兄ちゃん?」
「いや、何でもない」
「ところで同志天野よ………俺の記憶に間違いが無ければ去年に剣道と空手の大会で三連覇を成し遂げて殿堂入りしたのは同志の事ではないか?」
「ん?ああ、確かに殿堂入りとかいう名の出禁食らったのは間違いねぇけど」
「えっ?兄ちゃんそんなスゲーやつなのか!?」
その後、なんやかんやあって二人と連絡先を交換し、銀には何故か懐かれてしまった雪兎。
その事を夕食時に両親に話すと、何故か泣かれてしまい、雪兎は大いに困惑する事になった。
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Another Side 三ノ輪銀
「なあなあ、アニキ」
「お前は俺の舎弟か子分か」
天野雪兎。
ちょっと前にイネスで雨宮のダンナと一緒に知り合った一つ上の男子で、私が個人的に尊敬している人だ。
知り合ってからは私が困った人を助けている時や私がトラブルに巻き込まれた時等によく助けに来てくれるアニキは私のヒーローみたいな人でもある。
「何かアニキって呼ぶのがしっくりくるというか何というか………」
「………はぁ、もう好きに呼べよ」
「押忍!」
今日もイネスに遊びに行こうとした所で大きな荷物を持ったお婆さんを手助けしてたところに現れて私と一緒に荷物を運んでくれた。
そのお礼をと思ってジェラートを奢ろうと思ったのだけど、「助けた婆さんからなら兎も角、なんでお前からお礼をもらわないといけないんだよ」とか言って逆に奢られてしまった。
「で?何を言おうとしてたんだ?」
「あっ、そうだ!」
アニキに言われて私は本来の用件をアニキに伝える。
「ちょっと家の用事というか、習い事の時間が増えそうで道場にあまり顔出せなくなりそうなんだ」
道場というのはアニキが通っている剣道?道場で、雨宮のダンナやあそこの師範の孫娘である静那姐さんとよくそこで遊んだり稽古をつけてもらっている。
けど、大赦から御役目に任命され、今後はその訓練の時間を多くすると連絡を受けたのでアニキ達には一応報告しておこうと思っていたのだ。
「………そうか。家の事、習い事なら仕方ないな」
「ごめんな、アニキ」
そう言いつつも何かを考えているような素振りを見せるアニキだったが、私が謝るといつものように頭をワシワシと犬を撫でるように撫でてきた。
「別に謝るような事でもないだろ………まあ、静那のやつが少し荒れそうだが」
「あ、あはは………」
静那姐さんはフルネームを
「頻度は減るにしても偶には顔出すんだろ?」
「一応そのつもり」
「何なら俺達の方がイネスに顔出しゃいいしな」
「いや、イネスに来れば私がいるみたいな言い方」
「イネスマニアのお前がイネスに居ない事の方が珍しいだろうに」
「うっ」
確かにアニキ達と知り合うまでは割と休日はほとんどイネスに来てたけど………
「………まあ、本当に何かあったら迷わず連絡しろよ?」
「うん」
アニキは自分勝手な人のように見えて実際はかなり面倒見が良い。
弟の鉄男と会った時にもよくしてくれていたし、そういうところが“アニキ”っぽいのだ。
「さて、ジェラートも食ったし、これからどうすっかね」
「なら一階に新しい店が増えたんだ。見に行こうぜ!」
「それ、お前が行きたいだけだろ」
そう呆れつつも走り出した私に付いて来てくれるアニキはやっぱりアニキだと私は密かに微笑むのだった。
三ノ輪銀、生存フラグ?
オリキャラ図鑑
仙堂静那
雪兎が通う道場の孫娘。
祖父が雪兎の祖父である徹心の友人でもう一人の友人と共に暴れ回った仲。
静那本人も戦闘狂の気があり、自身と打ち合える雪兎に興味を持ち友人となった。
今のところ恋愛のれの字も意識していない。
一人っ子だったせいか、銀を妹のように扱っている。
勇者適性はかなり低い模様。