いあ いあ はすたあ!   作:クワガノンが好きなんだ

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ドラゴンは男の子の憧れ

マシュの説得によってなんとか落ち着きを取り戻してくれた兵士に情報を聞いている。その間俺は兵士を怯えさせるとのことで霊体化することになった、うん、自業自得だね。

 

「シャルル七世は休戦条約を結ばなかったのですか?」

「シャルル王?知らんのか、アンタ。王なら死んだよ、魔女の炎に焼かれた」

「…死んだ…?魔女の炎に、ですか…?」

「ジャンヌ・ダルクだ。あの方は竜の魔女となって蘇ったんだ」

 

聖女が魔女、ねえ。

 

確かゲの字んとこのジル・ド・レェが聖杯で作った理想のジャンヌ・ダルクだったか。詳しいのは忘れたが、大雑把なところは覚えている。そして元の英霊としてのジャンヌ・ダルクも史実のジル・ド・レェもいるからややこしかったはずだ。

 

兵士の話をまとめると、竜の魔女として蘇ったジャンヌ・ダルク(魔)がシャルル七世を殺し、百年戦争は混乱。イングランド軍は自国へ引き上げたがフランス軍は拠点、母国が攻められているため防戦を余儀なくされていると。

 

「…ッ!来た!奴らが来たぞ!」

 

噂をすればワイバーン…じゃないか。骸骨兵かあ。

 

「今度はさっきと違う。思う存分暴れていいぞ、三人とも!」

 

俺はそれを聞くと実体化する。

兵士を少し怯えさせてしまったのは悪い、と思う。トラウマなんだろうな。

 

「レディ、今回から基本的に戦闘で俺は君が危ないと思った時にしか手を出さない。レディもサーヴァントなら、しっかり場数は踏まないとね」

「はい!指示をマスター!木っ端微塵に蹴散らします!」

 

マシュはそういうと盾を構えて飛び出して行った。まだ戦いには慣れていないが、しっかりとマスターに近づけさせないよう、かつ着実に敵を殲滅していく。ポテンシャルの高さが窺えるバトルスタイルだ。

冬木は骸骨兵が多かった印象があるから、それもあるかもしれないな。

 

マシュが殲滅して戻ってくると、俺は静かに霊体化した。流石にずっといると、兵士が怯えてまともなコミュニケーションもとれんだろうし。

 

「アンタたち、あいつら相手によくやるなあ」

「…慣れです。それより申し訳ありませんが、一から事情をお聞かせください。ジャンヌ・ダルクが蘇ったと言うのは本当ですか?」

「ああ。俺はオルレアン包囲戦と式典に参加したからよく覚えている。髪や肌の色は異なるが、あれは紛れもなくかつての聖女様だ」

 

ジャンヌ・ダルク。

イングランド軍に捕らえられた彼女は、フランス軍に多大なる貢献をしていた。しかしその貢献は全て神の声を聞いたからこその行動であった故に、いるだけでフランス軍の士気をあげてしまうからイングランド軍にとって厄介極まりない存在だった。だから魔女として火刑に処した。

 

「しかし──彼女は蘇った。しかも、悪魔と取引して!」

 

あながち間違いではないかもしれないのがなあ。いや細かく突き詰めていくとかなり違うんだが。

 

そんなこんなで話していると、上空に影ができていた。

 

「ほらほら立て!ドラゴンが来たぞ!抵抗しなきゃ食われちまうぞ! 」

 

史実で記録が残らない空想の生物種。おとぎ話や神話でしか語られない架空のものたち。

すなわち竜種、ドラゴン。その亜種、ワイバーン。

 

「ワイバーン!?」

「はい、あれは、ワイバーンと呼ばれる竜の亜種体です。間違っても、絶対に、十五世紀のフランスに存在していいものではありません!」

 

にゅっと実体化すると、俺は興奮気味な言葉を吐き出した。

 

「いいねえ、存在してはいけない生物体。私の心も踊るというものだ。それも竜種とは」(かっけぇー!男の子ならみんな好きだよドラゴンはさ!!)

「来るぞ!」

「マスター、全力で対応を!先ほどの骨々六助とはワケが違います!」

 

ワイバーンを見ていた視界の端に、旗が映る。

金と白の神聖な旗が。

 

「兵たちよ、水を被りなさい!彼らの炎を一瞬ですが防げます!」

 

それは金の髪を持つ、碧眼の美しい少女。鎧に身を包み、旗を掲げた戦乙女。凛とした声はあたりに響き渡り、その高潔さを感じるものだ。

 

「え…?」

「そこの御方!どうか、武器を取って戦ってください!私と共に、続いてください──!」

 

兵を鼓舞するその少女。転生前の知識が確かならば、彼女はジャンヌ・ダルクその人だ。

 

ああ、しかしこの場でそれは良くない。

 

彼らが敵対しているのは、彼らがジャンヌ・ダルクと信じる竜の魔女。いくらサーヴァントだと言え、その霊基の弱さと認識の違いでは状況は好転しまいて。

 

「…レディ、来るよ。今回は私も出よう」

「…彼女は…いえ、はい!行きます!」

 

というか、あれがまじもんのジャンヌ・ダルクか〜!姉洗脳してたのは水着霊基だが、どうしてもサメの印象が拭えねえんだよなぁ。

 

そう思いながら俺は本を取り出した。バイアクヘーさーん!出番っすよー!




言峰当たりました。カレン爆死しました。ついでにバゼットさんも爆死しました。
そしてバレンタインで腹が死に、言峰のバレンタインストで死にました。いっぱい死んだ。
とりあえずアッくんと武市先生と時臣師の擬似鯖実装まだ?
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