ヴァーミンロード   作:ベルゼバビデブ

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小話10 呪いの武人
小話11 吸血姫と蟲王


ヴァーミンロード小話集Ⅳ

-小話10 呪いの武人-

 

 コキュートスのところには、帝国から度々使いの者が訪れる。内容は王国などと言う先のない国は捨てて帝国に来ないかと言う物が普段であったが、その日は別の内容であった。とある女性と会って話をしてほしいと言う物。別にコキュートスとしては受ける理由もないが、断る理由もなく、最近随分打ち解けてきた一番弟子のブレインからはコキュートスの旦那もお見合いか?と茶化される始末である。コキュートスは少しイラッとしたので厳し目に稽古をつけるとブレインは死にそうになっていたが、それはまぁ別のお話である。ともかく、理由があるならいざ知らず、理由もないのに断ると言うのも少し気が引けたコキュートスは、会って話をするだけならまぁ良いだろうと了承し、とある女性と会うのであった。

 

 皇帝から聞いていた通りの青白い外皮鎧と四つ腕、そして巨体という3拍子揃った人外のそれは、極め付けに顔面がどう見ても虫のソレと言う有様であり、私のストライクゾーンとしては物の見事なフォアボールであった。皇帝はこの姿形が呪いの類のものと言っていたが、だからなんだと言うのだろう。私も呪われてるからと仲良くすれば良いのだろうか?冗談ではない。いくら顔の半分が醜かろうが残りの半分だけは美しく保っているのだ。夜更かしを避け睡眠を多く取り、四騎士としての賃金の大半をスキンケアなどに当て、残りの部分だけでもと必死にケアをしているのだ。バランスの良い食事も心がけている。ニキビができた日には悲鳴のあまり酔いつぶれて寝ていたバジウッドを叩き起こしたこともある。そしてそのあと珍しくナザミにガチギレされた。

 とはいえ、仕事として今日は来ているのだ。最低限の仕事はしなければまずい。「コキュートス殿と会談を行え。彼の人となりを知りたい」と言っていたのだ。この虫に人となりもクソもあるかとは思うが、何かしら成果がなければ賃金にも関わるだろう。

「初めまして、コキュートス殿。私はバハルス帝国が四騎士の1人、レイナースと申します。」

「我ハコキュートスダ。」

「…」

「…」

 会話が終わってしまった。そもそも私もこの呪いを受けてから、人との会話など余りしてこなかった。精々四騎士と皇帝ジルクニフ、そして爺のフールーダ辺りくらいだけだ。因みに、フールーダの奴は寧ろ呪いに興味があると言った感じだ。相手がしわくちゃの爺だとしても女としてなんかそれは傷付く。そして一番この顔を気にしないでいてくれるナザミも寡黙な奴であるし、正直久しぶりの会話はどうすれば良いのか分からなかった。

「そ、その…コキュートス殿は呪いを受けそのような身体になったと聞きます。」

「…ウム。」

「…」

「…」

 どうしよう、明らかに不機嫌そうだ。何とか話をと呪いの話を振ってみたが、気に食わなかったらしい。虫の表情など分からないが、何となく雰囲気でわかる。しかしながら自分に当てはまればそんなことは当然であった。「レイナースさんこんにちは、あなた顔面の半分が呪われてるんだって?」なんてよく知らん奴から言われたら張っ倒す自信がある。下手したらそのまま馬乗りで顔面ボコボコルートだ。やってしまった。呪いが解けたら普通の女性としての幸せを味わいたいと夢を見ていたが、こんなコミュニケーション能力ではとてもではないが不可能だ。それはともかく、この場を何とかして切り抜けなければならない。

「じ、実はわたしも…ほら、呪われた身でな。顔の半分が…あ、失礼…見苦しい物を見せた…。」

 咄嗟に髪をかき揚げ、呪われた醜い顔を晒す。しかしながらこれまた失態だと思い始めた。よく知らんやつからいきなり呪われて醜い顔面を見せつけられたら何の拷問だと思うに違いない。

「強イ呪イノ様ダナ」

「…わかるのですか?」

 嬉しいことに食いついてくれた。ここぞとばかりに何とかして話を繋げようと相槌を打つ。

「ソノ呪イニハ、強イ武ノ力ガ込メラレテイル。」

「武の、力…?」

 聞き慣れない言葉に思わず聞き返してしまうが、一応会話としては成り立っているし、興味もあるので問題はないだろう。

「ウム、ソノ呪イヲ受ケテカラ、力ガ増シタ筈ダガ、心当タリハ無イカ?」

「…そういえば…」

 一般的に体力や筋力で男性に劣る女性である自分が曲がりなりにも重爆の異名で四騎士に名を連ねているのは、単純に四騎士に匹敵するだけの力を持っていたからであり、それらの力が身についたのもこの呪いを受けてからである。

「まさか、私が強くなれたのはこの呪いの…?」

「無論、ソノ鍛エタ身体ヤ磨イタ技術モ一因ダロウ、シカシ仮ニ他人ニ無イ特異ナ何カガアルノナラバ、ソレハソノ呪イノ恩恵ダロウ。」

 今まで呪いに恩恵があると思ったことはなかった。しかし、極端な話呪われるだけで力が増すのなら確かに簡単に解呪出来ない強力な物でも仕方がない、というか納得が行く。顔面の半分が呪われただけでこの強さなのだ。では全身が虫になる呪いではどれだけの恩恵があるのだろう。

「コキュートス殿の強さも、その…」

 呪いと言い切るのには流石に気が引ける。たった今自身の呪いはある種の恩恵とも言えるものと教えてもらったばかりなのだ。

「その…お姿になったからなのですか?」

「分カラナイ。」

 その言葉の意味とは呪いのお陰で強くなったのか、鍛錬によって強くなったのか分からないという物、同時に一人の武人に対し失礼な事を言ったのだと理解した。

「…失礼した、コキュートス殿。今の発言は撤回する。貴殿の強さは積み上げた鍛錬と鍛え抜いた技による物、与えられた様な物では無い、貴殿を侮辱してしまった。」

 そう言って頭を下げる。コキュートス殿が醸し出す雰囲気から察するに、誠意を持って謝罪すれば許してくれないほど小さい器の持ち主では無い筈だ。

「頭ヲ上ゲテ欲シイ。」

 思った通りだった。ほっと胸を撫で下ろすと、呪いを受けた身として気になっていた疑問をぶつける。

「失礼を承知で…あぁ、その、私も先程の通り顔半分が呪われ、それを隠している。その、醜くなった顔を隠したいと思うからなのだが…そこでコキュートス殿に聞きたいのだが、なぜコキュートス殿はその異形とも言えるお姿を隠したりしないのですか?…あ、いえ、その…勿論言いたくなければ答えて下さらなくても良いのですが…」

「我ハ、コノ与アラレシ姿ヲ誇リニ思ッテイル。己ノ姿ヲ恥ジタ事ハ一度タリトモ無イ。」

 衝撃だった。テカテカの青白い外皮、指は三本で腕が四本、その目は複眼で横顎が発達している正に虫と言える顔面、そして巨大な尻尾、全てが異質なその身を恥じたことがないと言うのであろうか。自分などには絶対に耐えられないだろう、顔面の半分でこのざまだ、全身などに呪いがあれば恥ずかしくて人前から姿を隠し、ひっそりと生きていこうとするだろう。

「トコロデ、レイナース殿」

「はい、なんでしょう」

 コキュートス殿の方から話しかけられるとは思っていなかったが、向こうもこちらへの警戒を弱めたと言うことだろう。仕事の進捗としては良い事であった。

「手合ワセ願イタイ。」

「え?あっ…はい」

 

 槍を構え、駆け出す。手始めに間合いをとりつつ仕掛けられる薙ぎ払いを仕掛ける。当然の如くコキュートス殿のハルバートの柄によって防がれるが、そのまま槍の柄を滑る様に前進し、先端側を持つと石突側で殴打を仕掛ける。

「フム、良イ連携技ダ」

「ありがとうございます。」

 槍の柄を下から強く弾かれ、体勢が崩れる。武王をも屈服させる身体能力とはこれ程のものかと思いながら体勢を立て直すと、視界にコキュートス殿が見えない。瞬時にバックステップを行うと、先ほどまでいた場所にハルバートが振り下したコキュートス殿が現れる。

「手合わせだと仰ってませんでした?そんなもの当てられたら私なぞ死んでしまいますわ」

「避ケラレルト思ッテ振リ下ロシタ」

 実戦なら舐められていると憤慨するところだが、この実力差であるならばコキュートス殿のその言葉にはこれくらい出来ると踏んでいる信頼を感じさせられる。

 その後も、数多の魔物や強者を屠った槍術の数々を繰り出す。呪いの恩恵で強化を受けたこの肉体と繰返しの訓練で肉体に染み付けた技の数々は決まれば何も必殺たる物であったが、いずれもハルバートを巧みに操るコキュートス殿には届かない。

「ふふっ、参りましたわ」

 はしたないが槍を放り投げ大の字で仰向けに寝転がる。全力を出し切ってなお勝てないと言う経験は中々久しい。しかも途中からコキュートス殿は体の使い方についてアドバイスまでしてきたのだ。アドバイスに従うと技のキレが増し、まだまだ強くなれる事が感じられた。

「ソノ槍術、並々ナラヌ鍛錬ノ成果ト見受ケル。」

「えぇ、この呪いを受けてからは功績を挙げて取り立ててもらって呪いを解こうと必死になって訓練してましたから」

 コキュートス殿が手合わせで何を伝えたかったのかわかった気がした。きっと、もっと堂々としろと言いたいのだ。そして、何故それを口で言わないのかと言えば、コキュートス殿は真の武人であるからだ。真の武人はその武を持って語る。コキュートス殿のハルバートの扱いを見ていれば直ぐにわかる、如何に鍛錬を積み、その技を磨いてきたのかを。己の用いる武器への理解を深め、体の一部かのように振るう。その武人たる技の数々に最早その姿形が虫などと言うことはまったくもってどうでも良いことなのだ。だからコキュートス殿は堂々としているのだ。自らの姿形にかかわらず、鍛えた己の技に自信を持っているから。私も他人の目を気にして呪われた身を隠したりなどせず、寧ろ呪いなど目に入らないくらいの武勇を見せつけてやれば良いのだ。現に皇帝ジルクニフを始め、四騎士の連中も慣れもあるだろうがそれなりに普通に接してくれている。つまりは確固たる実力を見せつけてさえやれば、多少の外見など気になろうはずもない。普通の女性としての幸せも、この際ありのまま、この呪いごと受け入れてくれる様な度量のある男をとっ捕まえるというのも良いかもしれない。稼ぎは私一人で十分なのだし、顔面が半分醜いのだ。この身を愛してくれるほどの男であるなら、多少の不細工すら気にもならないかもしれない。

「感謝する、コキュートス殿。今日は色々と学ばせて頂きました。」

「礼ニハ及バナイ。中々有意義ナ手合ワセデアッタ。」

 もらったアドバイスでまだまだ強くなれると知った、呪いは同時に恩恵も与えてくれていると知った、これからの生き方についても道が見えた、実に有意義なものになったと言えるだろう。

「またお邪魔した際にはお願いします。次はもっともっと技のキレ。上げてみますわ」

「ソレハ楽シミダ。」

 コキュートス殿と別れ、帝国に帰るための馬車に前髪を掻き上げてから乗り込むと、既に中に乗っていた人物と目が合った。彼は目を見開き、何か言いたそうに口をパクパクしている。

「何か言いたいことでも?」

「あぁ、いや悪いな。お前が前髪を上げてるなんて珍しいからよ、驚いちまった。」

「あら、女性の髪型の変化に気付けるなんて貴方にしては凄いじゃない。バジウッド」

 ついでにパチパチと手も叩いてやる。それも貴族がやる様な奴ではなく、指だけの小馬鹿にした奴をだ。

「お前俺を馬鹿にしすぎだろ…」

 そんなやりとりをしていると、ふと、右側の顔から何かが滴る感触を感じ、いつもの奴だとポケットを弄る。いつもの場所に入れ忘れたのか、それとも落としたか、見つからず焦っていると

「なんだ、いつも持ち歩いてんのに忘れたのか?ほら、貸してやるよ。」

 そう言って彼がハンカチを差し出してくる。

「…バジウッドもハンカチなんて持ってたんですね。意外ですわ。」

 いつもの様に拭き取り、丁寧に畳む。少し考えてから

「返しましょうか?」

 と戯けてやると

「いや、流石に洗ってからにしろよ…」

 と返ってくる。それから暫く話をするが、バジウッドは私の顔のことなど気にもしなくなったか、慣れたのか、普段通りの雰囲気で喋る様になっていた。

 馬車が帝国に着き、馬車を降りる。少し冷えた風に呪われた顔を撫でられながら歩み出す。堂々と胸を張り、一歩、また一歩と。

 

…それからレイナースは度々バジウッドと共にコキュートスの下を訪れては手合わせをしては帰る様になったりした。

 

 

-小話11 吸血姫と蟲の王-

 

『コキュートス、武人建御雷様に作られた武人ともあろう者がその程度でありんすの?』

「ウウム…!」

 コキュートスは空をヒラヒラと飛ぶ紅い鎧を纏う彼女に向けて穿つ氷柱を放つがそれが彼女を捉えることはない。

『期待外れでありんすね。死になさい!清浄投擲槍ッ!!』

 放られたソレは聖属性の魔法の槍、威力も高くオマケに必中効果のおまけ付きである。常時発動している自己再生のスキルがあるものの、その回復量を大きく上回る数々の攻撃にコキュートスは窮地に追いやられていた。特にキツイのは炎の魔法だ。どんなに上位者となり、虫の王たる蟲王と言えど、虫は虫、更には冷気を吐き、身体から氷柱が生えている様なコキュートスである、炎が弱点なのは明確であった。そして必中の投擲槍、この二つに加えて空をヒラヒラと飛ばれると他に足をつけた四つ腕の虫ではなす術がない。コキュートスとしても必死の抵抗を続けて耐えたのだが、相性の差は厳しく、既にHPは眼前に迫る投擲槍を喰らえば死に至るほど追い詰められていた。

 そしてその窮地がコキュートスの脳裏にかつて自身が討ち取られた闘いを思い出させていた。

「ムンッ!」

 ブチリと引きちぎったのは己の左腕。虫としての生命力故か、左腕はまだビクンビクンと動いており、まだ生きていることを示している。眼前の投擲槍に引きちぎった左腕を投げつけ相殺する。必中の槍であれば当ててやればいいのだ。引きちぎったとてコキュートスの一部、狙われていたコキュートスに命中した投擲槍は躱したコキュートスを追尾することなく地面を抉り消えていく。

『流石は妾と同じ栄えあるナザリック地下第墳墓の階層守護者、まさか自ら腕を引き千切ってデコイにされるとは思わなかったでありんすよ。』

 紅い彼女はそれまでの戦いで清浄投擲槍の必中性能を過信していたのだ。既に投擲槍のスキルは使い果たし、MPについても必死の抵抗にムキになったため使い切ってしまっていた。そうなれば最早振るうは己が武器、スポイトランスによるHP吸収による持久戦である。コキュートスにも自己再生を上回る接近戦でHPを削り取るのだ。

『行くでありんすよコキュートス!!』

「来イ…!」

 コキュートスは再度ヒラヒラと舞う様に飛び、撹乱を誘う彼女を撃ち落とさんと穿つ氷柱を発生させる。

『あらあら、コキュートス。あちきにソレは当たらないといい加減学んだらどうでありんすか?』

 コキュートスは発生させた氷柱を握り締めると軽く上に放り投げ、ハルバートをフルスイングして氷柱をかっ飛ばす。以前コキュートスはその肩力をもってして氷柱を投げつけた事があったが、鍛錬の最中見つけた究極の遠距離攻撃がこの方式であった。自らの手で持って投げ付けるよりハルバートの柄の分だけ遠心力が更に増すこの方式の方が遥かに早いのだ。完全に油断していたのか回避が間に合わず翼に着弾するとジワジワと氷が根を張っていき、翼を凍てつかせる。

『なっ!?小癪な…!』

 最後の一発であった穿つ氷柱までこれを隠していたのは油断を誘うため。その罠に見事嵌り、空を失った彼女は他に降りるしかない。とはいえ完全に失速した訳ではないのだ。一撃だけでも入れてやろうと滑空しつつコキュートスの巨大に狙いを定める。

『的が大きいと狙うのも楽でありんすねぇ!』

 素早く身を翻しコキュートスのハルバートを躱し、突き出されるスポイトランスは確実にコキュートスの巨体を捉えていた。しかし、コキュートスにはこの局面において隠しておいたとっておきを発動させる。

「武技、回避!」

 確実に捉えていたはずのコキュートスの巨体が瞬時に等速直線運動を持って位置をずらす。間合いを狂わされた槍は届く事なく空を切り、仕方なく着地する。そして地に降り立った後に自身の敗北を悟る。散々放った炎に対し、徹底的に氷の壁を形成して防御を繰り返したため、地面には水溜りが広がっていたのだ。更にコキュートスはその手に雷を纏う武器を手に今更を振り下ろさんとしている。

「コキ……ト…殿!」

「コレデ終ワリダ」

 

「コキュートス殿!」

「ウウム?」

 コキュートスは脳内シミュレーションから叩き起こされると、叩き起こさんと未だに身体をバシバシと叩く小さな赤ローブを見やる。

「イビルアイ殿カ」

「コキュートス殿!寝ている場合ではないぞ!今日は我々と共にアゼルリシア山脈の調査依頼に行く日と伝えていただろう!」

 つい先日引き受けた依頼はアゼルリシア山脈の調査、王国にとっての未開の地を開拓する様な依頼を聞きつけた青の薔薇も報酬は5:5で良いからと無理矢理共同で引き受けようと言って来ていたのだ。コキュートスとしてはいつでも行けたのだが、無理矢理ついてくると言ってきた青の薔薇は準備だなんだと言って3日の猶予を要求し、その間コキュートスは半ば朧気になりつつある同僚達とコキュートスの脳内で闘っていたわけである。この世界に来てから身に付けた武技や新しい身体の使い方から編み出したスキルなど成長を続けるコキュートスに対し、同僚達はかつての記憶のまま。以前手合わせしたセバスには軽やかなステップワークによって四つ腕の武器を全て躱され、拳を何発も叩き込まれた執事の彼に対しても、不落要塞や流水加速と言った武技を会得した今のコキュートスであれば一方的にやられるということは無くなった。そんな風にまたコキュートスが脳内シミュレーションに想いを馳せ始めていると、器用に外皮鎧をよじ登ったイビルアイがコキュートスの頭をバシバシと叩き、耳元?でギャーギャーと喚き散らす。

 コキュートスはそんなイビルアイを肩車しつつ…イビルアイは子供扱いするなと頭をバシバシ叩いていたが…青の薔薇達のいる方へ歩み出す。

 

…因みに、この依頼の最中にイビルアイが吸血鬼と知ったりするのだが、ソレはどうでも良い話。

 

 

-一発ネタ やらかしルプーⅢ-

 

 ドタドタバタバタと廊下を走り回る音が徐々に近付く。恐らくはルプスレギナであろう。あの駄犬め、今度はどんなやらかしをしてくれるのだろうと、ヘロヘロは内心ワクワクしていた。

 ついに扉が開かれ、太陽のように眩しい笑顔でルプスレギナは

「ペペロンチーノ様!」

 と叫んだ。

「だれがエロ鳥じゃ!」

 決まった。完璧なツッコミだ。ドヤ!

 ドロドロとした身体で表現できているかわからないドヤ顔をし、ルプスレギナの反応を待つ。するとルプスレギナはクスクスと笑い出し

「ブッブー!エロ鳥はペロロンチーノ様でしたー!ヘロヘロ様ざんねーん!」

 くそっ!嵌められた!正しいツッコミは誰がスパゲティーじゃ!だったのか!

 机をダン!と叩き、悔しさに顔を歪ませる。

「おい駄犬、誰がエロ鳥だって?」

 ドスの利いた声はシャルティアの物、ルプスレギナはすぐさま完全感知不可を展開しようとするが、凄まじい速さで行われるシャルティアにヘッドロックに完全に決まってしまい、逃げられなくなっていた。

 

 それから3日間、シャルティアとルプスレギナは部屋から出てくることなく、じっくりとお仕置き(意味深)を行ったらしい。

 ルプスレギナ曰く「新しき扉が開かれた気が致します…」らしい。いやぁ、ペロロンチーノ、ナイスな!俺は心の中で友人に拳を突き出すと、礼には及ばないぜ、同士よ!と拳が返ってきた。ヘロヘロは満足げに頷くと、ルプスレギナをデミウルゴスに突き出し、追加でお仕置きを命令した。

 

 

 

 




是非とも他のエピソードが読みたい!というある方からの要望を受けまして、天から降ってきたエピソードを書いてみました。でも要望のエピソードは一つもありませんね…ドウシテ…

〜言い訳〜

●呪いの武人
・コキュートスがクラス付きの呪いを見抜けるのか?→武人なのでその呪いに込められたカースドナイト(?)の職業レベルを見抜いたと言う設定

・レイナースさん、そんなにあっさり髪上げて大丈夫か?→大丈夫だろ、問題ないって多分…

●吸血姫と蟲王
・コキュートスって炎が弱点なの?→こおり むしタイプなので ほのおタイプ4倍…。なんとなく炎が弱点そうじゃないですか。

・コキュートスの脳内でもシャルティアはポンコツなの?→シャルティアはポンコツ。

・取ってつけた様な青の薔薇の登場→吸血鬼繋がりという事で…今一エピソードが浮かばなかったんですよね

〜スーパーアルティメット宣伝タイム〜
オーバーロード二次創作 第一話にして最終話シリーズが増えました。よければ読んでみてください。
・ニニャがモモンと冒険する「姉の名前はツアーレニーニャ」
・ベルリバーさんという名のほぼオリキャラがお腹を満たすために食材を探すグルメ冒険譚()「オーバーイート」
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