か~な~り妄想成分高いです。
ツッコミは多々ありましょうが、アイ・ホエール
(目くじらw)を立てずに
「ヴァッカでー、こいつwww」と流して
くだされば喜びます。
『第○回全国高等学校野球選手権大会
第○日 準々決勝 第四試合』
「あの~、サブトレーナーさん……」
「これは……どういうことでしょうか?」
自分たちの手に握らされたヒト族のスポーツイベントの
入場券をしげしげと眺めながら、ライスシャワーと
メジロライアンがサブトレーナーに疑問をぶつける。
「なぁに、元々は野球好きなオレの従弟が観に行く予定
だったんだわ。それが急な出張でポシャってな、オレに
送ってきたんだ。で、だ。あいつが言うには
『ウマ娘のレースも凄いけど、野球だって奥深いぞ?
あんちゃんの担当ウマ娘、最近スランプらしいじゃん。
たまにゃ違うスポーツを観るのも気分転換になっていい
と思うな~』
だってさ。一理あるなってことでぇ、来週の○日は二人
とも空いてるだろ?連れてってやるよ」
「まぁ私は構いませんけど…ライスさんはどうする?」
「えっと、えっと…ライス、ルールとかわからなくて…」
「いいじゃない、目先を変えてみるのも手よ♪」
メジロライアンとライスシャワーが逡巡していると、
トレーナー室のドアがガチャリと開いて年配のウマ娘が
入ってきた。
「「トレーナーさん!」」
「やぁお疲れさん、テラス」
「ただいま、あなたぁ♥ん~~~ちゅっちゅっ♥」
テラスと呼ばれたウマ娘はサブトレーナーに抱きつくと
顔中にキスの雨を降らせた。ぶんぶん振られる尻尾が、
彼への溢れる愛を物語る。
「ひゃわあぁぁ!///」
「えっ、えっ、ええぇ!?///」
ライスシャワーもメジロライアンも度肝を抜かれ、顔が
真紅に染まる。
((夫婦だからって、人前でそこまでするー!?))
「おいおいテラス、気持ちはわかるけど大げさだよ。
二人が茹だってるぞ?」
「え……あらやだ強制終了してるー!?」
───── 十数分後。
二人に正座させられ、ぶち怒られるトレーナー夫妻の
姿があった。
テラスことアマテラスアロー。元G2・G3ウマ娘。地方
レースで好走を見せたものの、一度だけ出走した秋華賞
では有象無象の屈辱を味わった。生涯戦績10戦4勝。
よくある話だが彼女は荒れた。自分は中央に敵わない…
しかし厳然たる事実を認める心の余裕がなかった。
集中力を欠いたテラスはトレーニング中に転倒、骨折の
憂き目を見る。
「日常生活に支障なし。されどレースは不可。下半身
不随の危険性。ランニング、ジョギングは可」
医師から冷酷な最後通牒を受けたアローは涙も枯れよと
泣き暮らした。走れない、すなわち引退するよりないと
なれば、地方の分校ではあるが卒業を数ヶ月後に控えて
いようともトレセン学園に籍を置く意義も理由もテラス
にはなかった。
そこへ現れたのが夫の妹尾鉄生(せのお てっせい)で
あった。アローも彼を知っていた。自分のレースがある
週末は必ず観戦に来ていたからだ。
「ボクが貴女を支えます!走れなくてもいいじゃない
ですか!ボクと一緒になってください!」
以前一言二言話しただけの、自分より五つも下の少年に
求婚されたアローは目を点にしたが、ウマ娘ならではの
情の深さに豪速球が突き刺さったことで二人はめでたく
恋に落ちた。
二人は二人三脚で歩みアローはトレーナー、鉄生は
マッサージ師と鍼灸師の資格を取得。鉄生の大学卒業を
期に入籍挙式したのである。折しも慢性的なトレーナー
不足にあえぐウインズ米子レース場が二人を知り招聘。
夫婦はウマ娘とトレーナーの後進育成にあたることと
なる。
では何故に今の二人が中央のトレセン学園にいるのか。
「懇願!ライスシャワーとメジロライアンを復活させて
もらいたい!」
中央トレセン学園理事長・秋川やよい自身がド田舎に
出向き、頭を下げて要請したからである。ウインズの
支配人が目を白黒させたのは無理からぬこと。
さりとてウインズ側も優秀なトレーナー夫妻を手放す
のは非常に困る。現に、ぽつぽつとだが中央へ主戦場を
移すウマ娘とトレーナーがいるのは、まさしくアローと
鉄生夫婦の功績であるからだ。
理事長と支配人の丁々発止が繰り広げられ、今年の有マ
記念までの限定移籍という形で合意したのである。
天皇賞春三連覇を目指すメジロマックイーンを破った
ライスシャワーだが、観客の反応は冷たかった。
″なんでライスシャワーが!″
″いらんことしてからに!″
みんなを幸せにするウマ娘になって欲しい、との願いを
託された己の名前をライスシャワーは憎んでいた。
ミホノブルボンの菊花賞三連覇を阻んだ際もそうだ。
黒い刺客、と揶揄された。
もう走りたくなかった。チームも退部して退学届を
出そうと決めた。
(走るのは大好き。だけど自分が走るとみんなが不幸に
なっちゃう…ライスは邪魔な子なんだ)
ところがどっこい、ライスシャワーが思うほどミホノ
ブルボンもメジロマックイーンもヤワではなかった。
ミホノブルボンは退学届を目ざとく見つけると、その
快足で一気に距離を詰め退学届を奪い破り捨てた。
「貴女は私のヒーローなんです。私の三連覇を止めた
貴女がマックイーンさんの三連覇を止められないなどと
戯言は言わせません。四の五の言わず走りなさい!」
メジロマックイーンは最強のステイヤーと異名を成すに
相応しい末脚で追いつき、その足でライスシャワーが
書き直した退学届をグシャリと踏み潰した。
「敗者と勝者は陰と陽。今回は敗れましたが、貴女の
軍門に降ったわけではありませんわよ?わたくし、
次は完膚なきまでに貴女を叩きのめしますわ♪」
京都新聞杯でメジロマックイーンに五バ身差をつけて
勝利したメジロライアンの前途は洋々と思われた。
次に出走した菊花賞でメジロマックイーンは優勝こそ
逃したが、メジロライアンに八バ身差をつけて二位に
入線した。
メジロライアンの受けたショックは大きく、以降の
模擬レースや本番レースで全く勝てなくなっていた。
ある日の模擬レース。メジロライアンはまたしても
大差をつけられてメジロマックイーンに敗れた。
(どうして…!?菊花賞からこっち、あたしは必死に
トレーニングしてきたのに!どうしてマックイーンに
勝てないの!?)
マイナスの堂々巡りがメジロライアンの脳裏に渦巻く。
「ライアン…」
「マ、マックイーン!」
ターフによつんばいになってゼエゼエと呼吸するメジロ
ライアンの傍らにメジロマックイーンがいた。
「ライアン、貴女は何のために走りますの?」
「え……」
「わからないのですか…?」
言葉に詰まるメジロライアン。
「ふぅ…まぁいいです。ですがライアン、今のままでは
貴女はわたくしに永遠に勝てませんわ。そう…引退する
までね」
「なっ……!」
「では失礼」
悲しそうな笑みを浮かべて去るメジロマックイーンの
背中を、メジロライアンは黙って見つめていた。
二人の不調は学園全体に知られていた。自分たちの
噂話を耳にする度に逃げる癖がついてしまった二人が
行動を共にするようになったのは必然であろう。目下
所属チームもない二人はレース出走すらほど遠かった。
「メジロライアンちゃんとライスシャワーちゃんね?
初めまして、私はアマテラスアロー。貴女たちを鍛え
直してくれって頼まれたの。よろしくね♪」
「オレはテラスの夫、鉄生だよ。君らのトレーニングは
嫁さんが、体調管理はオレがやる。マッサージとか
鍼治療、お灸は任せてくれ」
この頃のメジロライアンとライスシャワーは、いわゆる
受験用科目(国語、数学、外国語、理科、社会)五教科
七科目の座学はきちんと受講していたが、レースを
含む体育には全く出席していなかった。それはつまり、
レースを志していない普通のウマ娘並みに二人が衰えて
いるということだ。
「このままですと二人は単位不足で卒業どころか進級も
危ういです~」
秋川理事長の秘書・駿川たづなに嘆かれ、さすがの
二人も危機感を覚えた。レース出走を脇に置いとくに
しても、せめて体裁は整えねばならない。
神の采配かそれとも気まぐれか、そんな時にトレーナー
夫婦が赴任したのである。二人は特に不満を漏らしも
せず夫婦の教えを受けることになった。
マジで脈絡ないな自分(笑)
ライスとライアンって需要あるんだろーか?(^^;