復活の日   作:大風呂式

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①「細かい部分まで緻密に設定してから書く」
②「大まかな流れを決めて書き始め、その都度
足りないところを補填する 」
皆さんの手法はいかがでしょうか。
私は②です(^^;


そのに:復調と再会、そして暴露

入念な準備体操に始まり、健康維持にヒト族が行うのと

同程度のランニング、終了後のクールダウン───

アマテラスアローと鉄生が走る能力を落としてしまった

二人に課したトレーニングメニューである。

「貴女たちの経緯は聞いてるわ。レースウマ娘に求め

られる最低限度の基礎体力も下回る現状じゃ、今の

貴女たちにできることは限られてる」

急遽行った二人の体力測定データを見ながらアマテラス

アローが溜息をついた。

「驚いたのはオレもだよ…二人とも体幹がめちゃくちゃ

ずれてるんだ。それを知らずに無理してトレーニング

していたライアンもだけど、特にライス…君は天皇賞の

ために一人で山ごもりしたんだってな」

トレーナー室据えつけの簡易ベッドにうつぶせになった

ライスシャワーをマッサージしながら鉄生がぼやいた。

「「ごめんなさい……」」

ライスシャワーとメジロライアンは消え入りそうなほど

か細い声で答えるのがやっと。

「まぁ過去は過去として。当面…そうね、一ヶ月はこの

メニューで体力回復しましょう。鉄生さんは二人の整体

をお願いね」

「OK、任された」

「貴女たちも焦らないでね。土台をしっかり作り上げて

こそレースっていう建物が生きるのだから」

「「はい、よろしくお願いします!」」

「うん、いい返事ね♪」

 

「テラス、あの子たちは何とかなりそうかい?」

その日の夜、鉄生はアマテラスアローのマッサージを

しながら訊いた。

「大丈夫よ~♪目視した限り、二人の筋肉はそんなに

減ってないわ。今はちょっと眠ってるってとこかしら…

あんっ♥そこ弱いのよぉ♥

「なんで艶っぽい声を出しますかね…はい、おしまい」

「ありがと♪あ~、体が軽い♪じゃ、次はあなたの

番ね」

「うん、頼むよ。テラスのマッサージはよく効くから。

オレのやり方を盗んだだけはある」

「むぅ~…なぁんか素直に喜べない褒め方ね」

「ごめんて。観察眼の鋭さは相変わらずだからさ」

「それじゃあ、今夜はあなたの体でそれを具現化して

くれる?」

アマテラスアローの瞳がギラリと光る。

「……頑張ります」

その後、トレーナー寮に伝説が響き渡ったのは内緒だ。

う~、うまぴょい♬うまぴょい♬

 

三週間が過ぎた。アマテラスアローの見立てを遥かに

上回るペースでライスシャワーとメジロライアンの

復調が急速に進んだ。通常の体育の授業への出席は

もちろんだが、メリハリをつけるために水泳の日や

筋トレの日、学園の周囲を散策するだけの日を設けた

ところ、パズルのピースがハマったかのように二人の

表情が明るくなっていったのである。

「すごいわね二人とも…中央で鎬を削っているのは

伊達じゃないわ」

アマテラスアローは改めて二人の資質に舌を巻いた。

とはいえ、やっとゼロ状態…入学直後のウマ娘水準に

戻っただけなのだが。

「これからが正念場だな…」

「そうね…私たちも負けてられないわね」

 

決意を新たにしていると、聞き覚えのある声がした。

「テラスせんぱーい!」「妹尾さーん!」

「あれ…みっちゃんに大山くん?」

「おぉ、トシちゃんか!」

振り向いた先には、みっちゃんなるウマ娘とその

トレーナーが歩いてきていた。

「お久しぶりです、せんぱい!」

「師匠、ご無沙汰してます」

みっちゃん───スリーアローズと大山年郞。各々が

アマテラスアローと鉄生の後輩で、夫婦から多大なる

薫陶を受けていた。G2で好成績を挙げ中央に進出を

果たしたコンビの一つでもある。

「師匠ゆーなって!中央のレベルについていくだけで

いっぱいいっぱいだからさぁ」

なんでやねん!とツッコミを返す鉄生だが、年郞は

意に介さない。

「期間限定とはいえG1クラスのウマ娘を担当してる

じゃないですか。ウインズでも評判ですよ♪」

「マジすかー…」

ずーんと落ちこむ鉄生に、スリーアローズが追撃を

かました。

「夫婦でっていうのがポイント高いですもん!実際、

ウインズで語り草ですから♪」

「やめてみっちゃん、声おっきいから!」

活発な性格のスリーアローズの唯一の欠点だった…

と後悔するアマテラスアローだが、既に遅かった。

「ほう…つぶさに聞かせてもらおうか」

「お二人の馴れ初め、興味津々です」

「トレーナーの落とし方、教えてよー!」

「ワクワクですわ!」

気がつけばシンボリルドルフ、グラスワンダー、

トウカイテイオー、メジロマックイーンが夫婦の

眼前ににじり寄っていた。四人とも自分を担当する

各トレーナーに惚れ込みうまぴょい候補四天王

噂される強者ぞろい。

「うわ、なんだおまえら!?」

「貴女たち、どうしてその末脚をレースに生かそうと

しないの!?」

何とか場を収拾せんとする夫婦だったが、しれっと

ルドルフが口火を切る。

「ふっ…愚問だな。それはそれ、これはこれ。私たち

ウマ娘の恋は常に疾風迅雷なのだよ」

「愛しいトレーナーさんと添い遂げるべく、ぜひとも

ご教授を」

「ボクのトレーナーはニブチンだからさ、オンナの

色気っていうの?それを身につけたいんだ!」

「わたくしの夫に、ひいてはメジロ家専属になって

いただくためにもお願いしますわ!」

中央トレセン学園最強の一角を占めるウマ娘が我欲

丸出しのギラギラ眼で迫る。

恐怖に慄くアマテラスアローが、たまらず鉄生に

しがみついた。耳はへにょんと垂れ、尻尾も小刻みに

震える。

「ね、ねぇあなた…どうしましょう?」

「……大逃げ、できそうにないな。テラス、一緒に

恥ずかしい目に遭う覚悟、ある?」

「あなた……」

鉄生の言葉に尋常ならざる決意を感じたアマテラス

アロー。ここで夫を守れずして妻と名乗ること能わず。

ひゅっ…と短く息を吸い込む。

「私はあなたの妻ですもの。何があろうとあなたの

傍にいます」

「……悪いな。埋め合わせはするよ」

鉄生は丹田に力をこめた。

「よーしわかった!しかしここでは場所が悪い、

一時間後にカフェテラスに来てくれ。可能な範囲で

質問に答える!」

「承知した。子細微細に頼むぞ♪」

ルドルフが答え、四人が楽しそうに去って行くのと

入れ替わりにライスシャワーとメジロライアンが

トレーニングから帰ってきた。

「「トレーナーさん、何かあったんですか?」」

アマテラスアローがぼかして説明しようとしたが、

そこに割りこんだスリーアローズが全てぶちまけて

しまったため、二人が豹変した。

「「私も行きます!」」

「年郞さんと私も一緒に行きますね!」

「待て待てーい!おまえらはとっくに知ってんじゃ

ねえか!」

「「イイ話は何度聞いても飽きませんから♪」」

「なんでハモるのよ!?」

一難去ってまた一難。夫婦は頭を抱えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 




個別ストーリーを見るとライスもライアンも
かなり不憫なので、少しは幸せを感じてくれたら
なぁ…との思いで書いてますが、どこまで伝わるか
試行錯誤の連続です(涙)
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