呪術廻戦×「巣くうもの」(洒落コワ話より)ネタ   作:蜜柑ブタ

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いったいどれくらい放っておいてしまっていたんだろう……、原作はとうに終わっているのに……。
書く気がないわけじゃないのに、なぜ書けないのか分からない……。やる気?



今回は、前回からの続き。

『巣くうもの』が出てきた中で身動きが取れない京都校と、京都校生徒達の救出を頑張る順平と、乱入してきた謎の人物と敵対する五条。


京都校のキャラ達のキャラの書き分けがイマイチ分かってなくて申し訳ないです。
ここ違うってところがありましたら、メッセージか活動報告で教えていただけると助かります。


謎の人物は、もう誰なのかすぐ分かるかな?





それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?


SS17  攻撃対象外の乱入

 

 

 うっそうとした生えた樹林と背の低い植物が生えていて、コケや湿った枯れ葉や枝が敷き詰めれたような固い地面と地面から浮き出た樹木の根の一部を枕みたいにして体を預けるようにして横になって熟睡、いや爆睡している虎杖悠仁。

 その体から染み出るように出てきているのは、黒いモヤや煙のような……奇妙な何か。

 ついさっき京都校の生徒をひとり、あと悠仁を騙してここへ誘いこんだ呪術界の保守派の呪術師の女があっという間に命を落とした。

 死んだ順番は、悠仁を連れてきた女が最初で、次の京都校の生徒だ。

 事前に現時点で確認できている『巣くうもの』の習性を伝え聞かされていた残りの京都校生徒達は、ギリギリで自分達の呪力をゼロに近いほど抑えこみ、地面に身を伏せて『巣くうもの』の攻撃対象から間一髪で外れた。

 しかし警戒は解かれていないらしく、いまだにユラユラとまるで波の力で揺れ動く水中の水草のように宙で揺れている『巣くうもの』がその状態を保っている。

 いつでも攻撃するためか、それとも先ほど見失った攻撃対象を探しているのか、見失った攻撃対象の方が動く瞬間を待っているのか……。

 どの可能性を考えても即死を免れない大ピンチであるということに変わりない。

 地面に伏せたまま生徒同士で言葉を交わしあったが、音には興味を示さないようだということが分かった。

 『巣くうもの』が攻撃すべき対象とするのは、主に呪いや神聖な神秘であることは五条達や呪術界の調査で判明しており、『巣くうもの』が攻撃態勢に入ると『巣くうもの』に寄生されている宿主である虎杖悠仁は、突然眠ってしまう症状が突然起こる。

 攻撃対象の大きさや強さなどで悠仁を眠らせるほどじゃない時もあるようだが、『巣くうもの』に初めて接触した伏黒の時は両面宿儺の指がある場所で指に宿る強大な呪力に惹かれて集まった呪霊が大量に校舎に集まって呪霊の巣窟になりかけていた。

 その時に五条が遅れてきた際に攻撃対象として五条を攻撃し、五条が危うく命を落とす寸前に追い詰められたが、後の調査で二人を救ったのが悠仁と疎遠になっていた友人である吉野順平が使役していた式神によるものだと判明した。五条を助けるために命をかけた伏黒にターゲットを移した『巣くうもの』との間に割って入って『巣くうもの』に潰された半透明な何かがそれだった。クラゲのような形態の式神だった。

 五条は死にかけ、伏黒は呆然自失で戦意も呪力も失せていたためか『巣くうもの』はこれ以上の攻撃をせずに眠る悠仁の中に戻っていった。

 悠仁を監視対象として保護するにあたり、五条が自分自身を実験対象にして『巣くうもの』の習性を紐解こうとした。

 結果、最初は過敏に反応した五条の六眼には興味を示さず、呪力で動く人形であるパンダは呪力さえ使わなければ攻撃対象にはされないと分かった。パンダが授業で呪力を使った時に安全装置として左腕につけた五条製作のやべぇ代物がパンダの左腕ごと破壊された時はパンダの生みの親である夜蛾も心臓が止まりそうになったというし、その前に悠仁を呪専に連れてきた途端に夜蛾が生産していて納品間近だった呪骸がほぼ全て破壊されたという事案が発生して夜蛾がストレスで大変だったのは余談である。

 

 

「聞いてた話以上にヤバすぎんでしょ…!!」

「ど、どうしたら? どうしたらいいの…?」

「落ち着け! 騒ぎすぎると奴が攻撃を繰り出してくるかもしれな…。」

「あー---!!」

「どうした⁉ 急に大声を出したら…。」

「私の…箒が…。」

 

 

 いつ『巣くうもの』に瞬殺されるか分からない中、この危機的状況から逃れる術はないかと地に伏せたまま話し合っている中、ひとりの少女が声を上げたため視線が一気に集まる。

 京都校の生徒のひとり、西宮桃の術式は愛用の竹箒をまるでおとぎ話の魔女のように操り魔女のように自在に操り、魔女のように箒に乗って自由に飛行するなどの偵察やスピードを活かした奇襲向けの呪術を扱っている。

 なのだがこの日のために持ち込んだ愛用の竹箒が彼女の手の中でチリ屑になりかけるほどボロボロに崩れて地面に落ちていき、落ちたはしから粉みじんになっていく。

 それを真希に似た少女、禅院真衣が持っていた拳銃を慌てて取り出した。これは彼女の術式で構築した銃弾を打ち出すためのものだが、取り出した瞬間に待ってましたとばかりに彼女の手の中で砂塵になった。

 他の者達も慌てて持ってきていた呪具を確認したが、どれもこれもボロボロに朽ちて原型を失った。

 事前情報にあった『巣くうもの』がそこにいるだけで、『巣くうもの』を台風の目として一定範囲にある呪具や神秘の力を持つ物体は全て破壊されるかその力を完全に失うというのを聞いていたのだが、ここまで徹底的に…と予想を超えていたことに京都校生徒達は改めて今自分達の前に出現した『巣くうもの』がどれほどの脅威であるかを理解した。

「加茂、あんたは…。」

 呪具を使わないが自身の体液を使って発動する術式を持つ加茂慶紀は、地面に伏せたまま首を横にブンブンと振り両手でバッテンを作った。

 先にやられた同校の生徒が呪力を使用した瞬間にあっという間に無残な形で殺されたのだ。呪力を使っただけでああなるのが分かったため、ああなりたくなかったら彼の呪術は使えない。

「メカ丸…! メカ丸は⁉」

「別の方向から移動する手筈ずだったが……、望み薄だろう…。」

 メカ丸は呪力を使い遠隔操作で動かす人形で戦う特異な呪術師だ。

 天与呪縛のせいで生まれつき肉体の欠損や生命維持が難しい状態と引き換えに強い呪力と呪術師としての高い素質を持つため、術式で動かす人形で高い戦闘能力を発揮できる。

 だがそれはつまり常時呪力を使用している状態であるということを意味する。

 だから……、果たして『巣くうもの』が常時放出しているらしい呪いと神秘を破壊する力に晒されて無事でいるのだろうか?

 ……この場にいる京都校の生徒達は、メカ丸が無事だという想像が全然できなかった。

 途中で合流するはずだったのだが来る気配がないのもそれを裏付けている。

 遠く離れた場所にいる本体が無事であることを祈るしかないが、今はこの危機的状況からどうやって逃れるかを考えることに集中しないといけない。

「ここに来る前に、真希と母さんに遺書を残しておけばよかった…。」

「諦めないでよー! こっちも泣きたくなるから!」

 真衣が『巣くうもの』への恐怖と絶望感で涙をボロボロとこぼし始めたので、釣られて西宮も半泣きになってしまった。

 呪術師として生きる過程で培われたメンタル面が常人のそれじゃない面々だがあまりにも『巣くうもの』が異常で強すぎることに早々に心が折れそうになっていた。

 校長の楽巌寺からの命で、この交流会で『巣くうもの』という呪いより危険な存在を体内に宿した虎杖悠仁の殺害をする予定だったのだがまさに瞬きをする間もなくそれどころじゃなくなった。

 『巣くうもの』が出てくるのが速すぎるし、攻撃速度も尋常じゃない。

 悠仁は、その場で即座に眠り即座に出てきたと思ったらこれだ。交流会の会場である東京校側にもすでに『巣くうもの』の出現は伝わっているはずだが、向こうもすぐに手出しできない。

 『巣くうもの』が守るのは、自分の住まいでありサナギの殻である悠仁だけなのだ。それ以外は攻撃対象か、無関心を貫く。知性は感じ取れないが適応能力が非常に高く、五条を最強たらしめる力である無下限呪術を短時間で攻略し、あのモヤのような触手で無敵の壁を貫こうとしてきた。そしてその後は五条を一方的に殺しにかかり、死ぬ寸前になるほど追い詰めた。

 『巣くうもの』は、いずれ成長を遂げて悠仁という殻から飛び出してくることが予想される。これは五条の六眼で見た分析と彼の推論だ。

 『巣くうもの』は、決して悠仁の守護者でもなく味方でもない。ただ自分のために悠仁を生かして守っているだけに過ぎない。正体不明で、今は幼虫だからこそ行動原理は単純であるからこそ無差別である。

 呪術界が『巣くうもの』の正体を調べることと同時に、その力を利用しようとして何度か悠仁を任務に行かせた結果、特級呪霊による領域を音もなく、衝撃もない、謎の破壊の力で消滅させるという芸当を見せられてしまった。

 それは『巣くうもの』の成長が進んでいることを意味していると五条は語っていたという。実際初めて見た時よりも大きくなっているらしい。

 こうなっては、『巣くうもの』が巣立つ前に悠仁ごと『巣くうもの』を殺すしかないと呪術界の保守派は考えた。そして実行に移そうとして……今がある。

「私としたことが…、今かつてないほど楽巌寺を怨んでいます。」

「奇遇ね…、私もよ…。」

「このまま身動きできずに衰弱死するのを待つしかないわけ…? ねえ、東堂……? 東堂?」

「…一か八かだが……、試す価値はあると思わないか?」

「なにを…? まさか…、待て! 呪力を使ったてしまったら!」

「虎杖悠仁の息の根を止める瞬間に奴(『巣くうもの』)が反応できなければ勝ちだ!」

 ゆっくりと立ち上がった東堂葵が、眠っている悠仁を見据えながら両手を叩いた。

 次の瞬間、その場から東堂が消える。

 そして、悠仁のすぐ真横に東堂が出現した。

 彼の呪術である不義遊戯(ぶぎうぎ)が問題なく発動したのだ。

 それを目撃した同校の仲間達は揃って目を見開いた。

 『巣くうもの』の揺れる動きが急に止まる。まるで何が起こったんだと硬直したように。

 『巣くうもの』が対応するより東堂の方が速かった。

 眠っている悠仁の頸椎めがけて拳を振り下ろそうとした。

 

「ストーーープ。」

 

 次の瞬間、どこか気の抜けた男の声と共に東堂の体を蹴り飛ばされた。

 蹴り飛ばしたのは長身の謎の男。体格からそう判断できる。

 容姿を隠すためか頭まで包む黒装束で身を包んでいるが、空気抵抗を避けるために動きやすそうなデザイン。

 背中に青龍刀のようなごつい剣を背負った時代錯誤な恰好で、なおかつ顔にキツネの仮面を付けて素顔を隠している。

 蹴り飛ばされた東堂は近くの樹木に背中から衝突して樹木が倒れて、それでも蹴られた衝撃を殺しきれなかったのか更にその向こうに東堂が飛んで行った。

「ギリセーフ…ってとこか。」

 背中に引っかけていた剣を右手で取ってそのまま握り、もう片腕で眠っている悠仁の体を器用に起こして肩に担いだ謎の男。

 そんなことをされても『巣くうもの』は、いまだに悠仁の体から出たままだ。

 だが悠仁を担ぎ上げた男に攻撃する様子がない。

 その異常な光景に、別の意味でその場にいた者達の間に戦慄が走る。

 その時遠くからいくつもの爆発音が聞こえてきた。花火の破裂音じゃなく、爆弾が爆発した時の轟音だ。

 それが森の外からする。

 東堂の呪術が上手く発動して『巣くうもの』がそれを探知しなかったこと。

 悠仁の命を奪う直前までいった東堂を妨害した謎の男の登場。

 悠仁を連れて行こうとするが『巣くうもの』が謎の男を全く気にも留めていない様子を見せていること。

 森の外の方で起こった爆発。

 『巣くうもの』を前にしたことで限界に近かった精神的緊張のせいで頭が混乱するには十分すぎる異常事態の連続。

 するとそこへ透明な触手が京都校の生徒達の体を絡めとって優しく持ち上げていた。

 それがクラゲのような式神であることに気づいたが、『巣くうもの』は気にしていない様子だ。

 先ほど吹っ飛ばされた東堂の方へ別の方角から匍匐前進で恐る恐る近寄っていくひとりの少年がいた。

 酷い顔色で、東堂の方へ向かおうとしているのは悠仁の友人で、彼の世話と監視を任されている生徒、吉野順平だった。

「ん~? あいつは……、あ~、そういや、いたな。俺以下だが、こいつ(『巣くうもの』)に気にも留められてないガキがいたんだった。」

 謎のキツネ面の男は、順平の存在に気づくとマイペースな調子でそんなことを呟いていた。

 

「順平。悪いけど、このまま保護できた京都校の子達と離脱してくれる?」

 

「ん?」

 そこに現れたのは、五条だった。

 五条は、目隠しを外していて男をまっすぐ見ていた。

 男は五条に顔を向け、心底面倒くさそうな声を漏らす。

「…校舎と呪術界の偉い連中のとこの消火は済んでないだろ?」

「あれ、お前のせいか。」

 五条が若干苛立ちを孕んだ声で言った。

「この日のためにくっそめんどーな爆弾の設置をせっせと準備してやったんだ、喜べよ。」

 右手握る剣の先を五条に向けながら男が挑発的に言ってのける。

「喜べるか。それよりやっと見つけた。順平以上にアレ(『巣くうもの』)の臭いべっちょりの人間。」

 五条が探していたのは、『巣くうもの』という異常な存在を隠し通すために暗躍していた人間だ。

 五条の推理が正しければ悠仁を抱えて去ろうとしているあのキツネ面の男が『巣くうもの』の情報を徹底的に抹消して隠していた人物だろう。

 五条の六眼でハッキリと、生きた人間であるはずなのに吉野順平以上に透明人間状態だと確認できたからだ。

 そもそもどうやら順平と違い、呪術師の素養が一切ないらしくそれがより透明人間状態に拍車をかけていると思われる。

「それがどーしたってんだ?」

「捕まえてからじっくり教えてやるよ。探してた理由を。」

「こっちは呪術師家系のお坊ちゃんの遊びに付き合ってる暇はねぇから。」

「それって悠仁を攫うって仕事があるから?」

「依頼だから黙秘。」

「夏油傑の依頼?」

「んなわけないだろ、あっちはあれでめんどくせーし、しつけーし、無駄に生命力つえーしでお前とは別系統のクソガキだ。」

「…話せよ。せめてお前が言ったその依頼っての。じゃなきゃ、逃がさないから。呪術が使えなくても最強を舐めんなよ?」

 そう言いながら暗器を取り出す五条。

「バーカ。状況分かってねーのはそっちだ。」

「!?」

 次の瞬間、五条に向けて『巣くうもの』が攻撃しようと触手のようなモヤを振ってきたため五条は間一髪のところで後方へ飛びのいて避けた。

「ー--マジ…っか⁉ 気にしないどころか……、悠仁ごと守ろうとして…!」

「そうらしいな。俺のことは、コイツ(『巣くうもの』)にとっちゃお前らより有益だって思われてるっぽいなぁ。なんでか知らねーが。」

 『巣くうもの』の体(?)が男にメチャクチャ触れているし、悠仁を肩に抱えているのに『巣くうもの』は男のことを全く攻撃しない。それどころか男を害そうとしていると判断したのか五条に攻撃を仕掛けてくる。

 これは完全に予想外だと五条は内心の焦りを隠そうと強がりな笑みを浮かべた。

 五条の白い顔から垂れてきた汗が地面に落ちた。

 

 

 




京都校成す術がなし……と思いきや、なんと東堂の呪術を『巣くうもの』が感知できず悠仁のすぐ近くに移動させてしまうという事態が発生。
これは前々から決めていたこのネタでの設定でした。
理屈は不明だけど、一部の呪術に『巣くうもの』が対応できないというのを考えていて東堂をその役にしました。
ただ『巣くうもの』が東堂の呪術に勝てないというわけではありません。今回の移動成功は、か~なりタイミングと運が良かっただけです。
少年院の破壊と夏油が仕掛けた特級呪霊の生得領域発生現場消滅の時のようないつも以上に力を出す状態だったら……違ってました。

東堂を蹴り飛ばして妨害し、この場から寝ている悠仁を連れ去ろうとしている正体を隠した謎の人物……。ここまでの話の流れでたぶん誰か分かりますよね?
五条達が探していた『巣くうもの』の情報を徹底的に抹消してこれまで呪術界や呪詛師側に『巣くうもの』のことが知られないよう工作していた人間で、五条の見立てでは順平以上に透明人間状態の人間の仕業と考えられていた。
五条が六眼で確認してやっと見つけたと逃すまいとしますが、なぜか『巣くうもの』がこの人物を守ろうとするように動く。
謎の人物もこうなることが分かっていたような落ち着いた態度。
悠仁は爆睡中で自分を中心に周囲で何が起こっているのかまったく知らない。

京都校の生徒救出は、ここでは登場していませんが順平以外の面々も頑張っています。
『巣くうもの』からの攻撃を警戒して慎重に行動しているから、追いつけていないだけで。

どのエピソードを希望しますか?

  • 夏油が巣くうものを探す理由になった過去
  • 乙骨と里香を高専に帰還させるには?
  • 京都との交流戦でひと悶着
  • 悠仁の両親の死と、倭助の行動
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