呪術廻戦×「巣くうもの」(洒落コワ話より)ネタ   作:蜜柑ブタ

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すっごい久しぶりの投稿となります。

お待たせして申し訳ありません!




今回は悠仁の初任務(※出陣ならず)。

パンダ帰還。

五条が色々ヤバい。

微妙に腐向け?(※恋愛感情なし)



嘔吐表現などあり。









それでもOKって方だけどうぞ。










いいですね?









SS6  初任務とパンダと五条のやらかし

 

 

 呪術師に休み無し。

 

 理由は実に簡単。人がいる限り呪いは常に生まれてくるから。

 ぶっちゃけ知能がある動物からでも発生するから根絶は不可能かもしれないが大自然のそれは人間から生まれる呪いよりはクリーンで自然に還りやすい。人間は高い知能とそこから生まれる複雑な感情を持ち合わせている分、呪いが複雑化し毒性を増していると言える。

 

 そんな厄介な方の呪いを生む人を守るために、人が呪いを使って人を守る。負のイタチごっこもいいところである。

 

 

 

 

 

 

 

 伏黒は、あとちょっとで胃の内容物を全部吐き出しそうなほど顔色が悪かった。

 伏黒の近くには呪術師の補助監督が運転して停車させた送迎用の車がある。

 その車の後部座席に悠仁が車の扉に身体の横をもたれさせて寝ていた。

 この場所は人里の離れにある年季の入った工場の敷地内だ。

 生徒とはいえ呪術師の端くれである高専の生徒にも呪術師としての任務が割り振られる。教室での勉学と運動場などでの体力指導も大事だが、任務を通した実戦訓練がなんやかやで一番身になるのは皮肉だろうか。

 なお、ちゃんと給料は払われる。生徒であろうと任務をこなせば払って貰える。なんだったら釘崎なんてその金目当てで高専に入り上京したというのだから呪術師も色々である。

 東京の高専1年生の伏黒と悠仁と釘崎に早速とばかりに実戦訓練という名の任務が来た。

 そこまではまだよかった。

 問題は、何も知らない教えられていない悠仁と、悠仁の中にいる『巣くうもの』だ。

 あらかじめ呪術師の先輩として伏黒や担任である五条が悠仁に任務のことなどは教えている。呪霊や害を与えている呪物を取り除かないと被害が出るばかりであることはしっかり理解していた。それに根の明るい善人であるため口や頭より先に手や足などの身体が脊髄反射で動いて危険に飛び込んで行ってしまう悠仁は任務で自身が被るかもしれない危険を二の次三の次以上に考えずに早く呪いを祓うために軽く任務を請け負った。

 だが前提として悠仁は、体内に『巣くうもの』が住んでいるせいで“見えない、触れない、聞こえない”の三つの要素が一般人以上に強いので知識として呪いのことを教えられても実際に体験もなにもできないためそれが危険だということだけしか認識できていないのである。

 悠仁以外の『巣くうもの』のことを知っている者達は、この初任務が悠仁の初陣にはならないと承知していた。

 もしかしたらこの先死ぬまで悠仁は呪いを認識せずにいるかもしれないがそれは誰にも分からない。

 任務先の工場付近まで送迎の車が近づいた時、悠仁が寝た。の●太君もびっくりレベルの寝付きだ。

 伏黒は、せめて外の空気で極度の恐怖心から来る体調不良を緩和しようと車が停車した瞬間に急いで車から降りた。運転手の補助監督は仕事上運転席から離れられないのでヤバい空気を感じて伏黒同様に吐きそうな顔して耐えている。プロだ。だがよく見ると胃からせり上がってくる物を何度か口の手前で堪えて飲み込むを繰り返していた。あと何分もつだろうか。そのうち限界が来てせめて車内でぶつまけないよう車外で嘔吐するだろう。

 補助監督はまだ車の中にいるからマシだった。先に車から降りて外に出た伏黒は心からそう思った。

 なぜなら呪霊がいると聞いていた工場の方から、悠仁が少し前まで通っていた普通の高校で聞いた『巣くうもの』に呪霊が惨殺される音に似た音が聞こえてきたからだ。

 喉までせり上がっていた胃の内容物がその音を耳から頭で認識した瞬間に引っ込んだ。恐怖が瞬時に限界突破すると身体の内側から機能が止まるような衝撃を受けるのだというのを伏黒は初めて知った。きっとこういうのがびっくりしすぎて心臓発作で死ぬアレなのだろう。確かにこれは死ねそうだ。

 伏黒がそんなことを他人事のように考えていたらあの音が止んで、代わりに釘崎が盛大に嘔吐している苦しそうな声と鈍い水音が聞こえた。十秒後ぐらいに車の扉の開閉音が聞こえて、補助監督が車から転がり落ちるように四つん這いになって地面の上に嘔吐していた。

「水。」

「うぷ、ぅ……、わりぃ…。」

 伏黒が車に乗せていた水の入ったペットボトルを釘崎に渡した。もう一本持っているが渡そうと思っていた補助監督はまだ吐き続けている。釘崎は胃の内容物だけじゃなく、胃液も出なくなるほど先に吐いていた、地面に座り込んだままもらったペットボトルを開けて水を口に含み口の中をゆすいで水を地面に吐いてから再度水を含んで今度は喉を潤した。

「さぃ…あく!」

 飲んべえが激昂してジョッキをテーブルの上に叩き付けるように持っているペットボトルの下を地面に叩き付ける釘崎。

「なんなの!? あれ、なんなわけ!?」

 釘崎が指差す先には下手なホラー映画も逃げ出しそうなレベルの呪霊の惨殺現場が広がっていた。見えない人間にはまったく分からないことであるが呪いが見える彼らはイヤでも見えてしまう。知らない方が幸せとはまさにこのことだろう。常人程度の精神力と感性ではこの現場を見たら発狂できそうだ。

「わからない。」

 釘崎の問いに伏黒は顔色が悪いまま返事をした。

「はあ!?」

「分からないことが分からない。虎杖の中に潜むアレは、まさにその言葉通りのモノだ。」

 伏黒が淡々とそう説明していると、割と近くの方で呪霊のものと思われるおぞましい断末魔が聞こえた。

 音を脳が認識した瞬間に伏黒も釘崎も石みたいに固まった。嘔吐していた補助監督も恐怖のあまりに吐き気が引っ込んだらしく嘔吐を止めていた。

 断末魔は生の肉を引き裂くようなおぞましい音と肉から溢れ出る濃厚な液体が地面などの固い物に落ちる濁った水音は、車を止めている敷地内の端にうち捨てられるように設置されていた錆びた簡易倉庫から聞こえていたのだが倉庫は音の終わり頃にひとりでに崩れた。崩れた隙間から赤みのある黒い液体がドロドロと流れ出てきていて、伏黒達はそれが古い油か泥だと思いたかった。思えればよかった。

 流れ出た液体の悪臭が微風で流れて風下にいる伏黒達の方へ来た。その悪臭で伏黒はついに嘔吐した。吐くだけ吐いたはずの釘崎も耐えきれず再び吐いた。あと補佐監督も。

 車の後部座席に乗ったまま寝ている悠仁は外の事態にまったく気づいておらずスヤスヤと熟睡していた。眠っている悠仁の身体の表面辺りの空間と影が揺らぎ、後部座席の扉の境目から極薄い平らな形状のモヤのような物が悠仁の方へと流れて悠仁の身体に吸い込まれるように消えた。

 事前に決めた一定時間間隔で行う連絡の有無で救援か迎えに来ることになっていた補助監督の伊地知が悠仁達の送迎をしていた補助監督仲間からの死にそうな声での連絡をもらい現場に応援と共に来た時には嘔吐しすぎで脱水症状を起こした伏黒と釘崎と補助監督が発見され、送迎に使った車には悠仁が寝ていたが悠仁の方はただ寝ているだけで、なおかつ運転席側のドアが開いていたため日光を車体が浴びることで起こる車内温度の上昇もなく健康面に一切問題は無かった。更に高専に連れて帰られてからも眠ったままで起きたのは翌朝だった。『巣くうもの』は帰路で暴れることは無かった。

 五条曰く、行きの時に一掃されてるということらしかった。

 

 

 

 

 

 

「落ち込んじゃってるのかな?」

「だって…、仕事に行く途中で寝るってめっちゃダメじゃん。」

 翌日の1年の教室で初任務の反省会のようなことをしたが悠仁は任務をこなした記憶が一切無く、道中の車内で爆睡していただけだったと知って落ち込んでいた。

「悠仁は責任感強いね。」

「あなたに爪の垢を煎じて飲ませたいです。」

「盗んだバイクで走り出したいお年頃がガチゴチの社畜精神じゃダメだよ。」

「呪術界のクソクズ系社畜乙。」

「ゆうじ~二人が辛辣! 慰めて労って!」

「いちいち虎杖にすりつくな抱きつくな!!」

「虎杖! 嫌なら拒否しろ!」

「んっ、嫌では…ねーかな?」

「それ言ったら絶対アカンやつよ虎杖ーーーー!!」

「そっか~、悠仁嫌じゃないんだね? だったらさぁ…。」

「言わせるか!」

 五条が言おうとした言葉の先を悠仁に聞かせないために伏黒と釘崎が連携の取れた同時攻撃して五条の言葉を阻止した。

 

 

 『悠仁が嫌がらなければ、僕が飼ってもいいんでしょ?』

 

 先日五条がそんなとち狂い発言を名案でしょっと言わんばかりの笑顔で明るく言い、言質が取れたら悠仁を一生手元で監視しつつ見返りに癒やしを貰うために愛玩するという計画を実行しようと狙っているので、伏黒と釘崎だけにとどまらず夜蛾達大人陣営も警戒心を強めていた。悠仁との生活用に家具のカタログを見ていたのが目撃されたときは夜蛾が五条の後頭部にドロップキックをしたのを伏黒が目撃してドン引きしたし、話を聞いた家入がゴミを見るような目で五条を見てたりした。

 悠仁は素直で善人なので五条の言葉を冗談として受け取ってノリで言質になる返事をする可能性が高い。呪術による縛りはそもそも悠仁には一切の呪いが無効化されてしまうため『縛り』が結べるかと言われたら可能性はゼロじゃなくても極限に低い。彼の体内を住処とする『巣くうもの』がそれらを害悪として効かないようにしているからだった。

 ただし『巣くうもの』がある程度容認するなら話は別となる。実際五条の六眼も最初の時は攻撃対象としたが、今現在は五条が気をつけていれば六眼による視線と観察に『巣くうもの』からの反応はなかった。

 このことから『巣くうもの』にとって害悪がないと判断された事柄はすんなり受け入れられてしまう可能性が高いためペット化によって安全な衣食住が保障されたら『巣くうもの』が悠仁の内側から悠仁に働きかけてその生活に疑問を一切持たない状態にして持続させるなんて流れに持って行きそうだ。それを危険視する側と、それを逆手に取ろうとしている側が大まかに別れている。

 五条が上層部に向けて自分が悠仁を生涯囲うことで『巣くうもの』を安全に処分できると提言するという余計なことをしやがったと夜蛾が胃薬片手に嘆いていた。おかげで『巣くうもの』の扱いに困っていた上層部は五条に任せるか否か、別の方法を探すか大いに悩んだ。そのためにただでさえ扱いに困る五条の存在もあるので彼らが余計に混乱し体調を崩すほど彼らがストレスマッハになっているのを五条が遠巻きに眺めて激メシウマしているものだから余計にカオスだ。

 

「いや~、腐ったミカン共のストレスマッハで死にかけてる光景って、ご飯10合行けちゃいそうなほど最高じゃん? 思い出したらなんかお腹空いてきたから高級焼き肉に悠仁誘っちゃおうかな~。」

「五条さん…、せめて伏黒君と釘崎さんもご一緒はダメですか?」

「忘れたわけじゃないよ? でも超メシウマしてくれた一等賞は悠仁じゃん?」

「あの…二人っきりの状況を意図的に作って言質を取ろうとしないでください…。」

「………チッ。」

「(ひぃっ!? 舌打ちっ!?)」

「察しの良すぎる伊地知マジビンタ。」

「ひぃいいいい!! 八つ当たりはやめてください~~!!」

 でも実際にビンタはされなかった。

 しかしビンタがフリだったことに安心したのもつかの間、五条宛の宅配の中味について同僚が気まずい顔で来たため嫌な予感がした伊地知が問題の荷物を調べ、確認後、即、夜蛾に緊急連絡、学長室からオリンピック短距離選手もびっくりのダッシュで飛び出していく夜蛾が目撃されたとか。

 夜蛾達に締められた五条から没収されたブツの処分に頭を悩ませる夜蛾に家入が思い付いたことを言い、そして実験としてそのブツを利用する事となった。

 

 

 

 

「えー…と…? なんて呼んだらいいっすか?」

「俺はパンダなんだから、パンダでいいぞ。」

「分かりました! よろしくおなしゃす! パンダ先輩!」

「こちらこそよろしくな虎杖。」

 

 

 夜蛾が製作した自我を持つ呪骸パンダ。呪術の学び舎に籍を置く生徒の一人である。

 見た目パンダ。名前パンダ。パンダはパンダ。それが呪専のパンダである。

 そんなパンダの左腕には革製と思われる一本のベルトが巻き付けられていた。よく見るとそれの形状が犬の首輪のそれであることが分かるがモフモフのパンダの体表に一部埋まっていて分かりづらい。それを想定してあえてキツく巻いているので目の前にいる悠仁はベルトに気づいていない。

 パンダの毛皮で分からないが、漫画表現なら滝汗状態のパンダ。

 理由は簡単。目の前にいる悠仁が原因だ。正確には悠仁の中にいる『巣くうもの』を警戒するあまりにそうなっているのだ。

 しかしパンダとその周りの警戒と心配を余所に悠仁は突然眠りそうな様子はない。彼の身体の表面の空間が揺らぐようなこともなく、『巣くうもの』が出現して何かするような気配はいまのところない。あと『巣くうもの』が放出するあらゆる神秘を無効・破壊する力がパンダに悪影響を出している様子も無い。だが念のためこの後に夜蛾がパンダを診察する予定ではあるが。

 

「この学校、なんか意味分からんことばっかで分からんけどワクワクすることいっぱい!」

 パンダと初対面を終えてから悠仁は摩訶不思議な呪術の世界の学び舎に自分が席を置いている事実を再確認したようで、目を輝かせ笑顔を見せる。

 特に悠仁は『巣くうもの』のせいで呪いを含めた不思議と分類できるあらゆる事柄とは無縁だったから、自我意識を持って動ける呪骸であるパンダの存在は特にインパクトが大きかったようだ。

 

 

 その一方で。

 

「五条……。」

「えー、これって僕が悪いの? ただ『巣くうもの』への対抗策に実験でこしらえた呪物作っただけなのに?」

 

 五条宅から押収されたあの革ベルトの首輪の材料と思しき材料の残りと使用道具の数々が地面に広げられたブルーシートの上に並べられていて、夜蛾が眉間を指で押さえながら怒りで弾けそうなほど血管を浮かせていて、押収してきたものを並べた伊地知は顔面蒼白で縮こまり、家入は火の付いたタバコを咥えたまま五条のヤバさに呆れて無になっていた。

 呪術界が管理する国庫からソレが消えていたことが判明し、押収された材料の切れ端などと照合されて一致し、夜蛾の尋問でどうやって持ち出したのかについて五条があっけらかんとこう答えた。

 

「悠仁がぬか漬け作る材料欲しいって言ってたから、保護者の僕が同伴して一緒に買い物に出たついで。あとさぁ、制服作るって名目で首のサイズも測れたし、ね?」

 

 わざわざ首輪の材料を手に入れるために悠仁が求める品を買いに行く店と経路を、ワザと国庫の扉の封印をぶっ壊す程度の範囲に絞って『巣くうもの』に封印をぶっ壊させて買い物後の寄り道で悠仁に色々買い食いさせて、悠仁が幸せそうに甘味やら揚げ物いろいろを食してる間に自分はトイレに行くと言って席を外して国庫から首輪の材料になる物だけを盗んで戻って来たのだ。もちろんそんなことを悠仁が知るはずもなく、悠仁を寮に帰してから五条は自宅に戻り、遠慮無く悠仁に付ける予定の首輪の材料として消費したのだった。

 悠仁用のカスタマイズ制服を作るために身体のサイズを測ったのだが、それによってちゃっかり悠仁の首のサイズを知りそのおかげで首輪作りがすぐできたらしい。

 

 盗まれた物のお値段は、その時代の貨幣価値によって多少の増減はあるが、ほぼ国家予算レベルのお宝である。

 

 五条のトチ狂ったやらかしによる大損害を知った腐ったミカンと五条が呼ぶ呪術界の上層部の一部とその直属の呪術師で盗まれて破壊された物の守りを担当していた者達が、後日首を括ったという話があったとかなかったとか……。

 

「悠仁にプレゼント予定だったけど…、パンダがこっち帰ってくるのに使えるってことが分かったし、メシウマできたし結果オーライ!」

 

 なーんて…、腐ったミカンの一部とその腰巾着の一部がいなくなったことを知った五条が大量に多種多様なスイーツを買い込んでメシウマウマっとばかりにバクバク喰いまくりながら笑っている姿を伊地知が目撃しひっそりと陰で胃を押さえた。

 

 ちなみにパンダは悠仁との初対面後にすぐに夜蛾のメンテナンスを受けたが、呪骸の一番大切な部位を含めてパンダを構成する全てが無事だったことが分かり夜蛾はその場でへたり込むほど安堵した。

 とりあえず五条が製作した呪物である革ベルトの首輪はパンダが『巣くうもの』から身を守るために今後も身につけておくことになり、コレの製作工程と使われた材料などのレシピを基に対『巣くうもの』の策を思案する流れとなりそうであったが、更に後日に授業の訓練で呪力を発動したパンダが次の瞬間に左腕を見えない何かに引きちぎられて破壊されてしまい特に左腕に付けていた革ベルトの首輪が塵に成るほど粉微塵に砕かれたるという事態となった。

 なぜかパンダへの追撃は無くパンダは左腕を失ったがパンダの全てを完全に破壊されることは免れたが、結局この一件で少し進歩したと思われた『巣くうもの』への対策は振り出しに戻ってしまったのだった。

 パンダが左腕を破壊された日、悠仁は教室での授業中だったが真面目に授業している悠仁の背後あたりの空間が揺らぎ、その直後にパンダが…っとなり揺らぎはすぐに消えたが悠仁が突然眠ることは無かった。

 パンダに起こった悲劇のことが分かる前、背後に空間の揺らぎが出たときと消えた後の数分間程度だろうか。悠仁の目線が五条に向けられていた。

 五条は黒い目隠しで隠している六眼を通じて、悠仁からのその視線と様子を伺い、その視線が奇妙なほど無機質であること気づいた。なんというかまるで悪意も善意もない、防犯カメラなどの無機質な機械が能動的に被写体を観察しているような。

「どったのかな? 悠仁? 僕の顔に何かついてる?」

「………へっ?」

 五条がそう尋ねると悠仁はキョトンとした顔をして目をぱちくりさせた。そうなるとあの無機質な奇妙さは失せた。

「グッドルキングガイの顔に注目したくなるのも分かるよ~。」

「えっ? 俺、五条先生のこと見てた?」

「あれ? 無意識?」

「…あー…、そうなん? かな?」

 悠仁はよく分からなくて首を傾げていた。

「そっか。無意識についつい見ちゃうほど僕ってばグッドフェイスしてるでしょ~? いくらでもタダで見てくれて良いからね?」

「ええ~? 男にジロジロ見られんの嫌っしょ?」

「いいよー。悠仁になら。そうだね…、じゃあ代わりに…。」

「言わせねぇよ!?」

「虎杖! 目が腐るから見るな!」

 やはり隙あらば言質を取ろうとしてくる五条に釘崎と伏黒がすかさず邪魔に入る。

 この日から悠仁は、視界に五条がいるとあの無機質な奇妙な視線を五条に注ぐようになる。しかしそれは悠仁にとって完全に無意識で五条を見ているという自覚が全くなかった。だから悠仁が周りから声を掛けられたりして我に返って、五条を見ていたことを指摘されても見ていた自覚がないから五条を見ていたという記憶自体がない。

 だから五条はなんとなく分析する。

 

 あの無機質な視線で五条を見ているのは、『巣くうもの』ではないか、と。

 

 

「いくらでも僕を見てていいよ。僕だけに…興味を向けててくれたらいい。そしたら誰も…。そうなればいいけど。」

 

 言葉が通じないであろう『巣くうもの』に向け、悠仁にも誰にも聞こえない程度の音量で五条はそう呟いて微笑んだ。

 『巣くうもの』がなにを考えて五条を見ているのか、その理由はまだ分からない。

 

 

 




今回は悠仁の初任務。でも『巣くうもの』が暴れて実際には初任務にはならず。しかしとばっちりで被害を受ける伏黒達。

五条はマジのガチで悠仁をペットとして自分の手元で飼育しようと企んでおります。
恋愛感情なしで、愛玩動物として可愛がって癒されたいのと、『巣くうもの』が悠仁の自然死で一緒に死ぬまで監視するため。
五条的には一番ベストな方法だけど、周囲は悠仁の身の危険を案じて阻止しています。


パンダがとりあえず帰還。
でもって五条のトチ狂ったやらかしによる大被害(特に腐ったミカンと地味に国家予算に)で製作された首輪がパンダを守るアイテムになりそうだったけど、結局失敗しパンダに被害が出たが一部壊されただけでパンダの命を奪われはしなかったので何か別の理由があってパンダが助かった可能性あり。

最後の方では悠仁が無意識に五条を見るようになるが、その視線を向けているのはおそらく『巣くうもの』。
なぜ五条を見ているのかは不明。


乙骨を…どうやって帰還させたらいいのかいまだに悩んでいます……。
里香ちゃんがヤバいから…。『巣くうもの』に秒殺されてしまう。

どのエピソードを希望しますか?

  • 夏油が巣くうものを探す理由になった過去
  • 乙骨と里香を高専に帰還させるには?
  • 京都との交流戦でひと悶着
  • 悠仁の両親の死と、倭助の行動
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