人形タチハ世界最強   作:三文小説家

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とりあえずこれで地上編は一端終了です。やはり書く出来事が多く頭がこんがらがる(笑)


刹那ノ密室

トレイシー皇女の乱入により、急遽始まった模擬戦第二幕。存在感を濃くした遠藤が「誰から始めるんだ?」と聞けば、

 

「まどろっこしい事は無しですわ。皆さん全員掛かってきなさい! お父様も、参加していただけますわね?」

 

と、チーム戦で挑むことになった。ガハルドも「マジかよ……連戦じゃねえか」と口ではぼやいているものの、表情は笑っている。光輝との模擬戦が不完全燃焼だったのか、感情が隠せていない。どうやら帝国というのは生粋の戦闘民族の集まりらしい。「夜道に気を付けろ」どころの話ではなさそうだ。

 

「どうする? とりあえず適当に攻撃してみる?」

「鈴はどうにもあの鎌が気になるなあ。どす黒いオーラ放つ武器とか絶対普通じゃないし。遠藤君の影とは違う感じがするんだよね」

 

 今回の模擬戦では鈴のチェーンソーや恵里のペット達の使用は許可されている。何故ならトレイシーも種々のアーティファクトを使う戦術を取るからだ。

 しかし鈴は今回の戦闘ではチェーンソーを多用するつもりは無い。訓練を積んできた戦闘民族を相手に、肉弾戦で勝てると思っていないからである。

 

「とりあえず『伽藍ノ堂』を撃ってみるよ。様子見として」

 

 小声での作戦会議が終わった後、鈴が後ろに下がり、遠藤と恵里が前に出る。

 

「お? 終わったか?」

「そちらの先攻で構いませんわ」

(こっちの手札を探る気か……まあ、それが目的の模擬戦だしな)

 

 光輝や小悪党辺りなら「舐められた」と思い怒りを覚えるだろうが、遠藤は必ずしも先攻が有利とは限らない事を知っている。『相手のミスを誘発する』事が目的の場合、後攻の方が有利に働くケースもあるのだ。

鈴が詠唱を始めると帝国の二人も武器を構え、模擬戦が開始された。

 

「お?」

 

ガハルドは自分達を目掛けて飛来する数個の結界の立方体を見て興味深げにしている。帝国にもこのような結界の使い方をする人間はいないようだ。しかしトレイシーはそれを見て大鎌を振りかぶる。

 

「確かに面白い攻撃です。しかしこの『エグゼス』の前には無力でしてよ!」

 

 トレイシーの言葉通り、『伽藍ノ堂』は大鎌にあっさりと斬られ、構成していた魔力が吸収されてしまったようだ。

 

「なるほどね……あの鎌には魔法を吸収する機能がある、と」

「触れた魔力は吸収されてしまうわけか……だがあそこまで接近するまで発動しないって事は……」

 

 遠藤達が臨時の作戦会議を開いていると、二人から挑発の言葉が飛んでくる。

 

「おいおい、もう終わりか?」

「来ないならこちらから行きますわよ」

 

 既に攻撃態勢に入っているトレイシーに対して、遠藤が応戦しながら答える。

 

「安心しな。まだ始まったばかりだ」

 

そう言ってトレイシーに接近し、マチェットで斬りかかる遠藤。『鎮魂者』の名を冠するハジメ謹製の武器は純粋な切れ味ならアーティファクトに勝るとも劣らない。

 トレイシーの大鎌はリーチが長く、オマケに魔力を吸収するという厄介な代物だが、遠藤は巧みな気配操作と瞬間的に発動する高速移動で懐に入り込む。しかしトレイシーも巧みな足運びで得意距離を保つ。互いに拮抗した闘いがそこには存在した。

 

 一方の恵里はガハルドを相手に機械を用いて闘っていた。ガハルドの武器は長剣であり、光輝戦で見せたようにちょっとした魔法を使う事はあれど、基本は得意武器である剣を使う。遠距離から封殺できればいいのだが、近づかれたら一気に劣勢になる。

 恵里は異合火力ユニット:エータの制圧射撃を基本として、カイや異合解体ユニット:ゼータによる近接攻撃で闘い、ガハルドを近づけないようにしている。

 

「チッ、これじゃ近づけねえ。このまま嬲り殺しにする気か?」

「だって近接戦闘で勝てる気しないもん。それとも皇帝様って女の子をイジメるようなキャラなの?」

「今現在イジメられてるのは俺の方だろうが!」

 

 二人の間にはこんな会話が為されたが、恵里はその態度ほど余裕があるわけではない。この圧倒的に不利な状況でも、ガハルドは攻撃を掻い潜って恵里に斬撃を浴びせようとする。咄嗟にファイによる拘束フィールドを展開して事なきを得たが、それでも油断して良い相手ではない。

 こちらもまた拮抗した闘いだった。

 

 

そしてその間に鈴は魔法の詠唱をしていた。トレイシーが持つ『エグゼス』という大鎌はその刃に触れた魔法攻撃を吸収してしまう。鈴は一見手詰まりのようにも思えるが、直接的な戦闘は他の二人がやってくれるので鈴は補助をするだけでいい。なにも問題はないのだ、と言わんばかりに鈴は短縮したものではなく、『伽藍ノ堂』本来の詠唱を始める。

 

「魅せたもうれ、魅せたもうれ。境界の魔術、古ノ絶盾(たて)現人(あらびと)に許されし力、主を護る最強の城。汚れし汝の贖罪を、虚空(うつそら)に刻み込まん」

 

 かなり長い詠唱である。指パッチンで起動できる遠藤のコイン『ザミエル』とは比にならない程複雑な魔法であることが全員に分かった。ベヒモス相手では意味がないので使わなかったが、今回の戦闘で日の目を見る事になる『伽藍ノ堂』の真骨頂。それは―――

 

「我が谷口鈴の名に於いて―――防御(とじ)ろ! 〝伽藍ノ堂〟!!」

 

 敵や魔力を閉じ込める事である。

 

 

 「うおっ!? 何だ?」

 

ガハルドが自分を巻き込むように展開された結界に驚きの声を上げる。結界は訓練場をまるまる包む大きさでありながら、その質は嘗てベヒモス戦にてメルドを中心とした三人の騎士が同時発動した多重結界を遥かに凌ぐ物だ。

 

「私を……いえ、エグゼスを避けて魔法が展開されていますわ。構造的には多重結界のそれですが、敢えて隙間を開ける事で私達を分断するように展開したのですか……」

 

 トレイシーはフェアスコープを使って『伽藍ノ堂』を分析したが、軽く驚嘆していた。ただ多重に結界を張るだけならともかく、ここまで繊細な調整が出来る者は帝国にも王国にも殆どいない。「たかだか二つ立方体を作っただけじゃないか」という単純なものでは無いのだ。

 そして帝国側は完全に分断され、『スイッチして相手を切り替える』という戦法が封じられてしまった。

 

「まあ、まずは結界師の奴をやるか!」

 

 ガハルドは恵里の一瞬の隙をついて鈴に斬りかかるが、鈴はたった一節の詠唱で立方体を展開し、あっさりとガハルドの剣撃を受け止めてしまった。

 

「な!? たった一節の詠唱で展開出来るような魔法じゃねえだろそれ!」

「抜け道はあるんですよ。色々と」

 

 『伽藍ノ堂』は敵だけでなく魔力も閉じ込めることが出来る。本来なら使った後に発散してしまう魔力を結界内部に留める事で、流石に無詠唱とまではいかないが、通常時よりも格段に効率よく魔法を使う事が出来るのだ。

 鈴は盾にした立方体を飛ばしてガハルドを押し返す。結界魔法は弾丸などと違い、ある程度物理法則を無視した運用ができる。当時のベヒモス相手では力押しで返されてしまうが、人間相手なら有用だ。

 鈴と恵里の猛攻に苦戦するガハルドを助けようと、トレイシーがエグゼスで結界を切ろうとするが、鈴が彼女の動きに合わせて結界を移動させてしまうため、援護に向かえない。しかも突如動いた壁が衝突する事により、ガハルドに追い打ちをかけてしまう。

 

(何か打開策は……っ!?)

 

 トレイシーは『伽藍ノ堂』を破壊する策を考えるが、背後から襲ってきた光線を咄嗟に避ける。エグゼスの隙間を縫うように攻撃され、更に背後からの不意打ちだった為に『回避』という選択肢を取らざるを得なかったのである。

 

「こっちはこっちで……!」

「ダンスの相手を間違えないで欲しいな」

「見るに堪えないステップですこと」

「万一コケてもアンタの尻なら大丈夫だろ」

 

 相手を挑発するためとはいえ、堂々とセクハラ発言をかます遠藤に頬がピクつくトレイシー。相手の策に乗るのは不服だが、まずは目の前の暗殺者を始末することにした。

 

「でしたらお望み通り踊って差し上げますわ、死の舞踏を!」

「おお怖」

 

 長物の特性を生かした竜巻のような回転攻撃で遠藤を攻撃するトレイシーだが、遠藤も完全にとはいかないまでも攻撃を避け続け、足で弾いてエグゼスの攻撃を止めて斬りかかってきたり、気付けば気配が消えて死角から攻撃してきたりと一筋縄ではいかない。

 トレイシーは戦闘の合間を縫ってガハルドの方を見ると、恵里と鈴に押され気味だ。光輝との戦いで見た通り、ガハルドは決して弱くは無い。しかし今回は相手が悪すぎる。近接戦闘主体であるガハルドに対して相手は遠距離戦を得意とする魔法使い二人。しかもある程度独立して動く五体の機械達が相次いで襲い掛かって来るのだ。数の暴力ここに極まれり。

 しかもゼータはガハルドの相手が足りていると見るや、遠藤を援護してトレイシーに攻撃してくる。一体どれだけ自分達の戦術を分析したのか……

 

(とはいえ、このまま負けてやるつもりはありませんわよ!)

 

 トレイシーは遠藤とゼータの攻撃を掻い潜って距離を取ると、エグゼスを結界に向かって()()()

 

「っ!?」

 

 鈴も咄嗟には対応できず、『伽藍ノ堂』に亀裂が入る。そしてそこから魔力が漏れ出し、鈴のアドバンテージが失われた。ガハルドは鈴に詠唱の暇を与えまいと、恵里と機械達の攻撃を掻い潜って剣で斬りかかり、トレイシーもスカートに隠していた黒い鎖のアーティファクトを解き放つ。自ら不規則に宙を飛び、遠藤を躱して鈴を拘束する。鈴は『閃光』で攻撃を防ぐが、ノーダメージとはいかなかった。そして、この勝負は帝国側が一矢報いた時点で終了したのである。

 

「……油断したなあ。大鎌を投げるなんて」

「はあ、はあ、だが帝国のツートップ。それもアーティファクト持ちをここまで追い詰めたんだ。充分だろ……」

「数のアドバンテージがあったにも関わらず反撃されたわけだが……」

「流石に負けっぱなしは性に合いませんわ……」

 

 悔しがる鈴とそれに対して悪態をつくガハルド、自分達の負けを認める遠藤と彼に一発蹴りを喰らわしたトレイシー。しかしその場の全員が疲弊しており、この戦いがかなりの接戦であった事を物語っている。そしてガハルドはニヤリと笑ってこう言った。

 

「悪くねえ闘いだった。お前ら帝国に来ねえか? ハイリヒ王国より好待遇で迎えるが……」

 

しかし遠藤達は揃ってその誘いを断った。自分達にはまだやるべきことがあると言って。

 

「そうか……まあ焦らんさ。だがまあ、お前らみたいな奴がいるなら、『神の使徒』とやらも少しは信用できそうだぜ」

 

 ガハルドはそう言って、ハイリヒ王国との同盟関係を継続すると宣言した。そしてガハルド達が訓練場を出た後に、リリアーナはイシュタルやエリヒドに対してこう言った。

 

「帝国との同盟を継続するための戦力。間違っても()()()わけにはいきませんね」

 

 これで遠藤達の地位は(書類上とはいえ)多少は向上する事になった。

 

 

 その晩、部屋で部下に本音を聞かれた皇帝陛下は面倒くさそうに答えた。

 

「勇者は……ありゃ、ダメだな。ただの子供だ。理想とか正義とかそういう類のものを何の疑いもなく信じている口だ。なまじ実力とカリスマがあるからタチが悪い。自分の理想で周りを殺すタイプだな。〝神の使徒〟である以上蔑ろにはできねぇ。取り敢えず合わせて上手くやるしかねぇだろう」

「それで、あわよくば試合で殺すつもりだったのですか?」

「あぁ? 違ぇよ。少しは腑抜けた精神を叩き治せるかと思っただけだ。あのままやっても教皇が邪魔して絶対殺れなかっただろうよ」

 

どうやら、皇帝陛下の中で光輝は興味の対象とはならなかったようである。無理もないことだろう。彼とて数ヶ月前までただの学生。それも平和な日本の。歴戦の戦士が認めるような戦場の心構えなど出来ているはずがないのである。ないのだが……

 

「しかし二戦目のアイツ等は……」

「……あの三人ですか」

「あの影が薄い奴……遠藤だったか? あの動きに判断能力……報告では召喚される前は平和な国の学生だったらしいが、どう見てもそんな肩書じゃねえぞ、アイツ」

「確かに、あの者だけは纏う空気が違いました。学生でも騎士や兵士でもない、まるで殺し屋のような……」

「あながち外れちゃいないだろうよ。それに術師の女二人だ。動きこそ未熟だが、加えてくる攻撃が情けも容赦もありゃしねえ。ついでにあの目を見る限り……もう何人か殺ってるだろうよ。勇者様と違って一切躊躇いが無かった」

 

 たった数カ月であの技量である。これからの成長が楽しみだが、敵に回られたら厄介な事この上ない。ガハルドはそう言った。

 

「まぁ、魔人共との戦争が本格化したら変わるかもな。見るとしてもそれからだろうよ。今は、小僧どもに巻き込まれないよう上手く立ち回ることが重要だ。教皇には気をつけろ」

「御意」

 

 その後、朝練に精を出していた雫を見て気に入ったガハルドが愛人にどうだと割かし本気で誘ったというハプニングがあった。雫は丁重に断ったのだが、本人以上に光輝が反対した。ガハルドの「俺はシズクに聞いたんだ。何故小僧が口を挟む?」という質問に対しては、

 

「雫は俺の大切な仲間で幼馴染です。口を挟むのは当然の事かと」

 

 光輝の言葉を聞き、ガハルドはちらりと雫に視線を向ける。彼女の様子は驚くほど淡白だ。狼狽える様子も、絵にかいたようなイケメンが自分を庇ってくれる事に喜ぶ様子もなく、寧ろ冷え切った視線で彼を見ている。

 

(ハッ、周りの人間との関係すら思い通りじゃねぇと気が済まねぇ輩……いや、自分の思い通りだと信じて疑わねぇヤツか。個人として見るなら確かに関わりたくはねぇわな)

 

 ガハルドの中で光輝は理想論と絶対的な正義を妄信しているタイプだと認識していたが、新たに虚構と現実を同一視し、自分こそが世界の主人公だと無意識化で思っている、という評価も追加された。主人公だからこそ自分の行動は間違えないし、周りの事象は全て自分にとって都合よく最適化される。操り人形の拠り所は糸であると確信し、それを微塵も疑っていない。

 

(戦争が本格化すりゃあイヤでも現実を知ると思ったが、こりゃ望み薄か……やれやれ、一体どんな環境下で生きてりゃ、ここまで歪むんだ?)

 

 その自己中心的な信念がコイツを平和に導くと良いな、などと内心で皮肉を言い、ガハルドは去っていった。なお、自身を鼻で笑われた光輝が暫く不機嫌だったことは言うまでもない。

 ついでに言うなら、光輝は「雫が断ったのは俺がいるからだ。香織が帰って来たら、これからの関係について話し合わないと」と、なんとも愉快な勘違いをしている。香織が〝セイレーン〟となってしまった元凶の一端は間違いなく彼であるというのに。

 

 そしてその様子を見ていた恵里、鈴、遠藤の三人の間ではこんな会話が生まれた。

 

「あの皇帝はなんで直接闘った鈴達じゃなくてシズシズを愛人に誘ったのかな? いや、帝国に行きたいわけじゃないけどさ」

「そりゃ中村は癖が強すぎるし、谷口は……アレだよアレ」

「おい、今何処を見て言った? 鈴とシズシズの何処の部位を比較して言った? ア”ァ?」

「まあそりゃ雫は胸部装甲がご立派ですからねえ。でも鈴も性能は高いんじゃない? まな板並みの硬さだから頑丈だろうsぐふっ!?」

 

 会話のついでに殴打音も生まれた。

 

 そして「目的は果たしたから」と国に帰る帝国一行を見送る時に、トレイシーは遠藤を指差し、「顔は覚えましたわ。首を洗って待っていなさい」と捨て台詞を吐いた。対する遠藤は心底嫌そうな顔をして「very cute(泣けるぜ)」と独り言を呟いた。そんなこんなで波乱の異国訪問は幕を終えた。

 

 

 

 そして勇者一行が王国からの呼び出しでオルクス大迷宮を離れている時、迷宮内には二つの人影があった。

 

「しっかし深い穴だねえ。アレかい? 反逆者の家系図にはモグラでも混ざってんのかい?」

 

 人影の片方は女の声で皮肉を言う。それに対し、もう片方は男の声で諫める。

 

「無駄口は控えろ、カトレア。俺達はこの迷宮を攻略せねばならん。人間族との戦争のため、新たな力を付けろとのお達しだ」

 

 しかしカトレアと呼ばれた方の人物は溜息交じりに言葉を返す。

 

「アンタも真面目だねえ、ミハイル。揃って左遷された身でさ」

「左遷ではない。迷宮を攻略するのは我ら魔人族にとって少なくない恩恵を齎す。ならば命令を拒否する理由は……」

「んで魔物と機械が付いてるとはいえ、ヨルハ部隊二人で攻略かい? 事実上の左遷だろうが」

「む……」

 

 この二人は魔人族の精鋭、アーティファクトで武装した『ヨルハ部隊』の構成員だ。しかし二人の会話は芳しいものでは無かった。

 

「フリード様も昔は気のいい男だったのだがな。いつからか、祖国の繁栄よりも軍部に力を回すようになった……そして提言すれば左遷、か」

「しかしまあ、婚約者同士で放り出されたのは不幸中の幸いか……ねえミハイル、この機に乗じて逃げちまわないかい?」

「またお前は突拍子も無い事を。そのような選択肢が有り得るわけが……」

 

 カトレアの言葉に反駁しようとしてミハイルは気付く。今やヨルハ部隊は魔人族の平和を勝ち取るという目的を忘れ、迷走している。魔人領の未来を憂いた提言は受け入れられる事も無く、このような事態となった。おまけに人件費をケチったのか、監視も無い。

 

「……案外、妙案かもしれんな」

「お? 珍しいね。アンタが乗るなんて」

「しかしやるにしても色々と準備せねばな。最も簡単なのは偽装死だが、中途半端な方法ではすぐにかぎつけられるぞ」

「それならあまり心配しなくてもいいだろ。人間族側にアタシ達に対抗するための『勇者』とやらが召喚されたってさ。ソイツ等の仕業に見せかければいい」

「なるほど、勇者達と交戦し、隙を見て離脱。後はやられたように偽装すれば……しかし勇者はここに来るのか?」

「この迷宮は人間どもの戦闘訓練に使われてて、勇者も利用してるんだと。だからそのうち接敵するさ」

「それは好都合だな」

 

 目隠しのようなゴーグルを身に着けた二人は脱走の計画を立てる。知恵と度胸が必要な綱渡りだが、やる価値はあると信じているのだ。

 

 なお、その後に勇者一行と一悶着あるのだが、それはまた別の話である。

 




何か鈴の出番が多いな。まあ結界術が便利すぎるから仕方ない。なお、トレイシー殿下のエグゼスについてはほとんど知らないので、もしかしたら違和感あるかも。親切な方の情報提供を求めます。

備忘録

鈴の詠唱:DoD3をご存じの方ならピンと来るかも?

ヨルハ部隊:なんか色々ある模様。今作ではこの時期に潜入したという設定です。

オルクスの隠れ家の作りかけのメイドロボの目が瞬く。まるで何かを伝えようとするかのように

  • 修理して連れていく
  • 見なかったことにして放置する
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