人形タチハ世界最強   作:三文小説家

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今回はかなり長いです。要素を詰め込みまくったので。


侵攻スル機械

「クソッ、早く皆の所に行かなきゃいけないのに……!」

 

 現在、光輝は敵を前に歯噛みしていた。オルニスの攻撃により床が崩落し、階下に落とされてしまった。更に悪い事に雫や龍太郎、他のクラスメイトともはぐれてしまった。そして彼の不幸はこれだけでは終わらない。今対峙している人型の機械生命体『武蔵 玖型』が今までの敵とは一線を画す強さなのだ。

 

 武装は大剣一本だけなのだが、一撃一撃が必殺の威力を持ち、武蔵自身もかなりの防御力を誇る。そしてここは王宮内であるため、下手に大技を放てば二次被害が起きかねない。

 

「くっ、またか……」

 

 さらに、武蔵は回転しながら衝撃波を乱射するという厄介な攻撃も行ってくる。遠距離から封殺されるうえに、近づいたとしても相当考えて攻撃しなければ回転する大剣の餌食となってしまう。

 光輝は攻撃力も防御力も高いが、反面少ない攻撃力で戦う事は苦手だ。そういう場面は他のクラスメイトに任せていたために、そのような戦い方が不得手なのである(とはいえ、役割分担が出来ているという意味では称賛するべきだが)。

 

「機械のくせに……なんて卑怯な」

 

 己の優位性を生かして戦う武蔵に悪態をつく光輝。武蔵が意図してこの状況を作り出したかは不明だが、あまり失敗を経験していない光輝は自分が苦境に陥ると何かに責任転嫁するという悪癖がある。今回に関して言うなら、仮に武蔵が地の利を生かして戦っているとしても戦場ならば当然の行動なのだが、光輝からすれば『卑怯』という評価になるのだ。

 

「大丈夫か!? 光輝!」

「遅くなってごめんなさい!」

「雫! 龍太郎! 来てくれたのか!」

 

 光輝ははぐれた仲間の増援に笑顔を見せる。とはいえ雫も龍太郎もかなり消耗している。雫は蜘蛛型の機械『異合探査ユニット』に、龍太郎は重い拳を撃ち出すナガミミウサギのような機械にそれぞれ苦戦させられていた。どちらも奈落で出現した個体よりは弱いが、彼らにとっては強敵である。

 

「これで形勢逆転だ。勝つぞ!」

 

 光輝達は武蔵 玖型の討伐に王手をかけた。

 

 

 

「本当に……アンタなのか? 階音(カイネ)さん」

 

 清水は目の前の光景が信じられないといった顔だ。それもそうだろう、本来ならば地球にいるはずの自分の知人が何の前触れもなく現れたのだから。「敵が見せた幻影か?」などという可能性も考え始めた時、オルニスが強力な電撃を放つ。

 

「その問いに答えてやりたいところだが、まずはアイツをスクラップにしないとな!」

 

 階音と思しき女は双剣を構え、接近してきたオルニスに突撃して行く。

 

「死ね死ね死ね! テメェの汚ねえ※△☆をギタギタに刻んでやる!」

「服装を見た感じ聖職者よね、あの人……口汚さがずば抜けてるんだけど」

「間違いねぇ、階音さんだ……あの口の悪さは誰にも真似出来ねえ」

 

 妙なところで清水が確信度を上げている。その間にも黒ノ書を使った詠唱はしていたらしく、〝黒ノ槍〟をオルニスに放っている。

 オルニスが再び電撃を放つが、飛び上がった優花がイエスタデイで受け止め、それを相手に投げ返す。優花の技能の一つ、〝蛇喰〟だ。敵の攻撃を武器で受け止め、自身の糧とするか武器に纏わす。術者の手に触れた物は、まるで蛇が獲物を丸呑みにするように制御下に置かれてしまう。それが例え、敵の放った攻撃であっても。

 

「ほう、中々面白い事をするじゃないか、アイツ」

「園部は芸達者だからな。攻守ともに隙がねえぜ」

 

 階音と清水が優花の技について会話をしている。清水は護衛隊の旅の最中に優花の修業にも付き合っていたのだが、〝蛇喰〟に大層苦戦させられた。〝黒ノ槍〟だろうが〝黒ノ手〟だろうが問答無用に丸呑みにされ、優花を強化してしまう。結局、剣技と吸収されない〝黒ノ処刑〟でなんとか隙を作っての辛勝だったが、この先も勝ち続けられるかと聞かれれば首を傾げざるを得ない。

 

 清水が在りし日を思い出していると、オルニスの攻撃を結界で防いでいた鈴がぼやき始める。

 

「ねえ、こいつベヒモスより強くない? 明らかに攻撃がエグいんだけど」

「土壇場で進化しやがったのかもな。これ以上進化される前に〝伽藍ノ堂〟で一気に攻めちまうか?」

「人数少ないならそれもアリなんだけどね。こんだけ集まってるんだし、鈴には防御に徹してもらって僕達で攻撃した方がいいんじゃない?」

 

 作戦会議をしている間にも、遠藤にオルニスの機銃攻撃が向けられる。

 

「それもそうか」

 

 遠藤は急いで障害物の影に隠れ、そこからザミエルのレーザー攻撃をお見舞いした。一方、鈴の発言を聞いた前線組のクラスメイト達はというと、

 

「冗談じゃないわ! あんなの相手に天之河無しで戦えって言うの!?」

「こんなところにいられるか! 俺は逃げるぞ!」

「おうおう、盛大に死亡フラグを立てていったな……(バーナードじゃあるまいに)」

 

 一応、遠藤のイギリスでの仕事仲間であるバーナードの名誉のために言っておくが、彼がこの手の死亡フラグを立てたことは一度も無い。

 護衛隊をあれだけ詰っておきながら蜘蛛の子を散らすように逃げていった前線組。光輝の存在が無ければ統率の取れない烏合の衆に過ぎなかったのである。

 

「やれやれ、僕はこんなところにいられないな。先に帰らせてもらうよ」

「便乗すんじゃねえ、中村」

「冗談だよ、冗談」

 

 村上春樹作品のような口調で便乗する恵里に清水が苦言を呈する。しかし本気で逃げるつもりは無かったようで、下僕であるファイに指示を飛ばし、三角形の拘束フィールドをオルニスの周囲に展開する。

 それに階音が双剣で斬りかかり、さらに双剣を連結して強力な攻撃を加える。連結した時の攻撃はある程度距離が離れていても届くようで、攻撃を避けて離れた階音が問題なくダメージを与えていた。

 

「お?」

 

 遠藤が戦闘中にふと目に入った光景に感心する。それはオルニスが召喚する機械達を殲滅していく永山パーティーだった。他のクラスメイトのように逃げ出さない辺り、遠藤との特訓は無駄ではなかったようだ。

 

 闘いは苛烈さを増していく。オルニスの攻撃手段は電撃、強風、機銃、レーザーと多彩だ。まるで遠距離攻撃のバーゲンセールである。隠密からの奇襲攻撃を旨とする遠藤と近接攻撃主体の階音は相性が悪い。両者とも遠距離攻撃手段は持っているが、人には向き不向きが存在するのだ。

逆に遠距離攻撃を主体とする優花や清水は相性がいい。

 

「小さな狩人よ 敵の悉くを撃ち滅ぼさん 〝襲蜂〟」

 

 優花が無数のナイフを飛ばし、オルニスに殺到させる。一本の威力はイエスタデイに劣るが、数が多ければ脅威だ。それこそ、大量に集まったミツバチがスズメバチに勝るように。ナイフの蜂の群れに群がられるオルニス。数が多く、オルニス一体では対処できないでいる所に、更なる攻撃が襲い掛かる。

 

「〝黒ノ手〟」

 

 背後で詠唱をしていた清水が魔法を発動した。本から複数の腕が伸び、それが統合され巨大な一つの腕となった。そしてそれがオルニスを殴りつける。それでもオルニスは最後に一矢報いようとするが、

 

「〝百舌鳥〟」

 

 オルニスに刺された無数のナイフが敵を穿つ。相手に刺したナイフに魔力を流し込み、強烈な刺突攻撃を加える投術師の技能だ。しかも今回はナイフがオルニスに無数に刺さっている。結果、敵は木端微塵となった。

 

「ヒュー♪ 今回のMVPは園部と清水だな」

「私が駆け付けるまでも無かったか? 少し不完全燃焼だぞ」

 

 遠藤がラストアタックを称賛し、階音は少し不満そうに愚痴をこぼした。そして、そんな階音に近づく人影が一人。

 

「アンタ……本当に、階音さんなのか? だとしたら、何でトータスに……」

 

 階音はその言葉を聞いた途端、清水を殴りつけた。

 

「ぐはっ!?」

「『何で』だぁ!? そっちこそ突然いなくなったと思ったら数カ月も連絡一つ寄越さずに何処ほっつき歩いてやがったんだ! 私がどれだけ心配したと思ってる! 私が教えたチェスでも剣技でも私の上を行ったお前が、この程度の事態に対処できねえとは言わせねえぞ!」

 

 闘いの後に響き渡る怒声。しかし、彼女の言葉が本気で清水の事を心配しての物であることはその場の誰もが悟った。

 階音はさっきまでとは一変して優しい声色で話しかける。

 

「だが、ここには私が来た。もう、お前を見失う事は無い。ましてや死なす事など、絶対に無いからな」

 

 その言葉を聞いた清水は、床に倒れたまま口を開く。

 

「連絡しなかったのは……まあ、悪かったよ。尤も、出来る状態でも無かったがな。それに、『死なさない』だぁ? アンタの拳を受けた時、一瞬目の前に川が見えたぜ」

 

 そこまで言うと、清水は起き上がり、階音の目の前に立った。

 

「だが、来てくれたのは嬉しかった。そこは素直に礼を言うぜ。ありがとう」

 

 清水と階音は笑い合った。お互いに口は悪いが、それでも仲が悪いわけではない。そのような関係を象徴するようなひと時であった。

 

「常日頃嫌味しか言わないお前から、こうも素直に礼を言われるとはな」

「たまにはこういう事だってある。あと、剣技は今もアンタの方が上だ」

「一度私を打ち負かしただろ」

「まぐれだ。実際アレ以外は一回も勝ててねえよ」

 

 清水と階音が談笑していると、「化け物め!」と彼らを罵る声が聞こえた。感動の再会に水を差され、二人以外も含めてその声の方向を向くと、彼らを指差しているのはミゲルだった。

 

「ああ、いたんだ。ごめんねぇ? 忘れてたよ」

「この化け物め! 異端者め! アレを此処に呼んだのは貴様らだろう!」

「何言ってんだアイツ」

「それに、そこの女は詠唱も無しに魔法を使っておった! 魔物と同じ力を持つ異端者だ!」

 

 ミゲルは階音を指差してなおも喚き続ける。階音が使っていた魔法とやらは双剣を連結しての剣戟の事だろうが、王国の保管するアーティファクトでも似たような事を出来るものはある。証拠も何も無いこの状況では、こじつけ以上の意味は持たなかった。

 

 血走った眼で叫び続けるミゲルだが、それも長くは続かなかった。遠藤がザミエルによる攻撃でミゲルの頭部を撃ち抜いたからである。

 

「戦場における士官の死因の二割は部下による殺害だとよ。ヴァルハラで死因を聞かれた時、そう答えておきな」

 

 遠藤はそう言ってザミエルをしまい、そして周りを見回す。しかし、この場にミゲルの死を悲しむ者も、遠藤の罪を糾弾する者もいなかった。

 

「流れ弾だな」

「流れ弾だね」

「死を悲しんでやれるほどの思い入れは無いな」

 

 ミゲルの死因はレーザーによる射撃。オルニスが放ってきた攻撃にも存在するものだ。ついでに恵里がファイなどで目撃者がいない事も確認していた。これで遠藤の所業は闇に葬られる。

 

「さて、残りの機械共を殲滅するかね」

「その必要は無いみたいだよ。階下に落ちたK達とか、逃げ出した奴らが殲滅したみたいだね」

 

 その後、意気揚々と戻ってきた光輝だったが、オルニスは既に撃墜された後だった。また、ミゲルが死んだことを大層悲しんでいたが、遠藤達にはどうでもいいことであった。

 

 

 

 その夜、雫は部屋で落ち込んでいた。理由は二つある。一つ目は自分の無力さだ。遠藤達がオルニスと闘っている間、自分は召喚されてきた機械達を捌くので精いっぱいだったのである。誤解が無いように言っておくが、決して雫は訓練をサボっていたわけではない。

 

しかし、いくら訓練をしても鈴や恵里、遠藤や優花や清水との実力差は開くばかりである。試せることはすべてやったが、どうにもこの状況を打破できない。今では雫の武器である『黒ノ誓約』も以前よりも重く感じるようになってしまった。

 

 二つ目に至っては、もはや説明不要かもしれないが……彼女の幼馴染である天之河光輝のことである。簡単に言えば、ミゲルの死によって正義感の暴走に拍車がかかってしまったのである。あのような人物でも前線組にとっては良き師匠であったのである。特にミゲルの聞かせる『正義の味方が活躍する』ような物語は光輝の心を捉えて離さなかった。

 

 もし、シェイクスピアの作品やトゥーランドット、魔弾の射手などのオペラを愛する香織がこの場にいればミゲルの語る話の違和感に気付けただろう。なぜなら、その話はミゲルが聖教教会に言われて、光輝の正義感を刺激するために聞かせている物で、不自然に美談に捻じ曲げられている物だったのだから。

 

 地球に出回っているオペラや戯曲という物は、それらが須らく美談で構成されているわけではない。例えばトゥーランドットは、他人を信頼できないが故に約束を反故にしようとする姫が登場する。他にも、シェイクスピアの戯曲『テンペスト』では、領地を奪われた主人公、プロスペローがエーリエルをこき使っていたり、魔法で嵐を起こして船を沈めたりしている。また、ジャンルは少々変わるが、ミュージカルにもなった『レ・ミゼラブル』は主人公と警官、王国と革命軍、法と正義……それらが論じる立場によって変幻自在に姿を変える。犯罪者である主人公、ジャン・バルジャンを捕まえようとするジャベールは法の観点から見れば正義の味方だが、ジャン・バルジャンに救われた人間達からすれば絶対悪とすら言えるだろう。

 

 ミゲルの聞かせた話はそれらの負の要素を殆ど排除した物であり、登場するとしても正義に下る絶対悪としてであった。

 そして、光輝は増長してしまった。今までにも増してハジメを裏切り者と決めつけるようになり、オルニスの襲撃の後、戦闘前の言動から優花を殊更敵視するようになった。雫や龍太郎がいくら言っても、「彼女は危険だ」「間違った道に進もうとする園部さんを正さなきゃならない」と彼女に突っかかる。終いにはどの話に影響されたのか「決闘だ!」と優花に挑み、〝蛇喰〟で技を丸呑みにされ、〝襲蜂〟で蜂の巣にされ、〝百舌鳥〟でノックアウトされていた。光輝の高いステータスと、優花が急所を外したことにより致命傷では無かったものの、手痛いしっぺ返しをくらったのは間違いない。

 

「もう、どうすればいいのよ……」

 

 雫は泣き出したかった。しかし彼女の涙腺は機能してくれない。泣き方など、とうに忘れてしまったのだ。

 その時、彼女の部屋の扉がノックされる。一瞬、光輝か? と震える雫だったが、次に聞こえてきた声で考えを改めた。

 

「八重樫、ちょっといいかしら」

 

 その声は優花のものだった。雫は一瞬躊躇う物の、結局彼女の入室を許可した。

 

 

 

「想像以上に酷い有様になってるわね」

 

 部屋に据え置かれたテーブルを挟んで優花と向かい合う雫。テーブルに置かれたのは二人分のグラスと一本の酒瓶だった。優花が「良かったら一杯どう?」と持ち込んだのである。

 

「まあ、アンタからしたら私も頭痛の種なんでしょうけど」

 

 そう言ってグラスに口をつける優花は、謎の色気を纏っている。自分と同い年のはずなのに何故酒がこんなにも似合うのか、雫は本気で疑問に思った。

 

「毒とか入って無いから大丈夫よ。現に私が平気で飲んでるでしょ」

 

 優花はその様子を見て、雫が毒殺の心配をしていると思ったようだ。半分は冗談かも知れないが、全く飲まないのも悪いと思ってグラスに口をつける。17歳の飲酒は日本では違法だが、トータスでは合法だ。

 

「園部さんは、トータスに来てから何度もお酒を飲んでいるの?」

「飲んだり料理に使ったり、色々よ。でも、アルコールに耐性が付くにつれて、嫌な事を忘れさせてくれるものでも無くなってしまったわ」

 

 そう言ってグラスに酒を注ぐ優花。『嫌な事』とはハジメの事や光輝の事だと悟った雫は一気に居た堪れない気持ちになる。

 

「ごめんなさい……光輝の事も、南雲君のことも」

「八重樫って、日記帳とか付けてたら365日『今日はあまり良くない一日でした』とか言う意味不明な反省から始まっていそうよね」

「ぅ……」

「え? 図星だったの? そりゃ香織が頭を悩ませるわけだわ……」

 

 優花は溜息を吐いて雫に話しかける。

 

「あのね、私はアンタに謝って欲しいわけじゃないわ。なんか愚痴でもあれば聞くわよ、程度の気持ちだったんだけど」

 

 その言葉を聞いたが最後、雫の心は決壊した。一度愚痴を吐き始めたら止まらなかった。それを優花は酒を片手にずっと聞いていた。アルコールが入ったからか、雫はいつもよりも

饒舌になり、一頻り愚痴を吐き出した。

 そして最後に、優花とハジメの事について気になっていたことを聞いた。

 

「園部さんは、その、南雲君の事が好きなのよね……」

「あら、恋バナできる程度には持ち直したかしら。そうよ、大好きよ。きっと南雲があのまま地球で死んだとしても、私は彼の事が忘れられずに、マドラーとロックグラスをパートナーに一人寂しく場末のBARで酒飲んでたわ」

 

 そして暫く優花の惚気話が続いた。雫も話を聞きたがり、カクテル名に合わせた二人きりの演奏会の部分は特に真剣に聞いていた。

 そして、お互いに話す事が無くなった時、優花が本題を切り出そうとした時、部屋のドアが勢いよく開けられる。

 

「雫!」

 

 部屋に入ってきたのは光輝だった。表情を見れば雫の事を本気で心配していた事は分かる。そしてテーブルの上の酒を見て盛大に顔を顰めた。

 

「レディの部屋にノックも無しに入るなんて、随分なマナーね。ジェントルマン」

「園部さん、君は雫に何をしようとしていたんだ! しかもこんな酒まで飲んで……!」

「私はレズじゃないから安心しなさい。あと、トータスでは酒は合法よ。法律書は分厚いけど打撃武器じゃないんだから、読んできなさい」

「そうよ光輝、彼女は私に何も―――」

「戦闘前の言動を忘れたのか! 彼女はマトモじゃないんだ! こんな奴と二人きりになって良い事なんかない!」

「礼儀がなって無いのはアンタの方だけどね」

 

 光輝はステータスに物を言わせて強引に優花を追い出した。まるでこっそり飼われていた野良犬を放り出すような扱いである。

 

「ちょっと! 私の酒返しなさいよ! 私物なんだけど!」

「これは俺が処分しておく! 未成年が飲んでちゃいけないものだ!」

「合法だっつってんでしょうが鳥頭!」

 

 優花が何を言っても光輝は聞く耳を持たない。いっそ扉を蹴破るか、と優花が実行しようとしたところ、

 

「優花! 大変です! 今すぐ来てください!」

 

 尋常でなく慌てた様子のリリアーナ王女が駆け寄ってきた。優花は舌打ちしながらも彼女を見る。どうやら波乱はまだまだ続きそうである。

 




スマン、階音の説明はまた今度。いよいよ面倒な事になってきましたね。因みに、冒頭で光輝、雫、龍太郎が戦っていた敵はハジメ達が一度は戦った敵ですね。やはり昇格者は強い。
そして優花の技能は原作で殆ど説明が無かったからほぼオリジナルです。クロス先でも参考になりそうなのDOD3のワンくらいしかいなくて……

備忘録

>咬み殺した遠藤
ミゲル暗殺。ぶっちゃけやってることはベヒモス戦の時の檜山と大して変わらない。違うのは、遠藤がその道のプロという事だ。

>蛇喰、襲蜂、百舌鳥
軽くまとめておくと、蛇喰:相手の技を吸収するが飛来する物限定、襲蜂:無数のナイフで蜂の巣、百舌鳥:相手に刺したナイフで更にダメージを与える。という技。生き物モチーフが多いが、違うのもある。また、蛇喰だけ異彩を放っているが、一応伏線である。

>階音
ぶっちゃけ一番書けてるかが不安なキャラ。詳細はまた今度

>戯曲
完全に独自解釈&結構雑なのであんまり当てにしないように。そして多分今後も使いまわす。

>飲酒可能年齢
あまり具体的には決めていないが、17歳時点では飲める設定。

オルクスの隠れ家の作りかけのメイドロボの目が瞬く。まるで何かを伝えようとするかのように

  • 修理して連れていく
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