本来なら明日か明後日に投稿すべきなのでしょうが、絶賛忙しいので無理です(恋人いないけどね)。
あ、最初に言っておきますが、めっちゃ短いです(休憩に書いてた手抜き小説だからしょうがないね)。
シア達が修業をしている傍ら、ハジメはハウリア族に魔物を狩って来るように伝え、自分は自分で修業しながら成果を待っていると、彼に近づく一人の人間に気付いた。
「調子はどうですか? 香織」
それは最愛の恋人である香織だった。どうやら新技の開発がひと段落したようで、休憩にハジメに会いに来たらしい。
「身体は特に問題ないかな。技の開発も上手くいったよ。どちらかと言うと君の方が心配だよ。一人にしたらまたあんな事するんじゃないかって……」
そう言って香織はハジメのこめかみを触る。それほど、ハジメが拳銃で頭を撃ち抜いたことが衝撃だったのだろう。たとえそれでは死なず、本体にダメージが残らない事が分かっていたとしても。香織はハジメと自分の額を触れさせて言葉を紡ぐ。
「演奏が聞きたいならいくらでも弾くし、私の身体が欲しいなら何時間でも交わる。なんでも誰かのせいにする、どうしようもない君も愛せるけど……ああいう事はやめてほしい」
香織はハジメの『死』を妨害する。ハジメにとって、『死』は『生』と同義だ。死は生の対極にあるものではなく、生の延長上に存在する、命に組み込まれた一つのシステムに過ぎない。
それを理解しているにも関わらず、香織はハジメの死を、生を妨害する。それを思うたびに嫌いになり、苦しくなり……そしてまた好きになる。この感情の推移だけで、ハジメは心停止を引き起こしそうだった。彼女が心臓に仕掛けた爆弾は、今日も平常運転である。
「……やりませんよ。とは確約できません」
「……」
「でも、僕はこの問題から逃げたくは無いのです。逃げられるものでもありませんがね。きっと、僕はどのような状況にあっても死に惹かれるでしょう」
「……」
「貴女は、こんな身勝手な人間でも愛してくれるでしょうか」
香織は困った人を見るような表情をして、そしてハジメの頭を自分の胸元に抱いた。
「香織……?」
「……正直に言うとね? 君のそういうところは大嫌いなの、コンダクター」
「……」
「でも、君がそういう思いを言葉や絵にするたびに私は自覚する。やっぱり、どう足掻いても君が好きだって」
「それ……は」
「私の心音を聞けば分かるでしょう? 君に仕掛けた爆弾は、私の心臓と連動しているの」
ハジメと香織は違う人間だ。それにもかかわらず、ハジメの心を見透かしたかのような言葉に、通常ならあまり良い感情は抱かない。しかし、ハジメは反論する事ができなかった。
「薫風が耳を貫いて、汗ばんだ肌と熱を持つ手を蝉しぐれが馬鹿にして、私は熱帯夜に溶けてしまいそうで……嫌いな所は大嫌いで、憎んですらいるけれど、輪廻転生のようにそれすらも好きになる」
同じだ。ハジメが香織に抱いている感情と瓜二つだった。
「でも、これで良かったと思うんだ。好きな所だけじゃなくて、嫌いな所もあるくらいがちょうどいいの。ずっとフォルテの音楽は退屈でしょう? ピアニッシモやデクレッシェンド、アクセントだって音楽には必要で、時にはスフォルツァンドがあって、強弱だけじゃなくて、ドルチェやラルガメンテ、カンターヴィレだって存在して、速度はどうしようかな? ラルゴ? アダージョ? それともアレグロかな? いっその事プレストでもいい……色々な音楽を君と奏でたいんだよ、コンダクター」
そして、香織はハジメを自分から離すと不安そうな顔で問いかけた。
「こんなに強欲な人間を、君は愛してくれる?」
愚問だ。とハジメは思った。
「君が紡いだ言葉を、君が描いた絵を、私は少ない脳と拙い演奏技術でなぞるだけ。こんな酷い人を、君は愛してくれる?」
ハジメは香織を静かに抱き寄せた。そして、どんな言葉よりも雄弁に答えを伝える行為で示した。
二人の唇が重なる瞬間に、二人の幻奏の周りで夜が生まれる。ヒグラシが鳴いて、遠くに見える縁日の屋台に
余分な色を含まない、純粋な熱と光を持つ花火が二人の周りを彩っていた。
はい、原作の桃色空間以上に入りづらい二人の世界でした。ただこれが書きたかっただけ。いや、なんというか、ウチの作品の恋人達に桃色空間を当て嵌めるとミスマッチもいいところでして……
しかし、ハジメの頭撃ち抜き事件には一応のケジメは付けました。早い方が良いでしょう。NieRのようなマルチバッドエンド回避のために。
オルクスの隠れ家の作りかけのメイドロボの目が瞬く。まるで何かを伝えようとするかのように
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修理して連れていく
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見なかったことにして放置する