翌日早朝、正面門にやって来たハジメ達を迎えたのは商隊のまとめ役と他の護衛依頼を受けた冒険者達だった。どうやらハジメ達が最後のようで、まとめ役らしき人物と十四人の冒険者が、やって来たハジメ達を見て一斉にざわついた。
「お、おい、まさか残りの奴らって〝楽団死期〟なのか!?」
「マジかよ! 嬉しさと恐怖が一緒くたに襲ってくるんですけど!」
「見ろよ、俺の手。さっきから震えが止まらないんだぜ?」
「いや、それはお前がアル中だからだろ?」
「というかアレ? 完全に女パーティーだっけ? 男が一人混ざってたって聞いたんだけど」
「俺は一人処刑されて代わりが入ったって……」
「マジかよ……流石は〝楽団死期〟だぜ」
「お、おい、深入りするのやめとこうぜ。秘密裏に消されちまうよ……」
「好き勝手噂してくださってどうも」
どうやら〝灰鴉〟という名前は定着するのにかなり時間がかかりそうなうえ、噂に尾鰭どころか背鰭も胸鰭も付いて一人泳ぎしているようだとハジメ達は溜息を吐く。ただ、厄介な人間が寄り付かないという目的自体は果たされているので、やや複雑な心境である。
「……ごめんハジメ、やり過ぎた」
「まあ、僕の見た目が急に変わったのも影響しているのでしょうね」
意識海安定のため、できるだけ早急に機体換装する必要があったのは確かだが、時期を見誤ったかもしれないと少し後悔している。
ハジメ達が複雑そうな顔をしながら近づくと、商隊のまとめ役らしき人物が声をかけた。
「君達が最後の護衛かね?」
「ええ、これが依頼書です」
ハジメは、懐から取り出した依頼書を見せる。それを確認して、まとめ役の男は納得したように頷き、自己紹介を始めた。
「私の名はモットー・ユンケル。この商隊のリーダーをしている。君達のランクは未だ青だそうだが、キャサリンさんからは大変優秀な冒険者と聞いている。道中の護衛は期待させてもらうよ」
「ええ、報酬の分は働きますので」
「それは頼もしいな……ところで、この兎人族……売るつもりはないかね? それなりの値段を付けさせてもらうが」
モットーの視線が値踏みするようにシアを見た。兎人族で青みがかった白髪の超がつく美少女だ。商人の性として、珍しい商品に口を出さずにはいられないということか。首輪から奴隷と判断し、即行で所有者たるハジメに売買交渉を持ちかけるあたり、きっと優秀な商人なのだろう。
その視線を受けて、シアが「うっ」と嫌そうに唸り、ロックを盾にするようにしてハジメよりも後ろに下がる。ユエのモットーを見る視線が厳しい。ついでにロックはモットーに向けて牙を剥き、ミュオソティスはスカートの中のサブアームを起動する準備をしている。
だが、一般的な認識として樹海の外にいる亜人族とは、すなわち奴隷であり、珍しい奴隷の売買交渉を申し出るのは商人として当たり前のことだ。モットーが責められるいわれはない。
「ほぉ、随分と懐かれていますな…中々、大事にされているようだ。ならば、私の方もそれなりに勉強させてもらいますが、いかがです?」
その言葉に、ハジメはゆっくりと首を傾げ、瞳孔の収縮した眼と口裂け女のような笑顔で答える。その動きがあまりにも非人間的で、モットー含めた周囲の人間はハジメの首が本当に落ちたのではないかと錯覚した。
「やや大げさですが、この際はっきり言いましょう。たとえどこぞの神が欲したとしても、手放す気は有りません。ご理解を」
後ろで優花が「ウイスキーと蜂蜜を混ぜたみたいな声ね……」とやや引き気味に言っていた。
「…………えぇ、それはもう。仕方ありませんな。ここは引き下がりましょう。ですが、その気になったときは是非、我がユンケル商会をご贔屓に願いますよ。それと、もう間も無く出発です。護衛の詳細は、そちらのリーダーとお願いします」
ハジメの発言は相当危険なものだった。下手をすれば聖教教会から異端の烙印を押されかねない発言だ。一応、魔人族は違う神を信仰しているし、歴史的に最高神たる〝エヒト〟以外にも崇められた神は存在するので、直接、聖教教会にケンカを売る言葉ではない。だが、それでもギリギリの発言であることに変わりはなく、それ故に、モットーはハジメがシアを手放すことはないと心底理解させられた。
そして、モットーが去った後のハジメ達の会話だが。
「相変わらずハッタリかますの上手いわね~」
「あ、あの……ゲーテさん。嬉しい事は嬉しいんですけど、あそこまで言って大丈夫だったんでしょうか?」
「別に平気でしょう。マーガレットも言っていますが、ハッタリは多少大げさに言うくらいがちょうどいいんです」
「ですが……」
「問題なんてものは問題にしたい人間だけがするものです。現に、冒険者たちはある種のエンターテインメントとして見ているようですし」
ハジメが護衛仲間の方を指し示すと、
「すげぇ……女一人のために、あそこまで言うか……痺れるぜ!」
「流石は楽団死期だ。最初は葬儀屋みてえな陰気な奴らかと思ってたが、見直したぜ」
と、むしろ絶賛されていた。冒険者は日々の食い扶持や問題ごとにかかりきりの為、あまり神について考える事は多くないのかもしれない。あと、妙な噂で敬遠されているのは気になっていたが、案外隠れ蓑として優秀かもしれないとも思っている。
「ふふ、どうかどうか、僕に非情な選択をさせる事の無きよう……この場から笑顔が消えるのは悲しいですからねえ」
「さっさと行きましょう?
冒険者の評価を聞いて優花はおふざけでハジメをそう呼んだが、あまり冗談に思えない周囲の商人と冒険者であった。
ブルックの町から中立商業都市フューレンまでは馬車で約六日の距離である。
日の出前に出発し、日が沈む前に野営の準備に入る。それを繰り返すこと三回目。ハジメ達は、フューレンまで三日の位置まで来ていた。道程はあと半分である。ここまで特に何事もなく順調に進んで来た。ハジメ達は、隊の後方を預かっているのだが実にのどかなものである。
この日も、特に何もないまま野営の準備となった。冒険者達の食事関係は自腹である。周囲を警戒しながらの食事なので、商隊の人々としては一緒に食べても落ち着かないのだろう。別々に食べるのは暗黙のルールになっているようだ。
そして、冒険者達も任務中は酷く簡易な食事で済ませてしまう。ある程度凝った食事を準備すると、それだけで荷物が増えて、いざという時邪魔になるからなのだという。代わりに、町に着いて報酬をもらったら即行で美味いものを腹一杯食うのがセオリーなのだとか。
そんな話を聞きながら食事をしたりしながら、残す道程があと一日に迫った頃、遂にのどかな旅路を壊す無粋な襲撃者が現れた。
最初にそれに気が付いたのは香織。やや遅れてシアとロックも気付いた。
「敵襲です! 数は百以上! 森の中から来ます!」
その警告を聞いて、冒険者達の間に一気に緊張が走る。現在通っている街道は、森に隣接してはいるが其処まで危険な場所ではない。何せ、大陸一の商業都市へのルートなのだ。道中の安全は、それなりに確保されている。なので、魔物に遭遇する話はよく聞くが、せいぜい二十体前後、多くても四十体くらいが限度のはずなのだ。
「くそっ、百以上だと? 最近、襲われた話を聞かなかったのは勢力を溜め込んでいたからなのか? ったく、街道の異変くらい調査しとけよ!」
護衛隊のリーダーであるガリティマは、そう悪態をつきながら苦い表情をする。百以上ともなれば物量で押し切られ、護衛は難しくなる。いっそ大半を足止めに回して商隊だけでも逃がすか? と考えた所、
「我々がやりましょうか?」
「えっ?」
ガリティマは、ハジメの提案の意味を掴みあぐねて、つい間抜けな声で聞き返した。見れば、ハジメはアーティファクトのような物を両手に持ち、他の人員もそれぞれ戦闘の準備をしている。
「この程度であれば、理論上殲滅可能です」
「い、いや、それは確かに、このままでは商隊を無傷で守るのは難しいのだが……えっと、出来るのか? このあたりに出現する魔物はそれほど強いわけではないが、数が……」
「問題ない。滅びを、与えてあげる」
ガリティマは少し逡巡する。一応、彼も噂でユエが類希な魔法の使い手であるという事は聞いている。仮に、言葉通り殲滅できなくても、ハジメ達の態度から相当な数を削ることができるだろう。ならば、戦力を分散する危険を冒して商隊を先に逃がすよりは、堅実な作戦と考えられる。
「わかった。初撃はユエちゃんに任せよう。仮に殲滅できなくても数を相当数減らしてくれるなら問題ない。我々の魔法で更に減らし、最後は直接叩けばいい。みな、わかったな!」
「「「「了解!」」」」
ガリティマの判断に他の冒険者達が気迫を込めた声で応えた。それを横目に、ユエはオズマを起動する。
「ユエ、一応詠唱しておいてください。最悪、〝圧縮詠唱〟とか言ってごまかせますが、無駄に面倒を増やす事も無いでしょう」
「……詠唱……詠唱……?」
「……もしかして知らないとか?」
「……詠唱の概念は知ってる。ちょっと文言を考えただけ」
「そうですか。では、お願いします」
「接敵十秒前ですぅ!」
そうこうしている内に、シアから報告が入る。ユエは、右手をスっと森に向けて掲げると、透き通るような声で詠唱を始めた。
「Fainter, dimmer, stiller, each moment, now night. 〝永久なる制裁〟」
ユエの詠唱が終わり、魔法のトリガーが引かれた。まず敵の頭上に現れるのは無数の剣。そして、魔物達を一カ所に吸い寄せる重力フィールドだった。商隊を襲う魔物も、本能的に逃げようとする魔物も、一匹たりとて逃れる事が出来ない。
「な、なんだあれ……」
それは誰が呟いた言葉だったのか。目の前に魔物の群れがいるにもかかわらず、誰もが暗示でも掛けられたように天を仰ぎ、魔物達に降り注いでいく剣の雨を凝視している。護衛隊にいた魔法に精通しているはずの後衛組すら、見たことも聞いたこともない魔法に口をパクパクさせて呆けていた。
だが、ユエの魔法はこれだけでは終わらない。
彼女の左右にオズマの一部と思われる黒球が一つずつ現れる。そして、その黒球から無数の巨大な槍がとめどなく放たれた。それは例えるなら赤黒い激流。
「うわっ!?」
「どわぁあ!?」
「きゃぁあああ!!」
広域一撃必殺の〝アルマゲスト〟と違い、こちらは対物量の継続攻撃と言ったところか。魔物達は黒の災害の前に為す術なく貫かれてゆく。切断音と轟音を響かせながら、黙示録のように魔物という名の葡萄たちを摘み取って行く。目の前の全ての魔物を蹂躙すると、黒い幻月は消滅した。
隊列を組んでいた冒険者達や商隊の人々が、轟音と閃光、そして激震に思わず悲鳴を上げながら身を竦める。ようやく、その身を襲う畏怖にも似た感情と衝撃が過ぎ去り、薄ら目を開けて前方の様子を見ると……そこにはもう何もなかった。敢えて言うならば、抉られ切り裂かれた大地だけが、先の幻月から放たれた豪雨が確かに起きた現実であると示していた。
「……ん、少しやり過ぎたかも?」
「何です? 今の魔法は。アルマゲストとはまた違うようですが……」
ハジメとしてはアルマゲストを数発放って殲滅するものと思っていたが、予想の斜め上を行く現象を見せられたので軽く驚いている。
「アルマゲストの術式も入ってるけど、例の魔法を組み合わせてみた」
言われてみれば、二人で魔法術式の解析や開発をしている時にそんな物を見た気がする。なお、その時の二人のやり取りは、
「なるほど、この式が最適解ですね」
「……ん。流石ハジメ。強いし頭もい「あ、失敗」」
「やり方間違っとるがな貴様」
とか言うものだった。
「因みに詠唱は聞き間違いじゃなければ……」
「……ん。香織から聞いた詩」
マックス・ウェーバーの『夜』。香織が寝る前に口ずさんでおり、ユエに教えた地球の詩の一つだ。
結局、注目を集める事になってしまったが、百を超える魔物を片付けた時点で目立つだろう事は自明の理なのであまり気にしない事にした。
〝永久なる制裁〟は重力フィールドを生み出す〝アルマゲスト〟や球体状のエネルギーを操る〝メビウスバンド〟、ニードルで刺し切り刻む〝茨の裁き〟を組み合わせ、更に重力魔法で威力を増幅したユエのオリジナル魔法だ。それによって、本来は短時間で終わるそれぞれの攻撃が継続的に続くという絡繰りである。
とはいえ、偽装した詠唱を抜きにしてもそれなりにエネルギーを消費する上に、速攻で発動できるという点では合成前の魔法が勝っている。使いどころを選ぶという事だ。
と、焼け爛れた大地を呆然と見ていた冒険者達が我に返り始めた。そして、猛烈な勢いで振り向きハジメ達を凝視すると一斉に騒ぎ始める。
「おいおいおいおいおい、何なのあれ? 何なんですか、あれっ!」
「ち、地上に月が……昼が夜に……あ、夢か」
「へへ、俺、町についたら結婚するんだ」
「動揺してるのは分かったから落ち着け。お前には恋人どころか女友達すらいないだろうが」
ユエの魔法が衝撃的過ぎて、冒険者達は少し壊れ気味のようだった。「ユエさま万歳!」とか言い出した冒険者達の中で唯一まともなリーダーガリティマは、そんな仲間達を見て盛大に溜息を吐くとハジメ達のもとへやって来た。
「はぁ、まずは礼を言う。ユエちゃんのおかげで被害ゼロで切り抜けることが出来た」
「……ん。自衛も兼ねてるからお礼は不要」
「はは、そうか……で、だ。さっきのは何だ?」
言うまでもないが、〝永久なる制裁〟の事である。
「……オリジナル」
「オ、オリジナル? 自分で創った魔法ってことか? 上級魔法、いや、もしかしたら最上級を?」
「……創ってない。複合魔法」
「複合魔法? だが、一体、何と何を組み合わせればあんな……」
「……それは秘密」
「ッ……それは、まぁ、そうだろうな。切り札のタネを簡単に明かす冒険者などいないしな……」
深い溜息と共に、追及を諦めたガリティマ。ベテラン冒険者なだけに暗黙のルールには敏感らしい。肩を竦めると、壊れた仲間を正気に戻しにかかった。
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ユエが、全ての商隊の人々と冒険者達の度肝を抜いた日以降、特に何事もなく、一行は遂に中立商業都市フューレンに到着した。
フューレンの東門には六つの入場受付があり、そこで持ち込み品のチェックをするそうだ。ハジメ達も、その内の一つの列に並んでいた。順番が来るまでしばらくかかりそうである。
ハジメ達は許可を取った上で馬車の屋根でティータイムを嗜んでいた。勿論、紅茶を入れているのはミュオソティスである。彼女があまりにも暇そうだったので、ハジメが気を利かせたのだ。本人も嬉しそうである。
「まったく豪胆ですな。周囲の目が気になりませんかな?」
モットーの言う周囲の目とは、毎度お馴染みのハジメに対する嫉妬と羨望の目、そして、女性陣に対する感嘆と欲情の目だ。流石大都市の玄関口。様々な人間が集まる場所では、女性陣も単純な好色の目だけでなく利益も絡んだ注目を受けているようだ。何なら見た目が女性的になったハジメももれなく対象である。屋根の上で横座りしていれば、ハジメが男であると信じる者は殆どいない。
「正直、外見で寄って来るというのであればどうしようもありませんから。僕が他人の脳髄を改竄できるわけでも有りませんし」
物騒な事を言いよる。或る意味正論なのは間違いないが、モットーは苦笑いした。
「フューレンに入れば更に問題が増えそうですな。やはり、彼女を売る気は……」
さりげなくシアの売買交渉を申し出るモットーだったが、ハジメだけでなく、仲間達、ヴァイオリン型アーティファクト『オディリア』で演奏をしていた香織までもが無言の主張をしてくる有様に、両手を上げて降参のポーズをとる。
「それでご用件は? まさか、断られた商談を推し進める為でもないでしょう?」
「いえ、似たようなものですよ。売買交渉です。貴方のもつアーティファクト。やはり譲ってはもらえませんか? 商会に来ていただければ、公証人立会の下、一生遊んで暮らせるだけの金額をお支払いしますよ。貴方のアーティファクト、商人にとっては喉から手が出るほど手に入れたいものですからな」
野営中に手品のように色々と出していたハジメだったが、流石に物理的に不可能な量だと感づかれたようで、〝宝物庫〟の存在も薄々気づいているらしい。商人にとって常に頭の痛い懸案事項である商品の安全確実で低コストの大量輸送という問題が一気に解決するのだ。無理もないだろう。
「これ以前にも何度か言われた気がしますが、譲る気は有りませんよ。残念ながら隣人に齎す奇跡など、持ち合わせていませんから」
「しかし、そのアーティファクトは一個人が持つにはあまりに有用過ぎる。その価値を知った者は理性を効かせられないかもしれませんぞ? そうなれば、かなり面倒なことになるでしょうなぁ……例えば、彼女達の身にッ!?」
モットーが、少々、狂的な眼差しでチラリと脅すように言葉を発すると、ハジメはゼロスケールの銃口をモットーの額に押し付けた。蝶のあしらわれた白い銃身は、感情を感じさせない笑顔と共に牙を剥いている。
「それは宣戦布告でしょうか? しかし、ご安心を。貴方は救済されるでしょう。死という名の福音によって」
冷たい音楽的な声色で、慈愛の笑顔でモットーの死を予告するハジメ。確かに「どうせバレる」とアーティファクトの存在はあまり隠していないハジメ達。だが、業病に罹患せしハジメ達を見逃すほど世界は優しくは無い。くだらないことを考えて愚策を取るくらいならば、このようにしていた方が何かと得だ。
遠回しに「死は救済」と主張する危ない人物を前に、モットーは全身から冷や汗を流し必死に声を捻り出す。
「ち、違います。どうか……私は、ぐっ……あなたが……あまり隠そうとしておられない……ので、そういうこともある……と。ただ、それだけで……うっ」
「残念ですねえ。僕では貴方を救えないようだ」
本気なのか冗談なのか分からないハジメの言葉に、モットーは肩で息をしながら話す。
「……はぁはぁ、なるほど。割に合わない取引でしたな……とんだ失態を晒しましたが、ご入り用の際は、我が商会を是非ご贔屓に。あなたは普通の冒険者とは違う。特異な人間とは繋がりを持っておきたいので、それなりに勉強させてもらいますよ」
「商魂逞しいですねー」
「では、失礼しました」と踵を返し前列へ戻っていくモットー。なお、ハジメ達には未だ、さっきよりも強い視線が集まり、商人風の男が指差しながら何かを言っている。
「やがて来るは、鮮血のヴァレンタインでしょうか」
ハジメはそう言いながら茶菓子を摘まんだ。
意外と原作っぽい言動もしてるハジメでした。まあ、「死は救済」とか原作の彼は絶対に言わないでしょうが。
備忘録
永久なる制裁:ユエの魔法で、元ネタはパニグレのルナのボスとしての行動パターン。パニグレではエネルギー弾を破壊する事で妨害できる。妨害が間に合わないと複数のスピアの雨を降らせてくる。
ユエの詠唱:マックス・ウェーバーの『夜』より。和訳すると、「より暗く、より幽かに、より静かに、今ここに、夜は訪れる」。まあ、魔法は派手だったけど。
オルクスの隠れ家の作りかけのメイドロボの目が瞬く。まるで何かを伝えようとするかのように
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修理して連れていく
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見なかったことにして放置する