帝官との戦いが始まりクレナを守る為にリョウは傷を負ってしまう。
16:旅館で足止めだ……チクショー!
帝官に襲撃(?)をされ背中に傷を負った俺は途中メイ達に助けて貰い旅館に逃げ込んだ。出来ればトラックを見つけ帝官達の目を欺きたい所だが恐らくトラックはあっち側の手の中だろう、今日はこの旅館で休憩と作戦を立てることにした。
メイ「無茶するからですよ、じっとしてて下さい。」
「まさかあんな化け物がいるとは思いもしなかったなぁ………っつ!」
メイが俺の体に包帯を巻いている途中である、やっぱこういうのが出来る人がいると助かる。メイ以外の皆は旅館の大浴場に浸かりに行っている為この借りた部屋には俺とメイしか今はいない。メイは先に入ったのか、既に浴衣姿になっている。浴衣姿になってもその目隠しのような布は取らないんだ………暑そうだが?
メイ「しかし帝国警察とはまた運が悪いですね。」
「やっぱりハルナを狙って来た………と思っていたが、どうやら目的は俺か。」
メイ「まぁラトス帝国に抵抗しているレジスタンスを助けた訳ですし、こうなるのも仕方が無いと言えば仕方が無いですが………。」
メイはそこまで言うと顔を俺の顔を覗くかのように顔を近づけて来た。
メイ「無理だけは本当にしないで下さい、困りますから。」
「嬉しいねぇ、心配してもらえるとは………。」
笑いながら言うとメイにきっぱりと言われた。
メイ「いえ、商売に影響が出るからです。」
「現実的な回答どーも。」
メイ「どういたしまして、はい、終わりましたよ。」
メイの治療を受け少し傷が楽になった、ここから本格的に考える必要がありそうだ………。
メイ「何にしろ、狙われている挙げ句の果てにトラックを取られてしまった………状況は悪いですね。」
「それをどうするか………か、本当に俺は運が無いなぁ………。」
そう言いながらちゃぶ台に置いてあるお茶をすする。
メイ「運が無いのではなく自分で運を無くしてると思いますが………。」
「マジで!?あぁ〜〜〜〜………。」
そう言いながら落ち込む俺の背中をメイが優しく叩いてくれた。
メイ「確かにマスターは運を自分で無くしてると思います、けどそれのお陰で助かってるんですよ?」
「は?どう言うこと?」
意味が分からなくメイに聞く。
メイ「マスターは何だかんだ言いながら今まで皆を助けて来たじゃないですか、サクマさんは知りませんが………ヒカリさんやクレナちゃん、ハルナさんをマスターは見捨てずいつも必ず『助ける』と言う信念の元で彼女達を助けて来たじゃないですか。」
メイはそう言うと口元を笑わせた、そうか、俺そんなことやってたのか。自覚してなかった自分を恨む。
しばらくすると風呂上がりの一行が帰ってきた。ヒカリはいつも量横で結んでいる髪をほどき下に垂らしている、ハルナは元々から短いので変わらず、クレナはフードじゃないのでただの黒い髪が長めの少女………ん?
「クレナ、それは耳?それとも角?」
クレナ「えーと………多分………角耳。」
「多分つーか両方じゃねぇか。」
クレナの角耳を指差しながら言う、いつもはフードからその上にマフラーで口元を隠すと言う目しか見えない服装だったから分からなかったがクレナの奴手以外にもほっぺや耳とかが龍みたいだ。
ヒカリ「マスター、大丈夫か?」
ヒカリが不安そうな顔をしながら聞く。
「傷か?大丈夫だ、こんぐらいで死ぬマスターでは無いからな!」
そう言うとヒカリは少し笑う。
ヒカリ「本当にごめん、私がもっと周りを見られたら………。」
「無理だ、あんな急な状況の中で周りを見るのは難しかったよ。あそこで引くと言う選択肢を取ったのが凄いくらいだ。」
ヒカリ「そうか………。」
ヒカリは納得いかない顔をしながら返事をする、しかしまぁ………。
「お前別人だな。」
ヒカリ「へ?どう言うこと?」
「ほら、お前いつも量横で結んでんじゃん、今は下ろしてるし、トラックの中でもあんま見ないからさ。」
ヒカリ「そ………そうか、どうだこれはこれで?」
ヒカリはそう言うと赤い髪を手でなびかせる。
「うん、綺麗だ。」
ヒカリ「………!そ、そうか!別に………見ててもいいからな……!」
ヒカリは嬉しそうに言うと自分の髪を見始めた。
ハルナ「マスター、あたいはどうや?綺麗か?」
ハルナは俺の横に座ると髪を見せびらかせながら言った。
「綺麗だけどお前そんないつもと変わらんだろ………。」
ハルナ「ダメやなマスター、そう言うのは「本当に綺麗だ!」と言うのが普通のやで?」
「それを自分で言う馬鹿がいるか。」
ハルナ「ここにおるけぇ。」
「あぁはいはい、いたなそこに。」
そんな会話をしているとクレナがこっちをじ〜〜〜っと見ていることに気付いた。
クレナ「………。」
「………!おいでクレナ。」
クレナ「………!〜〜〜〜♪」
クレナにこっちに来いと言うとクレナは嬉しそうに近づいて来てあぐらをかいている俺の足の上にちょこんと乗っかって背中を俺の胸に預ける、つまり俺は今クレナの椅子になっているということだ。
メイ「クスッ、親子みたいですね。」
ハルナ「む………いいなクレナ、羨ましいぞ!」
ヒカリ(………いいなぁ………。)
「あはは………。」
クレナ「〜〜〜〜〜〜♪」
こうしてfox商団の旅館での自由時間は終わった。
16話end
作者の部屋
どーも、秘幻です!今回は一息つかせて貰いました、この後はどんどん話が進んで行きます!
それではここら辺で、次の話でまた会いましょう!