商旅 ~生き返った商人の話~   作:秘幻

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新たにヒカリが仲間になったfox団の面々だった。


5:その子はどうやら最強の天然らしいです。

5:その女の子はどうやら最強の天然らしいです。

 

 

 

門番「えーと、fox商団ですね?分かりました、入国許可を出します。」

 

 

 

「ありがとうございまーす。」

 

 

 

空は青く気持ちのよい日、門の前でfox商団の面々はこの国の入国許可を取っていた。ヒカリも仲間に入り初めての商売場所に着いた所だ。許可を取りトラックを動かそうとした瞬間にさっきの門番が近づいてきて小さな声で俺の耳元に語りかけた。

 

 

 

門番「この国には悪魔がいます、気を付けて………。」

 

 

 

「……分かりました、ありがとうございます。」

 

 

 

門番はそう言うと「楽しんで!」と笑顔で送ってくれた、優しい人だなぁ……と思いながらトラックを動かすとサクマがクッキーをかじりながら聞いてきた。

 

 

 

サクマ「悪魔か、ちょいと会ってみたいな。」

 

 

 

「えー?面倒事はごめんだよ?」

 

 

 

サクマ「馬鹿言うな、お前もメイを面倒事に連れてってたじゃんか。」

 

 

 

「あ……あれは……色々とだな。」

 

 

 

確かに俺あいつを連れてったな面倒事に……まぁ結果的には仲間が増えたからいいじゃねぇのか?

今メイとヒカリは部屋で話をしている、入ってすぐに仲良くなったからその点はいいと言ってもいいだろう。こんな感じで仲間を増やしたいと思っている。

 

 

 

「ほら着いたぞー、仕事だ仕事。」

 

 

 

ヒカリ・メイ「はーい!」

 

 

 

指定された場所についた。基本的に旅商人は道の端に店を広げて商売をする為トラックを端に止め、メイやヒカリに机や椅子、商品を出すのを手伝ってもらう。この作業は意外と時間がかからなくすぐに終わった、その後の売り上げもよく、あまり難しい事でも無かった。そんな中一人の少女が買い物に来た。ダボダボの黒いパーカーの上に余った部分が長く地面すれすれなマフラーを巻いている少女だった。

 

 

 

少女「そのリンゴ…………下さい…………。」

 

 

 

その子は消え入りそうな声でリンゴを注文した。

 

 

 

「はいよ、100円だ。」

 

 

 

代金を受け取った時にある事に気づいてしまった、その子の手はまるで龍のような手をしていた。これは……いや、そんな事よりこの子にリンゴあげないと……そう思っていた瞬間にここの警官のような男が何か叫びながら走ってきた。

 

 

 

警官「待てー!この悪魔がー!」

 

 

 

少女「……………………!」

 

 

 

「あ……!ちょっと!」

 

 

 

少女は警官を見るなりダッシュで逃げてしまいその後から警官が走っていく、そんな光景をボーっと見てしまった。

 

 

 

「……………あ!しまった!メイ、ヒカリ!店頼む!」

 

 

 

メイ「え……?マスター!?」

 

 

 

ヒカリ「ちょっと!何処行くのよ!」

 

 

 

訳が分からずキョトンとしている二人を置いて俺は駆けだした、あの子に……あの子にリンゴ渡し忘れたぁ!

しばらく走ってきたがあの少女を見失ってしまった。

 

 

 

「クソ!あの子は……!?」

 

 

 

煉瓦造りの町並みを駆けながらあの子を探す、しかしこんな事やってても埒があかない、メイ達は今いない。なら少し試してみるか。そう思った俺は目を閉じ大きく深呼吸をしてまた目を開く、その時の目は普通の目から転生人の目に変わっていた。

 

 

 

「……選べ、世界。」

 

 

 

壁に手を当てる、その瞬間に手が壁に埋まり始める、これはデシャピアの能力により『壁は俺の一つ』にした。つまりあちこちの壁は今俺の一部同然だ、そこからあちこちの壁を使い少女を探す、

 

 

 

「…………………………………見つけた。」

 

 

 

細い路地で座っている、流石にすぐ横から現れたらビビらせてしまうこと位俺でも分かる。だから少し離れた場所から壁を出る、幸い、こちらには気づいていない。

 

 

 

少女「…………………!」

 

 

 

すごい子だ、足音はだいぶ消していた筈なのにこちらに気づくとは……。

 

 

 

「……ほら、リンゴ。」

 

 

 

少女「…………!……ありがとう……ございます……。」

 

 

 

少女は俺に怯えながら差し出したリンゴを受け取る、この子が悪魔か……。そうには全く見えない……。

渡す物も渡したしそこから立ち去ろうとしていた俺にあの少女が小さな声で話かけてきた。

 

 

 

少女「貴方は……私を殺そうとしないんですか?」

 

 

 

「……!……くだらねぇ。お前は俺の大切なお客さん、それだけだ。」

 

 

 

少女「…………!」

 

 

 

何だよ殺すって……全くもって訳わからん。そんな事を考えながら俺はメイ達の所に戻った。

 

 

 

ヒカリ「マスター貴様!どこふら付いてたんだえぇ!?」

 

 

 

ヒカリが持っていた棒を振り回しながら聞いてくる。

 

 

 

「待てヒカリ!それもう脅迫にしかなってない!」

 

 

 

ヒカリ「知ってるか?『心配』と書いて『脅迫』と読むんだ!」

 

 

 

「ウソつけぇ!!それつまり脅迫の一本じゃねぇか!」

 

 

 

メイ「まぁこの場合私は『帰ってきた』で『二階級特進』です。」

 

 

 

「死んでるじゃん俺!」

 

 

 

サクマ「似たり寄ったりだろ。」

 

 

 

「似てねぇ!!」

 

 

 

そんな事を話しながら荷物を片づけているとメイがある人物に気づき荷物を持ちながら俺の方に近寄ってきた。

 

 

 

メイ「マスター、あの人は……?」

 

 

 

「あの人……?」

 

 

 

メイが見ている方を見るとさっきの少女が家の陰からこちらを窺っていた。

 

 

 

少女「……………………。」

 

 

 

「何やってんだあいつ……?」

 

 

 

ばれてるから普通に……つーか俺らが見てる事に向こうが気が付いてねーよ、すげーなあいつ……。

 

 

 

ヒカリ「二人して何見てんの?」

 

 

 

サクマ「同意、何見てんだ?」

 

 

 

メイ「ヒカリさん、サクマさん……あそこ……。」

 

 

 

サクマ「ん……?あぁ、あの子ならさっきからあそこにいるぞ?」

 

 

 

ヒカリ「そうよ、ずっとこっち見てるわよ?」

 

 

 

へーーー……ってえ?

 

 

 

「知ってたの!?つーかいたっていつから?」

 

 

 

ヒカリ「荷物片付け始める5分前からだけど……。」

 

 

 

「一時間もあそこに居んのかよ!?」

 

 

 

恐ろしすぎるだろ!一時間もあそこでスタンバってたのかあいつ?流石悪魔!

 

 

 

少女「………………!」

 

 

 

ヒカリ「あ……逃げた。」

 

 

 

一同「「「「気づくの遅!?」」」」

 

 

 

マジか!今の本当に気が付いて無かっただけだったのか!?

 

 

 

「………ん?これは……?」

 

 

 

少女がいた場所に光る物が落ちていた。それを拾って見てみるとそれは光る石だった。

 

 

 

「………はぁ、あの子には少しお世話になりそうだ。」

 

 

 

5話end




作者の部屋

どーも秘幻です!今回初の商売です、本当はこの部分どうしようかと思ってたんですが入れる事にしました。
それではまた、次の話で会いましょう!
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