ゴミ箱   作:ヘイ!尻!モテる方法教えて!?

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ウオッカとアタシ

学園に帰ってきたけどここは何も変わっていない、まぁ流石に1週間程度じゃそりゃそうよね

 

同室のウオッカも威勢はいいけど実力は残念の一言、あの走りで地元じゃ相手になる子がいないというのだから本当に可哀そう

 

隣に競い合える相手がいなかったら張り合いもやる気も無くなるでしょうしね

 

その点私は兎に角恵まれていたと言っていいわ、ゴールドシップ先輩とアイツがいたから

 

アイツと勝負しては負ける、毎日毎日勝負しては負ける

 

次は負けないと意気込んで倒れるまで走り込みをする毎日、そんな毎日に変化を与えたのもあいつだった

 

「そういや毎日毎日ぶっ倒れるまでトレーニングしてるのが噂になってるけどどんなトレーニングしてるの?」

 

ちゃげばぶっちゃけてみ~?みたいなよくわからない事を言いながらアタシに話を聞いてくるので毎日走り込みを只管してる事を伝えたらアイツに散々アホ呼ばわりされた

 

「倒れるまで只管走り込み!?あっふーん・・・そういう感じかぁそっかそっかぁ・・・それ徒労っていうんだぜまったく

 

効率というワードをご存じじゃないとは思わなかったぞ、はーお前ほんとさぁ、そういうとこやぞ」

 

多分練習の効率が悪いって言う事を言いたいんだろうけどアタシには他にどうしたらいいかわからなかったから兎に角走り込みをしていたのだ、他にやり方も知らなかったしどうしろっていうのよ!とアイツに怒ったのだ

 

そして次の日アイツは

 

はーほんま手間掛けさせる、許さんぞ!走の喜びを知りやがって!!と意味不明な事を言いつつ投げて来た

 

その一冊の本は私の人生を大きく変えた

 

走り方のコツというタイトルの本は小学生向けに掛かれた走り方の基本が書かれた本だ

 

非常に分かり易くスタートの時の姿勢、膝を大きく上げて走る事を意識する、踵を付けて走らない、スタミナを付けるにはプールが良いという事やスピードを上げる為の簡単なトレーニング方法が乗っていた本だ

 

本に書いてあるフォームでアイツと走った

 

勝てはしない、しなかったけど明らかに差が縮まっていた

 

散々努力して走り込みをしてもまったく差が縮まらなかったのに、今までの走り込みはなんだったんだろうって思っちゃってアイツの前でポロっとこぼしたらこう言われた

 

みんな努力はしてる、その上で才能とか効率で差が出る、頑張れば勝てるは嘘、みんな同じだけ努力してるなら効率が良い方が勝つんだよって

 

その言葉はアタシに納得を齎した

 

ただ走ってただけの私と本を読んで工夫した私、どっちも私だけど同じ私でも随分と差が付いた

 

ただやってるだけじゃダメなんだ、【正しいやり方】じゃないと意味がないんだって気付かせて貰った

 

でもなんかムカつくからとりあえずローキック入れといた

 

 

 

アイツからのアドバイスで少しやり方を変えて回りを見渡す余裕が出来てから気づいた、小学生で効率よくやる事に気付いてる子なんてほとんどいなかった

 

この気づきをアイツから貰ったお陰でワタシは明らかに他の子より有利になった

 

本を読んでは知識を蓄えた、その知識を元に効率の良いトレーニングを自分で組み上げる

 

私は速くなる事を自覚する度にもっともっと速くなる方法があるはずだと考えた

 

必ずその知識は何処かにあって見つけられてないだけ

 

そう確信して毎日貪欲に資料や本を読み漁った

 

小学生向けのトレーニング教本では物足りなくなって中学、高校向け、指導者向けの本や資料を読みやがてはそれに満足できずに海外の最新論文をチェックするようになった

 

知識を取り込み実戦する

 

トレーニングで疲れたら体を休めている間に新しい知識を取り入れる、そうして疲れが癒えたらまた新しい知識を実践してみる

 

私はどんどん速くなった、それこそ狂ったようなペースで強くなった

 

毎日自覚できる程前日より速く強靭になっていく私

 

楽しすぎてずっとご機嫌だった

 

アイツに負けたってアタシは毎日ずっとずっと強くなっていく

 

アタシより強いヤツを見て、どうしたら勝てるのか毎日考えて、蓄えた知識で効率よくトレーニングをして、昨日より強くなったアタシがまたアイツに負けてさらに強くなる

 

でもこれはアタシにはアイツがいたからこそできる事だ

 

ウオッカには頭を使わないと勝てないって事を教えてくれる人もいなかった

 

ウオッカを打ち負かして本気にさせてくれる人もいなかった

 

ウオッカはまるで走り込みをしていた頃の私だった

 

ウオッカを見てたらアタシは段々心細くて怖くなっていた

 

アイツと出会わなかったらアタシは一体どうなっていたんだろう、そんな事を考えようとして、怖くなってすぐに止めた

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