どうぶつの森が現実に存在したらこうなるのでは? と思い執筆しました。

 世界観は「あつまれ どうぶつの森」がベースです。

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どうぶつの森が現実に存在したら。

 今日も朝が来た。朝日が昇り、日の光が地上を照らしていく。地面の野草や木々の葉が暗緑色から緑色となり、海も藍色から青色へと変わっていく。

 

 レンガで構成された洋風の建物にも日が当たり始める。建物に付いている時計は5時半を示している。ガラスを覗くと中が見える。役所のようにカウンターが付いており、奥には棚や本棚が置かれていて沢山の資料が置いてある。机の上には書類だけでなく受話器も置いてあり、仕事風景を彷彿とさせる。

 

 その建物にある人物がやって来る。帽子を被り、運動しやすい服装を着ている。後ろには黄色い可愛らしい犬のような動物が付いて来ている。

 

「おはようございます! 村長さん! 今日も朝早いですね!」

 

「うん、早起きは3ベルの得って言いますからね」

 

「あはは、確かに」

 

「しずえさんもわざわざ僕と同じ時間に起きなくても大丈夫だよ。僕がちょっと早く起きてるだけだし」

 

「いえいえ、そんなわけにはいきませんよ! 村長さんが心配ですし、村長さんの傍らにいるのが秘書の役目ですよ~!」

 

「でも無理はしないでね。健康が一番だし」

 

「村長さんもですよ!」

 

 “村長”と呼ばれた少年は“しずえ”と言う犬と一緒に歩いている。いや、犬と言うのは正確ではない。獣人と言った方が正しいだろう。その姿は何だかデフォルメしたような可愛さがしたがっている。

 

「それじゃあ仕事の準備だ」

 

「はい!」

 

 そう言いながら彼らは建物の鍵を開けて中に入っていった。建物の側にある長い棒には旗が揺らめいている。その旗には虫食いの葉っぱが描かれている。その棒の下にはこう書かれている。

 

 

 

 

 

 どうぶつの森 国旗

 

 

 

 

 

 此処は小笠原諸島の南側にある島々。多くの生物が生息している自然豊かな地域だ。季節も日本同様四季が存在し、時期によって様々な景観を生み出す。実は世界中の虫や魚が生息しているという、特異的な地域でもある。何故この島々に世界中の虫や魚がいるかは分かっていないが、一説には過去に「どうぶつ」達が持ち込んだのでは、と言われている。

 

 ここでの「どうぶつ」とは、皆が一般的に知っている「動物」ではなく、擬人化したような獣人達の事だ。既存の動物達が人型に進化した生物達だ。この島々では多くのどうぶつ達が住んでおり、世界に存在するどうぶつの殆どはこの島々に住んでいるのだ。この島々にはどうぶつだけではなく人間も暮らしている。元々どうぶつは人間と交流していたためである。

 

 この島々は最近国家として正式に国連から認定された。国家名は「どうぶつの森」。この島には森が多く存在していてそこにどうぶつ達が暮らしている、それが名前の由来となっている。

 

 この国、もとい島々は他国との貿易も始まった。一番の貿易相手国は地理的に近い日本。この国で産出される良質な果物・家具・鉱石などを輸出し、日本からは自動車を中心に鉄鋼・半導体などを輸入している。他の国は韓国・中国・フィリピン・インドネシアといったアジアの国々と貿易を始めており、いずれアメリカやロシアといった先進国と貿易をする予定となってる。

 

 この国(島々)の主要産業は食料産業と製造業だ。果樹園で果実を栽培したり、木材や鉄鉱石で家具などを製造している。国内で消費するだけでなくそれらを輸出している。これによりこの国の経済は徐々に発展しているのだ。

 

 この「どうぶつの森」は今大きな発展を遂げている。

 

 

 

 

 

 村長が来たのはこの国で最も大きな商店である「まめつぶ百貨店」である。このまめつぶ百貨店はこの国で作られている家具や絨毯・壁紙などが販売されている。これらの商品は独特のデザインで完成度が高い事もあり国の住人だけでなく海外の人もこの店に訪れる。

 

「あ、村長さんとしずえさん! こんにちはでございまーす!」

 

「お疲れ様でーす!」

 

「やぁ! 二人共元気でやってるね!」

 

 村長としずえが店に入って出迎えたのは、この店を経営しているまめきちとつぶきちという、小柄なタヌキのどうぶつだ。

 二人共村長達より背が低い。まるで小学生のようだ。しかし、店の経営を問題無く続けられる程頑張り屋だ。

 

「店の経営は順調かい?」

 

「はい! 店の売り上げは先月の1.5倍に上がりました! 海外のお客様が増えたおかげでーす!」

 

「海外の支店の展開も順調でありまーす! 日本や中国・韓国・フィリピン・インドネシア・マレーシア・タイといったアジアの国々に支店が作られる予定でありまーす!」

 

「今後はアメリカやイギリス・フランス・インド・ロシアといった国にも展開する予定でーす!」

 

「すごいですね! いずれ全ての国に支店が建つかもしれませんね!」

 

 まめつぶ百貨店は最近売り上げが伸びており、海外展開も積極的に行っている。主にアジア各国で展開し、更に欧米などにも進出する予定となっている。

 これらの商品は今の所この国のまめつぶ百貨店位しか販売されていない。しかし、他国に支店を建設する事で他国の人にもこの国の商品を購入しやすくするのだ。

 

 村長達が話していると、奥からナマケモノのようなどうぶつが現れる。緑色の帽子を被っていて、黄色い服を着ている彼はレイジ。まめつぶ百貨店の中にある園芸店を営むどうぶつだ。

 

「あ、レイジさんの調子はどうですか?」

 

「順調だよ~ 花の栽培も問題無いし、低木もバッチリ育ってるよ~ 病気対策もバッチリ~!」

 

「お疲れ様ですね! レイジさんから貰った花を役所に飾っているんですけど、凄く綺麗です!」

 

「僕が選んだバラだね。あれは良い具合に生長していたし花の色も良かったからあれを選んだんだけど、気に入ってくれて良かったよ~」

 

 レイジの育てている花や低木はどれも花の色などが美しく高評価を得ている。まめつぶ百貨店に来る人は此処で花や低木を買う人も少なくはない。

 特にバラはこの島で生えているものを栽培しているが、何と交配次第で青いバラが咲くという、驚きのバラなのだ。本来バラは青い色素を持たないため、品種改良や後輩で青いバラを作り出すことは不可能だった。しかし、この島々のバラは独特の進化により僅かに青い色素を持っており、交配次第では青いバラを作れる事が出来るのだ。これは世界的な大発見という事もありニュースで世界中に報道された。

 レイジの店では交配によって育った青いバラを販売しており、多くの人が買いに来る。中には自ら栽培しようとしてこの島のバラを買って栽培しようとする人もいる。

 

「あ、そろそろお客様の対応をしなきゃ~」

 

「うん! 頑張って!」

 

「それじゃあ私達も仕事に戻りまーす!」

 

「仕事に戻るのでーす!」

 

「はい! それでは失礼しますね!」

 

 まめきち・つぶきち・レイジは仕事に戻っていった。彼らは常に忙しい中顔色変えずに働く、働き者の鏡だ。

 

「それでは村長さん、たぬきちさんの所へ行ってみましょう!」

 

「うん、そうだね」

 

 村長としずえはまめつぶ百貨店を出て、次の目的地「たぬきハウジング」へと向かった。

 

 

 

 

 

 二人が店を出てしばらくすると、ビルと言わんばかりに大きな建物に辿り着く。正面看板には「たぬきハウジング」と書かれており、穴が開いた葉のイラストが描かれている。

 中に入ると多くのどうぶつが建物内を行き来しており、中には人間も混じっている。その人間も様々な国の人がいる。かなりの大企業になっていると実感する。

 中を進んでいくと、あるどうぶつと出くわした。この企業の名前が書かれた服を着ているたぬき、彼こそがこの企業の社長「たぬきち」。村長の知り合いでもあり、この国の独立にも関わった大物である。

 

「あ、村長さん! お久しぶりだなも!」

 

「やぁたぬきち社長! 経営は結構順調なんだね!」

 

「勿論だなも! 新しい仕事が幾つも入っているだなも!」

 

「凄いですね! その分忙しそうですが無理してませんか?」

 

「その点は大丈夫だなも。ホンマさんやタクミ、海外から来て入社したベテラン社員達にも仕事を任せているから一人一人の仕事量は通常通りだなも」

 

「まぁ! しっかりしてるんですね!」

 

「仕事をさせ過ぎたらいけないだなも!」

 

 仕事面でもきっちりしている事は本当に部下の事を考えていると二人は感心する。たぬきハウジングの不動産業・家の建築や改築・リフォームなどをこなし、今や社長として君臨しているたぬきち。その仕事ぷりと評判の良さが世界中も注目している。そんな事もあり、どうぶつの森の建国と同時に様々な国からたぬきハウジングに入社したい人が増加した。今や世界有数の大企業になっても可笑しくない程の成長ぶりを歩んでいる。

 

「あ、これから仕事で外出する時間だなも」

 

「何処に行かれるんですか?」

 

「東京だなも! これから東京への事業拡大の話が東京で行われるんだなも!」

 

「海外にも事業拡大ですね! さすがですわ!」

 

「あはは…… 今後は日本以外の国にも出張する予定もあるんだけどね…… たぬきハウジングも結構国外展開の話が多くなったし」

 

 このたぬきハウジングも急成長していることもあり、国外への事業拡大の話が多くなった。この国と最も交流が多い日本だけでなく、経済的に豊かなアメリカや中国・ロシアといった国にも出店するだろう。

 

「そろそろ行かなくちゃいけないから、僕はこれで失礼するだなも! 皆、後はよろしく頼むだなも!」

 

「もしかしてこれから空港に行くんですか?」

 

「そうだなも!」

 

「なら私達も行きます! 私達もこれから空港に行く予定だったので!」

 

「そうなの? それじゃあ行くだなも!」

 

 こうして、たぬきちは村長・しずえと共にたぬきハウジングを出た。向かう先は空港。村長達はそこに用事があるため、足の方向を空港のある方向に向けたその方向の空には、白い鳥のような、航空機が飛んでいた。

 

 

 

 

 

 

 「どうぶつの森国際空港」

 

 そう書かれた大きな看板が建物に掲げられている。地震が襲っても倒れない程頑丈な建物、雨除けの屋根、多くのタクシーやバスが停車している様子。誰の目から見ても大規模な空港だ。それに加えて飛行機の発着も多い。この空港は世界的に見て重要なハブ空港の内の一つと化している。

 村長としずえ・たぬきちはこの空港に来ていた。行く先は受付のカウンター。そこには鳥のどうぶつが立って仕事をしている。

 

「あ、村長さんにしずえさん! それにたぬきちさん!」

 

 彼らを出迎えたのは、ドードーのどうぶつ「モーリー」。明るい笑顔で彼らを出迎えた。彼の元にはパソコンが何台も置かれており、航空情報を一秒の隙も無く受け取っているのが分かる。

 

「たぬきちさんが来たという事は、これから日本に行くんですね?」

 

「そうだなも!」

 

「分かりました! 予定通り手続きを始めます!」

 

 モーリーは手元のパソコンに入力を始めた。打ち込むスピードは非常に早くかなり仕事に慣れている事が分かる。

 

「あ、村長さん達はここでフータさんを待つんですね?」

 

「はい。そろそろ便が到着する時間なので」

 

「きっと笑顔で帰ってきますよ! 何せアメリカの有名な博物館に視察に行ったんですから」

 

 村長としずえが空港に来た理由、それはアメリカに行ったフータというどうぶつを出迎えるためだ。この国の博物館の館長であるフータは海外の博物館を視察に行っている。それ程海外の博物館に興味を持っているのだ。今の博物館も国の建国と同時に海外の技術を使用するようになったため以前よりも豪華かつ本格的な博物館に仕上がったが、フータは更に素晴らしい博物館にしようとしているらしい。そのため、海外の博物館に行ってどのような展示・内装・生物の飼育方法を詳しく学びに行ってるのだ。

 

「あ、便が到着する時間ですね。此処から飛行機が見えます」

 

「来ましたね!」

 

 空港の滑走路に大きな飛行機が着陸した。大きなジェット音が響き渡る事からかなり大型である事が分かる。ボーディング・ブリッジが接続され多くの乗客が降りてきた。どうぶつだけでなく人間も多く降りてくる。その中にフクロウのどうぶつがやって来る。鞄を持っていて、如何にも博識そうな帽子と服を着ている。

 彼こそが村長が合う予定だったどうぶつ、フータだ。

 

「おや、村長さんにしずえさん、たぬきちさんじゃないですか!」

 

「やぁ、フータさん」

 

 フータは村長としずえ・たぬきちを見ると、ブンブンと手を振って久々の再会を喜んだ。視察は1週間程であるが、仲が良い事もあり1週間あっていないだけでも長く感じる。

 

「視察どうでしたか?」

 

「いやぁ、素晴らしかったですよ! 我が博物館も豪華にしておりますが、海外の博物館はそれ以上に豪華かつ美しいデザインで…… 我が博物館にも取り入れたい位です!」

 

「そうですか…… そういえばフーコさんは元気ですか?」

 

「えぇ。メールしたんですけど、元気にハワイのジェミニ天文台に視察に行っています。星座の事を詳しく学べるだけあって字面でも分かる位元気でしたよ」

 

「フーコさんらしいですね!」

 

 フーコ、フータの妹は星が好きという事もあり現在フータと同じく天文台に視察に行っている。将来博物館に本格的な天文台を増築する予定もあるため、星や天文台の事を更に深く知ろうと視察に行っているのだ。視察に行ったのはフータが出国してからしばらく後のため、彼女が帰ってくるのはもうしばらく後の事となる。

 

「たぬきちさん! 博物館の改装時には……」

 

「分かってるだなも! とびっきり素晴らしい博物館にするだなも!」

 

「えぇ! その時はよろしくお願いします!」

 

「それじゃあ僕はそろそろ出国するだなも!」

 

「行ってらっしゃい!」

 

「行ってくるだなも!」

 

「何時でもOKだ! 出発の準備だ!」

 

 たぬきちは荷物を持って、航空機のパイロットであるロドリーと共に搭乗口の方に向かった。かつては小さい航空会社「ドードーエアライン」・飛行場だったのだが現在は主要航空会社・空港の仲間入り。かなりの大出世である。

 

「さぁ、僕らは喫茶店に行こう!」

 

「「はい!」」

 

 村長としずえ・フータは博物館に併設している喫茶店へと進み始めた。

 

 

 

 

 

 3人が辿り着いたのは白い大理石のような石材で構成された博物館。ローマの遺跡を彷彿とさせるデザインで、玄関の上部には知恵の象徴と言われているフクロウが描かれている。

 此処がフータが館長として運営している博物館だ。博物館には多くの人やどうぶつが出入りしており、この博物館が人気である事が窺える。

 この博物館、「どうぶつの森国立博物館」はこの国で生息している虫と魚・採掘された化石・美術品が展示されている。展示室の内装のデザインは結構凝っており、世界的に高い評価を得ている。

 そして、この博物館の中に併設してある喫茶店「ハトの巣」は、マスターと呼ばれるハトのどうぶつが経営している。村長達はこの喫茶店に来ていた。

 

「……いらっしゃいませ」

 

「こんにちは、マスター!」

 

「……皆さん、何時ものですね?」

 

「「「はい!」」」

 

「……分かりました」

 

 マスターと村長達は顔馴染みで、「何時もの」と言えば、彼らが好きなコーヒーを出してくれる。普段は寡黙であったが、村長と毎日話していく内に徐々に打ち解けていき積極的に話すようになった。常連になれば特別メニューを出す事もある。

 店内は落ち着いた雰囲気で、多くのどうぶつと人がコーヒーを飲んで楽しんでいる。この芸術的な内装に加えてマスターの出すコーヒーが格別に美味いと評判だ。

 

「あ~…… 美味い……」

 

「これを飲めば疲れが無くなります~!」

 

「ホホホ、久々に飲みましたね。視察に行ってる間、此処のコーヒーが恋しかったです」

 

「……お褒めの言葉、嬉しいです……」

 

 マスターの淹れたコーヒーを飲んで3人はすっかり気が抜けて普段の疲れを完全に吹き飛ばしている。

 マスターのいる場所の後ろ側にはマスターの趣味であるはにわが幾つか置かれている。この喫茶店に来ているお客様も何人かはこのはにわを見ている。気になっているようだ。

 

「あれ? はにわが増えていますね?」

 

「えぇ、この国の無人島で採掘した物です」

 

「マスター自らですか!?」

 

「ほほう、最早マスターはにわの専門家ですね!」

 

 この国で採掘される「はにわ」という物体。この国で出土される奇妙な焼き物だ。日本の埴輪の場合祭祀や魔よけの為に使われるが、この国で出土されるはにわは主に音楽の為に使われる。このはにわは一定の間隔で鳴く特徴がある。このはにわを複数個組み合わせればちょっとした音楽となるのだ。

 マスターはこのはにわを趣味で集めており、集めたはにわを喫茶店に飾っているのだ。店では鳴らしていないものの、ちょっとしたおしゃれになっており来客からも好評だ。

 

「結構集まっていますね!」

 

「ほほほ、はにわの展示室を作ってみるのもありですね」

 

「たぬきちさんに頼めば喜んで造るでしょうね!」

 

「……名案ですね」

 

 会話に花を咲かせているところ、あるどうぶつが来訪した。

 彼は白い犬のどうぶつ。背中にはギターを背負っている。すると、来客達は一斉に彼に視線を向けた。

 

「あ! とたけけさん!」

 

「やぁ、村長さん。それに皆。久しぶりだね」

 

 落ち着いた雰囲気で話す彼の名は「とたけけ」。

 この国で最も有名なアーティスト。

 国が建国される前からライブを毎週土曜日に開催していて、住人から高い評価を得ていた。建国以降は世界中で注目されている有名なアーティストとなった。

 

「とたけけさん、ライブが終わったんですね!」

 

「あぁ、皆真剣に聞いてたよ」

 

「私も聞きたかったですね~。飛行機の到着がもう少し早ければ……」

 

「……以前は私の喫茶店で演奏していたのが懐かしいです」

 

 新しく現れたとたけけとの会話で更に会話が弾み始めた。周りから見れば旧友同士の会話に見えて、何処か微笑ましいように見える。すると、とたけけは何かを提案したように、ハッと頭を少しだけ上げた。

 

「そうだ、久々に喫茶店でライブをやってみようかな」

 

 とたけけの提案。それは、以前のように喫茶店でライブをやるという提案。かつて喫茶店で様々な曲を聴いてきた村長からすれば懐かしく感じる提案だ。それにNoと言う理由は無いため、村長は……

 

「良いですね! 凄く懐かしいですし、今の喫茶店の雰囲気にも合いますよ!」

 

 迷わずに賛成の意見を出した。

 

「確かに! この落ち着いたような店内で演奏したらもっと人気出ますよ!」

 

「ホホ―! それは良いアイデアですね!」

 

「……歓迎します」

 

「本当かい? 嬉しいな。スケジュールを調整して開くことにするよ」

 

 村長に続いてしずえ・フータ・マスターも賛成の意を唱える。

 すると、店に来ている客達からも声が上がり始める。それは、村長やしずえ達と同じく賛成の意だ。

 

「僕も賛成です! とたけけさんの音楽を喫茶店で聞いていた頃からファンでした! また喫茶店での演奏を聞きたいです!」

 

「私も! マスターのコーヒーを飲みながらとたけけさんの音楽を聞いてみたい!」

 

「あたしも聞いてみたい!」

 

 次々と賛成の意見が上がっていく。最早この場にいる全員が賛成している。とたけけの人気の高さが窺える。

 

「そこまで言われると少し照れちゃうな……」

 

「まぁまぁ、とたけけさんが人気という証拠ですよ」

 

 多くの人やどうぶつから上がる賛成の意見にとたけけは流石に照れて恥ずかしがってしまう。有名なミュージシャンもこればっかりは照れてしまう。

 

「じゃあ今回はとたけけさんの喫茶店ライブ再開を祝して皆一緒にマスターのコーヒーを飲みますか!」

 

「じゃあ、コーヒーのおかわりします!」

 

「ホホ―! それでは私も!」

 

「……承りました」

 

 こうして、マスターの喫茶店はすっかり和やかになってしまった。しかし、マスターもとたけけも嫌な顔はしていない。この国ではこういう触れ合いが一番楽しいと理解しているからだ。それは昔から、建国前から変わらない。

 このコーヒー飲みはしばらく続いた。そんな賑やかな様子をマスターのはにわは無表情であるが、何処か楽しそうに見えていた。

 

 

 

 

 

「さて…… 皆元気だったね」

 

「国の見回りが終わりましたね!」

 

 村長としずえが国の色んな所を見回った。仕立て屋「エイブルシスターズ」、交番、駅…… 様々な施設や住人達を見回りに行った。これが村長の仕事の一つ。国の住人達が今日も元気か実際に見に行くというもの。これは建国されるまで村長がやっていた事で、今でも続いている。

 

「今では首相ですけど、皆さん今でも村長と呼んでいますね」

 

「あはは…… 確かに。もう馴染んでるからね」

 

「さて、そろそろ会議の時間になるから会議室に行くか」

 

「そうですね!」

 

 これからあるのはこの国についての会議。予算や経済への話。様々などうぶつ達と話し合いながら進める。彼が目指すのはこの国を豊かにする事。

 この国が出来る前にこの地にやって来た彼にとって、この島々で暮らすどうぶつ達は一人暮らしに不安があった自身を手伝ってくれたり相談に乗ってくれた恩人でもあり友達だ。様々な恩がある彼らの為に村長でもあり首相である彼は働く。

 これからも大きな発展を遂げる、この国の為に。

 

「それじゃあ資料を持って出発!」

 

「はい!」

 

 一日はまだまだ続く。




 自分は「e+」から「あつまれ」まで遊んだ経験があります。e+の音楽が凄く懐かしい……

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