人狼ゲーム BLOOMS《ブルームズ》   作:海老原

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足を運んでいただきありがとうございます。
川上亮先生の『人狼ゲーム』シリーズのファンの者です。

今回、私が書かせていただくのは、
小説・映画『人狼ゲーム ラヴァーズ』に登場する、海老原一香の1回目のゲームの後半戦です。

『人狼ゲーム ラヴァーズ』は、11人全員が、前半戦・後半戦を生き残った2回目。原作で“村人+恋人”の役職の海老原一香。

そんな彼女のキャラクターが好きで、書かせていただきます。
また、主人公は別視点となります。
海老原一香は勿論、誰が勝ち残るのか、考えながら読んでいただけると嬉しいです。

※今作は、小説ver.の海老原一香です。
映画オリジナルの、運営人への復讐する人物では無いです。
気になりましたら、小説版『人狼ゲーム ラヴァーズ』をお読みください。

【小説版・人狼ゲーム ラヴァーズ のネタバレ注意】
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プロローグ
1話 ラヴァーズ


 私は、ニヤリと笑みを零し、右腕を前に伸ばす。

 人差し指がピンと伸び、指と視線の方向には童顔の少女が座っていた。

 

 黒髪で、気の強そうな顔の男子も、童顔の少女に。

 金髪ロングの、いかにも不良してますって感じの女子も、同じ相手にいれていた。

 

 童顔の少女は、眼鏡女子を指差し、

 眼鏡女子は、金髪女子を指差していた。

 

「なんで、ですか?」

 

 眼鏡女子は、困惑の表情を浮かべていた。

 

「そう……」

 

 童顔女子は、動揺を隠せないのか、瞳は小刻みに揺れ、息を整えると、金髪女子の方を向いて、口を開いた。

 

「なんで?」

 

 金髪女子は、吐き捨てるように答える。

 

「屑だから」

 

 そこからは、まるで脳内にクラシックがかかり始めたように、素晴らしく幻想的な場面になった。

 

 金髪女子は、背中に持っていたサバイバルナイフを出し、童顔女子の腰の辺りへ突き刺したのだ。童顔女子は抵抗をせず、金髪女子の腕の中でズルズルと床に崩れ去っていった。

 

 童顔女子は死に、ごろんと仰向けになった時に大広間のテレビの画面がついた。テレビの画面は青く、白い文字が中央に表示されていた。

 

『勝利側には、一億円をお支払いいたします』

 

 黒髪のイケメンは、何かを叫びながら首に手を当てる。同時に出入り口に向かって、逃げるように走った眼鏡女子も、駆け出した勢いのまま前に倒れる。

 

 生きているのは、私と金髪女子。

 私は、彼女の顔を見つめた。

 

 酷く疲れた表情。

 だが涙を流さず、ただ周りの死に様を黙って見ていた。

 

 私は、暴れて死ぬ2人に近づいた。

 彼らの死体を見ると、生きている事を実感できる。

 

 男は、勝てると思っていただろうか。

 人狼として、序盤で対立した自分の彼女に手を掛け、夜は人を殺している。

 

 女の方は、勝ちは100%無かった。

 昨日の投票、予言者が吊られた時には死を覚悟していたのだろうか。

 

「満足した?」

 

 彼女の反応が見たく顔を向けた時、目が合った。

 そんな彼女は私に、そう質問してきた。

 

 今回のゲームも、十分に満足できた。

 人の絶望した顔がたくさん見れたのだから。

 

「それはもう」

 

 私はそう言い返す。

 彼女はそれから、大広間の天井に設置された監視カメラを見上げながら「運営側に入会したい」と言った。

 

 前回の前半戦と後半戦。

 そして今回の自己参加の2回目のデスゲーム、運営側に入会したいと言った人は初めてだった。

 

 人の死に顔が見たい?

 それ以上に何かあるの?

 

 私は、ニヤニヤと笑みを零しながら彼女を見つめていた。

 

「そうだ」

 

 金髪女子は、何かを思い出したように呟く。

 その声は重く、低かった。

 

「このゲームは、これで終わりだよね」

「え?」

 

 彼女は、私の方を向いた。

 しゃがむ私を、見下ろしている。

 

「なら、もうルールは関係ない」

 

 彼女は、逆手に持ち直したナイフを、振り上げる。

 そして、容赦なく私に向かって振り下ろした。

 

 右目を刺された。

 彼女がナイフを抜くと、衝撃的な痛みと共に、右目から噴水のように血が噴き出した。

 

「っっ!!」

 

 次は、腹を刺された。

 私は仰向けになり、天井を見上げる。

 

 何度も刺されるナイフ。

 その死に際に、前回のゲームを思い出した。

 

 後半戦で、私は開花した。

 人の死に顔を見たい。そう思った。

 

 

 

 ――このゲーム、俺のおかげで……!

 

 ――勝ちたくないのっ?!

 

 

 

 走馬灯のようなものが流れてくる。

 これは、前回のゲームの後半戦の記憶だ。

 

「……ふっ」

 

 血を吐きながら、海老原一香は笑った。

 震える右手で、自分の長い三つ編みに触れる。

 

 

 

 ――海老原さんに言われたから、嬉しかった。

 

 

 

 薄れていく意識の中、海老原一香はゆっくりと目を閉じた。

 




1話目は『人狼ゲーム ラヴァーズ』のラストシーンから。

次回から、『人狼ゲーム ブルームズ』が始まります。
ブルームズの意味は、開花。
彼女のサイコパスな人格が開花する様子を想像しました。

上手く書けるように、頑張ります。
応援、よろしくお願いします。
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