夜10時前まで、3人は一緒にいた。
全員の名前プレートを見て、名前も確認した。
その名前を、部屋から出れない10時からの今、私はノートにそれぞれの部屋番号と名前を書き記した。
501 五十嵐春大・センター分け
502 岡元凌牙・茶髪大柄男
503 岳田菜穂・私 →予言者○
504 里見理香子・ロング女子
506 /菅野くん/
507 屯孝太郎・低身長男子 →霊媒師○
508 尾田希美乃・お嬢様女子
601 鬼崎匠・メガネ男子
602 明戸苑果・ショートカット女子
603 海老原一香・ポニーテール女子
部屋にある小さな設置型の時計。
カチカチと秒針が音を鳴らし、時を刻む音が聞こえる。周りが静かだからか、恐怖で視界が秒針に集中しているせいか、余計に大きく聞こえた。
夜10時から12時までの間に、誰かひとりをテレビで入力して、その人の役職を知る。
私はテレビをつけた。
すると、昼間は何も表示されていなかったのに、今は全員の部屋番号と名前が表示されていた。
ただ、506の菅野くんと、503の自分の名前は灰色の文字になっていて、選ぶことができない。
――誰を選ぶべきなのだろう。
候補は3人いた。
ひとりは、あと大柄男・岡元くん。
あとは、ロング女子の里見さんに、メガネ男子の鬼崎くん。
ノートに3人の名前を書き、名前を眺めた。
鬼崎くんは、起きてから最初に、窓を開けようとしたくらいで、特に怪しい行動はしていない、と思う。ただなんとなく、人狼っぽいなという雰囲気がある相手だ。
里見さんは、女子の中で唯一話していない。
常に一人で行動していて、何を考えているのか分からない。どういう人なのだろうか。ただ、冷静で人狼だったら怖いなと思った。
そして、岡元くん。
彼は大きく目立ちすぎていて、逆に怪しい。
でも、全員の言う通り、彼は一番村人側に近い存在なのだろうか。そこもよく理解できていなかった。
私は、もう一度全員の名前を見る。
そして、ふと目に留まった尾田ちゃん。
彼女は常に怯えていた。
だけど、投票の時の質問など、やる姿勢は見せていた。
彼女も候補に入れ難い。
――決めた。
私はリモコンを持って、ひとりを選択する。
丸いボタンを押すと、画面が変わった。
占いますか?の文字に、はいを選択する。
すると、画面に文字が表示された。
『尾田 希美乃 さんは、人狼ではありません。』
お嬢様女子・尾田ちゃんは、村人側だった。
でもこれで、明日の投票先での候補が減ったし、村人が確定した相手も増えた。
人狼を見つけられなくても、
これは大きいだろう。
◇◆◇
人狼を引いた人間は、夜12時を少しすぎた辺りに、腰掛けていたベッドから立ち上がった。カードに書かれてあった金庫の場所へ向かう。
ダイヤル式の鍵を回し、中からサバイバルナイフを取り出す。ナイフは重く、黒いフードを被って長いコートを着た人狼は、息を呑んだ。
黒いマスクもしていて、フードが脱げない限り、正体を見ることはできないだろう。
あとは、もうひとりの人狼を待つだけ。
そして、時が経った。
勢いよく、部屋のドアが開いた。
「……!?」
目の前には、小柄な男子。
予想通り、霊媒師は守られていなかった。
「……ぉっ、おいぃっ!?」
霊媒師・屯孝太郎は、恐怖で声が裏返っていた。
彼は背を向けて窓側へ逃げる。
その手には、何も持っていなかった。
非常に殺しやすい。
人狼は、ナイフを持ってズカズカと部屋の中へと入って行った。
「ああああああああっっっ!!」
彼の断末魔が響く。
「いだっ!あああっ!い、いだあああああっ!!」
彼は最期まで叫んでいた。
そして、目をギョロッと上に向けたまま、息を引きとった。
「……ちっ」
人狼は舌打ちをし、その場を立ち去った。
〜登場人物・整理〜
〈女子〉
・岳田 菜穂 (前髪ぱっつん三つ編み)
→予言者
・海老原 一香 (ポニーテール女子)
→???
・里見 理香子 (ロング女子)
→???
・明戸 苑果 (ショートカット女子)
→???
・尾田 希美乃 (お嬢様女子)
→村人側
〈男子〉
・岡元 凌牙 (茶髪の大柄男)
→???
・鬼崎 匠 (センター分け男子)
→???
・五十嵐 春大 (長髪メガネ)
→???
〈死亡〉
・屯 孝太郎 (低身長男子)
→霊媒師
・菅野 勇 (短髪メガネ)
→???