人狼ゲーム BLOOMS《ブルームズ》   作:海老原

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11話 2日目・中

 

 私と苑果ちゃん、尾田ちゃんの3人は食堂で軽く食事をとっていた。犯人らが用意したカップ麺やパンが厨房に置いてあり、私たちはそこから取って、食事をしている。

 

「3人とも、ここにいたんだ」

 

 そんなに広くない食堂。

 そこへ、センター分け男子の五十嵐春大がやって来た。

 

「俺も、一緒に食べていいかな」

「うん、どうぞ」

 

 と、私は隣の椅子を引いた。

 五十嵐くんは隣の椅子へ座り、パンを頬張る。

 

「あのさ、皆んなに聞きたい。この中に、用心棒っている?」

 

 3人とも、首を横に振った。

 五十嵐くんは「そっか」と言った。

 

「え、なんの確認ですか?」

 

 と尾田ちゃんは聞き返す。

 

「……用心棒を名乗る人物が現れた」

 

 と小声で話す。

 

「誰なんですか?」

 

 と私が聞くと、五十嵐くんは「彼女が村人側と確定していないから言えない」と、苑果ちゃんを見てそう答えた。

 

「なんの話してるんだ?用心棒だのなんだの」

 

 食堂の入り口には、岡元くんが立っていた。

 

「その話、興味あるわ」

「……彼が、狂人の可能性がある」

 

 五十嵐くんは小声でそう言うと、軽く会釈してその場から去っていった。すれ違うように、岡元くんは私たちの方に近づいてくる。

 

「んで?誰が用心棒だって?」

「……名前は、教えられてません」

 

 と、尾田ちゃんが答えた。

 岡元くんは、興味深そうな顔をして入口の方を振り返った。

 

「……ほう!?」

 

 大きな声でそう言うと、食堂の入り口の方から去っていく足音が聞こえた。どうやら、まだそこに五十嵐くんがいたらしい。

 

「んで、お前らにも提案がある」

 

 その視線の先は、苑果ちゃんと尾田ちゃんだった。

 

「今日の投票、海老原一香に入れてくれ」

「あの、なんでそんなに海老原さんを殺したがるんですか?前回に、何があったんですか?」

 

 岡元くんは、へらへらと笑う表情を変えずに立ち上がる。

 

「あいつは頭がおかしいからな。人狼であってもおかしくないってこと」

「頭がおかしい……?」

 

「その言い方は、流石に酷いと思う!」

 

 声をあげたのは、尾田ちゃんだ。

 

「お前、投票されない立場にいるからって、急に発言強くなったな?安心感か?」

 

 今の発言で、初日に海老原さんから言われた言葉を思い出した。

 

「ええ、そうよ!」

 

 尾田ちゃんは堂々と返す。

 

「頭がおかしいから?私から見たら、貴方の方が頭おかしいよ!?なんでそんな、人をぽんぽんと殺せる発言ができるの?」

 

 岡元くんは、黙った。

 

「前半戦、村人で勝ったって調子に乗らないで」

「あ?」

「貴方の推理は間違ってるって、投票の時に海老原さんは言ってた!私は貴方に従わない!」

「……そっか。因みに、今日間違ったらお前も、お前も死ぬ可能性があるからな」

 

 岡元くんは、私と尾田ちゃんを指差し、そのまま食堂から去っていった。

 

「……はぁぁぁ」

 

 深いため息と共に、尾田ちゃんは椅子に座った。

 

「しんど……」

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 日はあっという間に落ち、投票の時間になった。

 

「今日の投票、コイツに入れないか?」

 

 岡元くんが指差したのは、五十嵐くんだった。

 

「……はい?」

 

 海老原さんは目を丸くした。

 私ではないのか、という表情だろう。

 

「コイツは、あの女子3人組に用心棒はいないか?と聞いていた。そんなの聞くの、人狼側しかいないだろ」

 

「いや、だからそれには理由があって」

「どんな理由だ?言ってみろ?」

「……」

 

 彼の視線は、海老原さんに向けられた。

 

「なんだ?海老原がどうしたって?」

「……」

「アイツの指示か?」

「……いや、そうじゃなくて」

 

 五十嵐は、ここで海老原さんが用心棒だと言うと、用心棒が今夜襲われてしまうと思い、口を開くことができなかった。

 

「お前が、狂人の可能性がある!」

 

 五十嵐くんは、岡元を指差し急にそう叫んだ。

 

「あ?」

「何をしても、例え占われても村人側と出る狂人。だから堂々と行動ができて、村人側アピールができる!」

「お前は村人か?」

「ああ、そうだよ」

「村人なら、村人側アピールしなくていいのか?」

「……は?」

 

 岡元くんは急に冷静な態度をとり始める。

 

「人狼側なら、村人側アピールをして当然。じゃあ村人なら村人側アピールをしなくていいのか?」

「何言ってんだよ」

「全員が村人側アピールしなくてどうする?それは村人なら、村人側の奴らにとって利敵な行為だろ?」

「……そうだよ、全員が村人側を主張する必要が」

「なら、お前は何かしたか?」

 

 この発言の攻撃力は大きい。

 五十嵐くんは顔を青くした。

 

「お前がしたのは、用心棒の炙り出し。それは果たして、村人側として利のある行動なのか?」

 

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