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「……む」
気づいたら俺は寝ていたらしい。というか、俺は何をしていたんだっけ。草の根妖怪ネットワークの自己紹介文かいてて……それで……あれ?少し頭が痛くて思い出せない。何故か泥だらけの手を服に擦り付け、汚れを落としつつ、身を起こしながら周りを見る。
木の板の天井、四方にふすま。それぞれ取っ手が違う。色は白と黒、形は丸と四角。これらを組み合わせて四種類の取っ手となってる。
床は畳で、部屋の隅には俺のリュックサックが置いてある。また、ちゃぶ台があり、その上にはほかほかと湯気を立てるご飯、味噌汁……正確には豚汁と、豚の生姜焼き、サラダがある。
そして、そばにはメモ。
【食べたら黒い丸の取っ手の襖を出て私のところまで来ること】
食べること前提か。食べなきゃいけないのか。
何故か少し食欲が弱くなってるとは言え、満腹じゃないし、食える時に食っておこう。
「いただきます……って、あ!」
俺は手を合わせてから気づく。
箸がないことに。
「……どうしよ」
とつぶやいたものの、実は答はもう決めてた。
すなわち。
「てぃ!」
豚の生姜焼きの皿に顔を近づけて、一つ咥え、上に投げてうまく口にいれ、そのままご飯茶碗のしたの方をつかみ、口を突っ込み、食べる。
柿ピーとかを上に投げて食べることを練習してた俺に死角はなかった。
「うん。うまい」
行儀はよろしくないが、仕方ない。
ご飯の残った口の中に豚汁をいれる。
普段あまりしないけど、結構味噌汁にご飯突っ込むの好きなんだよなぁ。これもこれでお行儀はよろしくないが、美味しければよかろうなのだ。
「あぢっ!」
思いの外熱くて目に涙が浮かぶ。
構わず、咀嚼し、飲み込む。
サラダは犬のように顔を伏せ、ガツガツと食う。
まぁ、栄養の補給はできたな……食い方荒くてまわりを汚しちったけど。
俺はハンカチでそこらを拭区と申し訳程度に汚れが取れた。
そして、メモを確認し、黒い丸の取っ手の襖を足の指で開ける。
その先はダイニングのようで、白い蛍光灯の元にソファで紫色の髪で赤い服に胸部に鏡がついた女性が寝てた。
そこの質量は……うん。なかなか大きい。って!俺は何を考えてんだ!幾ら何でも失礼だろ!初対面だぜ!?
少し邪念にまみれた頭を冷やすべく素数を数えながら、他を見る。
薄型テレビはDVDを流してるらしく、ケーニッヒモンスターが宇宙を舞ってた。ソファの前にはちゃぶ台。その上に缶ビールと食べかけの焼き鳥があり、すんと息を吸うと女性の方から酒の匂いがした。俺自身は酒を飲んだことがないが、親がよく飲んでるので、どこか嗅ぎなれた、むしろどこか安心感さえ感じる匂いだ。
ソファの後ろには神社とかによくあるしめ縄が輪っかになってたてかけてあった。
他に、今日が九月五日だと伝える日めくりカレンダー、今が十時半くらいだと教えてくるデジタル時計、そして、電話線が繋がってなさそうな電話と、本棚にはあたしン家や動物のお医者さんなどの漫画やフルメタルパニックや親指探しなどの小説など、まるで現代日本のようなスペースだった。キッチンまでオール電化で、電子レンジや冷蔵庫まである。とりあえず手が汚れてたので、手を洗う。といってもよくよく見ると服も服で汚いが……まあいいだろう。
食卓には新聞と花が置いてあり、椅子は三つ。つまり。ここにはアウェイの俺以外最低三人いるのだろう。
しかし、ここであってるはずだが……まさかこの酔っ払いが俺を呼んだのか?なんだというのか。
その時、テレビの画面の中で一際大きな爆発が起こり、女性がびくんとした後、よろよろと動き始める。
「……外来人の妖怪、いるんだろ?ちょっとこっち来なさい」
俺の方を全く見ずに言う。
まぁ、特に意味はないが食卓の下に隠れようとする。
「いや、今更隠れられても困るんだが……危害を与えるつもりはないからさ。こっち来な」
「嘘だ!大人がこっち来なって言う時は説教する時だ!」
「その発言はその発言でどうかと思うが……いいから。こっちに着なさい」
しぶしぶ女性に歩み寄ると、酒のにおいをよく嗅げた。さすがににおいが濃すぎて不快である。
女性は俺の全身をじっくりとみた後、真顔で言った。
「うん。汚い。お風呂に入ってきなさい」
「ガラスの思春期男子になんてことを!」
悲しみで前が見えない。
「いや、実際汚い。お風呂かしてあげるから入ってきな」
「へいへい……んで?風呂ってどの辺にあるの?」
「さっきの畳の部屋に入って、白い四角の取っ手の襖を開ければ廊下に出るから、一番手前の部屋だ」
「なるほど。さんきゅー!」
俺は指示された通り、風呂場に向かう。風呂場の入り口はスライドドアのようだ。俺はスライドドアを横に開け、指先で銃を型取り、中で片膝をついてキョロキョロと周りを見る。中には誰もいない。
「くりあー!」
洗面台にドラム式洗濯機、籠。現代の一般家庭の風呂場だ。
電力がどこまであるかが謎だが。
俺は服を洗濯機にいれ、浴室へ。
薄い緑のタイルの風呂で、カエルの形の容器にはいったシャンプーらしき物、なんか花の柄が入った明らかに女性用のシャンプーっぽいの、入浴剤がはいってるらしくすげえいいにおいがする湯船など、アウェー感溢れる浴室だった。とりあえず、かかってるタオルに適当にシャンプーっぽいのを身体を洗う。なんかこう……自分からいつもとは違うにおいがしてなんか緊張する。男子禁制のにおいがプンプンする。
とりあえず違うシャンプーっぽいので髪を洗い、身体を流して湯船につかってた時、先ほどの紫髪の女性の声が聞こえた。
「あ、着替え置いとくからくれぐれも裸で廊下を歩かないようにね」
「あ、ありがとうございます」
まぁ、そりゃそうだよな。いくらなんでも。
俺は肩までつかり、そっと上を見上げる。
「黒いスニーカーに足突っ込んで♪地面を蹴って鳴らしてる♪曇り空を見上げて言いましょ♪今日はすっごくいい天気♪」
誰も知らない歌を口ずさむ。作詞作曲は俺だから。と言ってもまだ一番さえまともに出来てないけれど。まぁ、そこまで本気で作る気はないからいいんだけど。
「さてと。そろそろ上がるかな」
湯船を出て、浴室を出る。部屋の隅の方に綺麗にたたまれた幾つかの衣類が置いてあった。
「おっと、着替えってあれかな」
バスタオルで身体を拭いた後、その衣類を手にとってみる。
そして硬直。
「……な、なんじゃあこりゃぁぁぁ!?」
真っ白な中に刺繍として散りばめられた赤の着物、そして真っ赤なスカート。それはどこからどう見ても巫女服だった。
「くそ!文句言ってやる!」
でもさすがにほぼ初対面の女性の前に全裸とかで出るのもなんなので、巫女服を着る。サイズは少しだけきつい程度だった。リビングっぽいところに走り、女性に怒鳴りこむ。
「おいこら!これどう言うことだ!」
「時間考えなさい。夜に騒いだら周りに迷惑よ」
「というか、なんで巫女服?」
「大丈夫大丈夫。似合ってる似合ってる」
「それで安心できる奴は男じゃねえ。他の服はねえのかよ」
「ああ、それなら」
と言って、女性は俺に一つのユニクロの袋を差し出した。
「……ちょっと確認させてもらうぜ」
俺は一応中身を取り出してみる。
それは、灰色に所々刺繍として黒がはいった巫女服だった。
俺はそれを床に叩きつけた。
「色は関係ねえ!おい……なんかこう、男がきても違和感ない着替えはねえのか?」
「ないわね」
「ぐっ……」
「まあまあ、『神は言ってる。ここで着る運命だと』ってことで」
「そんな神がいたら殴り殺してやる」
「私だけど」
……は?
「え?今なんて?」
「だから、私がその神よ」
……
「もうまじわけわかめやん……」
「まあまあ、立ち話もなんだし、座って話そうや」
「待て!
せめてこの赤白よりこのダークな色にさせてくれ!」
「あ、結局着るのね。それ」
自称神の苦笑を見ながら、俺は着替えるべく浴室へ行く。
少年着替中…
俺は神(仮)と向かい合って座る。
「さてと。俺は普通風味の男子高校生、木亥広星だ。お前は?」
「私は八坂神奈子。さっきも言った通り、神だよ」
「神……まぁ、後で聞くか。んで、ここはどこだ?なんで俺はこんなところにいる?」
「その説明の前に幾つか質問させて。君はここで起きる前に自分がしてたことはわかる?」
「いや……携帯いじってて……そのあと思い出せない」
「君はここに来てから妖怪になったのか?」
「そうだな。こっちに来てからなった。ちょっとヤマメに妖怪にしてもらった」
「……ヤマメ?地底の?」
「ああ。あの黒リボンに」
「へぇ、あのヤマメが……なるほど」
「おい、どういうことか教えてくれよ」
「私が君を見つけた時、君は高笑いしながら暴れてたんだ。顎を蹴り抜いたら気絶したんだけど、何か気配がちぐはぐなもんで珍しかったから、ここ、洩矢神社で預からせてもらった」
「……は?暴れてた?」
「感情が暴走してたんだと思う。君みたいに根っからの妖怪じゃない時は負の感情に自我が押しつぶされやすいんだよ」
「じゃあ……てめえも助ヒーローズ」
「ごめん。私プラーガとかついてないしゾンビじゃないから」
「まぁ、ありがとう。というか、神なんだっけ?」
「そうだ。乾を司らせてもらってる」
「じゃあ……一つお願いしていいか?」
「信仰してくれるならね。後、お布施してくれるなら」
俺は財布から五円玉を取り出し、神奈子に投げて渡す。
「たったの五円?」
「金欠なんだよ」
「で?君は何を願うんだい?」
俺は携帯を取り出す。
「これ、メタギアピースウォーカーの暗視ゴーグル的なノリでバッテリー無限にできない?」
「ごめん。私メタギア知らないんだ」
「はあ?それは俺に対する宣戦布告だと受け取っていいのか?」
「人間はつくづく理不尽だね」
「どこぞのキューベーみてえなこと言いやがって」
「まぁ、つまりこれのバッテリー切をなくしたいと……それならまぁ、できないことはないよ?」
「マジで?」
「一応地底のカラスを八咫烏にしたの私だし。天に関することや、時に関する最近のこと、産業に関することとかならわりとできるのよ」
「よくわからんができるのか。よかったぜ」
「ちょっと預からせてもらうわ」
「OK。任せたぜ」
と話してると、緑髪の女がリビングらしき部屋に入ってきた、
「あ、神奈子様。おかえりなさい。えっと……そちらは?」
「ああ、外来人の木亥広星。ちょうどよかった。早苗、耳かして」
というと、神奈子は早苗と呼ばれた女に耳打ちする。早苗がうなづくと、そのまま神奈子はリビングを出てしまった。
そして、早苗がこっちに歩み寄り、笑顔を浮かべる。
「あ、自己紹介してませんでしたね。私は東風谷早苗といいます。巫女であり風祝をさせてもらってます。よろしくお願いします」
頭を下げると、それに連動して胸部のそれが大きく揺れる。
とかいちいち考える俺が変態に見えるかもしれんが、仕方ないよね。だってそもそも、我々哺乳類は子供の時は胸部のそれで育てられる。それがもし、雌の胸部のそれが足りなかったら子供が栄養失調になってしまう。だから、俺みたいに配偶者を探し始める時期になると自然と女性の胸部のそれに目が行ってしまうのは生物の生存本能として当然の行為であり、それと同時に自分になく他人が持っているそれに好奇心が沸くのは致し方ないこと…。
「もしもーし?大丈夫ですかー?」
「くぁ!?」
俺が深い思考に入り込んでる間に、早苗は俺の目を覗き込みながら頬を引っ張ってた。思いのほか距離が近く、思わず飛びのこうとする。
「っていででで!」
「あ、ごめんなさい」
早苗はパッと手をはなす。
「ぐぅ……あ、俺も自己紹介しておくべきか?」
「あ、はいお願いします」
少し考える。ここの神社、というかほとんど家だけど、建物ごと幻想入りしたのでは?そして、さっきビデオが、マクロスだったから、ここの家庭はもしかしたら同志がいるのかもしれない。と思い、少し賭けに出ることにした。
「ごほん。俺は普通風味の男子高校生、木亥広星。好きなモビルスーツはダークダガーLだ」
相手はなんか俺と同年代っぽいから、宇宙世紀系列は通じないかもしれん。だから、やっぱり女性に人気もあるSEEDに引っかかるかどうかかけてみた。
が、早苗の次の発言は俺の思いも寄らない物だった。
「……種厨ですか……はぁ」
ため息を吐かれた。そして、俺をちょっと格下の奴だとみてる。
「はぁ!?ちげえよ!俺ちゃんと宇宙世紀も好きだぜ!?」
「いやいや!ここはあえてGガンダムでしょ!あの展開はすごく胸熱ですよ!?」
「じゃあかしい!お前Wガンダムみてみ!?基本的に発言がみんな電波でわろえるぜ!?」
「でもやっぱりターンエーでしょ!」
俺達は無言で睨み合って、お互いの右腕を振り上げる。そして
ガシッと熱い拍手をした。
間違いない。こいつ……できる。
「まぁ、立ち話もなんですし、私の部屋来ます?」
「おう。今夜は寝れないかもな」
その後、めちゃくちゃ遊んだ。
俺の中のイメージの早苗さんは色んな物に手を出して粗方なんでもできるとかそんな感じの人。
というかごめんなさい
あ、この次の話は完全なる悪ふざけなので飛ばしていいよ