『弱者が見捨てられない楽園に興味はないか?』
俺に届いたメッセージに、確かにそう書いてあった。
「……なんだ?どう言うんだ?」
俺は怪訝に思い、送り主のニックネームをみる。
【コロヒーロー@集え!レジスタンス】
コロヒーローっていうと……ドラクエⅤの妖精の里にいた敵だよな。ちっこくて可愛い奴。一応あの時期にしては攻撃力高かったりするけど、
攻撃に失敗したりする。そして、ギガデインって雷属性の攻撃魔法を覚えてるけど、マジックポイント、MPが足りなくて使えない。自分には強すぎる力をがんばって使おうとして失敗する、あの敵キャラだよな。
まぁ、いい趣味してるし、相手してやろう。
『どういうことだ?』
と打って少しすると、返信が。
『君は誤魔化す程度の能力の妖怪で、確か蜃気楼を名乗ってるそうじゃないか』
ああ。そういや、自己紹介のスペースで人間もどきはダサいと思ってそう名乗ってたような……。
『ああ。それがどうした?』
『そして、昨日地底のことを話していた。が、地底でそんな能力がいるとは聞かない。そもそも、能力は性質そのもの。地底の主とはソリが合わないはずで、その地底の主の企画したものをわざわざ宣伝するとは思えない。つまり、君は地上の名無し妖怪で、とりあえず地底に媚を売ろうとしてる、弱小妖怪だろ」
多分相手は液晶の前で無邪気にどや顔してることだろう。無駄に。
『……なぜ分かったし』
一応、相手の間違いを誤魔化してやろう。
『簡単な推理だよクリック君』
それクリックちゃう。ワトソンや。というか、そのコンビ探偵ちゃう。科学者や。
『んで?その弱者が見捨てられない楽園がどうしたんだ?』
『私達レジスタンスは、その楽園を目指してる、いわば変革者だ。今度、私達は革命を起こす。力をかしてくれないか?』
ぶっちゃけ胡散臭い。カルト宗教とか、こういうことをしょっちゅう言うような気がする。
けれど、賭けてみたくなった気持ちは警戒心以上。
ヤマメ達は社会的弱者である。もし、彼らも報われる世界なら。俺がそれを作れるのなら。
『わかった。具体的にはどうしたらいい?』
と、打った時、携帯がいきなりバイブし始めた。そして、メッセージウィンドウ。サユリからだろう。
『ご主人様、騙されてるかもしれませんよ!?』
「いいんだよ。騙されても。男ってのはちょっとギャンブルしないと生きられないんだよ」
『……私は警告しましたからね?』
「悪いが、もしかしたら挽回ができるかもしれないんだよ。ありがとうな。サユリ。心配してくれて」
『今、あなたに死なれたら困るんですよ。私、消えるの嫌なので』
「そうかい。ま、気をつけるから、とっとと送信頼む」
しばらくすると、コロヒーロー(自称)から返信が来た。
『まず、顔合わせをしておきたい。ここまで来てくれ。そして、合言葉を決めよう。何がいい?』
『じゃあ、ノックしたら【ここに集え我ら】って言ってくれ。俺なら【鏡音一家】って言うから』
『……それがいいと言うならそれでいいけど……どういうことだ?』
『まあまあ。説明めんどっちいから会ってから話そうや』
俺は聞き耳を立てる。
早苗も、神奈子も、諏訪子も寝ているらしい。
俺は感謝の意を込めたメッセージを綴ったメモを残した後、こっそりと神社を出た。
……あ。
「やっべ!服わすれてた!」
俺は洗濯機の元に向かい、蓋を開ける。中にはグッチョリとした俺の服が入ってた。所々に見える女物の下着はスルーしよう……いやでもちょっとくらい盗んでも……いやいやいや!というか、このブラでけえな……ちゃう!よし!気にしない!気にしない!
俺は自分の服のみを回収し、他の衣類を戻してから、外に出る。
そして、自転車のカゴに衣類を入れ、指定された場所まで移動を開始した。
どうせ連続投稿だし。言うこと何もない。