久しぶりにかいた!いやぁ、正邪たんのなりきりばっかしててなぁ。、Twitterでな。歪邪って奴がいるけど、そいつがなかなか良くてな!
妖怪の山の麓に着いた時、空は完全に夜の闇だった。けれど、俺はしっかりと周りを見渡すことができた。
何故なら、辺りは提灯によって照らされていたからだ。
「みなさん!今宵は無礼講です!さっきまでの互いのいざこざは忘れて、今年の豊作の幸せを享受しましょう!」
「おおー!」
高台の上で、朱色の服に身を包んだ少女が大声を張り上げると、辺りのガタイのいい、何処か泥臭い男達が酒らしき物を掲げて、声を上げる。
かつてないアウェー感の中、一緒に酒を掲げた霊夢に尋ねた。
「お、おい霊夢?これはどういうことだ!?」
「え?見てわからない?豊穣祭よ?」
「わかるかんなもん!というか、俺をここに連れてきて何のつもりだつってんだよ!」
というと、霊夢は辺りを見てから呟いた。
「……まだ来てないみたいね……」
その発言について問いただそうとした時、肩をトントンと誰かに叩かれた。
「あ?なんだ?」
と振り向こうとした頬に何か冷たい物がぶつかる。
「んぐっ!」
「まあまあ、カッカしなさんな。悪いことは言わないからのみな?」
萃香が俺にジョッキにはいったビールを差し出して来た。やはりさっきから飲んでたからか、もう酒臭い。
「つっても俺はまだ未成年だぜ?」
「ここに外の世界の常識は通じないわ?飲みなさい。それがここの掟よ」
酒を片手にこっちを見る霊夢に思わず気圧され、一口、口に含む。
その液体は、確かに麦…っぽい感じがし、高揚とした感じもした。だが、俺にはただ切実にこの一言に尽きた。
「苦っ!」
(※注意:個人の感想……というか、イメージです。ちなみに作者はビールを飲んだことはありません)
「お?口に合わなかったかい?」
「……無理。マジ無理……」
プルプルと首を振る。ジュースの味に慣れ親しんだ舌では流石に辛い物がある。
「まあまあ、酔ったら味はわからなくなるって」
「それ絶対意味ないよな!?」
酒を無理やり呑ませようとする萃香の魔の手を逃げるべく、後ろをみながら駆け出す。その刹那、確かな殺意を感じた。
「!」
反射的に前に飛び込み前転する。転がる途中。地面に手をついて上を見た時、視界に入ったのは斬られたらしく、宙を舞う自分の髪の毛だった。
「……外しましたか」
聞き覚えのある声がした。
それは、確かに一度戦った者の声だった。
それは、凛とした冷たい刃物のような声だった。
それは、人間の声と言うには嫌に頭に響く声だった。
それは。
「次こそ、しっかりと斬り捨てます」
それは、魂魄妖夢、半人半霊とか言われた庭師の声だった。
妖夢の瞳は俺への殺意に溢れてるようでもあったが、何処か違う感情も見える気がした。
とりあえず、ここで長物を振り回されたら明らかに被害が出る!
「待て待て待て!待て!ストップ!ストプラ!ストプガ!」
俺は必死に両手を前に広げ、静止するように呼びかけた。しかし、彼女は止まらなかった。違う声がするまでは。
「あら妖夢ぅ。ダメじゃない〜。せっかくの宴会なのに刀振り回しちゃぁ〜」
聞くだけで眠っちまいそうなゆっくりした声とともに一人の和服の女性が現れた。
だが、そこにしっかりと立ってるはずなのに、桃色の髪も、水色の着物も、青白い肌も、何処かそこには居ないような、そんな感じがした。
妖夢が刀をしまい、女性に跪いた。
「あ、幽々子様。申し訳ございません。頭に血が上ってしまって……」
「そうね〜。なら、刀は没収してしまおうかしら〜?」
「いえ、それだけは……闇討ちに対応出来なくなります」
「本音は〜?」
「刃物を持ってないと、何処か落ち着かな……って何言わせるんですか!?」
「はい、没収ね〜?それに〜、そんな簡単に私がやられるわけないでしょ〜?」
「で、でも」
「何か一大事があるといけないから、怪しい人物は片っ端からきる〜。ろくに話も聞かないで〜。かしら?」
「うぐっ!」
「一人前にはまだ遠そうね〜」
俺がそのやりとりを聞いてると、霊夢が隣で説明してきた。
「あの亡霊が、幻想郷から春を奪った春節異変の首謀者、西行寺幽々子。あなたが倒した妖夢は、彼女の従者よ。正確には彼女の家の庭師だけど」
その約3秒後、二つの足音が近づいてきた。
「ふふっ。いい夜ね、霊夢、楽しんでは……なさそうね」
「……木亥広星……ですね。ようやく霊夢に補導されてるんですね?」
その声の主は昨日闘ったばかりのやつだった。先に口を開いたグラスワインをもった女がレミリア・スカーレット。そしてそのレミリアのそばでさりげなく必要最低限の動きで周りをみてる女が十六夜咲夜。
当たり前だが、ひどい嫌われようである。
「察してくれてありがとう。わかってくれたなら代わってくれるとありがたいわ」
「はっきり言って無理ね。今すぐにでもあの卑怯な礼節も敬意もない勝ち方をしたことを泣きながら懺悔するまでいたぶりたいのに……」
「私も断らせていただきます。下克上などとぬかして襲いかかってきて騒ぎを起こした時、紅魔館が関わったとしられたらあの烏達に好きなように世論を煽られても困りますし」
……余計にこのメイドを殴りたくなった。
「わかったわよ。じゃ、楽しんでね?咲夜、レミリア」
「言われなくとも」
「あなたも補導頑張ってくださいね。くれぐれもその首をかかれないようにね」
「殺気くらい簡単に気づけるわ……」
なんとか自分の気を収めようと躍起になってると、霊夢が俺の肩を叩き、去りゆくレミリアと咲夜を指差しながら言った。
「あの吸血鬼、レミリア・スカーレットは、幻想郷の空を赤い霧で覆った紅夢異変の首謀者よ」
赤い霧?……とことん趣味が悪いな。きっと普通の三倍不快に違いない。
と思っていると、今度は上から一つの岩が俺達の前に降ってきた。
違う。岩の上に人が乗っている。
その女性は岩の上に四つん這いになり、身体の至る所から電流が見えていた。雷やられってこんな感じなのだろうか。煌びやかな服や青い髪は所々焦げている。だが、顔はすごい楽しそうだ。マゾだろうか。いや、きっと違う。もっと純粋そうだと感じさせる笑顔だ。
「こちら天子。待たせたな」
それを聞き、霊夢が呆れ気味に言う。
「誰も待ってないわよ。それより、また衣玖に無理行って来たの?そんなビリビリして……」
「着地の衝撃で光学迷彩が壊れたのよ」
「せめて演出として雨を降らせれば様になってたかもね。どっちみちあなたは似合わないけど。要石と一緒に降りたりなんてして……他の人がびっくりしてるでしょ?静かに来れないのかしら?」
「これはただの要石じゃないわよ?マークデスティニーって言って、地上でのホバリングの速度が……」
「くどい」
どや顔で長々しい説明をしようとする青髪を霊夢は右手でボディーブローをする。
いや、違う!ただ殴ったんじゃない!よく見ると右手は料理で包丁で物を切る時にその切る物を抑えるためにする猫の手の状態で天子に当てた刹那、右手をグーにし、爆発的な衝撃を生み出している!
「アッーーーーーーー!あぅん…」
天子は吹き飛ばされ、木にぶつかり、うめき声を一つ上げ、気絶した。
……散々だなあの人。
「あの女もかつての異変の首謀者よ」
「え!?マジで!?出オチ臭しかしてねえぞ!?」
「あなた、普通にあの女を殴って見なさい?噂だと、並の剣だと素手で受け止められるほどらしいわ」
「……化け物かよ」
「それはアレに勝った私を人間として認めないってことで捉えていいかしら?」
「さーっせぇん!」
「……」
無言でスペルカードを構えられたのでおとなしく両手を上げておく。
「ふぅ……でも、わかったでしょ?」
「何がだ?」
「……察しが悪いわね……」
霊夢が困ったように額をかく。
「別に異変を起こしたからって、本来は罪を問う気は無いの。いや、逆に異変をたくさん起こしてもいいように私はスペルカードルールを作ったわけだし。その後、ちゃんと仲直りできればいいのよ」
それは何も知らなかったら、いい言葉に聞こえただろう。けど……
「正邪はどうなんだ!?あんなボロボロにして!」
「……あいつは、次を見ていた。あいつがしようとしてるのは異変じゃない。革命なのよ」
「……もうちょい噛み砕いて話してくれねえとわからねえぜ」
「つまり、彼女はこのままじゃかなり危険な存在だから、先もって勝てない物だと教えておきたかったのよ。このままだと今度こそ紫に消されるわ」
「消……!?」
「だから、あなたが正邪を救ってくれない?」
「……できると思うか?」
「しなさい」
……押しの強い女だ。
「わーったよ……」
ため息を吐く。
「よかったわ。ま、私は言いたいことは言ったから、あなたはこの後、好きにしなさい」
霊夢は手を振って何処かへ去って行った。
一人残された俺はビールが入ったジョッキを傾けた。
「……苦い」
まだ、夜はながく続くだろう。月があんなに高いから。
さーて次回はいつになるかな!待て!次回!