こんにちは!同志の皆さん!突然ですが私はトレーナーさんの顔を知りません、いつもトレーナーさんは軽く整えた髪型で、仮面の姿でしか会ってくれないのです
私のトレーナーさんを見たタイシンさんは「デジタルさんのトレーナーがしてるやつ、ウォッ○ドッグス2のレ○チみたいなフェイスマスクだね」と言っていたので、何か元ネタがあるのでしょうか?確かにオタクとしては、推しキャラなどのコスプレをしたくなることはありますが……
目元の液晶のようなものでなんとなく感情は表されたり、声が少し機械音声のような感じがしたりと、ますますゲームのキャラクターのようです……
「トレーナーさん、少し良いですか?」
「ん?どうかしたのかい?デジたんや?」
「同志としてお聞きするのですが、何故そのような仮面を?」
「あー……、恥ずかしいからかなぁ」
嘘です、トレーナーさんは嘘をつく時なんの反応なのか、目の液晶がバッテンになりますし、頭を掻きます
恐らく何か私には言えないことなのでしょう
「そうですか!別に恥ずかしがる間柄じゃないですよ〜!いつかその下見せてくださいね?」
「あーいつかね」
目が泳いでいました、あまり期待はできませんね
たづなさんや、ふと通ったウマ娘ちゃん達によると、授業中の時間に屋上で素顔で煙草を吸ってるなんて情報もあるんですが、私の前では絶対に外してくれません
(ごめんなデジたん、出来ればこのままずっと見せたくねぇんだ、特にキミには)
「あーどうすれば良いんでしょう……」
「どうしたんだい?そんなに難しい顔をして、新刊とやらのアイディアが浮かばないのかい?」
「いえ、トレーナーさんの……ってうわっ!?た、たたたタキオンしゃん!?いっいつのまにお帰りに!?」
「なんだいそんなに驚いて、ついさっきだよ
モルモットくんが『とっとと寮に帰ってよく寝ろ!』なんて言って追い出されてしまってねぇ」
「トレタキ……グハッ尊い」
「ちょ、デジタル君!?……まあいつも通りか、何か考えているようだったが」
今日は近くのデパートへお出かけらしいです!この前の一着祝いに、推しグッズのショップへ行こう!とトレーナーさんから言ってくれました!
少しおめかしをして、トレーナーさんに少しでも……その……かわ……いいって思ってもらえるように、時間たっぷりまで準備を頑張ります!
「トレーナーさん!すみません、遅れました!」
「ん?大丈夫大丈夫!デジたん!……」
「と、トレーナーさん?」
「可愛いな俺の愛バ」
「ひょええ!?あっ……ありがとうございます」
そんな急に……、ゲフンゲフン気持ちを切り替えましょう
そのまま私はトレーナーさんを引っ張り、目的地へ向かいました
そこで事件が起こるとも思わずに
「デジたん、グッズはどうでした?良いのありました?」
「ええ!それはもう沢山!」
「そうだデジたん、今日そろそろウマ娘ちゃんの出てる映画やるらしんですよ、見に行きません?」
「お!良いですね、行きましょう!」
「なぁ……アンタらアグネスデジタルとそのトレーナーか?」
「ふぇ?あ、はい!オールラウンダーのアグネスデジタルです!」
「えぇ、いかにも私たちがデジタルとそのトレーナーですが?何かありましたか?」
「そうか、ならふざけてんじゃねえぞ!このクソどもがぁああ!」
怪しげに近づいたパーカーの男はそう言うと、三段式警棒を振り翳しました
私だってウマ娘です、それくらいは対処出来るほどの力はあります
しかし咄嗟のことで、動けなくなってしまいました
あぁ、いくら強くてもアレが当たったら死んじゃいますなぁ
こういうのは死んだら異世界が定番ですよねぇ
あぁ、トレーナーさんにこのよく分からない気持ち伝えてからが良かったなぁ
なんてズレたことを思いながら、当たる瞬間を待ち続けました
ゆっくりゆっくりと迫る警棒の先端は、私の脳天へ……行く前にトレーナーさんの顔に直撃しました
「……ぇ?トレーナー……さん?」
「うおりゃぁあ!!!」
その瞬間から世界は正しいリズムを思い出したかのように、速度を取り戻しました
額から血を流しつつパーカーの男を一撃で仕留めたトレーナーさんが、目の前に倒れている現実を私に見せながら
「んっ?……ふぁぁあ、ここは?」
「目覚めましたか、お医者さんを呼んできますね」
「たづなさん!?えっと、あのここは?っ!そんなことよりトレーナーさんは!?」
「落ち着いてください、そんなに何個も同時に答えられません!」
「あっ、すみません……」
「ここは学園近くの総合病院です、貴女はトレーナーさんを見てショックで気絶していたので搬送されました」
「……」
「そんな不安な顔をしないでください、トレーナーさんも無事ですよ」
「本当ですか!トレーナーさん…‥良かったぁ、良かったよぉ……うっぐ」
「泣くなよデジタル」
「!?その声は……トレーナーさん?」
「お前は二年間一緒に苦楽を共にした相棒を忘れるのか?」
声のする方のカーテンを開けると、髪を後ろに流した吊り目の男性がいた
匂いや体格といったものは、目の前の人物が自らのトレーナーだと示してくるが、口調や顔といったところが今までのトレーナーとは別人であった
そもそもあの仮面を付けていないのだ
「えっと……え?」
「水嶋トレーナー、デジタルさんが困惑していますよ」
「あー……大丈夫か?デジたんに怪我はない?そういえばグッズは?」
たづなさんに言われた直後、トレーナーのような口調になった男性
もしかして……本当に?あのトレーナーなのですか?仮面の下はこんなカッコいいお顔が?
「はぁ……コイツはもうダメかぁ、液晶がバキバキだかんなぁ」
「それ……」
「私はここらへんでお暇しますね、水嶋トレーナーとデジタルさんは退院してから色々やってもらいますからね?」
「……はい」
「んで?このマスクが気になるのか?」
「はい、どうしてそんなものを?」
「自分を隠す為だよ、この顔じゃあ周りの子達が怖がっちまうだろ?そしたらお前の趣味を邪魔しちまう」
「……」
「それに口が悪りぃからな、直すことは早々に諦めたがこれを被ってる時だけはアレを演じていられたんだ」
「なんというか……そっちの方が自然で好きですよ?」
「っ、そうかよ」
「照れちゃいましたぁ〜?」
「うるせえぞ、照れる訳ねえだろうが」
「本当ですか〜?」
「ホントだよッ!」
「……トレーナーさん、ありがとうございました」
「あ?何が」
「守ってくれて、あの時動けなかった私を助けてくれたから」
「……別にお前の為じゃねえ、俺の愛バにゃ指一本触れさせたくねえからな」
少しだけ赤みの差したトレーナーさんの頬は、こちらから見えにくいようにそっぽを向いていた
私の顔は夕陽のせいで、トマトのように赤くなったように見えたようです
旧漢数字のはまあ繋がってるとも言える感じのやつです
ただシリーズって訳でもないしって感じなので、資材置き場に置いときます
今回も見てくれてありがとうございました!