無個性脳筋少女の英雄学園   作:silika

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01 はじまり

 私の目の前には、二つの画面があった。とある掲示板のログと、同時に中継されていた動画を映している。それは、僅かしか無いが、明確に日本社会を変えてしまった記録だと思う。私も、コレに参加しており、魅せられてしまった人の一人だ。

 

 ある動画では、ヒーローの象徴とヴィランの象徴ががっぷり四ツに組んで全力殺し合いが、スレ主の中継の元行われている。ある動画では、スレ主とその兄のあたり一帯塵に返すような兄妹喧嘩が行われている。その、『魔女』と名付けられたヴィランの姿は、私の心に強く焼き付いた。その姿がどうしようもなく楽しそうで、それでいてなんとなく寂しそうにも見えた。

 

 だから私は、決心した

 

 ◇

 

 「おまえらも遂に3年だ。俺の言いたいことが分かるか?」

 進路ですねわかります。先生もなかなかに大変だー。何が大変って。

 「今から進路希望調査票を配るが……みんな大体ヒーロー科だろ?」

 ヒーロー希望しかいないってこと。こん中で進路面談やるの大変そー。しかも、ある程度以上見込みの無いやつには変えるように諭さないといけないんでしょ、余計に大変そう。

 

 「みんなって一まとめにしないでください!」

 そういうのは姫ちゃんさん。強烈な個性とプライドを持ったこの学年のトップエリート。めちゃくちゃ強い。

 「あー、天野は士傑志望だったか?」

 ヒーロー科で二番目に高いところ。そこはトップの雄英に行けよ、と思うけど言わない。

 

 ざわざわとする周り。士傑の偏差値は72くらいだったはず。尋常じゃなく高い。単純に個性が優れてるだけじゃダメなんだよね。

 「あー、それで思い出した。確か、不瀬沼が雄英志望だったか?」

 周りがなんかざわついてる。私のことだけど、騒がれる理由がよく分からない。

 「無個性の奴が? ギャグじゃん」

 「やかましい! こちとら本気なんじゃあほー!」

 無個性だからなんだってんだ、人間やればやれるもん! 少なくともここの誰よりも足は速いし。学力は……ギリギリだけど。

 

 そんな風に騒いでる間に、ホームルームは終わり、学校も終わる。

 家に帰り着いてまずやることは鍛錬である。私は、ヒーローになると決めた、たとえ無個性であったとしても。そんなわけで今日も私は師匠にしごかれる。毎日フルマラソン以上の距離を走らされ、6mを目安に垂直跳びをやらされ、素手で鋼鉄を破壊出来る様に鍛えられる。死ぬほど辛い、という表現は過言でもなんでも無い。寧ろ適切なくらい。

 

 ◇

 

 ◇

 

 「佑月、お前夏休みだな?」

 「はい! 師匠」

 私に夏休みなんてない。山籠り確定である。もう、山の生態系のトップは私だが、課題は熊の素手狩り程度じゃない。その程度なら中学上がった時にはもう出来た。熊は、いかにどこにも傷を付けずに狩るか、という領域ですらある。

 

 「宿題も終わらせてあるな?」

 「はい! 師匠」

 宿題は気合で終わらせた。早く終わらせなければ、鍛錬の時間が縮む。それは何より致命的。だから、どれだけやっつけ仕事であろうとも、宿題そのものはさっさと終わらせる。

 「よしよし、じゃあ行こうか」

 師匠に連れられて山籠りである。とある超大物ヴィランもニッコリ笑顔なほどの強烈な鍛錬が出来る無人島なのDA!

 




不瀬沼佑月
今作主人公。無個性の脳筋の少女。終末安価をやらかした魔王の娘にあこがれている。身体能力はどんどんバグっていく予定

【急募】父親を中二病から解放する方法 って面白いですよね(影響をモロに受けています)
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