無個性脳筋少女の英雄学園   作:silika

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03 卯月妹大炎上

 主人公である佑月が、道具で補強された機動力の他に何も持つことなく、仮想ヴィランをぶっ飛ばしている頃、彼女の友人卯月アリスもまた、軽快にヴィランを燃やしていた。

 「もーえろよもえろーよー、あかるくあーつーくー」

 楽しげに歌う彼女の後ろでは、複数の仮想ヴィランが燃えていた。ヴィランだけでなく、建物までも。その燃え盛る業火の中を、ただひたすらに歩く。

 「あー、そこの人。こっち来ない方が良いよ〜?」

 一応巻き込まないように、メガホンで定期的に警告しながらではあっても、危ない物は危ないのだった。

 

 「ブッ殺ス!」

 そんな彼女の前に、2Pヴィランが現れる。アリスは、それを見た瞬間に手を振りかぶり、ガソリンにも似た液体を掛ける。お構いなしにやってきた初撃を避けると火のついたマッチを、ばら撒いた液に引っ付ける。

 即座に燃え上がり、あっという間に、燃え下がる業火の仲間入りをした。

 

 ◇

 

 とある一室。複数のモニターの前に、幾人もの大人たちが立ち並ぶ。彼らは、一様に、中継されている試験の様子を見ていた。

 「想定より殲滅が速いな」

 「豊作ね」

 「いやいや、真価はこれからよ」

 一つのボタンが、かなり軽薄に、受験者の英雄《ヒーロー》性を計るために、押された。

 

 ◇

 

 「ありがとう」

 「どういたしましてー。気をつけてー」

 暫く、膝蹴り踵落とし掌底なんかでロボを吹っ飛ばしながら、ヘマったやつを避難させたりしていたら、轟音が響いた。

 今まで全く見えなかった0Pヴィランの姿が見えたけど、とんでもなく大きかった。私が最初に登ったビルよりも背が高い。あの、あーっと、アレだ、そうアレ、ウルトラマンぐらい大きく見える。

 所狭しと暴れるお邪魔虫、ってこういうことなんだ。でも、あんまり強くなさそう。こういうのは先に倒してしまうに限る。幾ら0Pでも、そんな時間はかかんないし大丈夫でしょ。

 

 正直メチャクチャ刃物が欲しい。今抱えてる鉄板なんかじゃない、もっとガチなやつ。無い物ねだりはしてもしゃーない。

 ワイヤーを投げて即座に巨大ロボに取り付くと、腕の付け根の部分に思いっきり鉄板を差し込む。サイズはパワー、そしてスピード。下手に掠るとぶっ飛ぶけど、まあ問題ない。

 テコの要領で関節部分を破壊する。体重と重力を使って割った為、落下するけど、引っ掛け直したワイヤーで逆サイドの腕に飛び乗り、同じように腕を破壊する。さらに同じ具合に、ブランコで吹っ飛ぶような感覚で首に取り付く。

 

 足場がないから鉄板を刺すのもやり難い。さてどうしよう。

 「アハハハハ! よく燃えそうなブツだよ!」

 アリスの高笑いが響くと同時に、断続的な爆発音がする。足元を見ると、なんか足回りを爆発させて回ってた。

 「危ないじゃん!」

 「流石に気を付けてるから問題なっしんだいじょうぶい」

 「全く大丈夫じゃなさそうな響きなんだってば!」

 

 でも、これで傾いているとは言え、首に立てる部分が出来たから無問題。そこを起点にガシガシ接続部を殴る。

 「哀さん直伝、頸椎破壊術!」

 人間の体と構造は違うけど、首のところに神経っぽい物があるのは変わらん。よって、そこをぶっ潰せば、止まる!

 

 「貴様ァ、何ヲスル!」

 「何って、破壊?」

 差し込んでから一蹴りで破壊される為、中々にやりやすい。差し入れて、蹴って、壊して引っこ抜いて、また鉄板刺して蹴り込んで破壊する。隙間を順番に壊していたら、動かなくなったので、他所に移った。

 

 「試験、しゅーりょー!」

 そのまま暴れていると、あっという間に試験時間が終わっていた。というか、0Pヴィランをシバいた後は殆ど、アリスの阿呆がばら撒いた火をひたすら消して回っていた気がする。

 結局大丈夫じゃなかったのである。後で蹴っ飛ばしておこう。

 




まだ大丈夫、まだ。

あ、活動報告で主人公のヒーロー名と必殺技募集中。無個性キャラに必殺技がむずい……

佑月が飲むUAのコーヒーは苦い。
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