魔法少女リリカルなのは~踏み台に憑依した紅き閃光~ 作:鳴海ゆの
では、どうぞ。
ゼロside
俺が『衛玖珠 零』になった次の日
俺は一つの問題も直面していた。
「なあ、アイリス。」
『なんでしょう?』
アイリスは首を傾ける。
「俺は、その、小学校に行かなくてはいけないのか?」
『当然です。たしかにゼロは精神年齢は大人です。
でも、その体はまだ小学生なんです。
だから行かなくてはいけません。』
確かに俺は基本的な知識ならば頭の中に入っている。
元来レプリロイドは人間と共存するために作られた物だからだ。
そのため、一般教養と倫理観は人工知能にインプットされている。
「仕方ない。お前がそこまで言うのなら・・・。」
『やりました!これでゼロの小学校の制服姿が見れますね。』
アイリスの顔はとても笑顔だった。
なるほど、それが目的だったか。
「当然ながらお前も着いてくるんだよな?」
『はい、勿論です。
それと朗報ですよ。』
「なにかあるのか?」
『はい、昨日、私の中にあるブラックボックスを開封していたのですが、そのときにフォームチェンジシステムが復活しました。
アルティメットはまだですが、それ以外のノーマル、エックス、ディフェンス、ライズ、パワー、イレイス、エナジー、アクティブ、プロトの10つのフォルムが使えるようになりました。
それと、空を飛ぶフロートシューズと、攻撃を受けてものぞけらなくなるスーパーアーマーも開匣しました。
これで大分戦いやすくなると思います。
特に魔導士は非殺傷設定とかいう変なものを使ってますので、スーパーアーマーがあればごり押しででも戦えますよ。』
フロートシューズにスーパーアーマーか。
確か、ハルピュイアとファーニブルが似たような物を持っていたな。
敵にすると厄介だが自分の能力ならあれほど便利なものはそうそうない。
有効活用させてもらおう。
「武器はどうなっている?」
俺が武器について尋ねたときアイリスの渋い顔が見えた。
どうやら上手くいっていないのだろう。
『武器はまだゼットセイバー、バスターショット、シールドブーメランだけです。
トリプルロッド、チェーンロッド、リコイルロッド、ゼロナックルはまだ開匣できていません。
すいません、できればロッド系を一つは開匣したかったのですが・・・。』
「構わない。
元来俺の持っていなかった武装を開匣してくれたんだ。
お前はよくやってくれた。」
そう言って俺はアイリスの頭を撫でた。
『フワァ~。
私には勿体無いお言葉です。』
アイリスは気持ち良さそうに目を細めた。
シエルやアルエットもそうだったが、女の子は誉めながら撫でると喜ぶやつが多いな。
「アイリス、その小学校に行こう。
ナビを頼む。」
『了承しました、マイロード。』
ー聖祥小学校ー
俺が教室に入ると同時にあらゆる奴から睨み付けられ、何やら影口を言われている。
この程度なら何の問題も無いのだ、少し鬱陶しいな。
『ゼロを睨み付けるなんて何様ですか、こいつら。』
アイリスが念話で話しかけてくる。
その声には少しながら怒りが混じっている。
『仕方ないだろう。
元はと言えばこの体の持ち主である『衛玖珠 零』という少年が悪いのだ。
まあいい、少し黙らせるとしよう。』
アイリスに、そう言うと俺は教室中に殺気をばらまいた。
昨日の『上原 匠』と戦ったときのような生易しいものではない。
かといって、オメガやラグナロクと同化したバイルと戦った時のような濃密なものでもないが、それなりの殺気だ。
小学生の子供を脅すには十分すぎるが・・・。
すぐに教室中に変化は起きた。
逃げ惑う奴、泣き叫ぶ奴、果てには小便を漏らす奴もいた。
唯一無事だったのは『月村 すずか』だった。
顔をひきつってはいたが俺の殺気に耐えているようだった。
隣にいる『アリサ・バニングス』は半泣きになっている。
すると、先生が入ってきた。
「衛玖珠君!何をしたの!?」
入ってくると教室中を見回し俺に怒鳴った。
どうやらこの中で唯一何も変化をおこしていない俺が今回の犯人だと思ったらしい。
「俺は何も手は出していない。
こいつらが勝手に泣き叫びだしただけだ。
あんたも教師なら不確定な要素で生徒を怒鳴りこむのはどうかと思うが。
さっさと泣き叫んでるやつらを泣き止ませろ。」
俺はそう言って教室から出て屋上へと向かった。
俺は教室中の奴より『月村 すずか』のことが気になっていた。
『アイツは何者だ?
気絶するほどの殺気ではないにしろ子供であの殺気を耐えられる者がいようとは。』
屋上につき、俺はアイリスに念話で話しかけた。
あの『月村 すずか』という少女が気になったからだ。
『彼女は吸血鬼と呼ばれる種族です。
生存するためにあの程度の殺気には耐えられるように訓練されているか、もしくは吸血鬼相手には殺気の強さが温かったのではないでしょうか?』
アイリスがさらっと凄いことを言った。
吸血鬼か、吸血鬼型のレプリロイドならいることはしっていたが、まさか、本物がいるとは・・・。
これは面白いな。
「ところで、いつまでそこで俺を見ているつもりだ?」
俺は鋭い視線を屋上の扉の方へ向けた。
そこから現れたのは
「『月村 すずか』か、何のようだ?」
今アイリスとの話の話題になっていた『月村 すずか』本人だった。
「あはは、ばれてたか。」
月村は笑いながら姿を現した。
「当然だ。
で、いったい何の用だ?
お前から俺を訪ねてくることなんてそうそうないだろう?」
「うん、衛玖珠君っていったい何者?
さっきの殺気もそうだけど、昨日と全然様子が違う。
まるで別人になったみたいに。」
笑顔から真剣な顔に変わり、疑った目で俺を見る。
『クスクス、さっきの殺気ですって、15点です。』
アイリスが何か言っているが無視しておこう。
「俺がどう変わろうとお前には関係ないはすだ。」
「そうだけど・・・。」
「それとも何か、自分の正体がバレるのを恐れているのか?」
俺がそう言った瞬間月村の顔が強張った。
「ど、どうしてそれを・・・。」
「気付かないと思ったか。
まあ、俺一人ではお前の正体までは気付くことは出来なかったが・・・。
教室であれだけの殺気を受けておきながら何の変化もない。
原因は二つくらいに分けられる。
一つは幼い頃から死ぬ一歩手前くらいの訓練をやらされていること。
もう一つは人間ではない別何かであるということだ。
その顔は心当たりがあるみたいだな。」
「わ、私は・・・。」
月村は苦い顔をしている。
「別に言わなくていいぞ、興味もないからな。」
「え?」
俺がそんなことをいうと月村は驚いた顔をした。
「お前が何であろうとそんなものは関係ない。
ただ単に『月村 すずか』という魂が人ではない体に入っただけだろう。
俺の親友が言っていた。
『大切なのは魂なんだ。』と。
つまりはそういうことだ。
化け物だっていいだろう。
それがお前なんだ。
お前はお前だ。ほかに代わりはいない。
それは人間でおろうと化物であろうと同じことだ。」
俺はそう言って屋上を去った。
side end
すずかside
私にとって『衛玖珠 零』という存在は理解しがたい存在だった。
初めて同じクラスになったときから『俺の嫁』何て言われてどう反応して良いのか分からないし、『俺の嫁』発言を私だけではなく、アリサちゃんやなのはちゃんその他可愛い女の子に次々と言っていったからだ。
私の中では
『衛玖珠 零』はこんな最低の女好きの奴なんだ。
という解釈が出来上がっていた。
でも、今日になってそんな解釈はガラリと変わった。
彼は私の正体に気付いてなお「私は私だ。」と言ってくれた。
「化け物だっていい。」って言ってくれた。
彼の目には昔のような不快感はなく、どちらか言えば好意に近いものを感じた。
「どうしよう。
もしかして私、衛玖珠君のことを・・・。」
私は彼が去っていった屋上のドアは見つめることしか出来なかった。
次はまたまたあの子の再登場と最後の一人が出てきます。
お楽しみに(^-^)/