魔法少女リリカルなのは~踏み台に憑依した紅き閃光~   作:鳴海ゆの

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小説を読んでいる皆様に謝罪申し上げます。
更新が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
大学が始まりなかなか執筆にとれる時間がなく、気付けば一年半ぶりの投稿となってしまいました。
最近ようやく時間がとれるようになってきたため、少しずつではありますが執筆を再開し、今日投稿できました。
次に投稿するのが何時になるかわかりませんが、これからも本小説をよろしくお願いいたします。

では、本編へどうぞ。


A´s章
mission05 すずかと車イスの少女


「……どういうことだ?」

 

目の前で車椅子少女と月村すずかが連れ去られるのを目撃した。

 

ここ最近では小学校にも慣れ、面倒事を避けるため、なるべく、上原匠と高町なのはに会わないように生活しているのだが、今日は運が悪く、正門で待ち伏せをするように高町なのは達が居座っていた。

 

そのため、自分の家とは逆の方面の南門から出た。

 

そんなに日に限ってこんな場面を目撃するとは…。

 

『追いますか?』

 

アイリスに尋ねられ、一瞬迷う。

 

車椅子の彼女とは全くの初対面であるし、月村すずかを助ける理由も自分にはなかった。

 

昔のゼロであれば躊躇なく切り捨てていただろう。

 

しかし、もとの世界でのレジスタンスたちとの関わりやここ最近『衛玖珠 零』との一件もあり、助けてといいという気持ちには駆られていた。

 

それに、この場にシエルがいたなら当然助けてあげてと言うだろう。

 

「…いいだろう。ミッションを開始する。」

 

『なんやかんだで、お人好しですね。』

 

「…放っておけ。」

 

アイリスにからかわれるとばつが悪そうな顔をしつつ、フットパーツのみ変化させる。

 

濃いグリーン色をしたフットパーツ『クイックパーツ』だ。

 

追いかけるのは例の黒い車。

 

「アイリス。目標の位置を確認してくれ。」

 

『既に出来ています。

 

現在、三つ目の交差点を左折しました。

 

目的地はここから7㎞先の廃工場かと思われます。』

 

ゼロがアイリスに問いかけると、欲しかった答えがすぐに帰ってきた。

 

これがアイリスの実力である。

 

サイバーエルフにはハッカー系、アニマル系、ナース系と種類があり、それぞれによって得意分野が違う。

 

しかし、アイリスはクロワールと同じ三種類すべての力を持つサイバーエルフである。

 

そのなかでも特出しているのはハッカー系で、データのハッキングに適している。

 

そんなアイリスにとって衛星カメラを気付かれないようにハッキングし、頭上から目標を見つけることなど造作もないことだった。

 

もちろん、向かう先に関してもアイリスの予想でしかないが、瞬時にあらゆる検索をかけ、最も確率の高いところを算出しているため正当率はおよそ98%とかなりの数値を叩き出している。

 

このスーパーコンピューターも真っ青なデータ処理能力を持つものこそサイバーエルフ『アイリス』なのである。

 

「了解。先回りして奴等を叩く。

 

最短ルートを出してくれ。」

 

『了解です。』

 

そう言って瞬時にゼロの脳内に最短経路の地図が送られる。

 

ゼロはそのマップを使いダッシュで廃工場まで向かう。

 

誘拐犯はわかっていない。

 

自分達の行く先には地獄しかないことを。

 

*****

 

時は少し進み、誘拐犯たちが廃工場に到着し、廃工場奥に少女二人を縛り付けたあとのことだ。

 

「やぁ、こんにちはすずかちゃん。」

 

飄々とした様子で一人のスーツの中年の男が入ってきた。

 

「安次郎叔父さん!?どうして!?」

 

「それはもちろんこの誘拐を企てたのが僕だからだよ。」

 

「そ、そんな………。」

 

すずかにとっては、苦手でも一応親戚であった人に危険な目に合わされていると知ると絶句せざるを得ないようだった。

 

「当然さ。君を人質にとれば月村本家から莫大な金を獲ることができる。

 

僕みたいな弱い人間は金に頼らないと幸せを得ることなんて出来ないんだよ。」

 

自分のためなら例え身内が危険に合おうとも構わない。

 

それこそこの男の考え方だった。

 

「隣の君は運がなかったね。

 

すずかちゃんなんかと一緒にいるから危険な目に合うんだよ。

 

もう少し友達を選んだ方がいい。」

 

隣の同じように縛られている少女を見てそう言った。

 

「あんたに何がわかるっていうんや!

 

すずかちゃんはなぁ、ウチの初めてできた友達なんや。

 

親戚かなんか知らんけどなぁ、ひどいことするならウチも黙ってへんで!」

 

「………はやてちゃん。」

 

八神はやてにとってすずかは初めての友達であった。

 

それ故にすずかをバカにされたときは、自分をバカにされたときよりも激しく怒った。

 

しかし、その怒りは逆に安次郎の神経を逆撫でしてしまった。

 

「ふっふっふ、あはははははははは。

 

友達!?僕らのような高貴な存在と貴様らゴミのような人間が友達ごっこだと!?

 

笑わせてくれる。

 

我々はなぁ。」

 

すずかは涙を目に溜めながらやめてぇ!と叫んでいる。

 

それは安次郎には届かない。

 

そしてついに禁句を述べてしまう。

 

「夜の一族と呼ばれる吸血鬼なのさ!

 

人間のような脆弱な存在と一緒にされては困るねぇ!」

 

そう言ってすずかたちが縛り付けられている壁を殴り付けた。

 

コンクリートの壁にも関わらずその壁には大きな穴があいた。

 

血をほとんど受け継いでいない安次郎でもこのくらいのことは朝飯前だった。

 

「………きゅ、吸血鬼?夜の一族?」

 

開けられた穴を見ながら今言われたことを怯えながら復唱するはやて。

 

……終わった。

 

すずかにとってできた大切な友達もまたいなくなってしまう。

 

自分が吸血鬼であることを知ってしまったらそのことにおける自分の記憶。つまり、自分との思い出も含めて全てを消さなくてはならない。

 

それが夜の一族のすずかたちが生き続けていくための掟であった。

 

「んなこと関係あらへんわぁ!」

 

しかし、今回はどうやら杞憂に終わるようだ。

 

「吸血鬼?

 

はっ!ウチにもそんなファンタジーみたいな存在がおるのに、今更吸血鬼の一人や二人出てきたところでなんも驚かんわ!」

 

ここ最近、はやてにとってファンタジーは身近なものになった。

 

「むしろラッキーやね。自称文学少女の私にとってファンタジーとお近づきになれるのは願ったり叶ったりや!」

 

そんな考え方をもつはやてだから彼女たちも受け入れることが出来たのかもしれない。

 

そんな彼女にとって、すずかという存在を受け入れることはそれほど難しいことではなかった。

 

「だから、言っただろ。

 

大切なのは心だと。」

 

扉が蹴り破れるとともに、全く別の声が聞こえた。

 

**********

 

時は少し遡る。

 

ゼロは廃工場に忍び込んだあと様子を伺っていた。

 

ゼロは戦闘型レプリロイドである。

 

そのため、ほぼ全ての戦闘スタイルを熟知している。

 

もちろん、レプリロイドたちにも得意不得意はあるが………。

 

そして、その戦闘スタイルのなかには当然隠密戦闘も含まれている。

 

そう、四天王の一人隠将ファントムが得意だった戦闘スタイルだ。

 

影に隠れながらバスターを構える。

 

敵の観察をしつつ、一人ずつ確実に撃ち抜く。

 

バスターの威力を最小限まで下げることで音をなるべく出さないようにした隠密射撃だ。

 

そうすることで、敵を殺さずして沈黙させることができる。

 

アイリスからの知識でこの世界では人間の殺生は禁じられていることを聞かされているため、殺しはしないようにしている。

 

「やはり、大したことはなかったな。

 

あとの生体反応は?」

 

『上の方に3つほどあります。

 

向かいますか?』

 

「ああ、そのために来たのだからな。」

 

そう言って上層部へ向かう。

 

大きな扉の前で立ち止まる。

 

『この中のようですね。』

 

「そのようだな。」

 

『んなこと関係あらへんわぁ!』

 

『ッ!』

 

中から大きな声が聞こえた。

 

アイリスはそれにビックリしたようだ。

 

内容は、少女にとって月村すずかが吸血鬼であることは関係ないといったものだった。

 

やはり、エックスが言っていたことは正しかった。

 

「だから、言っただろ。

 

大切なのは心だと。」

 

扉をバスターで吹き飛ばし、中に入っていく。

 

「な、なんた!貴様は!」

 

「ただのクラスメートだ。」

 

焦る宗次郎に対し、恐ろしいほど冷静なゼロ。

 

当然だ、踏んでいる場数が違うのだから。

 

しかし、そんな態度が宗次郎の平常心をかきみだす。

 

「な、なんで!ただのクラスメートが!こんなところまで!追ってくるんだよ!」

 

生き絶え絶えに叫ぶ宗次郎を見て、ゼロは一瞬でこの男に対する興味を失った。

 

今まで戦ってきた相手とは比べ物にならないほど小物っぷりである。

 

「自動人形ども!やっちまえ!」

 

宗次郎が叫ぶと周りに散らばっていたガラクタたちが息を吹き替えしたように起き上がり、ゼロのまわりで戦闘体制をとる。

 

自動人形《オートマタ》と呼ばれる機械人形であり、レプリロイドの原型でもある。

 

「同族たちか。

 

残念だが俺は同族であれば襲わないなどという情は生憎だが持ち合わせていないのでな。

 

俺の前に立ちはだかるというのなら、叩き斬るまでだ。」

 

ゼロは呟きながら、バスターをしまい、Zセイバーをかまえる。

 

「なにごちゃごちゃ言ってやがる!

 

自動人形ども!いけ!」

 

宗次郎の一言により全自動人形がゼロへ襲いかかる。

 

「衛玖珠君!逃げて!

 

自動人形の戦闘力は私たちよりも高いの!」

 

すずかはゼロに向かって危険だと叫ぶ。

 

しかし、勝負は一瞬だった。

 

「裂閃光!」

 

ゼロが拳を地面に叩きつけると、ゼロを中心にし、光の柱が現れる。

 

その光の柱に当たった自動人形たちは蒸発するように消えていった。

 

「もう、守るものもいないな。」

 

ゼロは宗次郎にZセイバーを向けた。

 

「くそお!も、もうすこしのところでぇ!」

 

叫ぶ宗次郎に、一気に近づき。、威力を弱め気絶する程度の威力で斬りつけた。

 

ただの人間程度の力しか持たない吸血鬼がそれに耐えきれる訳もなく、宗次郎は気絶した。

 

哀れな男の目論見はここで潰えたのであった。

 

 

To.be.continue.




最後までお読みいただきましてありがとうございます。
自動人形とレプリロイドの関係性などは少々オリジナルを加えています。

それでは、まあ次回お会いしましょう。

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