五条悟の妹は千里眼を持って呪術廻戦の世界を生き抜く 作:アルトリア・ブラック(Main)
次から0巻に入ります
ー真希ー
急遽・五条家の人間が来るという理由で離れの小屋に真依と共に閉じ込められていた。
「けっ、見られたくない奴は小屋に閉じ込めておくのかよ…相変わらず陰湿な奴らだよなぁ〜」
「…お姉ちゃん、寒い」
真依が震えながら言って来る
「ちょっと待ってろ、羽織探すから」
小屋にあるのを漁って、埃を払うと真依に着せる。
「ありがとう…お姉ちゃん」
その言葉に微笑む
二人で手を繋いでいると…
「真希、真依!来なさい!」
唐突に小屋の扉が開き、乱暴に二人の手を引きあげて来る女中。
「なんだよ!来いって言ったり姿を見せるなとか言ったり…!」
母親にそう言うと、無機質な表情で『五条家の人間が貴女達に会いたいと言ってるのよ』と言って来る。
五条家の人間。
御三家の一つで、五条家は相伝の術式を持った子が二人生まれたという話を風の噂で聞いた。
『五条家は相伝の術式を持った子供が二人も生まれたらしい。それも六眼の抱き合わせと千里眼の抱き合わせ二人らしい』
『千里眼と言ったら未来視だろう。どんな突然変異だ』
他の家でも噂になるほど、恵まれた人間の双子
同じ『双子』なのに、全く違う扱いなのだろう。
(…けっ、猿を見に来たのかよ…どの家の人間も嫌な奴だぜ…)
自分はまだいい、呪いすら見えないのだから
でも妹は違う。呪いは見えるし、呪力も使える。
せめて、真依だけは気に入られて引き取られて欲しい。
出来るのならば
大広間に向かうと…
「ホント、実力もないくせに生意気なこと言うのって本当に嫌になる。年功序列は確かに大事だけど、それは下の人間が大事にするんであって上の人間がやるべきことじゃないのに」
「………」
庭の中央に躯倶留隊数名と炳の人間が倒れていた。
炳の一人である蘭太の上に座り「自分たち男は女から生まれるってのに女を下に見るとか下衆も華々しいわ」と話していた。
「あ、零〜双子の姉妹来たよ〜」
聞き覚えのない声に真希達は驚く
零は蘭太の上から降りると、部屋に向かって歩き始める。
部屋に通された真希と真依は目の前にいる双子の男女の呪術師と対面する。
双子の男女。それは呪術界では前世心中自殺した恋人と言われていた。
(…お姉ちゃん)
姉の手をわずかに握ると、力強く握り締めてくれる。
「姉の方が真希ちゃんで妹の方が真依ちゃんね、うんうん。天与呪縛の子に構築術式を持った子供か〜良いね」
五条悟は興味津々に双子の方を見る
「小さな弾丸一発作るのに手一杯な術式だがな」
当主・直毘人の言葉に真依はビクつく
確かに、自分はろくでなしだ。
姉と違って術式は持っているのに、弾丸を作るのでかなり疲れてしまうのだ。
『それが精一杯なの?見損なったわ、真依。貴女は真希と違って呪力はあるから期待したのに』
『そんなことしか出来ないのか、私が当主になれなかったのもお前のその虫程度の術式だからだ。本当に人生の汚点だ』
両親から投げかけられる罵声を思い出し、悲しくて悲しくてたまらなかった。
「……」
女の人、恐らくは五条零さんが何かこちらの様子を伺っていた。
「当主さん。散々荒らしたことについてはお詫びしますけど、この双子について将来はどういうふうに考えてます?」
五条零さんの言葉に場が凍りつく
「そのような質問して何になる。お前は見えているのだろう未来が」
「そんな不躾な質問なんていりませんよ、正直私は他所の家がどうなろうと知ったこっちゃないし、関係ないですけど、私はこの家の女に対する扱いに反吐が出るほど虫酸が走ります。貴方は比較的マトモだから聞いてるだけです」
その言葉に五条悟さんが『え…?スッゲェ怒ってるんだけど』と呟いていた。
敵意ありありの言葉に姉も珍しくオロオロし出す。
〜数時間後〜
「……頭に血が上っちゃった…」
屋敷から外に出る道を歩きながらそう呟くと悟が『スッゲェ怒り狂ってたよな、流石の俺でも引いたもん』と返して来る。
今回の話で、零と悟は真希・真依姉妹が13歳になったら高専に来るという約束になった。
理由は真希がやる気になったのもあるが、何よりも真依が今にも壊れそうに見えたから、救いたくなってしまったのだ。
「確かに、せっかくの才能がこんなゴミ溜めにいたら腐っちゃうしね、ま、良かったんじゃない?」
悟は石を蹴りながら階段を降りていく
「あ、そうそう。禪院家に売られる予定だった子供についてなんだけど、これから会いに行く?」
「確か、伏黒恵君だったっけ?」
「そ、十種影法術持ちの子供だよ」
「うん、会いに行こう!」
伏黒恵は五条悟が苦手だった。
もちろん、禪院家に売られるのを阻止してくれたり、親のいない津美紀や俺のために高専からの援助を通してくれたことに、感謝はしている。
しかしながら、あの性格がどうしても好きになれないところだった。
「恵、五条さんから電話だよ〜」
「……いないって伝えておいてくれ」
「いるでしょ?聞こえてるよ?声」
「ッチ…はい。なんですか?五条さん」
電話に出ると五条から『舌打ちした?』と返してくる。
無視して黙っていると…
『これからそっちに僕の妹連れていくから挨拶よろしくね〜』
「は?五条さんの妹?」
『そう、これからのことでいろいろ恵に話そうと思ってさ、何かあった時に連絡する先が僕だけじゃ、あれだから、妹にも頼って良いからね』
その言葉にまた厄介ごと増えたと感じる。
五条悟の妹なんて絶対にロクでもない。
クズの妹はクズだと思い、電話を切る
津美紀に五条さんと五条さんの家族がくるということを伝えると、もてなす準備しなきゃと台所に駆け込む津美紀を他所に、リビングに座る
〜数時間後〜
「やっほ〜恵、津美紀ちゃん、お久〜!」
「五条さん!お久しぶりです」
「………」
津美紀は援助してもらっている手前、低姿勢だった。
「僕すっごい嫌われてるね」
「…そんなことないですよ、で、話ってなんですか?」
その言葉に五条は笑顔になる。
「はーい!紹介しますー!僕の妹の零です〜」
ハイテンションで紹介してくる五条。
その隣で同じ顔で『よろしく〜』と言ってくる女性
見た目は完全に五条悟だが、よく見てみれば女性の容姿をしていた。
(…兄妹揃ってサングラス、見た目分かんないな…)
よく見れば妹の方は赤い眼であり、身長も五条悟に負けず劣らず高かった。
五条兄妹が部屋に上がり、お茶を飲みながら今後について話していた。
「まぁ、僕も零も忙しいから出れない可能性もあるけど、基本的にはどっちも連絡出れるら、遠慮しないでね」
その言葉に津美紀は素直に感謝の言葉を言ってくる。
「ちょっと僕トイレ借りるね〜」
そう言って部屋から出て行く五条悟
「ウチの兄がごめんね、空気読まないでしょ?」
津美紀は笑顔で『そんなことないですよ』という反面
「…あの人、空気読まないし、無神経だから嫌いです」
はっきり言うと津美紀が『こら!』と怒ってくる。
「あはは、確かに無神経だよね〜煽るのが得意だからさ、悟も」
兄の悪口を言われても怒って来ない零。
「無神経なのはまだいい方だよ、相手のことに興味ないときは名前すら覚えないし、会話したところですぐ忘れちゃうから、その点、津美紀ちゃんと恵君の事は気に入ってるんだと思うよ」
その言葉に無言になる。
「五条零さんは…」
言おうとしたとき…
「津美紀ちゃーん。ティッシュ無くなったけど、ストックどこにあるー?」
五条悟の声が聞こえてくる。
「あ!はい、持ってきます!」
「トイレの前に置いといて良いよ〜」
津美紀がパタパタと走って行く
「ん?」
零さんは首を傾げる。
「零さんは…あの人のこと信頼してるんですね」
「まぁね、一応あんなのでも兄だし、たった一人の家族だからね」
「…家族に『あんなの』って…バカにしてません?」
「あははは〜ナンノコトカナ〜?」
「………」
「あ、それと、津美紀ちゃんと恵君って心霊スポットとか良く行く?」
「…行きませんよ、あんな呪霊の溜まり場」
「ならば良し!今後も行かないようにね?呪霊が見える恵は大丈夫だと思うけど、津美紀ちゃんは特にね?」
「……なんでそんなにアイツのこと心配するんですか、未来でも見えてるんですか?」
その言葉に零さんは微笑み
「さぁ」
それだけ返し、立ち上がる