五条悟の妹は千里眼を持って呪術廻戦の世界を生き抜く 作:アルトリア・ブラック(Main)
ネタバレはぶちかましてますので、お気をつけください。
夏油×オリ主が付き合っていた過去があります。
第0話『呪われた子』
ー数年後ー
「特級被呪者の子供かぁ…」
20代中盤になり、零は少年の内容が書かれた書類を車内で見ていた。
「名前は確か、乙骨憂太。特級過呪怨霊は折本里香です。数年前に交通事故に遭い祈本里香は亡くなったようですが、そこから乙骨憂太を呪ったとみられます」
新田の言葉に適当に返事を返しながら書類をバックの中にしまう。
「それで、五条さん。本当に知らなかったんですか?今回のこと」
新田の質問に零は足を組み
「なんとなーく来るのは知ってたけど、いつ起こるかは分からなかったよ、それに、最近になって情報量が多すぎて、なるべく未来は見ないようにしてるんだ」
「ああ、そうなんすね、五条さんの未来視があれば大抵のことは防げるのになんでしなかったんだろうみたいな話が上層部で上がってたみたいですよ」
新田は伊知地が愚痴を漏らしていたのを思い出す。
上層部の八つ当たりが伊知地に向いたのは、本当に八つ当たりだ。
ミラー越しに零を見ると、肘をつき、つまらなさそうに
「上は便利道具扱いしてるけど、私は絶対に言わないよ?上層部の未来とか、破滅しようがしまいが心底どうでもいいし」
「そうですか…あ、着きましたよ、高専」
「送ってくれてありがと、新田」
「いえ!また何かあったら呼んでください!」
車から降りて高専を見上げる。
「…はー…任務終わった。さて、噂の少年を見に行きますか」
未来視で見えてはいても、実際会うのとじゃわけが違う
ー1時間前ー
「え?二年生の担任って五条先生じゃないの?」
乙骨達は教室に集まり、授業の始まりを待っていた。
「そうだぜ〜アイツは一応一年の担任だけど、一年は今一人しかいねぇからなぁ、実質二年も受け持ってるんだよ」
パンダは『早く一年増えねえかなぁ』と愚痴をこぼす。
「…誰だろう」
「五条先生の双子の妹だよ」
「しゃけ」
「え?!双子の妹?!五条先生に兄妹いたの?」
「おう、しかも、特級呪術師、剣の腕もあるから来たら教えてもらえよ〜憂太」
乙骨は五条先生の妹、かつ、剣の腕がたつというイメージからとんでもない想像を始める。
「ちなみに、アイツ、かなり意味深な発言するから聞き逃すなよ」
「意味深こと?え?」
何が何だか分かっていない乙骨にパンダが椅子を向けて説明を始める。
「まず、俺たちの担任の名前は五条零。ゼロって書いてレイって読むんだ。御三家の一角・五条家の令嬢で無下限呪術を持ってる」
「へぇ…じゃあ、五条先生同様に強いんだ」
『六眼っていうの持ってるの?』という質問にパンダは
「ねぇよ、代わりにもっとチートな『千里眼』ってのがある」
「え?!つまり、未来視ってこと?!」
「そ、真希の話の『意味深なこと』ってのはそういうことだ。零は未来が見えてるから、重傷を負いそうになったり、死ぬ未来が見えた場合は『そこに行かない方がいい』とか『気をつけて』とか言ってくるな」
「そ、そうなんだ…」
「ま、アイツの場合は、自分が気に入った人間にしか言わないからな」
真希は眼鏡を拭きながらいう
「それってどういう…」
「あー…零の奴も悟みたいに無神経なところがあるというか…まぁ、それして当然というか、零は全員を助けようとはしない。自分の手の届く範囲の人間しか助けないから、術師も平気で減るな」
『だから、変に媚びったら見捨てられるから気をつけろよ〜』と笑うパンダ。
「というわけでよろしくね、乙骨憂太くん」
やって来た零に乙骨は大慌てで『よろしくお願いします!』と言う。
「悟からいろいろ聞いてるから心配しないで、生徒を見捨てるほどクズじゃないから」
「?あ、はい…」
「…で、彼女が噂の特級過呪怨霊・祈本里香ね〜やっぱりすごいや」
《おまえキライぃい》
「え?!ちょっ、里香ちゃん!?」
勝手に出てきた里香が零に向かって敵意を露わにする。
乙骨は必死に里香を止めようとする。
「あはは、早速敵意むき出し、私嫌われてる?」
「美人だからねぇ〜」
悟の茶化しに引く真希
《ゆゔた、キライ、こいつきらいだよぉ》
その言葉に零が笑う一方、乙骨がアワアワしながら『なんでそんな零先生にだけ敵意むき出しなの!?』と言う。
〜数分後…〜
「本当にすいませんでした」
頭を下げる乙骨に零が『そんな謝ることじゃないよ』と笑いながら話していた。
「祈本里香が敵意むき出しの理由なんとなく分かるし」
「?そうなんですか?」
「それで、今回の任務だけど、伊知地の車で狗巻君と一緒に向かってね」
「はい!」
「それと、悟から教わった通り、呪力を刀に乗せて戦うのも良いけど、大事なのは呪霊をなるべく一発で仕留められるように観察すること!まぁ、それぐらいかな〜」
零が『ほとんど担任らしいことしてなくてごめんね〜』と言ってくる。
「そんなことないです。刀の稽古の時もいろいろアドバイスくれたし…ありがとうございます。これからいろいろお願いします」
「任せなさい」
二人で歩きながら校庭に向かう
「あ、そうそう。乙骨君」
「はい、なんですか?」
「落ち着いて焦らないで任務をこなしたら絶対に君は負けないからね、なんて言ったって私と悟の親戚なんだから、じゃ!」
そう言って嵐のような速さで去って行く零に乙骨は一人取り残され
「え…?これって…またなんか注意された?なんか起こる知らせ?」
〜高専内〜
これから起こることなんて知っているし、分かっている。
それを悟や夜娥学長に言えば先回りしたり対処のしようがあるのだろうが、結果的に未来が変わり、嫌な未来になる可能性だってあるのだ。
「…それを知ってる状態で、傑は高専に挑んでくんのかな…」
そして、見えた最悪の結末。
悟が傑に引導を渡す未来
いろんな並行世界を見ても傑が呪詛師の状態から救われる未来なんて見えなかった。
(…私が呪詛師になって傑と一緒に歩む未来は確かに良いのかもしれないけど…)
あの並行世界では灰原は助からなかった。
「………どっちの未来が良いのか考えたくないや」
見えていたって救えない
見えたところで意味なんてないのだ。
(…要らないなぁこの目…)
傑が死ぬ世界が延々と見える目なんて要らない。
(…案外、私も引きずるタイプなんだなぁ…)
傑と付き合ったことなんて高専時代一年弱しかない。
それも、五条家が婚約どうのこうの煩かったから、その条件に見合った傑と付き合って黙らせるという契約上の付き合いのようなものだった。
(…前世は結婚しないで真面目に社会人だったからなぁ…耐性付けときゃよかった…)
窓際に座り、携帯を開き今度の任務についてのメールを見ていた
(…案外楽しかったなぁ…あの時は、傑は真面目だったし、千里眼が使える私に媚び売ったりしなかったあたりイケメンだったし…)
「………やめよ」
頭を振り考えるのをリセットし、硝子に電話をかける。
「硝子。明日休み?奢るからどっか行かない?」
その言葉に硝子が一つ返事で高い店を要求してきたことに笑う。
「じゃ、そこ行こうか、え?仕事?あぁ、大丈夫だよ、悟に引き継ぎしといたし、また私も明日仕事だから、うん、20時に集合ね」
そう言って携帯をポケットにしまい歩き始める。
〜夏油傑〜
商店街内にやってきた夏油は結局、里香を見る事は出来ずに本拠地に戻る。
美々子と菜々子が嬉しそうに出迎えてきて、髪の毛をいじり始めた。
「五条兄妹って何者なんですか?」
その言葉に笑い
「悟はたった一人の親友だったよ」
確かにそうだった。
あの頃はまだ若くて、二人で最強だと肩を叩きあえた
「妹の方は?」
「………」
零のことを思い出す。
「初恋の人だよ」
「初恋の人?」
「夏油様の初恋の人かぁ〜」
途端に興味津々になる二人に微笑む
「契約上の付き合いから始めたんだけどね、なかなか楽しかったよあの頃は。なんせ、本気で愛してくれたからね」
弱音を吐かない零が、夏油にだけ弱音を吐いてくれた時は嬉しかった。
(…今思えば、こうなる未来が見えたからそばにいてくれたのかな)
手を決して握り締めてはくれなかったけど、そばにいて悩みをいろいろ聞いてくれた。
そして何より、灰原のことを命がけで守ってくれた。
自分には出来なかったことを
「夏油様は今もその人のこと好き?」
菜々子の言葉に微笑み
「好きだったよ」
そう答え空を見上げる。
これから迎える結末に彼女が関与してくれていたら嬉しい。
こちらにきてくれたら嬉しいが、それはありえないだろう。
(なんせ、悟が零を離さないからな)
【呼び方について】
五条悟がいないときの呼び方『五条さん』
五条悟のことを話題にするときの呼び方『五条悟さん』
二人がいる場合、五条悟のことを『五条さん』零のことを『零さん』と呼んでる
【里香が零に攻撃的だった理由】
零は未来視が使えるし、それなりに力もあるのに救う人を選んでいるのが嫌だったし、憂太のつらい道のりにも背中を押して突き進ませているのを見て心底きらい。
それと、呪霊になったせいで、未来を見られているという感覚からきらいというのもある。