仮面ライダーレオン   作:堕天使 かよ

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かよです。
特に書くこともないので、第十話どうぞ。


第十話

レオンの目の前で大きな爆発が起こる。爆発がやんだところに残されていたのは、3つのアームドチップとボロボロになったクロスドライバーだった。レオンは変身が解除され、膝から崩れ落ちた。前かがみになった煌は地面を殴りながら泣き出した。

 

「っ…うっ…うわぁぁぁぁ…!!」

 

静まり返ったその場所に響いていたのは煌の泣き声だけだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーっ…!また…あの夢か…」

 

煌はベッドから体を起こす。寝巻きは汗で濡れており、肌に張り付いてくる。時計を見れば朝の7時。普段起きるよりも少し早い時間に目が覚めてしまったようだった。起きてすぐのため、アタマが回らずにボーッとしているとコンコンッとドアがノックされ紗奈が部屋に入ってくる。

 

「おはようございます、煌様。いつもより少しお早いお目覚めですね。顔色が優れないご様子ですが、お身体の調子でも悪いのですか?」

「おはよう紗奈。調子が悪い訳じゃあないんだが、最近『あの夢』を見る回数が増えてきちゃってな…。」

「そうでしたか…。やはり…未だにあの過去をぬぐい去ることは出来ずにいらっしゃるのですか?」

 

不安げに挨拶してきた紗奈に心配をかけまいとなるべく明るく振舞おうとするが、バレているのか紗奈は質問を続けてくる。

 

「情けない話だけど…無理っぽいな…。悪いな、心配かけて。」

「いえ!煌様が謝ることではありません!誰にだって弱さはあるものです。そして、其れは恥ずべきことでもありませんよ?」

「そっか…。ありがとう、紗奈。少し気が楽になったよ。」

 

必死に励ましてくれる姿をみて思わず笑みがこぼれる煌。紗奈は顔を赤らめながら、それなら良かったです…、と誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。

 

「ま、くよくよしてても仕方ないしな、とりあえず朝食でもとってくるよ。」

「かしこまりました。」

 

 

 

***

 

 

 

「うん。相変わらず上手いな。」

「煌様のお口に合ったようで何よりでございます。」

 

そう言って料理長の村田はペコリ、と頭を下げる。舌鼓を打ちながら朝食を食べていると、バン!と扉が開く。そこに駆け込んできたのは麗奈だった。

 

「煌くん煌くん!エビルグラムが現れたのよ!早く!」

「はぁ…。のんびり飯も食えないのか。わかった、今準備するからちょっと待ってろ。」

 

煌は食べかけの朝食をそのままにして、服を着替え、ベルトと数個のアームドチップを持つ。

 

「悪いな村田。せっかく作ってくれたのに残しちゃって。」

「いえ、お気になさらず。朝食を作り直してお帰りをお待ちしております。お気をつけて。」

「あぁ、行ってくる。」

 

玄関を抜けると、麗奈が待っていた。

 

「ちょっと!遅いわよ!」

「あぁ、悪いな。ほら、後ろに乗れ。」

 

そう言うと煌は麗奈にヘルメットを手渡す。麗奈はいつもならうるさい、などと小言を言ってくる煌が素直に自分の非を認めたことに違和感を覚える。

 

「何つったんでんだ。行くんだろ?」

「え、えぇ…。」

 

考えるのをやめ、麗奈は煌の後ろに乗る。2人はエビルグラムが現れた場所まで向かっていった。

 

 

 

***

 

 

 

2人が現場に着くと、そこには一体のエビルグラムがいた。吸血鬼を模した怪人、『ヴァンパイアエビル』である。ヴァンパイアエビルを見た煌は驚きの顔をしていた。

 

「なんで…奴が…!」

 

暴れていた怪人は煌と麗奈に気付く。

 

「ん?そこのアベックよ。私に血を差し出さないか?」

「ふざけないで!今倒れている人もあなたが血液を奪ったのね!?」

「今の私はヴァンパイアだからねぇ。当然だろう?」

「そんなくだらない理由でたくさんの人を…!許せ「ふざけんなよ…変身!」っ!ちょっと!煌くん!?」

 

麗奈のセリフを遮り煌は変身してヴァンパイアエビルに仕掛ける。麗奈は困惑し、ヴァンパイアエビルは何故か納得したような声をあげる。

 

「ん?君は…いつぞやの獅子座の戦士か!あの時の少年がこうも大きくなるとはねぇ。私は嬉しいよ!」

「ふざけんな!てめぇは…てめぇだけは許さねえ!」

 

攻撃をするレオンだが、怒りによって動きが単調かつ大振りなのか、すべての攻撃が受け流されるか、かわされる。

その隙をつくようにヴァンパイアエビルは攻撃をし返す。

 

「ふん!」

「ぐあぁぁ!」

 

身体に大きな一撃を貰ったレオンは大きく吹き飛ばされ、地面を転がる。滲み寄ってくるヴァンパイアエビルに銃撃が与えられる。

 

「誰かな?」

「煌!大丈夫?っ!お前は…」

「っ!煌、こいつは…」

 

遅れて駆けつけてきたタウレスとライブラはヴァンパイアエビルを見て煌と同じように驚く。一方のヴァンパイアエビルは星座の戦士が3人の揃ったにも関わらず、あまり動揺していないようだ。

 

「ふむ…。ここは引いた方が得策かもしれんねぇ。」

 

そう言って引こうとするヴァンパイアエビルにレオンが再び仕掛ける。

 

「ふざけんな!逃がすか!」

「邪魔だ、よ!」

「っ!ゔっ…ぐ…」

 

ヴァンパイアエビルがレオンの首をつかみ上へと持ち上げる。不意打ちを食らったレオンはなすすべもなく首を絞められる。

 

「「「煌(くん)!」」」

 

ヴァンパイアエビルは首を絞めながらもレオンに対して諭すように話しかける。

 

「君は引き際を覚えたほうがいい…。そんなだから大切な人を失うことになるのだよ?」

「ふ…ざけんな…!」

 

レオンはヴァンパイアエビルの腹を蹴り、首を絞められている状態から解放される。

 

「君は…1度痛い目にあった方がいいね…。」

「…っ!」

「ぬんっ!」

「ぐわあぁぁぁ!!!」

 

血のような色をした刃でレオンは大きく切り裂かれる。レオンは変身こそ解除されなかったものの、胸の装甲には大きな傷が付いている。

 

「う…うぅ…!」

「トドメを刺してあげようか。はっ…!」

 

今度は無数の弾丸がレオンに向けて放たれる。タウレスとライブラはレオンの前に立ち弾丸を捌き始めるが、いくつかは2人の横を通り過ぎてしまう。

 

「っ!しまった…!」

「煌!逃げろー!!」

 

2人はレオンに叫びかけるが、レオンは何かを小さな声で言っていた。

 

「あの時も今も…弱くなくて…もっと力があれば…」

「おい煌!どうしたんだよ!?」

「フハハ…!死ね!獅子座の戦士よ!」

 

レオンへと向かった弾丸が爆発する。その様子を見た魁、蓮、麗奈は叫ぶ。

 

「「「煌(くん)ー!!!」」」

「フハハ…!星座の戦士もあっけないものだなぁ。……うん?」

「「「え…?」」」

 

ヴァンパイアエビルの疑問の声に3人もつられて爆発の方向へと視線を向ける。

 

「む…。これは一体どういうことだ?」

「あれは…!蠍座の鎧…!?」

「なんでここにあんだよ!?」

 

レオンは無事だった。しかし、爆発から防いだのはタウレスでもライブラでも、他の星座の戦士でもない。先日蓮が見つけてきた蠍座のアームドチップがレオンの前に紫色の光を放ちながら浮遊していたのだ。その光景を見ていた4人はただただ困惑していた。それは煌も同じ。既に獅子座の鎧に選ばれている自分がなぜ蠍座の鎧に守られたのか、謎だった。

 

「蠍座の鎧が…なんで?」

 

レオンはゆっくりと立ち上がり、蠍座のアームドチップへと手を伸ばす。そして掴み取ると、アームドチップが紫色の光を強く放ち始めた。

 

ほかの4人は強すぎる光に思わず目を覆う。アームドチップを手にした煌は大きな呻き声を上げ始める。

 

「ぐあ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」

 

光が収まり、そこに居たのはだらん、と力なく立っている煌だった。しかし、手には蠍座のアームドチップを持っており、顔を上げると、一瞬目が紫色に光った。普通ではない煌の状態に3人は声をかける。

 

「煌…くん?」

「…………」

「おい、何とかいえよ!」

「待つんだ魁!今の煌は普通じゃない!」

 

煌はニヤリと笑い、アームドチップを起動する。

《SCORPION》

チップをスロットにセットし、小さな声で掛け声を言う。

 

「変…身…」

 

ベルトのレバーを押し込む。

《CROSS UP》

《One shot deadly thrust》《SCORPION!》

変身が完了し、佇んでいたのは、大きな鎌を携えた、蠍座の戦士の姿だった…。

 

 

 

***

 

 

 

時は蠍座のアームドチップが現れる少し前に遡る。少し離れたビルの屋上では、ネイとメーアが戦いを見物していた。

 

「獅子座の坊や、終わるわね…。」

「え〜!あたし、まだ戦えてないよぉ…」

 

レオンの辺りが爆発する。

 

「意外と…あっけないものね…」

「あ!ねえねえ!見てよネイ!獅子座のお兄ちゃんまだ無事だよ!?」

 

そこには蠍座のアームドチップを手にした煌の姿。

 

「おかしいわ…」

「?何がおかしいの〜?」

「普通はね、1人の人間につき1つの星座の鎧にしか選ばれることしかないはずなのよ。なのに彼は蠍座のアームドチップを手にしている。これは…彼が2つ目の星座の鎧に選ばれたのと同じことよ…。」

 

ネイはただ不思議そうな顔をしながら煌を見ていた。メーアは目をキラキラさせながらはしゃいでいた。

 

「やっぱり獅子座のお兄ちゃんすごいよ!ネイはもそう思うでしょ!?」

「えぇ…。そうね。(獅子崎煌…。あの男は私たちエビルマスターも知らないような秘密を知っているのかもしれない…)さあメーア。エトワール様に報告に行くわよ?」

「りょうか〜い!」

 

2人はビルの屋上から姿を消した…。




とりあえず煌君が操られちゃいました。詳しいところは次のお話で書くつもりです。
では、また次回で
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