仮面ライダーレオン   作:堕天使 かよ

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どうも、かよです。
レオンこと煌くんがついに2つ目の鎧で暴れます。



第十二話

「ふっ!でやっ!」

「……ふん…」

「ちっ…くそっ!」

 

煌の変身するレオンと蠍座の鎧スコーピオによる撃ち合い。いつものような剣さばきをすることができず、煌は責めきれずにいた。

 

「はっ!」

「ぐあぁぁぁ!」

 

懐に大きな一撃を貰い、煌は大きく吹き飛ばされる。

 

「あそこまで言っておきながら、その程度か!」

「ま…まだだ…こんなとこで…諦める訳には…!」

 

フラフラになりながらも立ち上がった煌を見てスコーピオはフッ、と嬉しそうに鼻で笑う。

 

「その心意気だ…」

 

煌とスコーピオは再び撃ち合いを始めた…

 

 

 

***

 

 

 

一方、魁と蓮は街でヴァンパイアエビルが暴れているという知らせを聞き、駆けつけていた。

 

「おい、クソ野郎!いい加減大人しく倒されやがれ!」

「君は紳士的じゃないなぁ…。まぁ、良いか。君たちには獅子座の戦士が来てもらうまでの暇つぶしになってもらおうか…。」

「上等だ!」

 

タウレスの槍による攻撃は躱したり、腕で防ぐ。ライブラによる銃撃は背中にあるマントで防ぐ。

 

「ちっ…オラァ!」

「ふん…はあっ!」

「ぐあぁぁぁ!」

 

タウレスが大きく吹き飛ばされる。入れ替わるようにライブラが戦闘に入る。絶え間なく銃撃を浴びせるが、ヴァンパイアエビルにはあまりダメージを与えられているようには見えなかった。

 

「よっと…。はっ!」

「………ぬん!」

「うわっ!」

 

ライブラも吹き飛ばされる。ヴァンパイアエビルは大きな声で笑い始める。

 

「ハハハハハ!先に君たちからも血を頂いてしまおうか…」

 

ジリジリとヴァンパイアエビルが倒れている2人の方に歩いてくる。すると、遠くの方からバイクの走行音が聞こえてくる。

 

「ん…?」

「あいつ…」

「やっと来たみたいだね」

 

煌がバイクに乗って駆けつけてきた。バイクから降りた煌はヴァンパイアエビルに話しかける。

 

「ここからは俺が相手をしてやるよ、吸血鬼。」

「ずっと君を待っていたよ…!さぁ、やり合おうか!」

「悪いが、こっちはさっさと終わらせたいんでな。」

 

煌はベルトを装着し、紫色のアームドチップを起動する。

《SCORPION》

スロットにセットし、覚悟の言葉を叫ぶ。

 

「変身!」

 

《CROSS UP》

《SCORPION!》

鎌を携え、紫の鎧に身を包んだ戦士『スコーピオ』が再び降臨する。

 

「その力…君を倒して貰い受けよう…!」

「でぇやぁ!」

「ぐぅ…!」

 

煌はヴァンパイアエビルに大きな一撃を食らわせる。これまでと違い、ヴァンパイアエビルが押される形となっていた。

 

「巫山戯るな…!」

 

ヴァンパイアエビルは両手から血液の弾丸を発射する。スコーピオのところで爆発し、ヴァンパイアエビルは不敵に笑う。

 

「ハハハ…何…?」

 

しかし、爆発が止んだとこに立っていたのは無傷のスコーピオだった。攻撃が防がれたことはともかく、無傷なことにヴァンパイアエビルは驚きを隠せずにいた。

 

「な、なぜだ!なぜ無傷でいられる!」

「次はこっちの番、だな」

 

スコーピオは反撃を開始する。鎌による切りつけだけでなく、生えている尾による打撃も繰り出す。

 

「ぐっ…この尾で防いだのか…」

「ふっ!でやっ!」

「がはっ…!」

 

一撃を貰ったヴァンパイアエビルは大きく吹き飛ばされる。吹き飛ばされたヴァンパイアエビルはフラフラになりながら立ち上がる。煌はベルトのレバーを1回押し込む。

《SCORPION》

《STAR Breαk》

尾を長く伸ばし、ヴァンパイアエビルに巻き付ける。そのまま自身の方へと引き付け、鎌で切りつける。そしてがら空きになった背中に尻尾を巻き付けた右足で蹴りを入れる。蹴りを受けたヴァンパイアエビルは吹き飛ばされ、爆発する。

 

「ぐあぁぁぁ!」

 

長い因縁は煌の勝利によって幕を閉じた。たが、ヴァンパイアエビルは未だに姿を戻すことなく、存在していた。

 

「な…!あいつまだエビルグラムのままだぞ!」

「あの一撃を食らっても人間態に戻らないとは…余程の執念だね…」

 

煌は何を言うわけでもなく、無言でヴァンパイアエビルに歩み寄る。しかし、途中で空から何かが降ってきた。それは余程の重量なのか、着地した地面が沈んでいる。砂煙が晴れると、そこに居たのはサイのような見た目の怪人だった。

 

「お前は…」

「ライノスマスター…スパルタス…」

「お前もエビルマスターか…!」

 

そう言って煌は鎌を構える。ヴァンパイアエビルは助けが来たことに驚いていた。

 

「私を助けに来てくださったのか…!?」

「エトワール様が連れ帰れ、と言っただけだ…ぬん!!!」

 

そう言ってスパルタスことライノスマスターは地面を思い切り殴りつける。すると、大量の砂煙が巻き起こり、視界を塞ぐ。再び砂煙が晴れると、そこにはヴァンパイアエビルもライノスマスターも居なかった。煌達3人は仕方ない、といった感じで変身を解除する。2人は煌の元へ駆け寄る。

 

「どーにかなったみたいだな。」

「あぁ。蠍座の鎧も俺を認めてくれた。これでより一層アイツらと互角にやり合えるだろうさ。」

「(やっぱり…。煌は僕たちやこれまでの戦士達とは違う何かがある…。これからの戦いの鍵を握るのは煌なのかもしれないな…)とりあえず煌の屋敷に戻らない?麗奈ちゃんも待ってるよ?」

 

少し嬉しそうな顔をしていた煌だったが、麗奈の名前が出たことで顔をしかめる。

 

「なんでここであいつの名前が出てくるんだよ」

「彼女だって心配してたんだよ?泣きそうなくらいには」

「はぁ…戻ったらまた何か言われるやつか…」

 

口では文句を言いながらも、煌はどこか嬉しそうな顔をする。

 

「にしてもよ、エビルマスターが吸血鬼の野郎を連れてったのはなんでだろうな。」

「俺には渋々助けに来たように見えたけどな。」

「蟻のエビルグラムみたいな軍隊を、上位のエビルグラムで作ろうとしてたりね…」

 

蓮のセリフに魁がツッコミを入れる。

 

「おい!縁起でもないこと言うんじゃねーよ。」

「まぁまぁ。あくまでも可能性の話だし、あったとしても確率はかなり低いだろうからそんなに身構えることもないって。」

「ま、とりあえずは一件落着か…」

 

3人は和気あいあいとしながら帰路についたのだった…。

 

 

 

***

 

 

 

その頃、ヴァンパイアエビルは再びエトワールの元にいた。

 

「申し訳ありません!獅子座の戦士がこの短期間にアソコまで力を伸ばしているとは思っていなかっ「言い訳はよい…」……は…」

 

エトワールはヴァンパイアエビルの言葉を遮った。

 

「ふん。あそこまで偉そうなことを言っておきながら、おめおめと逃げ帰ってくるとはな…」

「かっこわるーい!」

「グッ……」

 

萎縮し俯いたヴァンパイアエビルを見て、ギルやメーアは小馬鹿にしたようなセリフを言った。それを聞いてヴァンパイアエビルは心底悔しそうな顔をする。

 

「もう貴様に用はない…。ここでこやつらに消されたくなければどこへなりと行くがよい。」

「かしこまり…ました…」

 

すっかり覇気の無くなった様子でヴァンパイアエビルはどこかへと立ち去ってしまった。エトワールはエビルマスターの4人に話を始める。

 

「やつが戻ってきた。これからはやつと共に戦士達と争うことだ。」

「なっ…!あいつとですか!?俺にはとても「そんなに毛嫌いしなくてもいいじゃないか…ギルくん?」貴様…!」

 

暗闇から現れたのは白衣を纏った1人の長髪の青年だった。途端にギル、メーア、ネイは嫌そうな顔をする。

 

「来るのが早いな…『シエン』」

「まぁねぇ…あの吸血鬼君には申し訳ないが…面白いものが見れたし、僕は満足だったよ。」

「それより、アレの様子はどうだったのだ…?」

「うーん…なんと言えばいいのか…。まぁ、前から言ってる通りだけど、やっぱり12の鎧をあの場所に集めなきゃ無理なんじゃないのかなぁ?」

 

ヘラヘラとした物言いにギルが耐えきれず怒りを口にする。

 

「おいシエン!先程から話を聞いていれば…エトワール様に向かってその態度はなんだ!」

「あいっかわらず君はうるさいままだねぇ…偉そうなことは僕に1回でも勝ってから言ったらどうだい…?」

「なんだと……!」

 

言い争いが止まったのを見てエトワールが口を開く。

 

「これからは技術者でもあるシエンの指示に従って動け…」

「なっ…」

「え〜」

「はぁ…」

「………」

 

4人とも不快そうな表情をするが、シエンはそんなことは気にもとめずに変わらずヘラヘラと話しかける。

 

「ま、そんなわけだから…よろしく頼むよ、諸君。ハハハハハ!」

 

そこにはシエンの笑い声だけが木霊していた。

 

 

 

***

 

 

 

少し時間が経って、ネイは1人、人気のない路地を歩いていた。突然足を止めて後ろへと振り返る。

 

「いいかげん、コソコソしてないで出てきたらどうかしら?」

「フッ…バレていたようだね…」

 

姿を現したのはヴァンパイアエビルだった。

 

「ずっと人の後ろを付け回してなんのつもり?」

「わたしは血を吸うことで、再生能力を強めることができる。それに…若い女の血が1番美味いのでなぁ…!」

 

そう言ってヴァンパイアエビルはネイへと襲いかかる。が、ネイへとつかみかかろうとした直前に水色の光が辺りを包み始めた。ネイへと伸びていたヴァンパイアエビルの腕は何故か焼け焦げていた。

 

「ぐ…ぐあぁぁぁ…!う、腕がぁぁぁ…!」

「星座の戦士の代わりに、私があなたを消してあげるわ」

 

ネイが取り出したのは、水色のアームドチップと煌達が持っているものと同じ『クロスドライバー』だった。2つを見てヴァンパイアエビルは目を見開く。

 

「な…それは…」

「あら、言ってなかったかしら?私も、鎧に選ばれたのよ」

 

ネイはアームドチップを起動する。

《AQUARIUS》

ネイが起動したのは水瓶座のチップ。ベルトのスロットへとセットし、言葉を叫ぶ。

 

「変身…」

 

《CROSS UP》

《Flowing Current of Water》《AQUARIUS!》

そこに現れたのは鞭を携えた水色の鎧を纏った戦士。水瓶座の戦士、『仮面ライダーアクリス』が誕生した瞬間である。

 

「だからなんだと言うのだ…わたしは戦士をも圧倒していたのだ…!はぁっ!」

「だから何?ふっ…!はっ!」

 

ヴァンパイアエビルは血液の弾丸を放つ。が、全てを鞭によって堕とされてしまう。そして間髪を入れずにアクリスは攻撃を繰り出す。弱っているヴァンパイアエビルは全ての攻撃をもろにくらい続ける。ネイは距離をとり、余裕の態度で言い放つ。

 

「終わりにしましょうか」

「貴様ァ…舐めるなァ!」

 

ネイは1度ベルトのレバーを押し込む。

《AQUARIUS》

《STAR Breαk》

 

「ふっ…!」

 

アクリスは向かって来たヴァンパイアエビルに鞭を伸ばして身体に巻き付ける。すると、水面のような物が2つ、空中へと現れる。アクリスはそのうちのひとつの中に入ると、もうひとつから出てくる。

 

「じゃあね、吸血鬼さん…」

 

アクリスが鞭の長さを短くしていくと、ヴァンパイアエビルが水面に飲み込まれる。

 

「ぐあァァァァァ!!!」

 

爆発の音と、ヴァンパイアエビルの叫び声が聞こえると、飲み込まれた水面からドサッと落ちてくる。ヴァンパイアエビルはそのまま、身体からチップが排出されることなく灰となって風に流されていった。

 

「あら、長い間アームドチップを使ってたからかしら、人間の姿に戻らなかったわね。まぁ、別にいいのだけどね。」

 

そう言って、ネイは変身を解除し、灰に埋もれたヴァンパイアアームドチップを拾うと、再び人気の無い路地を歩き始めた…。




新たに水瓶座の戦士が出てきました。これから煌達とどのように絡んでいくのか、楽しみに待ってて頂けたら嬉しいです
気になる表現(ここは良い、ここが読みにくい)などのご指摘感想にてどんどん言ってくださるとありがたいです!
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