仮面ライダーレオン   作:堕天使 かよ

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かよです。
前回の続きになります。


第七話

「「着装」」

 

 

「俺たちはエビルマスター。」

「エビルグラムを束ねる者たちってわけ♪」

 

煌と魁は動揺を隠せないでいた。それもそのはず、自分たちの知り得ない存在が目の前に現れたのだから。自分たちの様にベルトを介してアームドチップの力を扱う「星座の戦士『仮面ライダー』」、もしくは、身体に直接アームドチップを作用させる「エビルグラム」。そのどちらでもない存在が目の前に現れたことで混乱していた。

 

「お前たちはエビルグラムとは何が違うってんだよ!?」

「一言で言えばリスクの有無…か?」

「エビルグラムの様に身体が侵される心配がないってことか…!?」

「そ・う・い・う・こ・と。自分の欲のためにリスキーなことに手を出すおバカさん達とは違うってこ・と♪」

 

少女の方の言葉を煌は聞き逃さなかった。

 

「その言い方、……っ!まさかお前達が一般人にアームドチップを売りさばいていたのか!?」

「売りさばいていたとは心外だな。」

「そうそう!あたし達は欲しい?要らない?って聞いただ・け。あとは色んな人達が勝手に持ってっただけだも〜ん…」

 

まるで自分たちは何も悪いことをしていないと言った様な言い方に煌と魁は怒りを隠せなかった。

 

「勝手に持ってった…だと…?」

「ふざけんじゃねぇ!てめぇらのせいでどれだけの人が犠牲になったと思ってやがる!」

「知らんな。渡した物の使い方まではいちいち追ってないのでな。」

「自業自得ってやつじゃな〜い?」

「てめぇ…!!」

 

レオンはバットマスターの方に爪を振りかぶって攻撃を仕掛ける。バットマスターは少しも焦ることなく剣で爪を受け止める。ならば、と思い高速機動に切り替えるが、それも難なく受け流されていた。

 

「…っ!くそっ!」

「どうした?せっかく速く動けてるのに攻撃自体は単調だな。メーア、やれ。」

「おっけ〜。てりゃあ!」

「うっ…!ぐわぁ…!」

 

今まで傍観をしていただけのタイガーマスターに一撃を貰っただけだが、当たりどころが悪かったのか、変身が解除されてしまう。続いてタウレスも基本フォームに戻り、バットマスターに仕掛ける。豪快な槍裁きも簡単に受け流されていた。

 

「なんでだ!?なんで当たんねぇ!」

「どうした牡牛座の戦士?そんな程度か?…ふんっ!」

「ぐあっ…!」

 

身体に大きな一撃を貰ったタウレスも大きく吹き飛ばされ、変身が解除されてしまう。同じ2対2でもエビルマスターの方が実力では圧倒していた。

 

「……つまらんな。帰るぞ。」

「え〜。もうちょっと獅子座のお兄ちゃんと遊びたかったのに〜。」

「今の時点ではやつは我らの目的の物を持っていなかった。これ以上手の内を晒すのは悪手だ。」

「わかったよぉ…バイバイ!獅子座のお兄ちゃん!今度会う時はもう少し強くなっててね!」

「お前もだ。ついてこい。」

「え?僕も!?」

 

2人のエビルマスターはオクトパスエビルを連れて去っていった。敵がいなくなったことを確認すると、麗奈と零士は煌と魁に駆け寄る。

 

「2人とも、大丈夫?」

「「……………」」

「ちょっと、心配してるんだから少しは「お前に何が分かる!!」えっ…?」

「あ、いや……なんでもない。怒鳴って悪いな。」

 

小さい声で謝ると煌はそそくさと立ち去ってしまった。

 

「あいつは今、自分にキレてんのさ…。」

「自分に、すか?」

 

零士の肩を借りながら魁がつぶやく。その表情は、去っていく煌の背中を見つめていたが、酷く悲しいものを見ている顔だった。

 

「今はまだタイミングじゃねぇし、直接本人が踏ん切りついたら言うことだろうから詳しくはいえねぇけど…あいつは昔にアームドチップ関係で大切な人を何人も失ってる。俺や他の奴らよりもアームドチップへの恨みは何倍も強いはずだ。」

 

魁の口から語られたのは、大雑把ではあるにしても限られた人間しか知らない煌の過去。いつもみたいに棘のある言葉が帰ってくると思っていたが、実際帰ってきたのは、怒鳴り声。麗奈は思慮が足りなかった、と心の中で猛省していた。

 

「だからこそあいつはエビルグラムを倒すことに必死になってた。自分と同じような人間を生み出さないためにな。」

「そっか…。後で謝んなきゃね…。」

 

はなしをしていると、美穂が3人の元へ駆け寄ってきた。

 

「あの…!お二人共、お怪我の方、大丈夫なんですか…?その、手当しますので少し動かないでください…!」

「悪ぃな。本当なら護る側の俺たちがこんなザマになっちまってな。」

「いえ…!お2人が身を呈して護ってくださったから私はどこも怪我をしてないんです!あ、終わりました。」

「そう言って貰えると気が楽になるぜ。できることなら煌にも何か言ってやってくれないか?」

「はい…!もちろんです!」

 

美穂は控え室の方に戻って行った。煌がそこにいるという確証でもあるかのような迷いない行動だった。

 

「っと…。俺たちはあのタコ野郎を探しに行くか。」

「それは大切だけど、身体大丈夫なの?」

「エビルマスター相手はしんどいだろうが、タコ野郎一体ならなんてことねぇよ。」

「そう…。じゃあ、行きましょ。」

 

少し沈んでいる麗奈を見かねた魁は背中をバシッと強めに叩いた。

 

「ひゃっ…ちょ、ちょっと…!」

「あいつが戻ってきた時にあんたが沈んでちゃ不味いだろ?」

「……!そうね、ありがと!」

 

3人はオクトパスエビルを探しに街へ出た。

 

 

 

***

 

 

 

「勢いよく来ちゃったけど、どこにいるんだろう…」

 

美穂はどこに行くべきか迷っていた。控え室で自分に決心させてくれた彼を元気づけようとしたのだが、そもそもどこいったかのアテは全くなかったので、困っていた。

 

「ど、どうしよ「お嬢さん」え?」

 

声のする方に振り向いてみると、そこに居たのはメガネをかけていて、髪は肩までかかっている青年。

 

「困ってるようだけど、どうしたの?」

「えっと、人を探してるんですけど、その人がどこにいるかわからなくて…あはは…」

「お嬢さんが探してる人は多分屋上の方にいると思うよ?あ、そうだ。ついでと言っちゃあなんだけど、その人にこれ、渡してくれない?」

「え、これって…?」

 

そう言って青年が美穂に渡したのは1つのアームドチップだった。見知らぬ青年が手渡してきたことに困惑し彼の方に視線を向けると…。

 

「あれ…?いない…?」

先程まで話していたはずのかれの姿はどこにも見当たらなかった。

 

「と、とりあえず…!屋上、行かなくちゃ…!」

 

 

 

***

 

 

 

「………」

 

その場には風が吹く音しかしていなかった。ふと、背後に気配を感じ素早く振り返る。

 

「っ……!君か…」

 

煌は美穂だったことに安堵すると同時に疑問を持った。

 

「どうしてここに?」

「えっと…手当をさせて頂こうと思って…」

「お願い…しようかな」

 

そう言って煌は近くにあったベンチに座る。手当を受けながら、煌は小さな声で呟き始めた。

 

「護るって言いながら、こんなにボロボロになってて情けないな。」

「もう一人の方もそう言ってましたよ?そんなに気にしないでください。」

 

再び二人の間に沈黙が訪れる。今度は美穂の方から口を開く。

 

「私は、あなたがどんな想いなのか、とかそんなことは全然わからないです。でも、ちょっとだけ怖くなって迷ってた私を『護ってやる』って励ましてくれたのは他でもないあなたです。そんなことを言える人が弱いはずがありません!」

「……!はは…ったく、情けないな。」

 

煌からは元気が感じられるようになった気がした。

 

「悪いな、色々とやってもらって。だが、おかげで迷いが晴れた。」

「それなら良かったです…!あ、これ…メガネをかけて人があなたに渡してくれって。」

「あいつ、戻ってきてたのか。悪いな、助かった。じゃ「見つけたよ…!」っ!?」

 

そこに現れたのはオクトパスエビルだった。

 

「下がってろ…。変身…!」

 

《CROSS UP》

《LEO〜!》

すぐさま変身し、オクトパスエビルへと切りかかる。だが、先程戦った時とは違いオクトパスエビルの攻撃に使われる脚が硬質化していることに気づき、戦いながら質問する。

 

「お前、あいつらに何された?」

「強くしてもらっただけだよ…!おりゃっ!」

「ぐあっ…!さっき貰ったこいつ、早速使わせて貰うか。」

 

煌はアームドチップを起動する。

《SCUTUM》

新たに起動したのは『たて座』のアームドチップ。スロットにセットし、レバーを押し込む。

《CROSS UP》

《Addition of Armor》《SCUTUM!》

新たなフォーム、レオン・スキュータム。おおかみ座やくじら座のアームドチップとは違って見た目が変わる訳ではなく、レオンの左半身に分厚い装甲、腕には盾が装備されていた。

 

「ふん。姿が変わったくらいでなんだってんだ!」

 

オクトパスエビルは脚を伸ばして攻撃をを仕掛けるが、かざされた盾に攻撃があたると、ただカキンっ!と金属同士のぶつかる音がしただけだった。

 

「っ!?」

「そんな攻撃が聞くかよ…!」

 

レオンは剣でオクトパスエビルを切り裂く。硬質化したことで強くなれたと勘違いしきっていたのか、オロオロし始める。

 

「お前に星の裁きを下す…!」

 

レオンはレバーを1回押し込む。

《SCUTUM》

《STAR Break》

 

「はあっ…!」

 

盾による殴打と剣による斬撃の連撃。食らったオクトパスエビルは爆発した。

 

「なんで…僕の愛が…」

「恋ってのは、互いが互いを想いあって初めて成り立つもんなんだよ。バーカ…。」

 

煌は変身を解除した途端その場にへたり込む。そこに、美穂が駆け寄り、少しあとに、街へ言っていた3人もやってきた。

 

「煌、その姿って…」

「あぁ…。あいつも戻って来たっぽいな。」

「何が『戻ってきたっぽいな。』よ、このバカ!」

麗奈は煌の背中を叩く。

「痛てぇ!お前な、こっちは怪我人なんだから少しは優しくしろよ!ったく…心配してたのか…?」

「…っ!と、当然、いつも偉そうな態度でササッとエビルグラムを倒してた人が1回負けて落ち込んでんだから、心配位するに決まってるでしょ…!///」

「何ニヤニヤしてんだ。気持ちの悪い。」

「うるさいわよ!このバカ!!」

 

もう一度麗奈は煌の背中を叩く。

 

「痛てぇって言ってんだろうが…!!」

 

煌の悲痛な叫びと他の人の笑い声が屋上に響いていた。

 

 

 

***

 

 

 

「あ〜ぁ、せっかく強くしてあげたのに…最初より簡単にやられちゃってる〜」

 

メーアは頬を膨らませながら言う。

 

「改造に耐えるだけの執念には目を見張るものがあったが…あの程度の低俗な輩では能力を上手く扱いきれんか…」

 

ギルの方は呆れたふうに言う。そんな2人の元に1つの影が近づく。

 

「何者だ?」

「君たちだよね?一般人にアームドチップをばらまいてるのは」

「その姿……お前は天秤座の戦士か。」

「無視は肯定と捉えさせてもらうよ?」

 

天秤座の戦士は2丁の銃を構え、ギルとメーアに対峙する。

 

「ふん。メーア、闘るだけ無駄だ。引くぞ。」

「え〜、わかったよぉ…。えーい!」

 

メーアは銃を地面に撃ち、牽制した。

 

「っ…!逃げられちゃったか。」

 

天秤座の戦士はスロットからアームドチップを抜き取り、変身を解除する。

 

「ま、良いか。当初の目的は果たせたし、新しく、鎧も3つ、見つかったしね…」

 

そう呟いた青年の手に握られていたのは水色と紫色、白銀色のアームドチップだった……。




なんか、グダグダになっちゃったかもしれません。
では、また次の話で((ヾ( •__•。)
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