けいおん`S   作:naogran

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春の季節が去り、梅雨の季節がやって来た。

憂「お姉ちゃん?そろそろ起きないと・・・ん?またギー太と・・・」

何時ものように姉を起こしに来た憂。

唯「ん・・・?憂・・・?あれ・・・?何か腕が痺れて・・・」

憂「また練習している内に寝ちゃったの?」

唯「あぁ〜・・・えへへ。ギー太〜。おはよーーー!チュチュー!」

愛しのギー太にキスして、そのまま二度寝してしまった。

憂「あ!お姉ちゃん二度寝ダメーーー!!」


#20「梅雨!」

制服に着替えた。

 

唯「今日は雨かぁ。」

 

憂「梅雨入りしたって。」

 

唯「道理でよく降るはずだ。」

 

 

 

 

傘を持って外へ出た。

 

唯「うわぁ〜。ギー太が濡れないようにしないとなぁ・・・憂。ちょっとカバン持っててくれる?」

 

憂「うん。」

 

唯「悪いね。」

 

スクールカバンを憂に預けて、ギー太を抱いてから傘を開く。

 

唯「よし!」

 

憂「相合傘だね。」

 

唯「本当だねぇ。あ、カバンありがとう。」

 

憂「はい。」

 

カバンを唯に返し、憂も傘を開く。

 

唯「よし。行くかぁ。」

 

2人が学校へ向かう。

 

唯「前が見辛い・・・」

 

憂「大丈夫?」

 

唯「大丈夫・・・」

 

 

 

 

 

 

一方陸は、唯達よりも先に学校に到着していた。

 

陸「梅雨は大変だなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

そして唯と憂は横断歩道で信号待ちしている。

 

唯「本当、梅雨は嫌だねぇ・・・」

 

憂「お姉ちゃんの方が濡れてるよ?」

 

ギー太を抱えてるお陰で左肩が濡れてしまってる。憂がハンカチで濡れた左肩を拭いてあげた。

 

 

 

 

横断歩道を通って歩道を歩く。

 

”バシャーーン!”

 

唯「うわああーー!!」

 

横に小学生が走り、その小学生の踏んだ水溜りが唯に直撃した。

 

唯「・・・ん?」

 

今度は白い犬が飼い主と散歩して、犬が唯を見て立ち止まった。

 

唯「よ〜しよしよ・・・」

 

”ブルブルブルブル!!”

 

しかし犬が体を振って水を吹き飛ばした。唯が水浸しになった。

 

飼い主「ご、ごめんなさい!!」

 

憂「お姉ちゃん!?」

 

更に車が水溜りを弾いた。その水が唯をずぶ濡れにしてしまった。

 

憂「お姉ちゃん!!」

 

唯「大丈夫・・・ギー太は無事ですから・・・」

 

自分の事よりもギー太を優先する。

 

唯「さ。行くよ憂〜。」

 

憂「お姉ちゃん・・・」

 

”ツルッ”

 

しかし唯が歩き出した瞬間、足を滑らせて尻餅付いてしまった。

 

憂「お姉ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

桜が丘高等学校・3年2組。

 

澪「雨ばっかりだなぁ。」

 

駿「梅雨だからな。」

 

律「本当。梅雨はやんなっちゃうわねぇ・・・」

 

豊「全くだ。梅雨は嫌いだ。」

 

澪「雨って傘差しててもさ、どうしても濡れちゃうよな。」

 

陸「分かる分かる。俺も少しズボン濡れちゃったし。」

 

澪「だよな。ん?何やってんだ?ムギ。」

 

駿「髪の毛が気になるのか?」

 

鏡で自分の髪を気にする紬。

 

紬「うん。ちょっと・・・」

 

するとそこに。

 

唯「皆おはよ〜。」

 

澪「あぁ唯!」

 

律・澪「おは・・・って!濡れ過ぎ!」

 

陸・駿・豊「ずぶ濡れ!!」

 

ずぶ濡れ唯がやっと登校。

 

唯「えへへ・・・」

 

陸「どうしたんだお前?そんなに濡れて。」

 

唯「憂がハンカチで拭いてくれたんだけど・・・」

 

豊「憂ちゃん優しいなぁ。」

 

紬「あ!私タオル持って来た!」

 

澪「用意良いなムギ。」

 

唯「ありがと〜ムギちゃん!」

 

教室の後ろにギー太を置いた。

 

唯「ここで大人しくしてるんだよ〜。」

 

クラスメート「愛してるね。彼氏みたい。」

 

唯「え?いやぁ〜それ程でも〜。」

 

クラスメート「お幸せに。」

 

 

 

 

タオルを出した紬が唯の髪を拭いてあげる。

 

紬「痒い所はございますか〜?」

 

唯「ありませ〜ん。って、それは違うよ〜。」

 

律「何だいきなりのそのノリは?」

 

紬「美容師さんごっこ〜。」

 

律「アンタも好きね〜。っで?唯は何があったんだ?」

 

豊「こけたか?もしくは水溜り攻撃を食らったのか?」

 

唯「ん?違うよ!ギー太が濡れないようにしてたらこうなっちゃんだよね!」

 

陸「さいですか。」

 

唯「何でだろう?」

 

澪「ビニール巻いて来れば良いのに。」

 

駿「俺は専用のレインコート使ってるぞ?」

 

唯「本当だね!澪ちゃん駿君頭良い!」

 

澪・駿「いや、普通思い付くだろ・・・」

 

紬「髪は乾いたけど・・・」

 

”ビヨーン!”

 

唯「わあ!ボサボサ!朝やっとの思いでセットして来たのに!」

 

律「梅雨は湿気が多いから大変だよなぁ。私も朝こんなになってる。」

 

紬「私も梅雨は毎朝、鏡の前で格闘してるわ。」

 

唯「え?ムギちゃんもなの?」

 

澪「だからさっき髪の毛気にしてたのか。」

 

陸「女子って大変なんだな。」

 

唯「私達、癖毛仲間だね!」

 

紬「うん!」

 

サラサラな髪と、ボサボサな髪。

 

澪(同じ癖毛でもこの差は何だ・・・?)

 

陸(やっぱ女子って大変なんだな・・・)

 

唯「えーーーっきし!!!」

 

突然唯がくしゃみした。

 

紬「大変服乾かさないと風邪引いちゃうわ!」

 

律「部室で干すか。」

 

陸「早く行って来い。俺達待ってるから。」

 

 

 

 

 

 

部室で制服を乾かす事にした。

 

唯「ごめんね?付き合わせて。うわぁ〜・・・上履きもぐっしょりになっちゃった・・・よいしょっと。タイツもだ・・・」

 

そこに紬がお湯の入ったヤカンとバケツを持って来た。

 

紬「お湯貰って来た〜。」

 

唯「え?朝からお茶?」

 

お湯をバケツに注いだ。

 

唯「バケツで飲むの?」

 

紬「じゃなくて。足あっためて?」

 

唯「ムギちゃんありがとう。じゃ失礼して。」

 

お湯に足を入れた。

 

唯「はぁ〜〜・・・あ〜〜・・・あったかい〜。」

 

律が唯の頭にタオルを乗せた。

 

唯「はぁ・・・極楽極楽♪」

 

完全に足湯気分。

 

唯「あぁ。もう授業に出たくないよ。」

 

澪「そんな訳にはいかないだろ!」

 

唯「あ!怒られた・・・」

 

紬「唯ちゃん。あったまったら服脱いで?干すから。」

 

唯「あ〜い。」

 

あったまった唯がベストを脱ぐ。

 

唯「そいっ!!」

 

紬「おかえりなさ〜い!」

 

唯「おう!今帰ったぞ!」

 

紬「は〜い。」

 

唯「えーーっきし!!」

 

律「いいから早く着替えろよ!!」

 

 

 

 

濡れた唯の制服を干してる間、唯がギー太を裏向きにした。

 

紬「唯ちゃん。服掛けておいたから。」

 

澪「何やってんだ?」

 

唯「え?」

 

黒フードの唯がこっちを見た。

 

澪「怖っ!!」

 

唯「ギー太にこんな格好を見られるの恥ずかしい〜・・・」

 

律「はいはい。」

 

唯「あしらわれた・・・」

 

律「って言うか、着替えどうする?」

 

澪「今日体育ないからジャージないし・・・」

 

紬「そうね・・・」

 

律「ん〜・・・あ!!」

 

 

 

 

物置から衣装を出した。

 

律「さわちゃんお手製の服があるじゃん!軽音部負の遺産!!」

 

澪「あぁ・・・そっか・・・」

 

唯「ふんす!」

 

律・澪・紬「ん?」

 

唯「イエ〜イ!」

 

何故か豚の着ぐるみ。

 

澪「って!何でお前はそれを選ぶ!」

 

唯「へ?」

 

律「っつか何処に隠してたんだよ・・・さわちゃんに返したのに・・・」

 

唯「これは残しといたんだよ!」

 

するとそこに和が来た。

 

和「あ。唯やっぱりここだった。早く。HR始まるわよ?皆も。」

 

律「何で唯だって分かるんだよ・・・?」

 

和「え?雰囲気で何となく・・・」

 

唯「凄いね和ちゃん!」

 

和「それしかないの?着替え。」

 

唯「他にもあるけど。」

 

ある衣装に着替えた。

 

 

 

 

 

 

3年2組。

 

さわ子「皆おはよう。出欠を取るわね。ん?平沢さん?その格好は何かしら・・・?」

 

メイド服の唯。

 

唯「制服が濡れちゃったから代わりに着ました!」

 

さわ子「で、でも!流石に学校でそんな変な格好は・・・!」

 

律「な〜に言ってんのさ。その服作ったのさわちゃ・・・」

 

さわ子(服!!)

 

律「なっ・・・!!」

 

獣のような眼光で律が黙ってしまった。

 

さわ子「他の服はないの?」

 

唯「えっと・・・」

 

そこに和が戻って来た。

 

和「遅れてすみません!」

 

彼女の手にはジャージがあった。

 

和「他所のクラスの子から借りて来たから。」

 

唯「えぇ〜?」

 

和「どうしたの?」

 

唯「折角だからもっと違う服が着たい。」

 

さわ子「いいから着替えなさい!!」

 

唯「はいぃ!!」

 

 

 

 

 

 

その日の昼休みの部室。

 

梓「・・・」

 

憂「梓ちゃ〜ん!忘れ物あった〜?」

 

皐「梓?何見てるの?」

 

憂・純「あ!」

 

皐「これって・・・!」

 

部室に唯の制服が干されてた。

 

純「何これ?」

 

梓「さぁ・・・?」

 

皐「誰のだろう?」

 

梓「分かんない・・・」

 

憂(あ!お姉ちゃんのタイツだ!)

 

椅子の下に唯のタイツを発見。

 

梓「本当に誰!?ここにこんなもの干すなんて!」

 

皐「ただの制服だけど?」

 

憂(言えない・・・!!)

 

 

 

 

 

 

翌日の家庭科室。

 

唯「ん〜・・・」

 

乾いた制服をアイロンを掛けている。

 

唯「上手く折りが付かない・・・」

 

するとアイロンが唯の指に当たった。

 

唯「あちっ!」

 

澪「うわっ!」

 

紬「唯ちゃん!私がやるわ!」

 

唯「本当に・・・?お願い・・・」

 

紬に代わって貰った。

 

澪「ムギ上手いな。」

 

唯「申し訳ないね。」

 

律「唯。」

 

唯「はい?」

 

律「ボタン取れ掛けてたぞ?」

 

唯「もしかして付けてくれたの!?」

 

律「うん。ほい。」

 

唯「ありがとー!」

 

澪「チマチマした事苦手なのに、ボタン付けは早いんだよな。律。」

 

律「ほっとけ!」

 

唯「勿体無くて着れない〜。」

 

律「いやぁ〜。」

 

すぐに制服に着替えた。

 

 

 

 

家庭科室から出た。

 

律「唯。良いのか?それで。」

 

スカートの下にジャージのズボンを履いたまま。

 

唯「座ってたら分かんないよ。」

 

律「女子としてどうなのかって事だよ!」

 

唯「りっちゃんだってよくやってんじゃん!」

 

律「ですわよね〜。」

 

さわ子「何やってるの?」

 

唯「あ。さわちゃん。」

 

さわ子「ジャージは脱ぎなさいね?」

 

唯「えぇ〜?」

 

さわ子「田井中さんも裾中に入れて?」

 

律「なんと!!」

 

唯「何時も怒らないのにぃ!」

 

律「今日に限ってどうしたんだよぉ!」

 

その理由は、近くに理科教員が居るからである。

 

さわ子「ホラ!平沢さん!田井中さん!」

 

唯「むぅ・・・」

 

律「分かったよ。」

 

さわ子「あ!お疲れ様でーす!」

 

理科教員「はいお疲れ様。あなたも大変ね。」

 

さわ子「いえ。ご心配なく。」

 

理科教員「心配なんかしてませんよ。」

 

さわ子「平沢さんも早く!」

 

唯「この方が良いのに!」

 

さわ子「ダメなものはダメ!」

 

唯「スカート捲れても平気だし。転んでも・・・」

 

さわ子「いいから脱ぎなさい!」

 

ジャージに触った瞬間。

 

唯「いやぁ〜ん!さわちゃん止めて〜!」

 

さわ子「・・・ち、ちょっと!襲ってるみたいじゃない!!」

 

廊下に居る生徒達がこっちを見てる。

 

 

 

 

 

 

その後の教室。唯は何時ものタイツを履いてる。

 

クラスメート「あ。制服だ。」

 

クラスメート「本当だ。何かつまんないね。」

 

クラスメート「だね。」

 

唯「皆期待してるのに・・・」

 

和「別に期待に応えなくて良いの。」

 

陸「お前は皆の見世物か。」

 

澪「しっかし、まだ雨か。」

 

律「また濡れるなぁ。」

 

澪「そうだな。」

 

駿「全くだ。」

 

唯(帰りもギー太を護らなきゃ!!)

 

 

 

 

 

 

放課後の部室。

 

梓「へぇ〜。朝そんな事があったんですか。」

 

皐「あれ唯ちゃんの制服だったんだ。」

 

澪「梓は大丈夫だったのか?」

 

梓「はい。私はギターケース用のレインコート使っていますから。」

 

唯「え!そんなのがあるんだ!」

 

駿「あれってネットで買ったのか?」

 

梓「はい!結構便利ですよ?」

 

スクールカバンから色々出した。

 

梓「3000円するのが198で、おまけにギター用の乾燥剤が付いて来たんです。それから、これもネットで買ったんですけど。ホラ。壁にくっ付くギターハンガー。肉球の形をしてるんです。」

 

皐「あ!可愛い!」

 

梓「これが指が大きく開くようになる強化グッズで。他にはですね、寝ている間にリズム感が養えるCDなんて物があるんです。」

 

陸「結構あるんだな。」

 

澪「梓・・・」

 

梓「はい?」

 

澪「それ、皆役に立ったのか?」

 

梓「え?・・・・」

 

豊(あ。ちょっと目が動揺してる。)

 

梓「あ!部室に制服干している理由がやっと分かりました!純が・・・」

 

 

 

 

 

 

純『これ、何かのお呪いかも。』

 

梓・皐・憂『え!?』

 

純『誰かを恨んでて、呪いを掛けるとか。』

 

梓『そんな・・・!』

 

純『だって、わざわざ音楽準備室に干すなんて・・・一体誰が・・・』

 

 

 

 

 

 

梓「あんな事言うから。」

 

唯「憂。言い出せなかったんだね・・・」

 

梓「でも見直しました!体を張ってギターを護るなんて!」

 

皐「唯ちゃんはギー太の頼もしい彼女さんだね!」

 

唯「えへへ〜。もっと褒めて〜。」

 

陸「調子に乗んな。」

 

梓「でも気を付けないと。ギター濡れたまま放置するとフィンガーボードにカビ生えてたりしますよ?」

 

澪「ヒッ!?」

 

陸「あぁ〜あれか。結構大変なんだよなぁ。」

 

律「へぇ〜。そうなんだ。ケースを開けたらカビだらけ。」

 

澪「ヒィィィ!!」

 

駿「またトラウマが増えたな・・・」

 

 

 

 

早速ギー太を見てみる。

 

唯「まさか、ギー太が変わり果てた姿になっているはずは・・・」

 

陸「カビじゃないけど、弦に少しサビが付いてるな。」

 

唯「弦張り替えた方が良いかな?」

 

陸「唯。最後に弦張り替えたのは何時だ?」

 

唯「2ヶ月前。」

 

陸「んじゃ替えた方が良いぞ。」

 

梓「新しい弦ありますか?」

 

唯「うん。」

 

 

 

 

新しい弦を用意し、床に座ってギー太を横にする。

 

唯「ふんっ・・・!!」

 

恐る恐るニッパーをギー太の弦に近付ける。

 

唯「来るな・・・!ギー太・・・!」

 

”プツン!”

 

唯「わああぁぁぁぁ!!」

 

”ポテン”

 

切った反動で弦が飛び、唯の頬に軽くアタック。

 

唯「私に攻撃するとは!」

 

梓「だからペグ緩めてから切って下さいよ。」

 

陸「そのまま切ったら勢いよく飛び出すぞ?」

 

唯「はっ!そうだった!ギー太〜。今新しい弦に替えてあげるからね〜。」

 

駿「母性溢れる彼女さんかお前。」

 

梓「大切にするのは良いんですけど、いちいちそんなに楽しそうに話し掛けなくても・・・」

 

唯「ん?」

 

梓「ん?」

 

唯「・・・あずにゃんやきもち〜。」

 

梓「へっ!?」

 

律「三角関係か。」

 

梓「律先輩まで!!」

 

澪「トライアングル・ラブ!そう言う歌詞も切なくて良いかも!」

 

梓「澪先輩もですか!?」

 

皐「巡り会う修羅場!戦いを制するのは誰なんだろう!」

 

梓「何で皐まで!?」

 

唯「もうあずにゃんったら〜。早く言ってくれれば良いのに〜。」

 

梓「なああーーー!?」

 

 

 

 

その後ギー太の弦を張り替えた。

 

唯「ふぅ・・・やっと弦替えられた・・・」

 

梓「これで燃え尽きてどうするんですか。」

 

陸「俺でも疲れないぞ?」

 

澪「ホラ。練習するぞ。雨も止んでるし良い気分・・・」

 

唯「え!?本当!?よし帰ろう!今の内だ!」

 

梓「練習するんじゃ!?」

 

駿「晴れたからって帰るんかい!」

 

唯「ギー太が濡れちゃうよ!」

 

梓「またギー太ギー太って・・・」

 

唯「あずにゃんはあずにゃんで、大事に思ってるからね!」

 

梓「ヒッ!?」

 

豊「お前は梓の彼氏さんか。」

 

 

 

 

 

 

梅雨が続く休日。平沢家に陸と梢が遊びに来てる。

 

憂「ジメジメするなぁ・・・ん?一昨日のお姉ちゃんの食べ掛け・・・」

 

一昨日に唯が食べ掛けた饅頭があった。だがその饅頭には。

 

憂「カビ・・・!!」

 

 

 

 

リビングで唯と陸がギターの練習をしている。

 

憂「お姉ちゃん。りっくん。梢ちゃん。お茶入ったよ。あ!!」

 

だが唯の口の周りに緑色の何かが付着していた。

 

憂「お姉ちゃんにカビが!!あのお饅頭食べちゃったの!?」

 

唯「え?食べてないよ?」

 

憂「でも口の周りが・・・」

 

唯「青のりまだ付いてるの?」

 

憂「あ。お昼たこ焼き食べたんだっけ。」

 

梢「もう早く拭きなさい。」

 

カビではなくたこ焼きの青のりだった。梢がティッシュで唯の口を拭いてあげた。

 

陸「やっぱ梅雨はやる気失せるなぁ。」

 

梢「本当。晴れだったら何処か外出してたのにね。」

 

憂「うん。早く梅雨明けないかなぁ・・・」

 

唯「雨の日も良いよね〜。こうやって1日中、一緒にのんびり出来るし。」

 

憂「良いなぁ〜。ギター始めて、お姉ちゃん何時も幸せそう。」

 

唯「・・・でもね。」

 

憂「ん?」

 

唯「上手く弾けるかなってドキドキしたり。あんまり下手で、ギー太に申し訳ないな〜って心配になったりもするよ?だけどね。どんな時も、ずっと一緒に楽しく過ごせたら良いな〜。よいしょ。りっくん。」

 

陸「うん。」

 

2人がギターをゆっくり弾く。

 

唯・陸「あめあめ ふれふれ かあさんが♪」

 

憂・梢「じゃのめで おむかえ うれしいな♪」

 

唯・陸・憂・梢「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」

 

 

 

 

律は部屋で本を読んでる。

 

澪は部屋で歌詞を考えてる。

 

紬はバス停で待っている。

 

梓はリビングでギターの調整をしている。

 

駿と皐はリビングでゲームをしている。

 

豊は部屋で動画の編集をしている。

 

 

 

 

唯・陸・憂・梢「あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかえ うれしいな ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

憂「今日も雨だね・・・」

 

唯「今日は大丈夫!ジャーン!」

 

ギターケースをビニールで防御。

 

憂「バッチリだね!」

 

唯「でしょ〜?」

 

 

 

 

 

 

しかし放課後。

 

唯「ううぅぅ・・・中々外れないよ・・・」

 

ガムテープの貼り過ぎで外れない。

 

澪「やり過ぎだ。」

 

 

 

 

やっとギー太を出せた。

 

唯「ふぅ・・・やっと取れた・・・」

 

陸「お疲れさん。」

 

梓「日本の気候は楽器にあまり優しくないですよね。」

 

澪「そうだな。」

 

駿「分かる分かる。」

 

梓「ネックが水分吸うと、曲がっちゃって音が狂ったりするんですよ?」

 

陸「あるあるそれ。タンバリンも湿気でベコベコになるし。」

 

唯「そうなんだ。」

 

梓「オクターブチューニングしてみると、よく分かりますよ?ほら。こうやって。」

 

”チョーーーン”

 

唯「へぇ〜!確かめてみよう!」

 

梓「へ?」

 

”チョ〜〜〜ン”

 

唯「わ!本当だ!半音の半分の半分位ズレてるよ!」

 

澪・梓・陸・駿「え!?」

 

梓「チューナー使わずに分かるんですか!?」

 

唯「うん。」

 

陸「ちょっと確かめさせてくれ。梓。」

 

梓「はい。」

 

チューナーを使って音を確かめる。

 

梓「本当だ!唯先輩の言った通り8分の8音だけズレてる!」

 

駿「絶対音感!」

 

唯「それじゃあ直して下さい!」

 

澪「自分で直せよ・・・」

 

陸「お前のギー太だろ?」

 

唯「私がやると時間掛かるんだもん。」

 

梓「もう!教えたじゃないですか!」

 

陸「それを忘れるとは。絶対鈍感だな。」

 

駿「上手いな。」

 

唯「えへへ〜。」

 

駿「褒めてねえよ。」

 

梓「今回だけですよ?」

 

唯「ありがと〜。あずにゃん。」

 

 

 

 

その後も雨は止まない。

 

律「雨止まねぇなぁ。」

 

梓「そうですね・・・」

 

澪「風も強くなって来たし。」

 

紬「明日も雨だって天気予報で言ってたわ。」

 

皐「梅雨って何時まで続くんだろう?」

 

駿「さぁな。」

 

澪「今日はベース部室に置いて帰るか。」

 

陸「なら俺も置くか。専用のビニールにちょっと穴開いてるし。」

 

駿「その方が良いかもな。俺も帰って新しいレインコート買わなきゃ。」

 

3人がベースとギターを置いて帰る事に。

 

唯「非道いよ澪ちゃん!りっくん!駿君!」

 

澪「うわああ!!」

 

陸・駿「何だ!?」

 

澪「何が!?」

 

唯「可哀想にエリザベス・・・ステラ・・・フローラ・・・君達は捨てられちゃうんだよ・・・」

 

澪「雨に濡れるのが嫌で置いとくだけだ!!後勝手に名前付けるな!」

 

陸「ステラって俺のギターか!!」

 

駿「俺のベースをフローラって名付けるな!!」

 

豊「3人の楽器に名前を付ける唯のセンスって・・・」

 

律「唯もギター置いてけば?」

 

梓「その方が良いですよ。巻いて来たビニールあんなだし・・・」

 

無残なビニールの山。

 

唯「そうだよね・・・」

 

ギー太を置いて帰る事にする。

 

唯「知らない人に声掛けられでも、付いて行ったらダメだよ?」

 

澪「何言ってんだ・・・?」

 

唯「エリザベス〜。ステラ〜。フローラ〜。今夜はギー太と一夜を共にするんだ〜。」

 

澪「だから名前付けるな!!」

 

陸「一夜を共にって、ギー太はハーレムか!!」

 

梓(ベースだからエリザベスなのか。陸先輩はストラクチャーだからステラ。駿先輩はフェンダーだからフローラなのか。それじゃあ、私のはムスタングだから・・・むったん。」

 

紬「ピッタリな名前だと思う!」

 

梓「ヒッ!?ひ、人の心の中を読まないで下さい!!」

 

紬「梓ちゃん、声に出してたよ?」

 

梓「え!?」

 

皐「むったんとか可愛いなぁ〜。」

 

梓「もう皐!!」

 

 

 

 

 

 

下校。

 

律「うわぁ〜・・・超雨降ってるし・・・」

 

梓「靴の中まで濡れますね。」

 

澪「やっぱり置いて来て正解だったな。」

 

陸「早く帰って着替えたい。」

 

 

 

 

横断歩道。

 

唯「それじゃあ皆〜また明日ね〜。」

 

陸「じゃあな〜。」

 

梓「失礼します。」

 

紬「じゃあね〜。」

 

澪「あぁ。」

 

律「気を付けてな〜。」

 

皐「また明日!」

 

駿「転ぶなよ〜。」

 

豊「水溜りには気を付けろな〜。」

 

唯「ギー太・・・心配だよ・・・」

 

ギー太ロスで唯がフラフラ歩く。

 

陸「おい唯!」

 

紬「唯ちゃん!」

 

梓「唯先輩!」

 

律「ギター持ってなくても結局濡れるんじゃん。」

 

豊「ギー太ロスの兆候か。」

 

澪「何だかんだで、ギターの事を大事にしているからな。唯は。」

 

律「大事にしている・・・のベクトルが違うけどな。」

 

澪「1日置いとくだけなのに大袈裟だよな。」

 

駿「だな。」

 

律「あらぁ〜澪さん?そんな事言って良いのかしら〜?」

 

澪「え?」

 

律「初めてベースに傷が付いた時、私達に泣き付いて来たの忘れたのか?」

 

 

 

 

 

 

初めてベースに傷が付いた時。

 

澪『律!駿!豊!』

 

律『何処だよ・・・』

 

駿『傷の箇所は・・・?』

 

澪『・・・ここ・・・』

 

ボディの端っこ。

 

豊『そこかよ!!』

 

 

 

 

 

 

律「って。オホホホホ〜。」

 

澪「わーわーわー!!」

 

駿「何か可愛かったな。あの頃の澪。」

 

豊「うんうん。」

 

皐「ねぇ!その話聞かせて!」

 

澪「皐は聞かなくて良いから!!」

 

 

 

 

 

 

その夜の平沢家。

 

憂「ん〜〜・・・!!やっと宿題終わった〜〜・・・」

 

宿題を終えた憂が背伸びをしていると。

 

”ガリガリガリガリ”

 

憂「え!?な、何・・・!?この音・・・」

 

突然奇妙な音が憂の耳に入った。

 

憂「まさか・・・泥棒・・・!?」

 

恐怖を感じた憂が急いで唯の部屋へ。

 

憂「お姉ちゃん!!」

 

 

 

 

唯の部屋。

 

憂「お姉ちゃん!!何か変な音が・・・え?」

 

”ガリガリガリガリ”

 

唯「・・・・」

 

音の正体は、唯が壁を猫のように引っ掻く音だった。

 

憂「何やってるの・・・?」

 

唯「ういぃ・・・・」

 

泣きながら憂を見る。

 

憂「どうしたの!?」

 

唯「う〜い〜・・・」

 

憂「お姉ちゃん大丈夫!?」

 

泣きながら憂に抱き付いた。

 

唯「学校に置いて来たギー太が心配で眠れないよーー!!」

 

憂「お姉ちゃん・・・」

 

戸惑ったが、すぐ笑顔になった。

 

憂(そう言えば、ギター買ってから毎日練習して、毎日ギー太と一緒だったもんね。)

 

”ザーーーーーー!!!”

 

唯「ハッ!!もう我慢出来ない!!取りに帰る!!」

 

部屋の窓を開けようと必死になった。

 

憂「お姉ちゃん!ここ2階!雨降ってる!!パジャマのまま!!!」

 

ツッコミ3連コンボ炸裂。

 

 

 

 

 

 

翌朝。今日も雨が降ってる。

 

律「1日手元に無かっただけなのに、満面の笑みだな。」

 

唯「あ〜〜〜。」

 

やっとギー太が手元に戻って来た。

 

さわ子「そんなにそのギターが大切なのね?」

 

唯「はい!」

 

さわ子「それは分かったけど・・・HR中は仕舞ってくれる?」

 

唯「お構いなく〜。」

 

さわ子「構います!」

 

澪・陸・駿「・・・・」

 

 

 

 

 

 

昼休み。澪と陸と駿の3人が部室へ駆け込む。

 

澪「はぁ・・・はぁ・・・」

 

部室へ入ると、3人の楽器があった。

 

澪「あった・・・唯が心配するから私も不安になっちゃったじゃないか。」

 

陸「全く唯の奴は。」

 

駿「本当にな。」

 

 

 

 

律『ケースを開けたらカビだらけ。』

 

 

 

 

澪「・・・」

 

陸「あ、俺も不安になった・・・」

 

駿「俺も・・・」

 

3人が急いでケースからギターとベースを開ける。

 

澪「良かった・・・!」

 

陸・駿「ホッ・・・」

 

カビは生えていなかった。3人がケースから出した。

 

澪「エリザベス・・・」

 

陸「ステラ、心配したんだぞ?」

 

駿「フローラも寂しかったか?」

 

澪・陸・駿「・・・ん?」

 

後ろを振り向くと。

 

唯・律・紬・豊「ニヤニヤ。」

 

4人がニヤニヤしながら覗いてた。

 

澪・陸・駿「ギャアアアーーーー!!!!」

 

恥ずかしい所を見られてしまった澪達であった。

 

『END』




         キャスト

       平沢唯:豊崎愛生
       秋山澪:日笠陽子
      田井中律:佐藤聡美
       琴吹紬:寿美菜子
       中野梓:竹達彩奈

       古川陸:土屋神葉
       真中駿:堀江瞬
       西原豊:深町寿成
       真中皐:小倉唯

     山中さわ子:真田アサミ
       真鍋和:藤東知夏
       平沢憂:米澤円
       鈴木純:巽悠衣子
       古川梢:平野綾

    クラスメート:中村知子
           藤田麻美

        先生:陰山真寿美




『次回予告』

澪「怖い怖い!」

唯「澪ちゃん孫の手と!」

澪「変な物まで作るな!」

律「それが2人の出会いだった。」

澪「あー!」

律「だが!この後に待ち受ける運命の事など・・・」

澪「私も・・・」

律「じゃあまず最初の質問!これまで聞いた中で1番怖かった話は?」

澪「へっ!?何て事聞くんだ!!」

唯「次の質問!2番目に怖かった話は?」

澪「ヒイィィ!?」

律「では次の質問!3番目に怖かった話は?」

和「ん?」

澪「うぅ・・・その事はもう忘れようとしていたのに・・・」

#21「お茶会!」
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