憂「お姉ちゃん?そろそろ起きないと・・・ん?またギー太と・・・」
何時ものように姉を起こしに来た憂。
唯「ん・・・?憂・・・?あれ・・・?何か腕が痺れて・・・」
憂「また練習している内に寝ちゃったの?」
唯「あぁ〜・・・えへへ。ギー太〜。おはよーーー!チュチュー!」
愛しのギー太にキスして、そのまま二度寝してしまった。
憂「あ!お姉ちゃん二度寝ダメーーー!!」
制服に着替えた。
唯「今日は雨かぁ。」
憂「梅雨入りしたって。」
唯「道理でよく降るはずだ。」
傘を持って外へ出た。
唯「うわぁ〜。ギー太が濡れないようにしないとなぁ・・・憂。ちょっとカバン持っててくれる?」
憂「うん。」
唯「悪いね。」
スクールカバンを憂に預けて、ギー太を抱いてから傘を開く。
唯「よし!」
憂「相合傘だね。」
唯「本当だねぇ。あ、カバンありがとう。」
憂「はい。」
カバンを唯に返し、憂も傘を開く。
唯「よし。行くかぁ。」
2人が学校へ向かう。
唯「前が見辛い・・・」
憂「大丈夫?」
唯「大丈夫・・・」
一方陸は、唯達よりも先に学校に到着していた。
陸「梅雨は大変だなぁ・・・」
そして唯と憂は横断歩道で信号待ちしている。
唯「本当、梅雨は嫌だねぇ・・・」
憂「お姉ちゃんの方が濡れてるよ?」
ギー太を抱えてるお陰で左肩が濡れてしまってる。憂がハンカチで濡れた左肩を拭いてあげた。
横断歩道を通って歩道を歩く。
”バシャーーン!”
唯「うわああーー!!」
横に小学生が走り、その小学生の踏んだ水溜りが唯に直撃した。
唯「・・・ん?」
今度は白い犬が飼い主と散歩して、犬が唯を見て立ち止まった。
唯「よ〜しよしよ・・・」
”ブルブルブルブル!!”
しかし犬が体を振って水を吹き飛ばした。唯が水浸しになった。
飼い主「ご、ごめんなさい!!」
憂「お姉ちゃん!?」
更に車が水溜りを弾いた。その水が唯をずぶ濡れにしてしまった。
憂「お姉ちゃん!!」
唯「大丈夫・・・ギー太は無事ですから・・・」
自分の事よりもギー太を優先する。
唯「さ。行くよ憂〜。」
憂「お姉ちゃん・・・」
”ツルッ”
しかし唯が歩き出した瞬間、足を滑らせて尻餅付いてしまった。
憂「お姉ちゃん!!」
桜が丘高等学校・3年2組。
澪「雨ばっかりだなぁ。」
駿「梅雨だからな。」
律「本当。梅雨はやんなっちゃうわねぇ・・・」
豊「全くだ。梅雨は嫌いだ。」
澪「雨って傘差しててもさ、どうしても濡れちゃうよな。」
陸「分かる分かる。俺も少しズボン濡れちゃったし。」
澪「だよな。ん?何やってんだ?ムギ。」
駿「髪の毛が気になるのか?」
鏡で自分の髪を気にする紬。
紬「うん。ちょっと・・・」
するとそこに。
唯「皆おはよ〜。」
澪「あぁ唯!」
律・澪「おは・・・って!濡れ過ぎ!」
陸・駿・豊「ずぶ濡れ!!」
ずぶ濡れ唯がやっと登校。
唯「えへへ・・・」
陸「どうしたんだお前?そんなに濡れて。」
唯「憂がハンカチで拭いてくれたんだけど・・・」
豊「憂ちゃん優しいなぁ。」
紬「あ!私タオル持って来た!」
澪「用意良いなムギ。」
唯「ありがと〜ムギちゃん!」
教室の後ろにギー太を置いた。
唯「ここで大人しくしてるんだよ〜。」
クラスメート「愛してるね。彼氏みたい。」
唯「え?いやぁ〜それ程でも〜。」
クラスメート「お幸せに。」
タオルを出した紬が唯の髪を拭いてあげる。
紬「痒い所はございますか〜?」
唯「ありませ〜ん。って、それは違うよ〜。」
律「何だいきなりのそのノリは?」
紬「美容師さんごっこ〜。」
律「アンタも好きね〜。っで?唯は何があったんだ?」
豊「こけたか?もしくは水溜り攻撃を食らったのか?」
唯「ん?違うよ!ギー太が濡れないようにしてたらこうなっちゃんだよね!」
陸「さいですか。」
唯「何でだろう?」
澪「ビニール巻いて来れば良いのに。」
駿「俺は専用のレインコート使ってるぞ?」
唯「本当だね!澪ちゃん駿君頭良い!」
澪・駿「いや、普通思い付くだろ・・・」
紬「髪は乾いたけど・・・」
”ビヨーン!”
唯「わあ!ボサボサ!朝やっとの思いでセットして来たのに!」
律「梅雨は湿気が多いから大変だよなぁ。私も朝こんなになってる。」
紬「私も梅雨は毎朝、鏡の前で格闘してるわ。」
唯「え?ムギちゃんもなの?」
澪「だからさっき髪の毛気にしてたのか。」
陸「女子って大変なんだな。」
唯「私達、癖毛仲間だね!」
紬「うん!」
サラサラな髪と、ボサボサな髪。
澪(同じ癖毛でもこの差は何だ・・・?)
陸(やっぱ女子って大変なんだな・・・)
唯「えーーーっきし!!!」
突然唯がくしゃみした。
紬「大変服乾かさないと風邪引いちゃうわ!」
律「部室で干すか。」
陸「早く行って来い。俺達待ってるから。」
部室で制服を乾かす事にした。
唯「ごめんね?付き合わせて。うわぁ〜・・・上履きもぐっしょりになっちゃった・・・よいしょっと。タイツもだ・・・」
そこに紬がお湯の入ったヤカンとバケツを持って来た。
紬「お湯貰って来た〜。」
唯「え?朝からお茶?」
お湯をバケツに注いだ。
唯「バケツで飲むの?」
紬「じゃなくて。足あっためて?」
唯「ムギちゃんありがとう。じゃ失礼して。」
お湯に足を入れた。
唯「はぁ〜〜・・・あ〜〜・・・あったかい〜。」
律が唯の頭にタオルを乗せた。
唯「はぁ・・・極楽極楽♪」
完全に足湯気分。
唯「あぁ。もう授業に出たくないよ。」
澪「そんな訳にはいかないだろ!」
唯「あ!怒られた・・・」
紬「唯ちゃん。あったまったら服脱いで?干すから。」
唯「あ〜い。」
あったまった唯がベストを脱ぐ。
唯「そいっ!!」
紬「おかえりなさ〜い!」
唯「おう!今帰ったぞ!」
紬「は〜い。」
唯「えーーっきし!!」
律「いいから早く着替えろよ!!」
濡れた唯の制服を干してる間、唯がギー太を裏向きにした。
紬「唯ちゃん。服掛けておいたから。」
澪「何やってんだ?」
唯「え?」
黒フードの唯がこっちを見た。
澪「怖っ!!」
唯「ギー太にこんな格好を見られるの恥ずかしい〜・・・」
律「はいはい。」
唯「あしらわれた・・・」
律「って言うか、着替えどうする?」
澪「今日体育ないからジャージないし・・・」
紬「そうね・・・」
律「ん〜・・・あ!!」
物置から衣装を出した。
律「さわちゃんお手製の服があるじゃん!軽音部負の遺産!!」
澪「あぁ・・・そっか・・・」
唯「ふんす!」
律・澪・紬「ん?」
唯「イエ〜イ!」
何故か豚の着ぐるみ。
澪「って!何でお前はそれを選ぶ!」
唯「へ?」
律「っつか何処に隠してたんだよ・・・さわちゃんに返したのに・・・」
唯「これは残しといたんだよ!」
するとそこに和が来た。
和「あ。唯やっぱりここだった。早く。HR始まるわよ?皆も。」
律「何で唯だって分かるんだよ・・・?」
和「え?雰囲気で何となく・・・」
唯「凄いね和ちゃん!」
和「それしかないの?着替え。」
唯「他にもあるけど。」
ある衣装に着替えた。
3年2組。
さわ子「皆おはよう。出欠を取るわね。ん?平沢さん?その格好は何かしら・・・?」
メイド服の唯。
唯「制服が濡れちゃったから代わりに着ました!」
さわ子「で、でも!流石に学校でそんな変な格好は・・・!」
律「な〜に言ってんのさ。その服作ったのさわちゃ・・・」
さわ子(服!!)
律「なっ・・・!!」
獣のような眼光で律が黙ってしまった。
さわ子「他の服はないの?」
唯「えっと・・・」
そこに和が戻って来た。
和「遅れてすみません!」
彼女の手にはジャージがあった。
和「他所のクラスの子から借りて来たから。」
唯「えぇ〜?」
和「どうしたの?」
唯「折角だからもっと違う服が着たい。」
さわ子「いいから着替えなさい!!」
唯「はいぃ!!」
その日の昼休みの部室。
梓「・・・」
憂「梓ちゃ〜ん!忘れ物あった〜?」
皐「梓?何見てるの?」
憂・純「あ!」
皐「これって・・・!」
部室に唯の制服が干されてた。
純「何これ?」
梓「さぁ・・・?」
皐「誰のだろう?」
梓「分かんない・・・」
憂(あ!お姉ちゃんのタイツだ!)
椅子の下に唯のタイツを発見。
梓「本当に誰!?ここにこんなもの干すなんて!」
皐「ただの制服だけど?」
憂(言えない・・・!!)
翌日の家庭科室。
唯「ん〜・・・」
乾いた制服をアイロンを掛けている。
唯「上手く折りが付かない・・・」
するとアイロンが唯の指に当たった。
唯「あちっ!」
澪「うわっ!」
紬「唯ちゃん!私がやるわ!」
唯「本当に・・・?お願い・・・」
紬に代わって貰った。
澪「ムギ上手いな。」
唯「申し訳ないね。」
律「唯。」
唯「はい?」
律「ボタン取れ掛けてたぞ?」
唯「もしかして付けてくれたの!?」
律「うん。ほい。」
唯「ありがとー!」
澪「チマチマした事苦手なのに、ボタン付けは早いんだよな。律。」
律「ほっとけ!」
唯「勿体無くて着れない〜。」
律「いやぁ〜。」
すぐに制服に着替えた。
家庭科室から出た。
律「唯。良いのか?それで。」
スカートの下にジャージのズボンを履いたまま。
唯「座ってたら分かんないよ。」
律「女子としてどうなのかって事だよ!」
唯「りっちゃんだってよくやってんじゃん!」
律「ですわよね〜。」
さわ子「何やってるの?」
唯「あ。さわちゃん。」
さわ子「ジャージは脱ぎなさいね?」
唯「えぇ〜?」
さわ子「田井中さんも裾中に入れて?」
律「なんと!!」
唯「何時も怒らないのにぃ!」
律「今日に限ってどうしたんだよぉ!」
その理由は、近くに理科教員が居るからである。
さわ子「ホラ!平沢さん!田井中さん!」
唯「むぅ・・・」
律「分かったよ。」
さわ子「あ!お疲れ様でーす!」
理科教員「はいお疲れ様。あなたも大変ね。」
さわ子「いえ。ご心配なく。」
理科教員「心配なんかしてませんよ。」
さわ子「平沢さんも早く!」
唯「この方が良いのに!」
さわ子「ダメなものはダメ!」
唯「スカート捲れても平気だし。転んでも・・・」
さわ子「いいから脱ぎなさい!」
ジャージに触った瞬間。
唯「いやぁ〜ん!さわちゃん止めて〜!」
さわ子「・・・ち、ちょっと!襲ってるみたいじゃない!!」
廊下に居る生徒達がこっちを見てる。
その後の教室。唯は何時ものタイツを履いてる。
クラスメート「あ。制服だ。」
クラスメート「本当だ。何かつまんないね。」
クラスメート「だね。」
唯「皆期待してるのに・・・」
和「別に期待に応えなくて良いの。」
陸「お前は皆の見世物か。」
澪「しっかし、まだ雨か。」
律「また濡れるなぁ。」
澪「そうだな。」
駿「全くだ。」
唯(帰りもギー太を護らなきゃ!!)
放課後の部室。
梓「へぇ〜。朝そんな事があったんですか。」
皐「あれ唯ちゃんの制服だったんだ。」
澪「梓は大丈夫だったのか?」
梓「はい。私はギターケース用のレインコート使っていますから。」
唯「え!そんなのがあるんだ!」
駿「あれってネットで買ったのか?」
梓「はい!結構便利ですよ?」
スクールカバンから色々出した。
梓「3000円するのが198で、おまけにギター用の乾燥剤が付いて来たんです。それから、これもネットで買ったんですけど。ホラ。壁にくっ付くギターハンガー。肉球の形をしてるんです。」
皐「あ!可愛い!」
梓「これが指が大きく開くようになる強化グッズで。他にはですね、寝ている間にリズム感が養えるCDなんて物があるんです。」
陸「結構あるんだな。」
澪「梓・・・」
梓「はい?」
澪「それ、皆役に立ったのか?」
梓「え?・・・・」
豊(あ。ちょっと目が動揺してる。)
梓「あ!部室に制服干している理由がやっと分かりました!純が・・・」
純『これ、何かのお呪いかも。』
梓・皐・憂『え!?』
純『誰かを恨んでて、呪いを掛けるとか。』
梓『そんな・・・!』
純『だって、わざわざ音楽準備室に干すなんて・・・一体誰が・・・』
梓「あんな事言うから。」
唯「憂。言い出せなかったんだね・・・」
梓「でも見直しました!体を張ってギターを護るなんて!」
皐「唯ちゃんはギー太の頼もしい彼女さんだね!」
唯「えへへ〜。もっと褒めて〜。」
陸「調子に乗んな。」
梓「でも気を付けないと。ギター濡れたまま放置するとフィンガーボードにカビ生えてたりしますよ?」
澪「ヒッ!?」
陸「あぁ〜あれか。結構大変なんだよなぁ。」
律「へぇ〜。そうなんだ。ケースを開けたらカビだらけ。」
澪「ヒィィィ!!」
駿「またトラウマが増えたな・・・」
早速ギー太を見てみる。
唯「まさか、ギー太が変わり果てた姿になっているはずは・・・」
陸「カビじゃないけど、弦に少しサビが付いてるな。」
唯「弦張り替えた方が良いかな?」
陸「唯。最後に弦張り替えたのは何時だ?」
唯「2ヶ月前。」
陸「んじゃ替えた方が良いぞ。」
梓「新しい弦ありますか?」
唯「うん。」
新しい弦を用意し、床に座ってギー太を横にする。
唯「ふんっ・・・!!」
恐る恐るニッパーをギー太の弦に近付ける。
唯「来るな・・・!ギー太・・・!」
”プツン!”
唯「わああぁぁぁぁ!!」
”ポテン”
切った反動で弦が飛び、唯の頬に軽くアタック。
唯「私に攻撃するとは!」
梓「だからペグ緩めてから切って下さいよ。」
陸「そのまま切ったら勢いよく飛び出すぞ?」
唯「はっ!そうだった!ギー太〜。今新しい弦に替えてあげるからね〜。」
駿「母性溢れる彼女さんかお前。」
梓「大切にするのは良いんですけど、いちいちそんなに楽しそうに話し掛けなくても・・・」
唯「ん?」
梓「ん?」
唯「・・・あずにゃんやきもち〜。」
梓「へっ!?」
律「三角関係か。」
梓「律先輩まで!!」
澪「トライアングル・ラブ!そう言う歌詞も切なくて良いかも!」
梓「澪先輩もですか!?」
皐「巡り会う修羅場!戦いを制するのは誰なんだろう!」
梓「何で皐まで!?」
唯「もうあずにゃんったら〜。早く言ってくれれば良いのに〜。」
梓「なああーーー!?」
その後ギー太の弦を張り替えた。
唯「ふぅ・・・やっと弦替えられた・・・」
梓「これで燃え尽きてどうするんですか。」
陸「俺でも疲れないぞ?」
澪「ホラ。練習するぞ。雨も止んでるし良い気分・・・」
唯「え!?本当!?よし帰ろう!今の内だ!」
梓「練習するんじゃ!?」
駿「晴れたからって帰るんかい!」
唯「ギー太が濡れちゃうよ!」
梓「またギー太ギー太って・・・」
唯「あずにゃんはあずにゃんで、大事に思ってるからね!」
梓「ヒッ!?」
豊「お前は梓の彼氏さんか。」
梅雨が続く休日。平沢家に陸と梢が遊びに来てる。
憂「ジメジメするなぁ・・・ん?一昨日のお姉ちゃんの食べ掛け・・・」
一昨日に唯が食べ掛けた饅頭があった。だがその饅頭には。
憂「カビ・・・!!」
リビングで唯と陸がギターの練習をしている。
憂「お姉ちゃん。りっくん。梢ちゃん。お茶入ったよ。あ!!」
だが唯の口の周りに緑色の何かが付着していた。
憂「お姉ちゃんにカビが!!あのお饅頭食べちゃったの!?」
唯「え?食べてないよ?」
憂「でも口の周りが・・・」
唯「青のりまだ付いてるの?」
憂「あ。お昼たこ焼き食べたんだっけ。」
梢「もう早く拭きなさい。」
カビではなくたこ焼きの青のりだった。梢がティッシュで唯の口を拭いてあげた。
陸「やっぱ梅雨はやる気失せるなぁ。」
梢「本当。晴れだったら何処か外出してたのにね。」
憂「うん。早く梅雨明けないかなぁ・・・」
唯「雨の日も良いよね〜。こうやって1日中、一緒にのんびり出来るし。」
憂「良いなぁ〜。ギター始めて、お姉ちゃん何時も幸せそう。」
唯「・・・でもね。」
憂「ん?」
唯「上手く弾けるかなってドキドキしたり。あんまり下手で、ギー太に申し訳ないな〜って心配になったりもするよ?だけどね。どんな時も、ずっと一緒に楽しく過ごせたら良いな〜。よいしょ。りっくん。」
陸「うん。」
2人がギターをゆっくり弾く。
唯・陸「あめあめ ふれふれ かあさんが♪」
憂・梢「じゃのめで おむかえ うれしいな♪」
唯・陸・憂・梢「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」
律は部屋で本を読んでる。
澪は部屋で歌詞を考えてる。
紬はバス停で待っている。
梓はリビングでギターの調整をしている。
駿と皐はリビングでゲームをしている。
豊は部屋で動画の編集をしている。
唯・陸・憂・梢「あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかえ うれしいな ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」
翌朝。
憂「今日も雨だね・・・」
唯「今日は大丈夫!ジャーン!」
ギターケースをビニールで防御。
憂「バッチリだね!」
唯「でしょ〜?」
しかし放課後。
唯「ううぅぅ・・・中々外れないよ・・・」
ガムテープの貼り過ぎで外れない。
澪「やり過ぎだ。」
やっとギー太を出せた。
唯「ふぅ・・・やっと取れた・・・」
陸「お疲れさん。」
梓「日本の気候は楽器にあまり優しくないですよね。」
澪「そうだな。」
駿「分かる分かる。」
梓「ネックが水分吸うと、曲がっちゃって音が狂ったりするんですよ?」
陸「あるあるそれ。タンバリンも湿気でベコベコになるし。」
唯「そうなんだ。」
梓「オクターブチューニングしてみると、よく分かりますよ?ほら。こうやって。」
”チョーーーン”
唯「へぇ〜!確かめてみよう!」
梓「へ?」
”チョ〜〜〜ン”
唯「わ!本当だ!半音の半分の半分位ズレてるよ!」
澪・梓・陸・駿「え!?」
梓「チューナー使わずに分かるんですか!?」
唯「うん。」
陸「ちょっと確かめさせてくれ。梓。」
梓「はい。」
チューナーを使って音を確かめる。
梓「本当だ!唯先輩の言った通り8分の8音だけズレてる!」
駿「絶対音感!」
唯「それじゃあ直して下さい!」
澪「自分で直せよ・・・」
陸「お前のギー太だろ?」
唯「私がやると時間掛かるんだもん。」
梓「もう!教えたじゃないですか!」
陸「それを忘れるとは。絶対鈍感だな。」
駿「上手いな。」
唯「えへへ〜。」
駿「褒めてねえよ。」
梓「今回だけですよ?」
唯「ありがと〜。あずにゃん。」
その後も雨は止まない。
律「雨止まねぇなぁ。」
梓「そうですね・・・」
澪「風も強くなって来たし。」
紬「明日も雨だって天気予報で言ってたわ。」
皐「梅雨って何時まで続くんだろう?」
駿「さぁな。」
澪「今日はベース部室に置いて帰るか。」
陸「なら俺も置くか。専用のビニールにちょっと穴開いてるし。」
駿「その方が良いかもな。俺も帰って新しいレインコート買わなきゃ。」
3人がベースとギターを置いて帰る事に。
唯「非道いよ澪ちゃん!りっくん!駿君!」
澪「うわああ!!」
陸・駿「何だ!?」
澪「何が!?」
唯「可哀想にエリザベス・・・ステラ・・・フローラ・・・君達は捨てられちゃうんだよ・・・」
澪「雨に濡れるのが嫌で置いとくだけだ!!後勝手に名前付けるな!」
陸「ステラって俺のギターか!!」
駿「俺のベースをフローラって名付けるな!!」
豊「3人の楽器に名前を付ける唯のセンスって・・・」
律「唯もギター置いてけば?」
梓「その方が良いですよ。巻いて来たビニールあんなだし・・・」
無残なビニールの山。
唯「そうだよね・・・」
ギー太を置いて帰る事にする。
唯「知らない人に声掛けられでも、付いて行ったらダメだよ?」
澪「何言ってんだ・・・?」
唯「エリザベス〜。ステラ〜。フローラ〜。今夜はギー太と一夜を共にするんだ〜。」
澪「だから名前付けるな!!」
陸「一夜を共にって、ギー太はハーレムか!!」
梓(ベースだからエリザベスなのか。陸先輩はストラクチャーだからステラ。駿先輩はフェンダーだからフローラなのか。それじゃあ、私のはムスタングだから・・・むったん。」
紬「ピッタリな名前だと思う!」
梓「ヒッ!?ひ、人の心の中を読まないで下さい!!」
紬「梓ちゃん、声に出してたよ?」
梓「え!?」
皐「むったんとか可愛いなぁ〜。」
梓「もう皐!!」
下校。
律「うわぁ〜・・・超雨降ってるし・・・」
梓「靴の中まで濡れますね。」
澪「やっぱり置いて来て正解だったな。」
陸「早く帰って着替えたい。」
横断歩道。
唯「それじゃあ皆〜また明日ね〜。」
陸「じゃあな〜。」
梓「失礼します。」
紬「じゃあね〜。」
澪「あぁ。」
律「気を付けてな〜。」
皐「また明日!」
駿「転ぶなよ〜。」
豊「水溜りには気を付けろな〜。」
唯「ギー太・・・心配だよ・・・」
ギー太ロスで唯がフラフラ歩く。
陸「おい唯!」
紬「唯ちゃん!」
梓「唯先輩!」
律「ギター持ってなくても結局濡れるんじゃん。」
豊「ギー太ロスの兆候か。」
澪「何だかんだで、ギターの事を大事にしているからな。唯は。」
律「大事にしている・・・のベクトルが違うけどな。」
澪「1日置いとくだけなのに大袈裟だよな。」
駿「だな。」
律「あらぁ〜澪さん?そんな事言って良いのかしら〜?」
澪「え?」
律「初めてベースに傷が付いた時、私達に泣き付いて来たの忘れたのか?」
初めてベースに傷が付いた時。
澪『律!駿!豊!』
律『何処だよ・・・』
駿『傷の箇所は・・・?』
澪『・・・ここ・・・』
ボディの端っこ。
豊『そこかよ!!』
律「って。オホホホホ〜。」
澪「わーわーわー!!」
駿「何か可愛かったな。あの頃の澪。」
豊「うんうん。」
皐「ねぇ!その話聞かせて!」
澪「皐は聞かなくて良いから!!」
その夜の平沢家。
憂「ん〜〜・・・!!やっと宿題終わった〜〜・・・」
宿題を終えた憂が背伸びをしていると。
”ガリガリガリガリ”
憂「え!?な、何・・・!?この音・・・」
突然奇妙な音が憂の耳に入った。
憂「まさか・・・泥棒・・・!?」
恐怖を感じた憂が急いで唯の部屋へ。
憂「お姉ちゃん!!」
唯の部屋。
憂「お姉ちゃん!!何か変な音が・・・え?」
”ガリガリガリガリ”
唯「・・・・」
音の正体は、唯が壁を猫のように引っ掻く音だった。
憂「何やってるの・・・?」
唯「ういぃ・・・・」
泣きながら憂を見る。
憂「どうしたの!?」
唯「う〜い〜・・・」
憂「お姉ちゃん大丈夫!?」
泣きながら憂に抱き付いた。
唯「学校に置いて来たギー太が心配で眠れないよーー!!」
憂「お姉ちゃん・・・」
戸惑ったが、すぐ笑顔になった。
憂(そう言えば、ギター買ってから毎日練習して、毎日ギー太と一緒だったもんね。)
”ザーーーーーー!!!”
唯「ハッ!!もう我慢出来ない!!取りに帰る!!」
部屋の窓を開けようと必死になった。
憂「お姉ちゃん!ここ2階!雨降ってる!!パジャマのまま!!!」
ツッコミ3連コンボ炸裂。
翌朝。今日も雨が降ってる。
律「1日手元に無かっただけなのに、満面の笑みだな。」
唯「あ〜〜〜。」
やっとギー太が手元に戻って来た。
さわ子「そんなにそのギターが大切なのね?」
唯「はい!」
さわ子「それは分かったけど・・・HR中は仕舞ってくれる?」
唯「お構いなく〜。」
さわ子「構います!」
澪・陸・駿「・・・・」
昼休み。澪と陸と駿の3人が部室へ駆け込む。
澪「はぁ・・・はぁ・・・」
部室へ入ると、3人の楽器があった。
澪「あった・・・唯が心配するから私も不安になっちゃったじゃないか。」
陸「全く唯の奴は。」
駿「本当にな。」
律『ケースを開けたらカビだらけ。』
澪「・・・」
陸「あ、俺も不安になった・・・」
駿「俺も・・・」
3人が急いでケースからギターとベースを開ける。
澪「良かった・・・!」
陸・駿「ホッ・・・」
カビは生えていなかった。3人がケースから出した。
澪「エリザベス・・・」
陸「ステラ、心配したんだぞ?」
駿「フローラも寂しかったか?」
澪・陸・駿「・・・ん?」
後ろを振り向くと。
唯・律・紬・豊「ニヤニヤ。」
4人がニヤニヤしながら覗いてた。
澪・陸・駿「ギャアアアーーーー!!!!」
恥ずかしい所を見られてしまった澪達であった。
『END』
キャスト
平沢唯:豊崎愛生
秋山澪:日笠陽子
田井中律:佐藤聡美
琴吹紬:寿美菜子
中野梓:竹達彩奈
古川陸:土屋神葉
真中駿:堀江瞬
西原豊:深町寿成
真中皐:小倉唯
山中さわ子:真田アサミ
真鍋和:藤東知夏
平沢憂:米澤円
鈴木純:巽悠衣子
古川梢:平野綾
クラスメート:中村知子
藤田麻美
先生:陰山真寿美
『次回予告』
澪「怖い怖い!」
唯「澪ちゃん孫の手と!」
澪「変な物まで作るな!」
律「それが2人の出会いだった。」
澪「あー!」
律「だが!この後に待ち受ける運命の事など・・・」
澪「私も・・・」
律「じゃあまず最初の質問!これまで聞いた中で1番怖かった話は?」
澪「へっ!?何て事聞くんだ!!」
唯「次の質問!2番目に怖かった話は?」
澪「ヒイィィ!?」
律「では次の質問!3番目に怖かった話は?」
和「ん?」
澪「うぅ・・・その事はもう忘れようとしていたのに・・・」
#21「お茶会!」