けいおん`S   作:naogran

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梅雨が過ぎ去り、夏を迎えるこの時期。

和「よっ!」

桜が丘高等学校の生徒会室で、和が1人で資料を整理している。

和「ん?」

その時。彼女はある1枚のカードを見付けて拾った。

和「これって・・・」


『拝啓、曽我部先輩。初夏の候を如何お過ごしでしょうか?今日は、先輩にお知らせしたい事があり手紙を書きました。』


#21「お茶会!」

同じ頃廊下では。

 

澪「・・・」

 

矢鱈と後ろを気にする澪。

 

唯「ん?澪ちゃん?」

 

澪「え?」

 

唯「どうしたの?そわそわして。」

 

陸「何か気になる事があるのか?」

 

澪「いや、何か今日は朝からずっと視線を感じるんだ・・・」

 

駿「視線?」

 

紬「澪ちゃん人気者だから。」

 

澪「いやそうなんじゃなくて・・・まるで誰かに監視されているような・・・」

 

唯・律・紬「ジ〜〜〜。」

 

澪「見るな!!!」

 

豊「お前達が監視してんじゃん。」

 

律「自意識過剰なんじゃないの?」

 

駿「お前の思い込みかもだぞ?」

 

澪「本当なんだって!今も何か、何処からかこっちを見ているような視線を・・・」

 

唯・律・紬・陸・駿・豊「あ!」

 

澪「え?」

 

後ろから迫る謎の人物が、澪の両目を塞いだ。

 

 

 

 

さわ子「だ〜れだ?」

 

 

 

 

その正体はさわ子だった。

 

澪「・・・・」

 

さわ子「あれ?」

 

唯・律「さわちゃん・・・」

 

陸・駿・豊「先生・・・」

 

さわ子「え?」

 

突然の事で澪が固まってしまった。

 

 

 

 

 

 

部室へ移動し、さわ子に事情を話す。

 

さわ子「ふぅ〜ん。誰かの視線を感じるねぇ。まっ!私は何時も見られまくってるけどね!」

 

陸「自慢ですか。」

 

律「さわちゃんは()()は良いからな。」

 

さわ子「は!って何よ!はって!」

 

律「もしかして、澪を追い掛けてる犯人ってさわちゃんじゃないの?」

 

さわ子「や〜ね。私だったら見るだけじゃ済まないわよ?」

 

律「ですよね〜。」

 

律・さわ子「あははははは!」

 

駿「何を笑ってんだ?」

 

唯「分かった!犯人はトンちゃんだ!」

 

律「へ?」

 

皐「トンちゃんが?何で?」

 

唯「ホラ。澪ちゃんトンちゃんの事・・・怖がってあんまり可愛がってあげないから・・・トンちゃん張り付いちゃったんだ!」

 

澪「怖い怖い怖い!!」

 

陸「安心しろ澪。背中にトンちゃんくっ付いてないぞ。」

 

澪(ダメだ・・・陸達以外の人達じゃ頼りにならない・・・)

 

梓「ちょっと!皆さんちゃんと心配してあげて下さい!!ストーカーに狙われているかも知れないんだぞ!!」

 

皐「そうそう!澪ちゃんが危険な目に遭ったらどうするの!!」

 

澪「梓・・・皐・・・」

 

陸「おぉ。頼もしい。」

 

紬「成る程。謎は全て解けました!犯人は・・・あ!あなたです!」

 

横を指差したが、物置部屋のドアしかなかった。

 

陸「ムギ?誰も居ないぞ?」

 

紬「ごめんなさい。一度やってみたかったの。」

 

駿「ただの真似かい・・・」

 

紬「でも謎が解けたって言うのは本当。澪ちゃん。今日の朝ご飯は焼そばパンだったんじゃない?」

 

澪「え?た、確かに・・・今朝は寝坊して朝ご飯をゆっくり食べてる時間が無かったから・・・」

 

紬「その焼そばパン!20%引きだったんでしょ?」

 

澪「な、何でそこまで分かるんだ!?」

 

紬「うふふふ。」

 

すると紬が、澪の髪から何かを引っ張って取った。

 

紬「ホラ。これ。」

 

澪「ん?あああーーーー!!」

 

それは、澪が朝ご飯に食べた焼そばパンのシールだった。

 

さわ子「成る程!1日中それを髪にくっ付けてたのね!」

 

澪「それで皆見てたのか・・・」

 

駿「ごめん澪。気付いてやれなくて。」

 

澪「いや大丈夫・・・」

 

 

 

 

和「あなた達。何覗いてるの?」

 

 

 

 

全員「ん?」

 

1年生2人「うわああ!!」

 

2人の1年生が和の声にビックリしてドアを開けて前に倒れた。

 

澪「和?この子達は?」

 

陸「生徒会の生徒さんか?」

 

和「それが・・・」

 

1年生A「別に怪しい者ではありません!」

 

1年生B「私達は澪先輩ファンクラブの者です!」

 

和「ファンクラブ・・・?」

 

”ドサッ!!”

 

澪「うぅ・・・その事はもう忘れようとしていたのに・・・」

 

ファンクラブの言葉で澪が突っ伏しになった。梓と皐がケーキとお茶を持って回避。

 

紬「もしかして澪ちゃんの髪にシールが付いているのを見に?」

 

1年生B「はい!他の会員から聞いて!」

 

さわ子「ファンならどうしてすぐに教えてあげないの?」

 

1年生A「私は教えた方が良いって言ったんですけど・・・」

 

1年生B「でもそう言うの付けてる所が先輩らしくて素敵なんです!」

 

律・陸・駿・豊(素敵か?)

 

唯「私はわざと付けてるのかと思ってたよ?」

 

澪「お前は知ってたのか!!」

 

陸「確信犯め!!」

 

 

 

 

部室に来た和にお茶を出してあげた。

 

和「ごめん。私がしっかりしていなかったせいで、ファンクラブの子達が。」

 

律「何で和が謝るんだ?」

 

唯「だけどファンクラブってまだあったんだね。」

 

陸「1年の頃に発足してたよな。」

 

紬「そう。でも曽我部先輩が卒業して無くなっちゃったんだと思ってた。」

 

梓「曽我部先輩って誰ですか?」

 

皐「皆の先輩?」

 

豊「そっか。梓と皐は知らなかったか。曽我部恵先輩。俺達が1年生の頃の生徒会長を務めていた先輩だ。」

 

唯「そして、澪ちゃんのファンクラブ会長だった人だよ?」

 

律「そうか。あれからそんなに長い月日が流れたか・・・」

 

梓「あれから?」

 

皐「何か気になる。」

 

律「そう。あれは、卒業式前の3月。あの日も澪は誰かに見られてる気がするって怖がってたから。見かねた私が、生徒会に相談してみれば?ってアドバイスしたんだ。」

 

梓「そうだったんですか。」

 

澪「妄想も大概にしとけよ。」

 

梓「へ?」

 

皐「あ。りっちゃんの妄想なのね。」

 

澪「誰も真面目に心配してくれなかったから、陸達と一緒に相談しに行ったんだ。」

 

 

 

 

 

 

1年生の頃。

 

和「ずっと誰かに見られてる気がする?」

 

陸「あぁ。そのせいで澪が怯えてて。」

 

和「ストーカーの類かしら?学内に不審者が居るとは考え難いけど・・・」

 

澪「ううぅぅ・・・」

 

突然澪が泣き出した。

 

和「何泣いてるのよ・・・?」

 

陸「うわあ澪!?どうした!?」

 

澪「陸達以外の人に普通の反応をして貰えたのが嬉しくて・・・」

 

和(軽音部でどんな扱い受けてるの・・・?)

 

駿「よしよし。」

 

豊「泣くな泣くな。」

 

泣いてる澪を駿と豊が慰める。

 

???「真鍋さん?居るかしら?」

 

そこに1人の女子生徒が入って来た。

 

和「先輩!」

 

???「あら?お客さん?」

 

和「どうしたんですか?」

 

???「引き継ぎの資料を持って来たんだけど。」

 

澪「和?この人は?」

 

陸「緑色のリボン・・・先輩か?」

 

和「そう。生徒会長の曽我部恵さんよ。」

 

恵「元だけどね。宜しく。秋山さん。」

 

澪「あ、はい。」

 

恵「そっちは、古川君と真中君と西原君ね。」

 

陸・駿・豊「はい。」

 

恵「やっぱり軽音部の人は私の事を知らないかぁ。」

 

澪「ああ!すみません!」

 

陸「ごめんなさいごめんなさい!!」

 

 

 

 

 

 

律「それが2人の出会いだった。だが、この後に待ち受ける運命の事など・・・この時の澪は知る由も無かった・・・」

 

駿「勝手に妄想ナレーションぶっ込むな!!」

 

梓「それってどんな運命だったんですか?」

 

澪「どんなもこんなも・・・」

 

 

 

 

 

 

再び1年生の頃に戻る。

 

恵「どうぞ。軽音部みたいに良いお茶じゃないけど。」

 

4人に緑茶を出してあげた。

 

澪「そんな。お構いなく。」

 

駿「すみません会長。」

 

恵「それにしてもストーカーなんて、由々しき問題ね。真鍋さん。後でこの件を風紀員に伝えてくれる?」

 

和「分かりました。」

 

澪「あ、あの!そこまでして貰わなくても!」

 

陸「そうですよ!下手したら会長達に危険が来るかも知れませんよ!」

 

恵「良いのよ。ウチの学校の生徒が困っているもの。何か力になりたいの。」

 

澪・陸・駿・豊(ウチの部長に聞かせたいな・・・)

 

和「だけど、澪を追い掛け回す人って、どんな人かしら?」

 

恵「ファンクラブの人とか?」

 

澪「うぅ・・・その事は・・・」

 

豊「あ。トラウマが。」

 

恵「あら?どうかした?」

 

澪「いえ。会長は軽音部の事色々お詳しいんですね。」

 

駿「確かに。澪や俺達の名前も知っていたし。」

 

恵「・・・え!?」

 

和「そう言えば、軽音部でお茶会しているの知っていたのですね。」

 

恵「うっ・・・!えっと・・・」

 

豊「?」

 

恵「ま、真鍋さんが前に教えてくれたんじゃない!」

 

和「私言ってないですよ?」

 

恵「そうだったかしら?でも軽音部って、色んな意味で有名だしね!」

 

駿「へ?」

 

恵「それじゃあ私、行くわね・・・」

 

生徒会室から出ようとした時、恵のポケットから何かが落ちた。

 

和「先輩。何か落としましたよ?ん?秋山澪ファンクラブ会員証?」

 

恵「っ!!」

 

彼女が落としたのは、澪のファンクラブ会員証。彼女はすぐに取り上げた。

 

豊「会長。その会員証は何ですか?」

 

恵「さっき廊下で拾ったの!」

 

和「でも、先輩の名前書いてありましたけど・・・」

 

恵「・・・」

 

澪(ここは私が何か言って場を落ち着かせなきゃ!!)

 

 

 

 

イメージ。

 

澪『会長が犯人だったりして〜!』

 

恵『なんでやね〜ん!』

 

澪・陸・駿・豊・和・恵『あはははははは!』

 

 

 

 

澪(よし!これで行こう!)

 

作戦実行。

 

澪「じ、実は!会長がストーカーの犯人だったりして〜・・・」

 

知られてしまった恵が会員証を落として蹲った。

 

恵「悪気は無かったの!!」

 

澪・陸・駿・豊・和「えええ!?」

 

陸「会長!?」

 

恵「もうすぐ私、卒業でしょ・・・?今みたいに秋山さんに会えなくなっちゃうのかなって思ったら・・・いてもたってもいられなくて・・・・」

 

正直に話した恵に澪が。

 

澪「いいんです。」

 

恵「え・・・?」

 

澪「そこまで言って貰えて私も嬉しいです。恥ずかしいですけど。」

 

恵「秋山さん・・・」

 

駿「澪は優しいな。」

 

陸「・・・ん?和。この会員証見ろ。」

 

和「ん?会員No.1番?」

 

恵「あ。私、ファンクラブの会長でもあるの。」

 

澪「ええええ!?」

 

駿・豊「ダブル会長様!?」

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

梓「それじゃあ生徒会長が犯人だったんですか!?」

 

さわ子「立場上それは言い辛いわよねぇ。」

 

和「えぇ。まぁ。」

 

陸「でも本当驚いたよ。曽我部会長が犯人だったなんてな。」

 

唯「だから私達、そんな曽我部先輩の為に何か出来ないかな〜って思ったんだ。」

 

澪「そう。それで・・・」

 

 

 

 

 

 

再び1年生の頃に戻る。

 

和「軽音部に講堂に来るよう言われましたけど、何なんでしょうね?」

 

恵「お礼参りとか・・・」

 

和「まさかそんな・・・」

 

陸「曽我部先輩!」

 

和・恵「ん?」

 

壇上に陸達クローバティが登場した。

 

駿「ようこそおいで下さいました。」

 

豊「今日は先輩の為にサプライズを用意しました。」

 

”ガチャ”

 

舞台の幕が開き、陸達が舞台から降りた。舞台に唯達が立っている。

 

澪「曽我部先輩!ご卒業!」

 

唯・律・澪・紬「おめでとうございます!」

 

澪「あの・・・私達桜高軽音部がお祝いの意味を込めて演奏させて頂きます!聴いて下さい!」

 

桜高軽音部「ふわふわ時間!」

 

彼女達は、恵へふわふわ時間を贈った。

 

 

 

 

恵「・・・・」

 

和「先輩?先輩!演奏終わってますよ!」

 

感動のあまり我を忘れてた。

 

恵「ハッ!む、無断で講堂を使用するとはどう言う事ですか!!」

 

澪「ええ!?」

 

陸・駿・豊「今更!?」

 

恵「と言うのは建前で・・・ありがとう皆!こんな贈り物初めてよ!」

 

唯「笑った!」

 

陸・駿・豊「ふぅ・・・」

 

恵「記念に・・・サイン下さい!!」

 

澪「ヒィッ!?」

 

恵「みおたんよりって書いて!」

 

和(聡明な先輩のイメージが・・・)

 

陸・駿・豊(もうただのファンと化した・・・)

 

 

 

 

 

 

そして今に戻る。

 

梓「書いたんですか?みおたん。」

 

澪「書いた・・・」

 

和「先輩、とっても喜んでたわ。」

 

皐「良かったね曽我部先輩。良い思い出になって。」

 

すると和がある物を出した。

 

梓「会員番号1番の会員証!?」

 

澪「しかも和の名前!?」

 

陸「和それどうしたんだ!?」

 

和「実はあの後・・・」

 

 

 

 

 

 

講堂のライブ後。

 

恵「それじゃあ真鍋さん。ファンクラブ会長の方も引き継ぎ宜しくね!」

 

和「いりません!!」

 

 

 

 

 

 

また今に戻る。

 

陸「曽我部先輩の意思を受け継いだのか・・・」

 

和「この会員証、断り切れなくて受け取ったんだけど。結局機会がなくて、会長としての責務を何1つ果たせなかった。」

 

唯「和ちゃん・・・」

 

和「だから。今日は皆にお願いを言いに来たの。」

 

駿「お願い?」

 

和「そう。ファンクラブの子達の為に、お茶会を開いて貰えないかなって。」

 

紬「お茶会?」

 

和「そう。このままじゃ、先輩にも申し訳なくて・・・」

 

陸「和・・・」

 

唯「分かった!私達も協力するよ!」

 

澪「へ?」

 

陸「唯?」

 

律「何時も和には助けて貰ってるからな!」

 

澪「ええ!?」

 

駿「律!?」

 

紬「そうと決まればどんなお茶会にする?」

 

澪「ムギまで!?」

 

豊「ノリノリだ!」

 

澪「ねぇ・・・ちょっと皆落ち着いて・・・?」

 

唯「ケーキカットは外せないし!」

 

陸「澪本人の許諾無しに話し進んでる・・・」

 

律「後!花束贈呈と思い出のアルバムとか!」

 

澪「ええ・・・!?」

 

陸「結婚式か!!」

 

梓「だったら質問コーナーなんてどうですか!?」

 

皐「ファンクラブの皆からの質問に答えるコーナーだね!」

 

駿「皐まで!?」

 

律「それ良いね!」

 

澪(聞いてない・・・)

 

 

 

 

本人の有無なしで企画が進んでしまった。

 

和「それじゃあお言葉に甘えて、お茶会の中身の方はは皆に任せて良いかしら?私は会場を押さえたり、告知をしたりするわ。」

 

梓「私と皐はポスター作ります!」

 

皐「良いの作るよ!」

 

紬「私!特大のケーキ持って来ます!」

 

澪「ムギ乗り過ぎ!」

 

陸「後勝手に企画進めんなよ!」

 

律「良いじゃん!」

 

和(皆が協力してくれたお陰で、素敵なお茶会になりそうです。曽我部先輩。)

 

 

 

 

 

 

後日。

 

和「段々本格的になって来たわね。」

 

唯「澪ちゃんファンの為に大盤振る舞い!澪ちゃん鉛筆!澪ちゃん消しゴム!澪ちゃんティッシュ!澪ちゃんチョコ!澪ちゃん栓抜き!澪ちゃん孫の手と!」

 

澪「変な物まで作るな!」

 

唯「澪ちゃんシール貼っただけ!」

 

陸「どれも半目・・・」

 

駿「何か怖い・・・」

 

澪「おい!!」

 

紬「お手軽だけど可愛いでしょ?」

 

澪「貰って嬉しいのか・・・?それ・・・」

 

和「憂と梢さんがクッキー焼いてくれたわ。」

 

唯「澪ちゃんクッキーですよ〜!」

 

豊「澪が作ったみたいに言うな。」

 

澪「はぁ・・・」

 

梓「律先輩。会費は幾ら取る?なんて言い出さないで下さいよ?」

 

皐「そうだよ?会費はタダだよ?」

 

律「なにおう!?人を守銭奴のように!」

 

駿「いや、律なら言い兼ねない。」

 

”コンコン”

 

唯「はぁ〜い!」

 

ドアを開けたのは、以前部室に来た2人の1年生だった。

 

1年生A「失礼します!差し入れ持って来ました!」

 

唯「本当に!?」

 

1年生B「皆さんで食べて下さい!」

 

唯「ありがと〜!あ!焼きそばパンだよ!」

 

紬「お茶まである!」

 

唯「食べて良い?」

 

梓「早!?」

 

皐「食べたがってる!」

 

澪「・・・ありがとう。」

 

1年生A「・・・っ!お茶会楽しみにしています!」

 

1年生B「失礼しました!」

 

唯「ありがとね〜!」

 

1年生2人が部室から出た。

 

紬「可愛い〜!」

 

和「皆楽しみにしてくれてるみたいで良かったわ。」

 

律「それで、肝心の曽我部先輩は来るのか?」

 

和「それが・・・」

 

彼女の口から、恵が来れないと告げられた。

 

梓「え!?来れない!?」

 

陸「急用なのか?」

 

和「手紙には書いたんだけど、その日はサークルの旅行で来られないって。」

 

駿「そっかぁ・・・久し振りに会えると思ったのに残念だ・・・」

 

梓「それじゃあ意味ないですね・・・」

 

紬「日程ずらす?」

 

和「もう告知したんだったら、わざわざ日程を変える必要はないって言われたの。」

 

梓「そんな・・・」

 

和「曽我部先輩の望みは、ファンクラブを継続させて盛り上げる事だからって。お茶会で、ファンクラブの現役会員達が楽しんでくれれば、それで満足だからって。」

 

豊「ファンクラブの鑑だ・・・」

 

唯「何か大人の発言・・・」

 

紬「女子大生だもんね。」

 

律「卒業して大人になって、澪ファンも卒業したって事か。」

 

梓「そんな事ないです!きっとたまたま予定が重なって仕方無かったんですよ!」

 

和「うん。私達に気を遣わせないようにって思っただけなのかね。」

 

澪(私も・・・私も卒業したら、そんな風に大人になっちゃうのかな・・・?)

 

律「その時澪の心には、友人達と過ごした日々が走馬灯のように・・・」

 

澪「だから勝手にナレーションを入れるな!!」

 

豊「妙に声が似てて何か腹立つ!!」

 

律「キャハ〜!」

 

和「それじゃあ、日程もプログラム通り。変更は無しって事で進めましょ?」

 

紬「じゃあ当日の進行表。司会はりっちゃんと唯ちゃんでお願いします。りっくんと駿君はセミ司会をお願いします。」

 

唯・律「ウィーー!」

 

陸・駿「了解!」

 

澪(プログラムにはないけど、私も皆の為に何かやろうかな?)

 

 

 

 

 

 

そして、お茶会当日。

 

律「えぇ〜それでは!第1回秋山澪ファンクラブお茶会にお集まり頂き、誠にありがとうございます!僭越ながら、司会を務めさせていただきます!私田井中律と!」

 

唯「平沢唯です!」

 

陸「そしてセミ司会を務めさせていただきます!古川陸と!」

 

駿「真中駿です!」

 

唯・律・陸・駿「宜しくお願いしまーす!」

 

”パチパチパチパチ!”

 

 

 

 

梓「沢山集まりましたね!」

 

皐「凄く楽しそうだね!」

 

豊「唯と律がショートコントやってるな。」

 

和「何か、知ったいる顔もチラホラ・・・え!?佐々木さんも会員だったの!?」

 

クラスメートの佐々木さんも会員だった。

 

 

 

 

律「ショートカットはこの辺にして、ただいま秋山澪ファンクラブお茶会の開催です!ではりっくん駿君!お願いします!」

 

陸・駿「お任せあれ!」

 

2人が入り口のドアノブに手を掛ける。

 

唯「本日の主役の入場!秋山澪ーーー!」

 

陸・駿「よいしょ!!」

 

2人がドアを開き、澪が入場した。ファンの子達が拍手で歓迎する。

 

 

 

 

唯「澪ちゃん格好良い!」

 

さわ子「でも制服つまんない!」

 

律「大丈夫!お色直しがあります!」

 

 

 

 

澪「いやないから!!」

 

 

 

 

唯・律・さわ子「ええええ〜!?ブーブーブーブー!」

 

 

 

 

陸「それでは秋山澪さん。ご挨拶をお願いします。」

 

澪「本日はお忙しい中・・・おあつっ!」

 

ファンA「噛んだ!」

 

ファンB「でもそこがまた!」

 

ファンC「可愛い〜!」

 

 

 

 

唯「受けてる・・・」

 

豊「流石澪のファン達・・・」

 

 

 

 

駿「で、では秋山澪さん。改めてご挨拶を。」

 

澪「ほ、本日はお集まりいただきっ!!」

 

また噛んだ。

 

澪「・・・板垣・・・退助・・・」

 

ファン達「あははははは!」

 

 

 

 

唯「私達よりもウケてるよ。りっちゃん。」

 

律「マジか・・・」

 

 

 

 

陸「素敵なご挨拶ありがとうございます。」

 

唯「それではスピーチはこの辺にして、ケーキ入刀に移ります!」

 

そこに紬がデカいケーキを押して出て来た。

 

陸「デカッ!」

 

駿「ウェディングケーキか!」

 

唯「さぁ澪ちゃんどうぞ!初めての共同作業です!」

 

澪「誰との!?」

 

唯「あずにゃんがお手伝いします!!」

 

梓「ええええ!?」

 

駿「・・・そ、それでは澪さん!中野梓さんとのケーキ入刀をお願いします!」

 

澪と梓がケーキ入刀。ファンの子達が写真を撮ってる。

 

唯「それでは、ここでケーキとお茶のサービス。及び、秋山澪本人によるキャンドルサービスを行います!」

 

ケーキとお茶をファンの子達にサービスし、澪がキャンドルに火を灯す。

 

梓「先輩!次こっちお願いします!」

 

澪「え!?」

 

紬「こっちも!」

 

皐「こっちもお願い!」

 

澪「えええ!?」

 

 

 

 

会場を暗くし、ステージに電気を点ける。

 

律「それでは、特別企画に移りたいと思います!題して!秋山澪への100の質問コーナー!」

 

”パフパフ!”

 

駿「因みに質問に1つ答える度に、テーブルのキャンドルを1つずつ消して下さいね。」

 

律「じゃあまず最初の質問!これまで聞いた中で1番怖かった話は?」

 

澪「へっ!?何て事聞くんだ!!」

 

唯「次の質問!2番目に怖かった話は?」

 

澪「ヒイィィ!?」

 

律「では次の質問!3番目に怖かった話は?」

 

澪「止めろーーーーー!!!」

 

 

 

 

豊「あれって質問なのか?」

 

皐「さぁ?強引に質問してるように見えるけど。」

 

さわ子「・・・ん・百物語?」

 

豊・皐「ほえ?」

 

 

 

 

ファンA「可愛い・・・!」

 

ファンB「愛くるしゅう・・・!」

 

ファンC「澪様・・・!」

 

唯「では皆さんも!」

 

律「質問したい人!」

 

ファン達「はい!!」

 

陸「では1人ずつお願いします。」

 

ファンA「お風呂に入ったら、何処から洗いますか?」

 

澪「し・・・シャワーヘッド・・・」

 

 

 

 

梓「風呂掃除!?」

 

 

 

 

ファンB「たい焼きは頭から食べる派ですか?」

 

澪「えらぶた・・・」

 

 

 

 

豊「エラ部分から!?」

 

 

 

 

色々質問し続け、キャンドルが全て消えた。

 

澪「・・・・」

 

陸「あぁ〜、澪さんが燃え尽きてます・・・」

 

駿「それも真っ白に・・・」

 

律「それでは次のプログラムに移りたいと思いま〜す!」

 

唯「今、こうやって立派に育った澪ちゃんの半生をスライド写真で振り返りたいと思います!」

 

澪(17歳でもう半分・・・)

 

陸・駿(半生少な・・・)

 

ステージにスクリーンが登場し、プロジェクターが映し出された。

 

陸「では、スライドショー!」

 

駿「スタート!」

 

 

 

 

スクリーンに『秋山澪 生い立ちアルバム』が流れた。そこには、澪と律と駿と豊の幼少時代の写真が映ってる。

 

 

 

 

ファンD「メチャクチャ可愛い〜・・・!」

 

佐々木さん「大きく育ったのね〜・・・!」

 

ファンE「可愛過ぎる〜・・・!」

 

 

 

 

更に、4人の中学時代の写真も。

 

 

 

 

梓「何か、澪先輩より律先輩の方が目立ってません?」

 

豊「律。お前の特集になってるぞ?」

 

律「ウチのアルバムから持って来た写真だからな!」

 

豊「でしょうね。」

 

 

 

 

澪「・・・・」

 

放心状態から戻った澪がスライドショーを見ると、桜が丘高等学校の入学式の写真が映っていた。

 

澪「・・・・」

 

そして、軽音部との楽しい日々の写真も。合宿の時も。梓と皐が入部した後の学園祭の時も。

 

澪「・・・・」

 

そして、今年の初日の出も。

 

律「いよいよ、お茶会も終わりに近付いて参りました!」

 

スライドショーが終わり、陸と駿が会場の電気を点けた。

 

律「それでは!フィナーレは私達放課後ティータイムの演奏を・・・」

 

澪「ちょっと待って!」

 

陸・駿「ん?」

 

澪「・・・あの!皆さんに聞いて欲しいものがあります。私、口じゃこの気持ちを伝えられそうにないから・・・詩を作って来ました!」

 

 

 

 

律「おぉ!サプライズ!」

 

 

 

 

陸「では澪さん。詩をお願いします。」

 

彼女はポケットから詩を出した。

 

澪「ときめきシュガー。大切なあなたにカラメルソース。グラニュー糖にブラウンシュガー。大切なあなたにカラメルソース。メイプルハチミツ和三盆。あなたのためにカラメルソースわたしのハートもカラメルソースちょっぴり焦げついちゃってもあなたの火加減でおいしくなるの。」

 

全員がポカンとなってる。

 

澪「・・・ん?」

 

 

 

 

律「クッ!流石ファンでも澪の境地には辿り着けなかったか!陸!駿!」

 

 

 

 

陸「それではここで、放課後ティータイムの演奏に入ります!」

 

駿「放課後ティータイムの新曲!ぴゅあぴゅあはーとでございます!」

 

 

 

 

準備が終え、放課後ティータイムが新曲・ぴゅあぴゅあはーとを演奏。

 

澪「頭の中 想いでいっぱい あふれそうなの ちょっと心配 とりあえずヘッドホンでふさごう♪」

 

唯(Don't stop the music)

 

澪「欲しいものは欲しいって言うの したいことはしたいって言うの だけど言えない言葉もあるの♪」

 

唯(Can't stop my heartbeat!)

 

澪「いきなり チャンス到来 ぐうぜん同じ帰り道  Wow! ふくらむ 胸の風船 急に足が 宙に浮くの 上昇気流にのって♪」

 

澪「飛んでいっちゃえ キミのもとへ わたしの ぴゅあぴゅあはーと 受けとめてくれるなら 恐くないの この気持ちが 大気圏 越えたとき きみは見えなくなってた 道の向こう側 あい Don't mind♪」

 

 

 

 

 

 

お茶会が終わり、澪とファン達の集合写真撮影。

 

唯「はいチーズ!」

 

律「次こっち目線お願いしまーす!」

 

皐「こっちも目線下さいなー!」

 

 

 

 

和「この盛り上がり、曽我部先輩にも見せてあげたかったなぁ・・・」

 

梓「そうだ!」

 

彼女は携帯を出して、カメラを向けた。

 

和「そんなの撮ってどうするの?」

 

陸「もしかして先輩に?」

 

梓「はい!送ってあげるんです!曽我部先輩に!」

 

和「え?でも携帯のアドレス・・・」

 

梓「アドレスは生徒会で調べて下さい!」

 

集合写真を撮った。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、北海道では。

 

サークル仲間「ちょっと飲み物買って来るね。」

 

恵「うん。」

 

サークル仲間が飲み物を買いに行ったタイミングで、恵の携帯の着信音が鳴った。

 

恵「ん?」

 

送られた写真を見て、恵が笑った。

 

恵「また素敵な贈り物貰っちゃった♪」

 

 

 

 

 

 

和『拝啓、曽我部先輩。今度は先輩も是非いらして下さい。きっと、楽しいお茶会になりますよ。』

 

秋山澪ファンクラブへ贈るお茶会は無事に終わり、恵にまた新しい贈り物が送られた。

 

『END』




         キャスト

       平沢唯:豊崎愛生
       秋山澪:日笠陽子
      田井中律:佐藤聡美
       琴吹紬:寿美菜子
       中野梓:竹達彩奈

       古川陸:土屋神葉
       真中駿:堀江瞬
       西原豊:深町寿成
       真中皐:小倉唯

     山中さわ子:真田アサミ
       真鍋和:藤東知夏

      曽我部恵:児玉明日美
     佐々木さん:杉浦奈保子
       1年生:堀口あすか
           赤崎千夏
    サークル仲間:中村知子





『次回予告』

唯「・・・」

さわ子「自分の将来なんだからちゃんと考えなさい?」

唯「何だか、ずっと先の事だから想像出来なくて・・・」

澪「唯!まだ進路決めてなかったのか!?」

陸「お前、この先どうするんだ?」

澪・紬「分かるわ〜。」

梓「そんなもんですかね?」

和「まぁ、自分達が思い付く物で良いんじゃない?」

唯「自分で思い付く物・・・そっか!」

#22「進路!」
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