唯「もしもし かめよ かめさんよ せかいのうちに おまえほど あゆみの のろい ものはない どうして そんなに のろいのか。」
幼い頃、唯は幼稚園で亀と遊んでいた。
和「ん?唯ちゃん!」
陸「唯!」
亀と遊んでる唯へ走った。
和「もう!早く!」
陸「先生が呼んでるよ!」
唯「あ。和ちゃん。りっくん。」
和「ほら!散歩行っちゃうよ?」
陸「早く行くぞ。」
唯「あ!ま、待って!」
そして高校生になり。
陸「どうだ〜?決まったか〜?」
唯「ん〜・・・・」
和「何唸ってるのよ?唯。」
唯「あ!和ちゃん!」
陸「よう和!」
唯「志望校何処にしようか迷ってて・・・」
和「え!?進路調査表まだ出してなかったの!?皆とっくに提出してるわよ!」
唯「でもでも・・・私頭悪いし・・・大学の事とかよく分かんないし・・・」
陸「今でもそうなんだよな。唯は。」
和「唯・・・このままじゃ本当にニートになっちゃうよ?」
唯「ハッ!今回は重たいよ!その言葉!」
陸「入部希望の時より責任感が凄い。」
唯「ん〜・・・」
進路を何処にするか迷走中。
唯「もう・・・ニートで良いや。ニート・・・」
和「止めなさいって。」
陸「進路にニートって書くなよ・・・」
唯「結局、和ちゃんは第一志望何処にしたの?」
和「私?私は国立の方にしたわ。ちょっと無謀な気もするけど、頑張って目指してみようかなって。」
陸「でも和は成績良いし、受験に合格出来ると思うぞ?」
和「そう?ありがとう。」
唯「じゃあ私もそこにする〜!」
和・陸「軽!」
唯「だって〜!和ちゃんと一緒が良いんだもん〜!」
和「はぁ・・・」
陸「まず国立に受かる程の学力がないとダメだな。」
唯「そう言うりっくんは?」
陸「俺?俺は・・・」
律「な〜に騒いでんだ?練習行くぞ?」
和「いや、唯がね・・・」
陸「これ見てくれよ。」
唯の進路調査表を見せた。
澪「唯!まだ進路決めてなかったのか!?」
陸「お前、この先どうするんだ?」
唯「澪ちゃんは何処にしたの?第一志望。」
澪「私は、推薦貰おうかなっと。」
駿「推薦かぁ。」
唯「推薦っと。」
第一志望に推薦と記入した。
和「唯?」
陸「お前推薦が何か分かってて書いてるのか?」
唯「さぁ?」
陸「だろうね・・・」
唯「ムギちゃんは何処に?」
紬「私は前に話した女子大に。」
澪「凄い!名門だな!」
豊「俺の学力じゃ受かれない!」
駿「いやお前男子だろ?」
唯「私もそこに!」
和「いい加減にしなさい!」
唯「りっくんは?」
陸「俺は駿と豊と同じだ。」
唯「え?そうなの?駿君とゆー君は?」
駿「俺達3人、上京するんだ。」
男3人が進路希望表を見せた。3人は就職に◯をしている。
唯「じょうきょう?」
澪「東京へ行くって意味だ。」
唯「え?そうなの?」
豊「俺達クローバティは拠点を東京に移して、色々なカバー曲を世に送り出したいんだ。」
陸「お前達は進学だけど、俺達は就職だな。」
唯「じゃあ私も上京・・・」
陸「馬鹿野郎!」
陸「ムギ。その女子大は偏差値高い方か?」
紬「えっと・・・丁度赤本持ってるから見てみる?」
入試対策問題集の本を借りて読む。
律「どれどれ?」
唯「うぅ!!」
律「うわっ!!英語!!」
唯「目がチカチカする・・・!!」
澪「現実を知ったな。」
律「ここは日本だ!英語など必要なーい!!」
唯「必要なーい!!」
律「我々は日本語だけで生きて行くー!」
唯「生きて行くー!」
唯・律「ガーッハッハッハッハ!!!」
澪「学校の英語で赤点取ってると留年だぞ?」
駿「お前達はその英語を敵に回しているんだ。」
唯・律「・・・ガビーン!!」
紬「でも入試だったら、他の教科で良い点取れば良いの。ほら。国語もあるのよ?」
唯「そっかぁ。」
国語のページを読んでみる。
唯「古文!!よし!りっちゃんにパス!」
律「おう!よーっし!何何?次の助動詞が同じ使われ方の物を選びなさい。フム。うんうん。・・・こんなの習ってなーい!」
澪・陸「それ1年の範囲だぞ?」
律「え!?そんな・・・!そんな・・・!そんな・・・!そんな・・・!そんな・・・!バカな!?」
紬「助動詞はね、歌で覚えるって習わなかった?」
唯「ほえ?」
紬「むつむつちしむましまほし。」
唯「あ!」
思い出した唯が歌ってみる。
唯「るららるさすりりり つぬたりけりたしたしきけむ らむべしらしまじなりめり どうしてそんなりたりごとし。だよね!」
澪「ちゃんと覚えてるじゃないか!」
豊「記憶力凄え!」
唯「で、これをどうすれば良いの?」
澪・和・陸・駿・豊「ズコッ!!」
陸「意味ねえだろ!!」
唯「えへへ。りっちゃんは何処にしたの?」
律「私は未定って書いた。」
豊「お前も決まってなかったんかい。」
律「当たり前だろ!進路なんて全然分からないしな!」
唯「おぉ!じゃあ私も未定にする!」
進路希望表に未定と記入した。
澪「良いのかそれで・・・?」
律「紙切れなんかに私達の未来は決められないぜー!!」
唯「ないぜー!!」
陸「おいそんな事言ったら・・・」
すると放送が入った。
さわ子『3年2組の田井中さん。平沢さん。至急職員室に来なさい。』
唯・律「ガビーン!!」
陸「噂をすれば。」
澪「良い訳ないか・・・」
唯「澪ちゃん達・・・先に部室へ行ってて下さい・・・」
律「めんどくせー・・・」
フラフラしながら職員室へ向かった。
和「全く・・・」
陸「唯は本当に・・・」
澪「大変だな陸。和。」
和「澪もね。」
陸「駿に豊もな。俺達お互い様だろ?」
和「唯は小さい頃から全然変わらないのよね。あれでもマシにはなったんだけど。」
澪「律も真面目にやれば出来る子なんだけどなぁ。」
和「唯も集中力は凄いんだけどね。」
紬「そ、そのお話の続き!部室でしない?」
澪「何でムギがそんなに張り切ってるんだ?」
駿・豊(百合スイッチが入ったか。)
一方部室では、梓がトンちゃんに餌をあげて、皐が餌を食べてるトンちゃんを眺めてる。
”ガチャ”
梓「あ!お疲れ様です!」
皐「やっと来た!」
澪・紬・和・陸・駿・豊「お疲れ様。」
皐「あ!和ちゃん!」
和「お邪魔します。」
梓「さっきの放送は唯先輩達ですよね?」
澪「あぁ。まっ、自業自得だけどな。」
皐「もしかして、また何かやらかしたとか何とか?」
和「また?」
紬「あ!ち、ちょっとね!進路の事で相談があるみたいなの!」
梓・皐「ふぅ〜ん。」
お茶を戴く。今日はチーズケーキ。
紬「はいどうぞ。和ちゃん。」
和「ありがとう。」
澪「そう言や、陸と和は何時唯と知り合ったんだ?」
和「幼稚園の時よ。」
陸「俺の初めて出来た友達は和だったな。」
駿「おや意外だな。」
紬「どんな出会いだったのかしら?」
陸「どんな出会い・・・ねぇ。」
和「えぇ。特別な切っ掛けはなかったんだけど・・・」
幼稚園の頃。和は陸と一緒に遊んでいると。
唯「ん。ん。」
和「ん?」
陸「和ちゃん?ん?」
唯「えへへ〜。」
初対面なのに唯が和の腕を引っ張って笑ってる。
陸「誰?和ちゃんの友達?」
和「ううん。」
唯「一緒に描こ〜?」
和「うん。良いよ。陸君も良い?」
陸「うん。良いぞ。」
和「何か知らない間に横に居たわね。」
陸「初対面なのにあのコミュ力は凄いと感心する。」
澪「本能的に頼れる人だと感じたのだろうか・・・?」
話が戻り、陸と和がお絵描きする。陸はぶどう。和はりんご。
陸・和「ん?」
唯「・・・」
和「唯ちゃんもう出来たの?」
唯「・・・美味しそう!」
陸「そうだな。」
すると唯が赤のクレヨンを握り。
唯「あ〜〜〜・・・」
舐めようとする。
和「舐めちゃダメーー!!」
咄嗟に和が飛び込み、唯をクレヨンから助けた。
陸「和ちゃん・・・唯ちゃん・・・大丈夫・・・?」
唯・和「・・・」
澪・紬・梓・皐「あはははは!」
駿・豊「あはははは!」
澪「最初からそんなだったのか!」
陸「いやぁ〜お恥ずかしい。」
和「そっ。その時からしょっちゅう同じクラスになってるの。不思議な縁なのは間違い無いわね。」
陸「今は腐れ縁だけどな。」
梓「やっぱり色々困ったりもしました?」
和「え?」
陸「そりゃあ勿論。色々ね。」
和「うん。困ったと言ったら困ったかな?」
陸「小学校の時にキャンプへ行った事があってな。生徒は皆レトルトカレー持参って聞いてな。けど唯はそれを聞いてなくて、カレーのルーを持って来たな。」
梓「唯先輩らしいですね。」
和「そう言えば他にも。家庭科でたこ焼き作った時もね。」
陸「皆で材料を持ち寄る事になったけど、たこ担当の唯が肝心のたこを持って来なかったんだ。」
和「それで結局たこ無し焼きを作ったんだけどね。」
陸「あれはあれで美味かったな。」
澪「たこ無し焼き・・・プククククク・・・!!」
梓「プククククク・・・!」
駿「腹痛い・・・!クククククク・・・!!」
豊「クククククク・・・!ヤバい・・・!面白いなそれ・・・!」
皐「食べてみたいけど、やっぱりたこがあるからたこ焼きだね。」
和「他にも、色々語り尽くせない程やらかしてくれたわね。」
陸「けどあの悪気の無い笑顔を見ると何か許しちゃうんだよね。」
澪・紬「分かるわ〜。」
駿・豊「確かに確かに。」
梓「そんなもんですかね〜?」
和「あ、そうそう。さっき唯がこれでもマシになったって言ったけど、それって多分軽音部のお陰かと思うの。だからありがとう。」
陸「俺からもお礼言わせてくれ。軽音部がなかったら、唯は部活ニートになってたかも知れない。」
紬「陸君と和ちゃんは大人ね〜。」
澪「本当。何か唯のママとパパみたい。」
紬・梓・皐「ママ?」
駿・豊「パパ?」
澪「あ!お、お母さんとお父さん!」
その頃唯は律と一緒に職員室に居た。
さわ子「自分の将来なんだからちゃんと考えなさい?」
律「へぇ〜い・・・」
さわ子「唯ちゃんはまだ決められないの?」
唯「何だか、ずっと先の事だから想像出来なくて・・・」
さわ子「ずっと先じゃないでしょ?あっと言う間よ?」
律「さわちゃんも年を取る訳だぁ。」
さわ子「何だって?」
頬をつねられた。
律「ごめんなひゃい・・・あ。そう言や、さわちゃんは高校時代あんなだったのに、何で先生になろうと思ったの?」
さわ子「え?いや、それは・・・」
唯「え?何何?」
さわ子「あの・・・恥かしいから・・・」
律「参考にしたいので是非聞かせて下さい!」
さわ子「・・・実はね、その時好きだった人が先生になりたいって言うから・・・じゃあ私も!って。」
律「不純だな。」
唯「それで?その人とはどうなったの?」
さわ子「フラれたわよ!うぅぅぅ・・・・!」
唯「でもさ。その人のお陰で大学に行けて、今は先生になれてるんだよね?」
律「そうだよ!大切なのは『過去』じゃなくて『今』だよ!さわちゃん!」
さわ子「・・・・!」
唯「でもその今も彼氏は居ないんだっけ?」
さわ子「うううぅぅぅーーーー!!」
ど天然にさわ子の心を抉った。
部室。唯と律が来た。
澪「おぉ。唯どうだった?」
唯「さわちゃんの過去がまた1つ明らかになった!」
澪「え?怒られたんじゃないのか?」
陸「まさか天然で先生の傷を抉ったとか?」
律「いやぁ〜。何だか人生色々だねぇ〜。」
澪「また何か仕出かしたんじゃないだろうな?」
律「違う違う。色んな事があって、人は強くなって行くって事だよ。」
豊「tomorrow?」
駿「涙の数だけ強くなれるよ。」
和「で?進路調査票はあれで良かったの?」
唯「ダメだった。」
紬「将来なりたいものとかないの?」
唯「なりたいものかぁ・・・」
陸「何でも良いぞ?自分の未来を想像してみ?」
唯「・・・澪ちゃん。何が良いと思う?」
陸「ガクッ!」
澪「自分で決めろ。」
唯「ん〜・・・」
和「小学校の時は幼稚園の先生って言ってなかった?」
唯「・・・そうだった!」
陸「そう言えば確か、小学校の作文で将来の夢について書いてたよな。」
小学校時代。
唯『私の将来の夢は、幼稚園の先生です。幼稚園の先生になって、子供達とずっと遊んでたいです!』
生徒達『あははははは!』
和『くすっ。』
陸『唯・・・』
唯『えへへ〜。』
全員「あははははは。」
澪「唯らしいな!」
律「あ!作文の発表って言ったら〜、澪が優秀賞を獲った時があってさ。」
澪「・・・わああ!!それを言うな!!」
紬「聞きた〜い!」
唯「聞きた〜い!」
澪「・・・あ、梓!練習しよう!れ・・・うわあ!」
ジッと見てる梓にビックリした。
澪「し、駿と豊も練習しよ!」
駿「澪。皆聞きたがってる。」
豊「悪いが、俺達も庇い切れない。」
律「観念するしかないなぁ。澪。」
皐「諦めようよ澪ちゃん。皆に教えてあげよ?」
澪「うぅ・・・」
駿「じゃあここからは俺達が話そう。小学校の頃の澪は、物静かで大人しい子だった。」
陸「駿と澪は幼稚園の頃から一緒だったよな?」
駿「そう。幼稚園の頃から物静か。俺が初めての友達だった。」
澪達の小学校時代。
駿『澪。その本面白い?』
澪『うん。』
駿『後で俺にも読ませて。』
澪『うん。ん?』
横を見ると、律がジッと此方を見てる。
豊『律?何してんだ?』
そこに豊が来た。
律『何読んでるの!?』
澪『ヒッ!うぅ・・・』
突然律が近寄り、澪が怯えた。
豊『おい律。その子怖がってるぞ?』
律『ね!見せて見せて!』
豊『おい律!』
律『うわっ!離せ豊!』
豊『ごめんな。此奴好奇心旺盛だから。』
駿『あ、あぁ。』
澪『・・・・』
しかし律は、澪の怯える反応が面白くてつい。
律『澪ちゃんって絵も上手いんだ!』
澪『ヒッ!』
テストで100点取った時も。
律『凄い!100点だ!』
澪『ヒッ!』
唯「良いな〜。私もちょっかい出したかった〜。」
梓「それってイジメじゃないんですか?」
豊「本当お前は昔から落ち着かない性格だよな。一時期イジメと疑われてたんだぞ?」
律「違う違う。小学生の時って、好きな子にちょっかい出したくなるじゃん?あれだよあれ。」
豊「いやねーよ。」
律「でも最初の頃は特別仲良しだった訳じゃなかったよな?」
澪「そりゃそうだろ!あんな事されたら!」
駿「俺が毎回澪を慰めてたんだぞ!」
豊「俺も律の行動を抑止するのに疲れたんだぞ!」
澪「思い出したらイライラしてきた。おデコ出しなさい。」
律「へ?何すんの?」
マジックペンを出して、律のおデコに『目』と書いた。
律「あ。」
唯・梓・皐・和「プククククク・・・!!」
律「私のおデコ。」
豊「三つ目がとおるだな!」
澪「水性だから安心しろ。」
駿「風呂で洗い流すんだな。」
和「それで?作文の発表はどうだったの?」
澪「お、覚えてた・・・」
律「良いじゃん澪。話してあげなよ。三つ目星人だぞ〜。」
唯「きゃ〜。」
澪「小4の頃だっけ。私の作文が県から賞を貰って。」
駿「でも賞を貰った生徒は、全校集会で皆の前で発表しなくちゃならなかったんだ。澪はそれにプレッシャーを感じて読みたくないって言ってた。」
小学校時代。澪が公園のブランコで落ち込んでる。
駿『澪。いい加減覚悟決めたらどうだ?』
澪『でも・・・』
律『どうしたの?』
豊『何落ち込んでるんだ?』
澪・駿『ん?』
彼女が落ち込んでる時、律と豊が声を掛けてくれた。
帰り道。澪は律と豊に落ち込んでる理由を話した。
律『え?作文読みたくない?何で?』
澪『だって恥かしいもん・・・』
豊『あ〜。人前で発表するのが怖いんだな。』
澪『うん・・・』
律『恥ずかしくないよ!凄いよ!』
澪『ぜ、全然凄くなんかないよ・・・!』
律『だって、賞を貰ったのクラスで澪ちゃんだけだよ?私だったら、皆に自慢するな〜。』
豊『お前だったら変なアドリブを入れてそうだな。』
澪『だったらりっちゃんが賞を貰えば良かったのに!!皆の前で読むのは嫌だよ!!』
駿『澪・・・』
澪『あっ!ご・・・ごめんなさい・・・』
律(澪ちゃんって、こんな大きな声出せるんだ・・・何か・・・面白い!!)
更に好奇心が湧いた。
律『ねぇ!今からウチにおいでよ!特訓しよう!』
澪『え・・・?で、でも・・・』
律『良いから良いから!駿君もおいでよ!』
駿『お、俺も?』
田井中家にお邪魔した。
律『それでは!4年1組!出席番号1番!秋山澪さん!どうぞ!』
澪『うっ!・・・出来ないよ・・・』
律『え?台が低かったか。もっと高くする?』
豊『違うと思ぞ?』
澪『そう言う事じゃなくて・・・』
駿『澪、このまま恥ずかしがり屋で良いのか?』
澪『でも・・・』
豊『ん〜・・・お!律!あの作戦だ!』
律『おぉ!ナイス豊!ちょっと待ってて?』
彼女は自分の髪を変える。
澪・駿『ん?』
律『はい!出来上がり!』
髪を頭に纏めて結んだ。
澪『何それ?』
律『パイナップル!』
駿『パイナップル?何で?』
律『お父さんがね。緊張した時は、観客をじゃがいもだと思えって言ってたの。でも私、じゃがいもの真似は出来ないから。パイナップル!パイナップルの真似〜!』
澪『くすっ!全然似てないよぉ〜!あははははは!』
駿『あははははは!』
律・豊『あははははは!』
彼女のお陰で、澪はリラックス出来て皆の前で作文を発表出来た。
今に戻る。
紬「良い話ね〜。」
梓「昔は良い子だったんですね!律先輩!」
唯「やっぱりりっちゃんのキャラじゃないよ・・・」
陸「良い子の律。違和感って言うか新鮮って言うか。」
皐「何か違う子みたい。」
律「素直に褒めるって事を知らないのかい!」
梓「あ。それで作文発表の方は上手く行ったんですか?」
律「まぁ澪が書いた作文だから、内容はとってもメルヘンで・・・」
豊「お前あの時身体掻いてたよな。」
律「・・・・」
澪「でもこれからだよな。よく律の家に遊びに行くようになったのは。」
律「そうそう!私が色々教えてあげたっけか。」
澪「そう。色々・・・」
律『恥ずかしがり屋を治すには、自分に自信を持たせなきゃ!まずは語尾に『だぜ!』を付ければ自信満々に見えるよ!』
澪『わ、私は秋山澪、だぜ。』
律『そうそうその調子!』
澪「色々・・・」
駿「色々な・・・」
豊「色々に・・・」
澪「ロクな事を教えて貰ってないような気がしてきた。」
律「へ?」
澪「やっぱり、律に助けて貰うんじゃなかったかな?」
駿「逆に言うと、ありがた迷惑?」
律「うう・・・ううぅぅ・・・」
唯「ひ、酷いよ2人共!」
駿「いやお前も好き勝手言ってただろ。」
澪「でも、私に音楽ススメてくれたのは感謝してるかも。」
駿「律には本当感謝だな。」
唯・紬・皐「澪ちゃん!」
律「澪!」
梓「先輩!」
陸・豊「駿!」
澪・駿「うわっ!?」
豊「って!俺達の話じゃなくて、今は律と唯の進路調査についてだろ!」
唯「あ。」
和「そうだったわ。取り敢えず難しく考えないで、漠然と自分のなりたい物から考えれば良いんじゃない?」
唯「そっか。じゃあお花屋さんとか?」
梓「それ良いんじゃないですか?」
陸「いやダメだ。唯は植物の知識は皆無で即閉店しそう。」
梓「ですよね。」
唯「それじゃあ!会社勤めのOLは?」
陸「毎回遅刻する上、部署間違えそうでクビにされそう。」
梓「時間が決まってるのは無理かも・・・」
唯「あずにゃんりっくん酷い・・・」
律「バスガイドなんか良いかもね!」
唯「おぉ!タダで色んな所行けるしね!」
陸「多分唯。お前バス酔いしそうだ。」
梓「確かに。酔い易い人は無理そうですね。」
律「ん〜・・・じゃあウエイトレスとか!」
澪「いっぱい注文覚えなきゃいけないぞ?」
駿「唯だからすぐ忘れそう。」
律「菓子職人とか?」
紬「自分で食べちゃいそう。」
豊「つまみ食いレベルじゃないな。」
律「それもそうだな。」
皐「まず唯ちゃんに飲食系をススメるのはどうかと思うけど・・・」
和「まぁ、自分達が思い付く物で良いんじゃない?」
唯「自分で思い付く物・・・そっか!りっちゃん!」
律「おう!」
駿・豊「また下らない事考えてそうだな。」
第一希望にミュージシャンと書いてさわ子に提出した。
さわ子「却下。」
当たり前に却下。
唯・律「あれぇ〜?」
律「何でだよ・・・」
唯「ちゃんと書いたのに・・・」
愚痴を言いながら職員室から出た。
さわ子「・・・フフッ。」
職員室から出た律と唯を優しく微笑んだ。
部室に戻り。
唯「ダメでした隊長!!」
和「ミュージシャンって・・・」
澪「真面目にやりなさい!!」
陸「第一志望に書くなよ!!」
律「真面目・・・なんだけど・・・」
駿「そうは思えない。」
和「・・・ぷっ・・・ふふふふふふ・・・あはははははは!」
陸「の、和!?どうした!?」
唯「和ちゃんが笑ってる!」
梓「呆れてるんじゃ・・・」
唯「実は!和ちゃんに笑って貰うように仕込んだ。身体を張ったギャグだったのです!」
皐「唯ちゃん?それ無理があり過ぎな気がするよ?」
その夜の平沢家。
唯「憂は卒業したらどうするの〜?」
皿洗いしてる憂に進路について質問をした。
憂(言えない・・・お姉ちゃんが心配で、お姉ちゃんと同じ所に行きたいなんて・・・)
姉思いな妹。
憂「わ、私はまだ考えてないよ?」
唯「そっかぁ〜。ちゃんと考えなきゃダメだよ〜。」
お前が言うかとツッコみたい。
憂「お姉ちゃんは?」
唯「今考えてる所。」
憂(え!?まだだったんだ・・・)
部屋のベッドで仰向けになり、両手を上に突き出した。
唯「・・・」
翌朝の桜が丘高等学校。唯がクラスメートに進路を質問した。
クラスメートA「私は美容師になりたいから。美容師の専門学校にした。」
唯「そっか。」
クラスメートB「K大かな?写真の勉強するの。」
唯「写真の学科ってあるの?」
クラスメートC「外語大に行って、中国に留学するんだ。」
唯「へぇ〜!」
クラスメートD「私は看護学校だよ。」
クラスメートE「ウチの酒屋さんを手伝うの。」
放課後。皆の進路を聞いて考えてる。
唯「益々分からなくなってきたよ・・・」
和・陸「ん?」
机の上で顔をゴロゴロしてる唯を見た。そして、頭から煙が上がった。
陸「煙出ちゃってる・・・」
夕方。
唯「宜しくお願いします!」
第一希望『とにかく』。
第二希望『一生懸命』。
第三希望『がんばります』。
3つの空欄に書いてさわ子に提出。
さわ子「・・・くすっ。」
少し笑ったが、顔をキッとして。
さわ子「却下!」
唯「えー!?」
和「あら?」
唯「失礼しました・・・」
職員室から出た唯を見付けた。
唯「ふぅ・・・」
まだまだ進路は決まらないみたいです。
『END』
キャスト
平沢唯:豊崎愛生
秋山澪:日笠陽子
田井中律:佐藤聡美
琴吹紬:寿美菜子
中野梓:竹達彩奈
古川陸:土屋神葉
真中駿:堀江瞬
西原豊:深町寿成
真中皐:小倉唯
山中さわ子:真田アサミ
真鍋和:藤東知夏
平沢憂:米澤円
クラスメート:北村妙子
杉浦奈保子
中村知子
巽悠衣子
『次回予告』
さわ子「・・・・・」
律「ど、どうしたんだよさわちゃん・・・?」
さわ子「お茶とお菓子が足りないのよぉ〜!何で最近お茶会しないのよぉ〜!」
豊「今試験期間ですよね?」
唯「行けるんじゃない!?」
陸「そうか?」
梓「自分を見失いそうです・・・」
陸「梓。今は苦しいが、自分を保て。」
とみ「唯ちゃん。りっくん。」
唯「ん?あ!お婆ちゃん!」
陸「婆ちゃん!」
唯「ありがと〜!何時もすみませ・・・痛っ!」
とみ「あら。何やってんの。」
唯「てへへ〜。」
#23「期末試験!」