けいおん`S   作:naogran

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夏休みが終わり、遂に2学期へ突入した。

校長「長かった夏休みが終わり、今日からまた新学期が始まります。皆さんは、充実した夏休みを過ごせたでしょうか?こうして皆さんの日に焼けた元気顔を、久し振りに見る事が出来、私も大変嬉しく思います。高校生の夏休みに得られた経験は、何物にも代え難く、そしてまた・・・」


#29「マラソン大会!」

始業式が終わった後。

 

唯「夏休み終わるの早過ぎだよ、もう。」

 

律「たっぷり遊んだだろ?」

 

豊「まだ夏休みが恋しいか?」

 

唯「それはそうなんだけど・・・」

 

澪「たっぷり遊んでどうする?受験生だろ?」

 

陸「遊んでたら合格出来ねえぞ。」

 

唯「あうぅ・・・」

 

律「うぅ・・・」

 

紬「でも、楽しい思い出いっぱい作れたよね。」

 

唯「夏フェスとか!お祭りとか!」

 

駿「家族旅行とか!」

 

紬「後、駄菓子屋さんとかも!」

 

梓「おはようございます!」

 

皐「皆ー!」

 

7人「ん?」

 

そこに梓と皐が走って来た。

 

梓「先輩方!2学期始まりましたね!2学期!」

 

走って来る梓が輝かしい笑顔を放ってる。

 

唯「うおぉ・・・!」

 

律「眩しい・・・!」

 

陸「て、天使の笑顔・・・!」

 

梓「2学期と言えば学祭ですね!ライブですね!」

 

律「あ〜。それでテンション高かったのか。」

 

皐「朝からこんな調子だよ梓。」

 

駿「その気持ち分かるぞ。」

 

澪「ライブ頑張らなきゃな!」

 

豊「それはそうと皆。このイベントが先だな。」

 

全員「ん?」

 

講堂のドアに貼ってある校内マラソン大会のポスター。

 

唯「マラソン大会!!」

 

陸「そっか。そんな時期か。」

 

律「今年も遂に来てしまうのか!!」

 

唯「決めた!私、大学はマラソン大会のない学校へ行く!」

 

澪「いや・・・普通大学にはそんなのないから。」

 

唯「え?」

 

 

 

 

 

 

後日の朝。

 

唯「行って来まーす!」

 

とみ「あら。唯ちゃんおはよう。」

 

唯「おはよ〜!」

 

とみ「気を付けてね。」

 

唯「うん!今日もギリギリだけど、行って来まーす!」

 

とみ「行ってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

その日の昼。

 

唯「戴きまーす!」

 

駿「あぁ〜腹減った。」

 

澪「あれ?ムギの弁当うな重!?」

 

豊「豪勢だなぁ。」

 

紬「マラソン大会に備えて持久力アップにって。」

 

陸「成る程な。」

 

律「確かにムギは力持ちさんだけど、持久力に欠けるからな。」

 

澪「ちゃんと苦手を克服しようとしてて偉いな!ムギは!」

 

陸「お茶目なそこのお嬢さんとは違うね。」

 

唯「なにおう!私も毎朝!家から学校まで猛ダッシュで特訓してるよ!」

 

澪・陸「それは特訓じゃなくて寝坊しただけだろ!」

 

唯「いやぁ〜。お恥ずかしい限り〜。」

 

陸「全く。」

 

 

 

 

 

 

放課後の部室にて。

 

唯「何で402.195キロも走らなければいけないのですか・・・?」

 

陸「計算細か。」

 

梓「フルマラソンじゃないんですから。軽く4〜5キロです。」

 

陸「今のお前ならそれ位走れるだろ?」

 

唯「どっちでも沢山走んなきゃって意味じゃ同じです・・・」

 

駿「まぁ気持ちは分かる。」

 

さわ子「そんなに嫌なら、少しでも楽しくする為にこれを着て走れば?」

 

負の遺産の衣装シリーズ。

 

さわ子「他の皆もどう?」

 

澪「着ませんから。」

 

豊「唯達に何着させようと?」

 

律「普通に走り難いだろ。」

 

梓「全校生徒がそれ着て町中走ったら、来年からマラソン大会中止になるんじゃ・・・」

 

皐「中止になったら先生の責任だよ?」

 

唯「そっか!それだ!あずにゃん!今良い事言った!」

 

さわ子「何言ってるの。冗談よ。冗談。」

 

皐「先生の言う冗談は冗談とは思えないよ。」

 

紬「お茶が入りました〜。」

 

さわ子「お!待ってました!」

 

 

 

 

今日のおやつは、真っ黒いゼリー。

 

唯「黒い・・・」

 

さわ子「黒胡麻?」

 

陸「黒胡麻ゼリーか?」

 

さわ子「不思議な味〜。」

 

陸「・・・何だろう。力が付きそうな味だ。」

 

さわ子「何だろう?口の中に広がるこの爽やかな磯臭い味。」

 

駿「確かに磯臭いですけど、中々美味いですね。」

 

豊「ムギ。このゼリー何で作ったんだ?」

 

紬「マラソン大会に備えて、貧血防止に鉄分の補給をと思って。昆布とヒジキのブラマンジェです。」

 

陸・駿・豊「成る程。」

 

唯・律・澪・梓・皐・さわ子「ん〜・・・」

 

陸「ってか、ブラマンジェってフランス語で白だろ。黒だとノワマンジェになりそうだな。」

 

さわ子「出来れば次からは普通ので・・・」

 

 

 

 

 

 

夕方。

 

憂「お姉ちゃん。これなら凄く走り易そうじゃない?」

 

平沢姉妹が靴屋でスポーツシューズを選んでいた。

 

唯「本当だね!ん?ん〜・・・」

 

サービス特価で2980円。

 

唯「そこにお小遣い使うのはなぁ・・・」

 

”ガチャ”

 

唯「ん?あ!さわちゃんだ!」

 

さわ子「ん?」

 

車に乗ったさわ子と偶然出会った。

 

 

 

 

乗せて貰った。

 

唯「おぉ〜。やっとさわちゃんの車に乗れたよ〜。」

 

憂「先生も買い物だったんですか?」

 

さわ子「私は仕事よ?マラソン大会で必要な物の買い出し。先生達皆で手分けしてるの。」

 

唯「ん?スポーツドリンクに紙コップ。」

 

憂「良かったんですか?乗せて貰って。」

 

さわ子「良いのよ。丁度マラソン大会の下見しながら学校に戻る所だったし。」

 

唯「ん?」

 

他のマラソン大会の必要な物を見付けた。

 

唯「お餅と小豆?」

 

さわ子「マラソン大会の後、校庭でおしるこを作るのよ。」

 

唯「おしるこ!?」

 

さわ子「本当もう準備が大変で。買い出しやらコースのチェックやら。警察への申請やら。自分が生徒だった時は、先生は走らなくて良いから楽だな〜とか思ってたけどさ。」

 

唯「おしるこがあれば何とか頑張れるかも・・・」

 

さわ子「今年はね。去年より厳しいコースにしたから大変よ〜?」

 

唯「えぇ〜?」

 

さわ子「まずは繁華街のこの道。」

 

唯「ハッ!」

 

さわ子「甘い香り漂うスイーツのお店や、色鮮やかなブティック。可愛い雑貨の並ぶ店を両サイドに見ながら、ウインドーショッピングの誘惑を振り切りバス通りを抜ける。」

 

繁華街を抜けて田園へ。

 

さわ子「橋を渡り、住宅街を抜ければそこは豊かに広がる田園地帯。田んぼに実った稲穂を右手に見ながらゆったりとした一本道。だが、その先に待ち受けるのは・・・」

 

次は坂道。

 

さわ子「行くも地獄!戻るも地獄のハートブレイク上り坂!まさに心臓破り!自分との戦い!しかし、この戦いに勝利しなければ決してゴールに辿り着けない!」

 

次はとある公園。

 

さわ子「試練に耐え、地獄の坂を乗り越えればまもなく見えて来るチェックポイントの公園!残る力を振り絞ってラストスパート!ゴールの学校までもう一息ーーーー!!ってな感じ?」

 

唯「うぅ・・・」

 

憂「ん?あ。ここウチの近く。」

 

 

 

 

 

送って貰って帰宅。

 

唯「何もあんなに張り切らなくても・・・」

 

憂「張り切ると言うより、ヤケになってるんじゃ・・・あ!」

 

唯「どうしたの〜?」

 

憂「さっきのお餅が紛れ込んじゃってる。」

 

車内で唯が開けてしまった餅1個。

 

 

 

 

一方隣の古川家。

 

陸「よっ!ほっ!」

 

リビングで陸がランニングマシーンで持久力を鍛えてる。

 

梢「マラソン大会はもうすぐよね。」

 

陸「あぁ!その為に持久力を更に鍛えてるんだ!」

 

梢「程々にね。」

 

 

 

 

 

 

翌日の学校。

 

唯「あぁ・・・いよいよ明日だぁ・・・」

 

律「っで、おやつは幾らまでだっけ?」

 

澪「マラソン大会は遠足じゃない!」

 

豊「勝手にイメージ変えるな!」

 

唯「せめておやつ持って行ければやる気にもなるってもんなのに・・・」

 

陸「おいおい。」

 

和「おやつはダメだけど、終わった後は先生達がおしるこ作って待ってるわよ。」

 

唯「おしるこは食べたいんだけど、最後まで走らなきゃ食べられないって所が悩み所なんだよね〜。」

 

紛れ込んだ餅を箸で摘まんだ。

 

紬「おかずにお餅?」

 

豊「まさか憂ちゃんからの励ましか?」

 

律「粘りが〜とか。記録が伸びる〜とか言うんじゃないだろうな?」

 

唯「違うよ。さわちゃんがくれたんだよ?」

 

駿「さわ子先生が?」

 

唯「うん。返すって言ったら、これ食べて頑張りなって言って。」

 

駿「優しいな。」

 

唯「はむっ!」

 

”ガリッ!”

 

唯「硬い・・・」

 

陸「そりゃそうだろ。」

 

紬「明日、雨が降れば中止になるんだけどね〜。」

 

駿「雨かぁ。俺雨は嫌だなぁ〜。」

 

唯「そうだ!それだよ!そしたらマラソン大会中止で、おしるこ大会だよ!」

 

駿「そう思い通りに行けるのか?」

 

 

 

 

 

 

その夜。明日の天気を確認する。

 

天気キャスター『明日の降水確率は0%。爽やかな秋晴れで、絶好の洗濯日和になるでしょう。』

 

その間に唯は大量のてるてる坊主を作っている。

 

憂「何してるの?お姉ちゃん。」

 

唯「てるてる坊主を逆さに吊すんだよ。そうすれば雨が降るって隣のお婆ちゃんが言ってた!」

 

大量のてるてる坊主を逆さに吊るして準備完了。

 

 

 

 

 

 

しかし翌日。爽やかな快晴。

 

唯「・・・はぁ・・・」

 

爽やかな快晴で唯が落ち込んだ。

 

 

 

 

 

 

そしてマラソン大会が始まった。

 

和「宣誓!私達選手一同は、スポーツマンシップに則り、正々堂々と最後まで走り切る事を誓います!生徒代表!3年2組・真鍋和!」

 

生徒達が位置に着いた。

 

校長「それでは皆さん。位置に着いて?ヨーイ!」

 

”バァン!!”

 

生徒達が一斉に走る。そんな中唯達はゆっくり走ってる。

 

律「お。皆結構本気だな。」

 

和「先に行ってるね。」

 

陸「あぁ。気を付けろよ。」

 

唯「はぁ・・・和ちゃんまで、皆頑張り過ぎだよ・・・」

 

豊「別に賞品や賞金がある訳じゃないしな。」

 

律「そうそう。普通なら、こう言う時は柔道部の部室を懸けて争って、負けたら部室を持って行かれるんだけどね〜。」

 

駿「何だその勝負。」

 

紬「本当?」

 

澪「いや。そんな普通はない。」

 

唯「お天気も良いし!遠足だと思えば良いんだよ!おやつはないけど・・・」

 

陸「じゃあダメじゃん。」

 

澪「でも、あんまりゆっくり走ってビリになると・・・」

 

校内新聞で目立ってしまう事を予想した。

 

澪(ダメだ!思いっ切り目立つ!)

 

駿(何かマズい事考えたか?)

 

澪「皆!ちゃんと走らなきゃダメだぞ!」

 

走る速度を上げた。

 

唯「あうぅ・・・澪ちゃんまで・・・」

 

駿「あの表情、目立つのを嫌がってるな。」

 

陸「分かるのか?」

 

駿「幼稚園の頃から一緒だから一目で分かる。」

 

陸「流石澪の幼馴染み。」

 

駿「俺も澪に付いて行くから。」

 

陸「おう。」

 

先に行った澪に付いて行く。

 

唯「うぅ・・・駿君まで・・・」

 

律「でも、平日の昼間に堂々と学校の外に出られるのは良いよな〜。」

 

豊「分かる。滅多にないよなそれ。」

 

紬「天気も良いし。」

 

陸「こんな日は外でパーっと走るのに限る。」

 

唯「・・・そうだね!」

 

 

 

 

 

 

町中では。

 

純「ちょっと・・・!」

 

梓・皐・憂「ん?」

 

純「もう少し・・・ゆっくり・・・走ろうよ・・・」

 

憂「ごめーん!」

 

既に疲れてる純を待ってあげる。

 

純「はぁ・・・はぁ・・・」

 

皐「純大丈夫?」

 

梓「あ!澪先輩!駿先輩!」

 

後ろから澪と駿が来た。

 

純「え!?」

 

皐「お兄ちゃん!」

 

駿「よう皆!」

 

憂「ん?お姉ちゃん達と一緒じゃなかったんですか?」

 

澪「皆もっと後ろの方。」

 

駿「すぐに来るさ。」

 

憂「お姉ちゃん、ちゃんと走ってましたか?」

 

澪「あんまりちゃんとじゃないかもだけど、皆と一緒だから大丈夫だと思う。」

 

駿「それに陸と豊も居るし。」

 

純「澪先輩!駿先輩!一緒に走りましょう!」

 

澪「う、うん。」

 

駿「俺達で良ければ。」

 

憂「純ちゃん、急に元気。」

 

梓「さっきまでへばってたのに。」

 

皐「2人の顔を見てパワー溢れた?」

 

純「へばってないもん!ペース配分を調整してただけだもん!」

 

皐「素直じゃないね。」

 

純「行くよー!」

 

駿「走ろっか。」

 

澪「あぁ。」

 

4人の後ろを澪と駿が走る。

 

憂「普段なら教室で授業を受けてる時間に、学校の外を出られるのって何だか楽しいね!」

 

梓「天気も良いし!」

 

皐「快晴に走るのって最高!」

 

純「うん!あ!あのバッグ可愛い!」

 

梓「今度の日曜日に見に行こ?」

 

皐「行こ行こ!」

 

駿「微笑ましいな。」

 

澪「だな。」

 

 

 

 

 

 

一方唯達は。

 

唯「あ!あのケーキ!」

 

ケーキ屋に目を付けた。

 

唯「美味しそ〜。」

 

陸「ケーキはまた今度な。」

 

 

 

 

更に走っていると。

 

唯「あ!猫だ!」

 

白猫が家と家の間へ逃げて行った。

 

豊「じゃあな猫ちゃん。」

 

 

 

 

更に走っていると。

 

唯「あ〜はは〜♪」

 

お母さんと自転車に乗ってる男の子に手を振った。

 

陸「凄え笑顔。」

 

 

 

 

更に走っていると。

 

唯「あ!あのジュース初めて見る!」

 

自販機で珍しいジュースを発見。

 

唯「新発売!?しかも100円だよ!」

 

自販機『いらっしゃいませ。』

 

唯「うお!?喋った!」

 

飼い犬「ワン!」

 

唯「わあ!」

 

律「陸よ。忍耐力持久力。どれを取ってもこれ程までにマラソンに向いていない人間は居ないんじゃないんじゃないだろうか?」

 

陸「奇遇だな。俺も今そう思ってる。」

 

唯「あ!」

 

律・紬・陸・豊「ん?」

 

紬「澪ちゃん!駿君!」

 

2人を見付けた。

 

唯「待っててくれたんだ〜!澪ちゃん駿君ありがと〜!」

 

 

 

 

 

 

一方、坂道を登り切った和がチェックポイントでスポーツドリンクを飲んでる。

 

さわ子「はい。ここまで来たらゴールは目の前よ。頑張って。」

 

和「ありがとうございます。」

 

スポーツドリンクを飲んでから再び走る。

 

 

 

 

 

 

そして2年生組。

 

憂「もうすぐチェックポイントだよ?」

 

皐「純ファイト〜!」

 

坂道を頑張って駆け上る純を待ってる。

 

純「ごめん・・・もうダメ・・・先に行ってて・・・」

 

梓「え〜?」

 

 

 

 

 

 

坂道の下では。

 

唯「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・辛いです・・・」

 

律「へばるの早過ぎ。」

 

唯「やっぱ・・・私達みたいな・・・文科系の・・・クラブは・・・無理だよ・・・陸上部や・・・柔道部には・・・絶対敵わないよぉ・・・」

 

澪「軽音部には軽音部のやり方がある。軽音部らしくリズムを活かして走れば良いんじゃないか?」

 

律「なるへそ〜。歌を歌いながら走れば良いんだ!」

 

陸「じゃあ俺達もそれに則って走ってみるか。」

 

駿・豊「おう!」

 

 

 

 

唯達4人は、ふわふわ時間を歌いながら走ってる。陸達3人は、天体観測を歌いながら走ってる。

 

唯「速過ぎるよーーー!!」

 

だがこれでも唯がへばってしまった。

 

律「あれ〜?ふわふわじゃキツかったか。それじゃあ次はホッチキスな。」

 

今度は私の恋はホッチキスを歌いながら走ってみる。

 

唯・紬「あぁ・・・」

 

紬「歌いながら・・・走るのは無理・・・」

 

律「ムギもダメかぁ。」

 

澪「心の中で歌うとか。」

 

律「それだ!」

 

今度は心の中で歌いながら走ってみる。

 

唯「ハッ!」

 

澪「どうした唯?」

 

急に立ち止まった唯に緊急事態が。

 

唯「歌詞忘れた!」

 

ただの歌詞忘れ。

 

律「なんと!そんな時はルルル〜♪で適当に誤魔化しとけ。」

 

唯「あぁ〜!」

 

ゆっくりとバタンっと倒れた。

 

唯「もう私の事は心配するな!ここは私を置いて先へ行けー!」

 

澪「じゃあ歌は止めにして、何か他の楽しい事を考えて走ったらどうだ?」

 

唯「あ!それなら出来るかも!」

 

 

 

 

坂の頂上に既に着いた陸達は。

 

陸「彼奴等大丈夫かな?」

 

駿「まぁ彼女達の事だし大丈夫だろ。」

 

豊「俺達は先に行こうぜ。」

 

 

 

 

4人は、楽しい事を考えながら坂道を駆け上る。

 

唯「・・・ッ!あはは〜♪えへへ〜♪そんなにもう食べられないよ〜♪」

 

律「何を考えてるんだ?」

 

紬「楽しい事楽しい事・・・」

 

律「こっちは考え過ぎ。」

 

紬「ハッ!そうだ!歌を歌えば!」

 

律「結局ループか!」

 

澪「・・・・」

 

律「ん?どした澪?」

 

澪「何か詞が浮かんだ。」

 

律・紬「おぉ!」

 

唯「あ!」

 

澪「ハートブレイク心臓破り。ドキドキ張り裂けそうなこの胸苦しいのは君のせい?」

 

律「ハッ!これが・・・ランナーズハイって奴か!?」

 

澪「マラソン大会のせい。」

 

 

 

 

 

 

陸「おーい皆ー!」

 

駿「ファイトだファイトー!」

 

豊「ムギー!頑張れー!」

 

先に行ってた陸達が待っててくれて、応援してくれてる。

 

澪「お待たせー!」

 

陸「よし!後は平坦な道だ!行くぞー!」

 

全員が走っていると。

 

律「お?」

 

へばりながら走ってる純を発見した。

 

律「おーーーい!」

 

純「ん?あ。」

 

律「梓と皐の友達の・・・えっと・・・佐々木さんだっけ?」

 

澪「鈴木さんだろ。」

 

陸「鈴木純さん。」

 

律「そうそう。その純ちゃん。」

 

純「はい。澪先輩に駿先輩は軽音部の皆さんと一緒だったんですね。あ・・・あれ?唯先輩は?」

 

全員「え?」

 

後ろを見てみる。しかし唯の姿が何処にもなかった。

 

澪「消えた!?」

 

律「遭難!?」

 

豊「神隠しか!?」

 

澪「まさか!マラソン大会で!?」

 

陸「いや澪。唯なら十分にありえるだろ?」

 

澪「あぁ・・・」

 

陸「純。先生に知らせて来て。」

 

 

 

 

 

 

チェックポイント。

 

純「先生!大変です!」

 

さわ子「ん?どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

7人は、逸れてしまった唯を探しに森の中へ行った。

 

律「唯ー!何処に居るんだー!」

 

豊「居たら返事しろー!」

 

紬「こんな所に迷い込んでいないんじゃ?」

 

律「幾ら唯でも、こんな獣道をコースと間違えたりしないだろう・・・って!ここは何処だ!?」

 

紬「え!?ひょっとして、私達まで遭難!?」

 

律「マラソン大会を甘く見過ぎてたか・・・だけど大丈夫だ!サバイバルなら任せとけ!食料のキノコもあるし!ホラ彼処!赤と白の水玉が綺麗な・・・って!それ毒キノコやがな〜!」

 

駿「1人で何芝居しとんねん。」

 

さわ子「あなた達!そんな所で何してるの?」

 

律「テヘッ☆」

 

陸「テヘッじゃねえだろ。」

 

ここは住宅街の森林。遭難してなかった。

 

さわ子「唯ちゃん見付かった?」

 

紬「まだです!この辺りまでは歌とか歌ったりして、一緒に走ってたんですけど!」

 

律「そうなんでーす!」

 

豊「遭難だけに?」

 

律「そしたら秋山さんが作詞とか始めちゃって〜!」

 

澪「だって、良い歌詞が思い浮かんだんだもん・・・」

 

さわ子「兎に角手分けして探しましょ?私は向こうを探すから!」

 

 

 

 

 

 

一方ゴールの校庭では。

 

憂「純ちゃん遅いね。」

 

梓「先輩達もどうしてるかな?」

 

皐「一緒に走ってあげてるのかな?」

 

和「お疲れ様。」

 

皐「あ!和ちゃん!」

 

和「あっちにおしるこがあるわ。早くしないと無くなっちゃうわよ?」

 

憂「はい!先に食べちゃおうか。」

 

梓「そうだね。」

 

皐「皆の分は残さないと。」

 

和「お餅は1人1つずつだからね。」

 

梓・皐・憂「はい!」

 

するとそこに。

 

梓「あ!」

 

憂「あ!純ちゃん!こっちこっち!」

 

皐「こっちだよー!」

 

慌てた様子の純がやっとゴールして、梓達の方へ。

 

純「大変なの!唯先輩が途中で居なくなっちゃって!」

 

梓・皐・憂「ええ!?」

 

皐「どうしよう!!」

 

 

 

 

 

 

一方6人は、住宅街にある橋の上に居た。。

 

律「唯ー!」

 

澪「ダメだ・・・何処にも居ない・・・」

 

駿「こりゃあ大惨事だ・・・!」

 

するとそこに。

 

オカルト研A「そう言えばこの辺り、UFOがよく目撃される所だよね。」

 

オカルト研B「あ。それ、今度の学園祭の研究テーマにどうかしら?」

 

陸「この辺りにUFO?」

 

駿「迷信じゃね?それ。」

 

豊「オカルト研究部の出任せか何かか?」

 

律「まさか唯の奴、UFOにキャトられたんじゃ!?」

 

澪「ええ!?」

 

陸「いや、根拠もなく信じるのは・・・」

 

憂「皆さーん!すみませーん!」

 

皐「皆ー!」

 

紬「あ!憂ちゃん!皐ちゃん!」

 

そこに皐と憂が来た。

 

憂「お姉ちゃん見付かりましたか?」

 

紬「それがまだ・・・」

 

澪「何処を探しても居なくて・・・」

 

皐「そうなんだ・・・」

 

憂「純ちゃんから聞きました。チェックポイントの手前で居なくなったんですよね?」

 

律「うん。最初に気付いたのはその辺りなんだけど・・・」

 

憂「だったら多分!お姉ちゃんは彼処に居ると思います!」

 

陸「彼処?」

 

憂「りっくん!彼処だよ彼処!」

 

陸「彼処・・・あ!思い出した!彼処か!」

 

 

 

 

 

 

一方、逸れてしまった唯は。

 

唯「おぉ〜!立ってる!」

 

とみ「あら。茶柱。今日はきっと良い事あるわよ。」

 

彼女はとみの家でお茶を頂いてた。

 

唯「本当!?あ、でも・・・前に教えて貰ったてるてる坊主のお呪いが効かなかったしなぁ・・・」

 

とみ「あらそう?」

 

唯「あ!もうそろそろ行かなくちゃ!」

 

とみ「まぁ!そうね。じゃあ、これだけ食べて行っちゃいなさい。頑張って走るのよ。」

 

唯「うん。」

 

”ピーンポーン”

 

唯「ん?」

 

とみ「またお客さんかしら?」

 

 

 

 

 

 

皆が来てくれたのだ。

 

律「全く!心配させやがって!何呑気に栗羊羹なんか食べてるんだよ。」

 

唯「ごめんなさい!」

 

駿「反省してるならそれで良い。で、何でとみさんの家に?」

 

唯「実は、途中で転んで足を擦りむいちゃった所に、丁度お婆ちゃんが通り掛かって・・・それで、絆創膏を貼って貰ったついでに休憩を・・・」

 

憂「で?怪我はどうなの?」

 

唯「少し擦りむいただけだよ。」

 

絆創膏が貼ってある膝を見せた。

 

憂「ホッ・・・」

 

紬「大した怪我じゃなくて良かったね。」

 

澪「でも、よくここに居るのって分かったな。」

 

憂「コースがウチの近所だったから、多分お婆ちゃん家かなって。どうもすみませんでした。」

 

陸「俺からも謝る。すみませんでした。」

 

憂「それじゃあ私は先に学校に戻って、お姉ちゃんは無事だったって伝えておきます。皆さんはゆっくりゴールして下さい。」

 

皐「じゃあね皆!」

 

2人が先に校庭へ向かった。

 

律「出来た妹だ。」

 

唯「じゃあ、お言葉に甘えてゆっくりゴールしよう!」

 

澪「ダメな姉だ・・・」

 

律「今からじゃ間違いなくビリだなぁ。」

 

澪「ッ!?」

 

紬「別に良いんじゃない?」

 

豊「だな。俺は勝ち負けとか興味ないし。」

 

澪「ダメだ・・・ビリだと目立って恥ずかしいじゃないか・・・」

 

律「そこで転んでまたファンが増えちゃう予感?」

 

駿「いやいやそれはない。」

 

澪「ウッ!変な予言をするな!!」

 

”ポカン!!”

 

律「アンギャーーー!!」

 

陸「とみお婆ちゃんありがとね。俺達は行くから。」

 

 

 

 

 

 

校庭では。

 

梓「唯先輩無事で良かったね!」

 

憂「うん!ありがと〜!」

 

皐「ん〜!おしるこ美味しい〜!」

 

純「あ!戻って来た!」

 

 

 

 

7人がようやく来た。全校生徒が7人に注目。

 

澪「うぅ・・・やっぱり目立ってる・・・」

 

紬「大丈夫!皆で一緒に仲良くゴールすれば!」

 

陸「駿!豊!誰が先にゴール出来るか勝負だ!」

 

駿「良いぞ!俺が勝つ!」

 

豊「いいや俺だ!」

 

3人が猛ダッシュでゴールへ走る。

 

律「元気だなぁ〜。彼奴等。」

 

 

 

 

梓「せんぱーい!早くしないとおしることお餅がなくなっちゃいますよー!」

 

 

 

 

唯「・・・」

 

律「どうした?」

 

唯「お餅・・・あのお餅!!」

 

律「はぁ?」

 

唯「私があのお餅を食べたから、おしるこのお餅が1つ足りなくなって!だから!ビリの人にお餅がないって事に!」

 

律「何ぃ!?」

 

唯「お餅いいいいーーーーー!!!!」

 

おしるこが食べられなくのを恐れて、最後の力を振り絞って猛ダッシュする。

 

律「おいコラ待て!!」

 

紬「ビリだとお餅がないの!?」

 

澪「ビリは嫌だーーー!!」

 

律「待てーーーー!!」

 

 

 

 

陸・駿・豊「ん?」

 

後ろから唯達4人が迫って来てる。

 

陸「な、何じゃ!?」

 

駿「彼奴等、あんなパワーが残ってたのか!?」

 

豊「しかも何かを感じる!餅!?ビリ!?」

 

陸「猛ダッシュだ!」

 

3人も唯達に負けじと猛ダッシュ。

 

 

 

 

和「急にスピード上げたわね。」

 

憂「何で?」

 

皐「さぁ?」

 

 

 

 

陸「いよっしゃーーーー!!」

 

駿「あーくそ負けたーーー!!」

 

豊「ちくしょーーー!!」

 

陸・駿・豊の順にゴールした。

 

 

 

 

唯・澪「ハァハァハァハァ!!」

 

澪「何処からそんなパワーが!?」

 

唯「んん〜〜〜〜〜お餅ーーーーー!!!」

 

律「そんなにお餅が大事なのかーーーー!!」

 

紬「ん〜〜〜!!」

 

澪「ビリは嫌だーーーーー!!!!」

 

ゴールへ4人が走る。

 

 

 

 

先にゴールしたのは律。その次に唯と紬。しかし澪は、ゴール直前に転んでしまったが。

 

”ゴロゴロゴロゴロゴロ!”

 

澪「ハッ!!」

 

ゴロゴロ転がってから着地した。

 

全員「・・・・!」

 

澪「・・・あれ?」

 

1年生「大丈夫ですか!?」

 

澪「目立ってしまった・・・」

 

別の意味で目立ってしまった澪だった。

 

 

 

 

何とか全員完走した。

 

唯「ビリの人もちゃんとお餅が残ってて良かったね。ね?」

 

律「当たり前だろ?生徒の人数と同じ数しか買ってないなんてありえないし。」

 

豊「いやぁ〜、走り切った後のおしるこが美味い!」

 

陸「あぁ〜美味い。」

 

澪「うぅ・・・唯の勝手な思い込みのせいでまた・・・」

 

駿「元気出せよ澪。」

 

律「予言的中。」

 

唯「澪ちゃんごめんね。」

 

紬「でも、ちょっと楽しかったね。」

 

唯「うん!マラソン大会も良いかも!」

 

律・澪・陸・駿・豊「お前が言うな!」

 

唯「え?あはは〜・・・ごめんなさい!・・・お、おしるこのおかわりは如何?お餅もまだ残ってるよ?」

 

律「それは先生達の分だろ?」

 

陸「独り占めはアカンぞ。」

 

紬「あ。そう言えばさわ子先生は?」

 

律・澪「あ。」

 

陸・駿・豊「あ。」

 

唯「ん?」

 

 

 

 

 

 

一方、さわ子は森の中で。

 

さわ子「はぁ・・・はぁ・・・唯ちゃーん!何処に居るのー!おしるこ無くなっちゃうわよー!はぁ・・・お腹空いた・・・」

 

自分が遭難しているのに気付かず、唯を探しているさわ子であった。

 

『END』




         キャスト

       平沢唯:豊崎愛生
       秋山澪:日笠陽子
      田井中律:佐藤聡美
       琴吹紬:寿美菜子
       中野梓:竹達彩奈

       古川陸:土屋神葉
       真中駿:堀江瞬
       西原豊:深町寿成
       真中皐:小倉唯

     山中さわ子:真田アサミ
       真鍋和:藤東知夏
       平沢憂:米澤円
       鈴木純:巽悠衣子

     一文字とみ:千々松幸子
        校長:谷内健
   天気キャスター:杉浦奈保子
        生徒:那瀬ひとみ




『次回予告』

純「じゃあさ。軽音部の1日の活動内容を書いてみてよ。」

梓「良いよ。」

皐「えっとね〜。」

梓「ヤバイヤバイ!何時の間にかすっかりあのペースに馴染んじゃってる!」

澪「じゃあちょっと待ってて。そろそろ弦を張り替えたいんだ。」

紬「今度の学園祭用に、新曲書いてみたいの〜。」

梓「何かこうしてると、本当の軽音部みたいですよね。」

梓「今日こそ絶対、カムバック私!」

#30「先輩!」
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