けいおん`S   作:naogran

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ある日の桜高。

和「橘さん。秋山さん。松本さん。真中君。秋山さん。橘さん。秋山さん。西原君。古川君。と言う訳で、3年2組の学園祭の出し物。ロミオとジュリエットのロミオ役は、秋山澪さんに決定しました。」

”パチパチパチパチ”

唯「おぉ!澪ちゃんが主役!」

紬「凄いわ!」

陸「流石澪だな!」

律「良かったなぁ!澪!あ・・・」

反応しない澪に近付く。

律「秋山さ〜ん?」

そんな秋山さんは、笑顔で動かずにいた。

律「気絶してるな・・・」

駿「良い笑顔だ・・・」

豊「魂が抜けたみたいだ・・・」


#32「主役!」

澪「い、異議あーり!」

 

和「何?秋山さん。」

 

澪「あ・・・えっと・・・やっぱり・・・主役を投票で決めるのは良くないんじゃ・・・」

 

和「でも立候補もなかったし、推薦もなかったでしょ?」

 

澪「り、律を推薦します!」

 

律「いい!?」

 

澪「元気だし、勇ましいし、何時もプロレスごっこやってるし!」

 

律「ロミオと何処に接点があるんだよ!!」

 

駿「ファンクラブで大人気のお前が何言ってんだよ。お前に適任かと思うぞ。」

 

澪「じ、じゃあ駿か豊が・・・もしくは陸が・・・」

 

豊「俺達に振るなよ。」

 

澪「うぅぅ・・・」

 

唯「成る程!澪ちゃんだけに、ロ澪があってでしょう!」

 

陸「座布団1枚!」

 

澪「上手い事言ったつもりか!後座布団撤去しろ!」

 

律「良いじゃんか良いじゃんか。当日は私がメイクしてあげるから。濃い紫のアイシャドウで。」

 

澪「魔女か私は!」

 

駿「最早悪役。」

 

律「そして、私がその様子をステージ最前列でビデオ撮影〜。」

 

澪「ひ、他人事だと思って・・・」

 

和「田井中さん。」

 

律「ん?」

 

和「ジュリエット役宜しくね。」

 

豊「ダブル主役。」

 

律「い、異議あり!」

 

駿「おい降り掛かる火の粉を払い退ける気か。」

 

律「私がジュリエットはありえないだろ!!」

 

和「しょうがないでしょ?投票はそうなったんだから。」

 

律「ジュリエットには、他に適任が居るだろ?例えば・・・ムギとか!」

 

紬「私は今回脚本だから。」

 

律「・・・じゃあイチゴとか!お姫様みたいで可愛いし!」

 

イチゴ「え?やだ。」

 

律「クッ・・・!じゃあミカは!?お姫様やりたいって言ってたじゃん!」

 

ミカ「うん。でもロミオが澪ちゃんだもん。」

 

律「なんと・・・」

 

クラスメイト「そうだよ!ロミオが澪ちゃんだったら、ジュリエットはりっちゃんしか居ないじゃん!」

 

豊「確かに。」

 

律「え!?」

 

豊「何時も交尾してるだろ?」

 

駿「それにボケが居なかったら、ツッコミが困るだろ?」

 

律「この裏切り者!私達は漫才師か!」

 

紬「りっちゃんと澪ちゃんが主役なら、台本大幅に書き直さなきゃ!」

 

律・澪「何する気だ!?」

 

駿・豊「変なスイッチが入った。」

 

和「じゃあ、特に異論もないと言う事で。次に他の役割を決めて行きたいと思います。」

 

律「全く聞いてない・・・」

 

和「まず衣装ですが・・・」

 

さわ子「はい!立候補します!」

 

和「え!?」

 

陸「先生自ら!?」

 

和「でも、先生にそんな事・・・」

 

さわ子「大丈夫。悪いようには。しないから。」

 

笑顔で律と澪を見た。

 

律・澪「・・・!!」

 

駿(お約束の展開・・・)

 

 

 

 

 

 

放課後の部室。

 

梓「へぇ〜。じゃあクラスで劇やるんですね。」

 

紬「そうなの。」

 

皐「澪ちゃんがロミオなんて良いじゃん!」

 

梓「それで澪先輩はあんなに・・・」

 

主役の澪はトンちゃんを眺めてる。

 

梓「それにしても、律先輩がジュリエットだなんて・・・」

 

落ち込んでる律に梓と皐が。

 

梓・皐「プッ!」

 

律「笑いたければ笑えばいいだろ!!」

 

梓「別に笑ってなんかないですよ?」

 

皐「そうそう!ただりっちゃんがジュリエット役って想像したら・・・」

 

梓・皐「プッ!」

 

律「中野おおお!真中あああ!!」

 

梓「す、すみません!あはは!」

 

皐「いやぁ〜ん!くすぐったいよ〜!」

 

梓「あれ?じゃあ唯先輩は?」

 

唯「木Gだよ!」

 

梓「ABCDEF・・・木ってそんなに必要なんですか?」

 

唯「うぅ・・・ジッとしてなきゃいけないなんて・・・なんて難しい役・・・」

 

梓(どんな劇になるんだろう・・・)

 

陸「でも筋肉鍛えれそうだぞ。」

 

梓「陸先輩は何の役なんですか?」

 

陸「俺は駿と豊と一緒に劇のBGM作り。」

 

駿「ムギから貰った楽譜を演奏するんだ。」

 

梓「へぇ〜。」

 

紬「じゃあ私、台詞のチェックがあるから先に教室に行ってるね。」

 

律「あぁ。澪が落ち着いたら行く。」

 

紬が教室へ向かった。

 

律「さてと、どうにかしないとな・・・」

 

澪「私・・・トンちゃんになりたい・・・」

 

駿「アカン・・・現実逃避してる・・・」

 

梓「頑張って下さい!私すっごい楽しみにしていますから!」

 

皐「ロミオ役頑張って!澪ちゃん!」

 

澪「え!?た、楽しみにしなくていいよ!やりたくないんだから・・・」

 

駿「でも澪、お前主役に抜擢されたんだぞ?」

 

陸「今年の学園祭は澪一色になりそうだぞ。」

 

澪「・・・う・・・うぅぅ・・・」

 

泣き崩れてしまった。

 

陸「おい澪!?大丈夫か!!」

 

泣き崩れた澪を支える。

 

律「あ〜・・・駿、トドメ刺してどうするんだよ・・・」

 

駿「スマン。うっかり。」

 

すると澪がシュバっと立ち上がった。

 

陸「おぉ!?」

 

そのまま部室の入り口へ歩き出した。

 

律「何処行くんだ!?これから稽古だぞ!」

 

途中で止まった。

 

皐「澪ちゃんどうしたの?」

 

澪「すまない・・・実は私、転校する事になったんだ・・・」

 

律・梓・駿・豊「は?」

 

澪「パパの仕事の都合で、イルクーツクに移住する事になってさ・・・」

 

律「何処行く気だ・・・?」

 

陸「ロシア・・・?」

 

梓「パパ・・・?」

 

澪「お父さん!と、兎に角!そう言う訳だから!じゃあ!」

 

律「待てーい!!」

 

澪「ヒイイィィ・・・!!」

 

逃げようとする澪を捕まえた。

 

澪「頼む!!必ず学園祭後には戻って来るから!!」

 

駿・豊「メロスかお前!」

 

梓「ライブはどうするんです!!」

 

澪「それは、私の双子の妹が!」

 

駿「嘘吐け!!」

 

澪「ハッ!夢か・・・いやぁ〜、ビックリしたよ〜。私がロミオ役に選ばれるなんて変な夢だよな〜。」

 

梓「段々現実逃避が酷くなって来てますね・・・」

 

陸「はい・・・」

 

澪「さぁ!皆学園祭ライブに向けて練習開始するぞ!」

 

陸「逃げんじゃねえ!!」

 

澪「ああ!!」

 

ベースを取り上げた。

 

律「行くぞ。」

 

澪「嫌ーーー!!嫌だーーーー!!」

 

駿「暴れるな!大人しくしろ!」

 

豊「逃げるんじゃねえぞ!」

 

陸「嫌でも稽古付けさせてやる!!」

 

そのまま5人が教室へ澪を連れて行く。

 

皐「賑やかだねぇ・・・」

 

梓「うん・・・行かなくて良いんですか?」

 

まだ木Gの練習をしてる唯。

 

唯「ジッとしてなさいって、和ちゃんが。」

 

皐「大変だねぇ。」

 

 

 

 

 

 

3年2組。ステージ作りと劇の稽古と衣装の採寸など。

 

和「無理?」

 

律「うん・・・どうしてもって言い張ってな。」

 

駿「この子、人見知りだからなぁ。」

 

澪「・・・やっぱり主役は・・・」

 

紬「残念だけど、澪ちゃんライブもあるしね・・・」

 

和「そう・・・まぁどうしてもって言うなら考えるけど。」

 

澪「本当!?」

 

和「でも、折角クラスの皆が選んでくれたんだからちょっと頑張ってみない?」

 

澪「え?」

 

和「楽しみにしてると思うの。皆。」

 

稽古に励むクラスメイト達を見る。

 

クラスメイト「おのれモンタギュー!そこに直れー!」

 

クラスメイト「それじゃ時代劇だよ〜!」

 

クラスメイト達「あははははは!」

 

豊「どうだ?澪も少しやる気出たか?」

 

澪「・・・うん!分かった!」

 

紬「良かった〜。」

 

律「流石和だな。」

 

陸「説得が上手いな。」

 

紬「うん。」

 

律「でも、皆が真面目に選んだとは思えないけどな・・・」

 

クラスメイト「秋山さんのロミオ楽しみ〜!」

 

クラスメイト「私も〜!」

 

駿「推薦したのは殆どファンクラブの子達だな・・・」

 

 

 

 

 

 

稽古が続き。

 

律「あの!モンタギュー家のロミオ様じゃありません?」

 

紬「カット!」

 

律「え!?」

 

紬「りっちゃん!そこはもっとジュリエットの気持ちになって!」

 

律「しゅみましぇん・・・」

 

紬「じゃあ次はロミオ!」

 

澪「え!?え、えっと・・・い、いいえ・・・あなたがお嫌いならそのどちらでも・・・」

 

紬「カット!」

 

澪「え!?」

 

紬「澪ちゃん!まだ恥ずかしがってる!」

 

澪「うぅ・・・ムギ厳しい・・・」

 

紬「次りっちゃん!」

 

律「え!?えっと・・・それにしてもさ・・・」

 

紬「はいカット!」

 

律「ムギ・・・」

 

紬「え?」

 

律「もしかして、カットって言いたいだけじゃないだろうな?」

 

紬「え?えへへ〜。ごめんなさい。監督っぽいなと思ったら楽しくて。」

 

豊「どんどん憧れが達成されていくな。」

 

クラスメイト「でも、澪はもうちょっと声出さないと。」

 

陸「そんなんじゃ観客達に気持ち伝わらないぞ。」

 

澪「ご、ごめん・・・」

 

クラスメイト「りっくんの言う通りだよ!良い声してるんだから、皆に聞かせてあげないと!」

 

澪「うん・・・」

 

紬「じゃあそこに注意してもう1回!それではりっちゃんから!」

 

律「おお!えっと・・・おやすみなさい。朝までずっと・・・ゴニョゴニョ・・・」

 

澪「ん?」

 

紬「りっちゃん!まだ続きあるよ?」

 

陸「律?どした?」

 

律「だ、だって・・・このまま朝が・・・ダアァーーーー!!何じゃその台詞!!」

 

陸・駿・豊「ブチ切れた!?」

 

律「っつーか!そもそも何だよこの話!!何かと言えば勿体ぶって!!そんなに親が面倒なら!!家出でも何でもすれば良いんだろうが!!!」

 

全員「シェイクスピア全否定・・・」

 

陸「澪は澪で、あーだし・・・」

 

コソコソと台本を黙読してる澪。

 

全員「あ〜・・・」

 

 

 

 

 

 

部室に戻った。

 

律「あぁ・・・」

 

澪「もうダメ・・・」

 

紬「それで皆がちょっと心配しているみたいで・・・」

 

梓「まぁ確かに律先輩のジュリエットは無理がありますよね。」

 

律「ハッキリ言うなぁ・・・」

 

梓「ツッコミに全く迫力がない!!」

 

皐「完全に気力が低下している!!」

 

唯「そうだ!じゃあ良い考えがあるよ!」

 

律「何だよ・・・」

 

唯「あのねあのね!りっちゃんは普段から女の子っぽく!澪ちゃんは男の子っぽい仕草にしていれば良いんじゃないかな?」

 

陸「立場を逆にする事か。」

 

唯「そう!」

 

梓「あ〜!それはアリかもですね!」

 

紬「じゃあ、これからりっちゃんは男の子っぽい喋り方は禁止ね!」

 

律「マジかよ!!」

 

豊「それアウトー!」

 

律「うぅ・・・」

 

カップを持った瞬間。

 

唯「カップは両手でちゃんと持ちましょう!」

 

律「え〜!?」

 

唯「はい!小指も立てて!」

 

律「何で!?」

 

豊「じゃあさ。シャツの裾はスカートに入れなきゃだな。」

 

駿「ブレザーのボタンは閉めるように!」

 

律「ええ!?」

 

シャツの裾をスカートに入れて、ブレザーのボタンを閉めた。

 

律「うぅぅ・・・落ち着かない・・・」

 

梓「確かに違和感ありますね。」

 

皐「いや。これはこれで可愛い。」

 

唯「澪ちゃんも出来たよ!」

 

シャツの裾を出し、ブレザーのボタンを開けたポニーテール澪が現れた。

 

澪「本当にこんな事で・・・?恥ずかしい・・・」

 

梓「おぉ!」

 

陸「な、何だこのギャップ萌えは!?」

 

律「もういい。練習するぞ。」

 

 

 

 

ドラムに律が座る。

 

律「腰の所が暑苦しい・・・」

 

唯・紬・皐「ガニ股禁止!!」

 

律「演奏中は仕方ないだろ!!」

 

 

 

 

 

 

帰り道。

 

律「あぁ・・・やっぱり気になる・・・」

 

澪「私もお腹がスースーする・・・」

 

駿「我慢しろ。役になりきる為の特訓だ。」

 

豊「劇を成功するにはそれしかない。」

 

澪「それはそうだけど・・・なぁ律。やっぱり、今からでも止めないって言わない?」

 

律「・・・・・」

 

澪「り、律?」

 

豊「どうした?」

 

律「ダアァァーーーーー!!!!スカートの中にシャツ入れてたら暑苦しいっつーの!!」

 

皐「何時ものりっちゃんに戻った!!」

 

律「澪も戻せ戻せ!!これから特訓なんだから!!」

 

澪「え!?」

 

律「このままバカにされっぱなしで良いのかよ!!」

 

澪「わ、私は良いけど・・・」

 

駿・豊・皐「良いんだ・・・」

 

律「良くなーーい!!!やるぞーーーー!!!!」

 

澪「えええーーーーーー!?」

 

豊「じゃあ俺が付き添ってやるか。」

 

駿「頼むな。」

 

皐「健闘を祈るよ。」

 

 

 

 

 

 

田井中家。リビング。

 

聡「お芝居の稽古?姉ちゃんが?」

 

律「あぁ。だから部屋入って来るなよ。」

 

聡「何の役やるの?」

 

律「ジュリエット・・・」

 

聡「ブーーーー!!」

 

口に含んだコーラを吹いた。

 

律「聡ぃーーー!!笑うんじゃねえ!!」

 

聡「ご、ごめんごめん!あははは・・・!ゴホッゴホッ!!」

 

律「むぅ・・・」

 

 

 

 

 

 

律の部屋。

 

豊「ヨーイ!アクション!」

 

澪「こ、恋人の恋は!白銀のように優しくて!」

 

律「ダメザマス!そんなんじゃ名女優になれないザマスよ!」

 

豊「誰だお前!!」

 

澪「じゃあ律がやってよ!」

 

律「ウッ!し、しょうがないなぁ・・・もう世が明ける。小鳥のように、囚人の鎖のように・・・」

 

澪「プッ!!」

 

豊「ブッ!!」

 

澪「や、やっぱり似合わない!!」

 

豊「あははは!想像だけで腹が・・・!!!」

 

律「笑うな!!台詞は間違ってないだろ!!!」

 

澪「ま、間違ってないけど・・・律が・・・!プッ!!」

 

豊「腹が・・・腹が・・・!!」

 

澪・豊「あははははは!!!」

 

律「もう・・・」

 

聡『ぶはははははははは!!!』

 

廊下から聡の笑い声が聞こえた。

 

豊「ほら見ろ!聡まで腹筋崩壊してるぞ!ぐはははははは!!」

 

律「クゥ〜〜〜〜・・・!!!!」

 

 

 

 

 

 

その後。律と澪がベッドに倒れ込んだ。

 

律「ダメだ・・・」

 

澪「台詞は何とか覚えられたけど・・・」

 

豊「いやぁ〜澪。笑い過ぎたな。」

 

澪「だ、だって律のジュリエットって・・・プッ!」

 

豊「そうだよなぁ〜。ジュリエット律は・・・ブッ!」

 

律「思い出し笑いする程ですか!!澪のロミオだって、視線は良い出てとてもじゃないけど付いて行きた〜いって感じじゃないぞ!」

 

澪「うわあ!」

 

ベッドから澪を落とした。

 

澪「仕方無いだろ?実際不安なんだから。」

 

豊「不安なら仕方無いな。」

 

澪を起こした。

 

律「っつーか澪がジュリエットやれば良いじゃん。」

 

律「ちょっと不安そうにさ。ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」

 

澪「私そんなんじゃないだろ?律こそロミオをやれば。ああ、ジュリエット!どうして君はこんなに美しいんだい?」

 

豊「お?」

 

律「って、ロミオってそんなキャラか?」

 

澪「けど、少なくともジュリエットよりは向いてるだろ?あなたの為ならば!例え海の深くだろうと!」

 

豊「ストップストップ!!」

 

律・澪「え?」

 

豊「お前ら出来てるじゃん!!澪のロミオも!律のジュリエットも完璧だったぞ!!」

 

律・澪「・・・ッ!!出来てるーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

クラスメイト「さぁ!早くロレンス様の所へ!」

 

律「まぁ!嬉しいけれど、忙しい・・・」

 

陸「成る程な。律は澪が演じるジュリエットを想像して・・・」

 

駿「澪は律が演じるロミオを想像して演じてるんだな。」

 

クラスメイト達「ややこしい・・・」

 

陸「って事は澪も同じか。」

 

クラスメイト「ああ神よ!微笑みを!」

 

澪「た、例えどのような悲しみであれ・・・

 

全員「小さ!!」

 

豊「おい澪!昨日の演技はどうしたんだ!」

 

澪「だ、だって・・・あの時は律と豊しか居なかったし・・・」

 

豊「人見知りスイッチが入ったか・・・」

 

紬「だったら、りっちゃんしか居ないって思えば良いんじゃないかしら?」

 

豊「俺達を律だと思えば出来るんじゃねえか?」

 

澪「律しか?・・・」

 

全員を律の顔と見立てる。

 

澪「フッ。うるさそ。」

 

律軍団「鼻で笑うな!!」

 

和「人前で出る恥ずかしさだけ克服出来れば良いのよね?」

 

紬「そうなんだけど・・・あ!そうだ!澪ちゃん、今度の日曜日空いてる?」

 

澪「え?どうして?」

 

紬「特訓しようと思うの!澪ちゃんの!」

 

澪「わ、私の!?」

 

律「何をするつもりだ?」

 

紬「えっと、実は・・・」

 

耳打ちで教えてあげた。

 

律「成る程ね〜。」

 

澪「そ、そうだ!そう言えば私日曜に予定が・・・」

 

クラスメイト達「秋山さん!!」

 

陸・駿・豊「逃げるな!!」

 

澪「ウッ!・・・はい・・・」

 

 

 

 

 

 

今週の日曜日。とある喫茶店。

 

澪「ば、何・・・?ここ・・・」

 

陸「オシャレな喫茶店だな。」

 

紬「知り合いの人がやっている喫茶店なの。」

 

澪「喫茶店!?」

 

紬「そう!今日ここでバイトするの!」

 

澪「え!?」

 

律「バイトの接客で、人前に出る恥ずかしさを克服しようって訳さ!」

 

駿「俺達は客として入れば良いのか?」

 

紬「そう!さぁ皆!早く行こ〜!」

 

 

 

 

 

 

スタッフルーム。女性陣がウエイトレスに着替えた。

 

紬「梓ちゃん似合うね〜。」

 

梓「そ、そうですか?ムギ先輩も凄く可愛いですよ!」

 

紬「ありがと〜!」

 

皐「ねぇねぇ!私のもどお?」

 

紬「わぁ!皐ちゃんも似合うね〜!」

 

皐「えへへ〜。もっと褒めて〜!」

 

梓「律先輩も・・・」

 

メイド律を見て。

 

梓「プッ!」

 

律「言いたい事があるなら正直に言いなさい!」

 

唯「う〜ん・・・何かちょっとキツイ・・・」

 

澪「わ、私も・・・」

 

梓「あれ?サイズちゃんと伝えたんですよね?」

 

紬「えぇ。」

 

皐「何処かミスが起きたの?」

 

紬「でも成長期だから、少し合わないかもって言ってたの。」

 

律「何処が苦しいんだ?」

 

澪「え?えっと・・・私ウエストが・・・」

 

唯「私は胸が苦しい・・・」

 

その瞬間、澪が端っこで暗くなってしまった。

 

唯「澪ちゃん?」

 

皐「天然って怖い・・・」

 

 

 

 

 

 

ホール。

 

店長「それではお願いしますね。慣れない内は戸惑う事があると思いますが、兎に角1番大切なのは、お客様を迎える気持ちと笑顔です。」

 

紬・皐「はい!」

 

梓「笑顔か・・・」

 

唯「あずにゃん!やってみよやってみよ!」

 

梓「はあ。」

 

早速試してみる。

 

唯「いらっしゃいませ〜。」

 

梓「ありがとうございました〜。」

 

律「はいはい。可愛い可愛い。」

 

皐「冷たい!!」

 

唯「じゃありっちゃんもやってみてよ!」

 

律「え!?ええっと・・・・・・・お待たせしました〜。此方、アップルティーになりま〜す。」

 

梓「わぁ〜。可愛いです可愛いです〜。」

 

心のない拍手と褒め言葉。

 

律「ムカつく!!」

 

梓「プッ!」

 

律「中野おおーーー!!」

 

店長「それはそうと、秋山さんは?」

 

律「あ!す、すみません!えっと・・・多分何処かに隠れているんじゃ・・・」

 

唯「ハッ!隊長!彼処に隠れています!!」

 

裏方から澪が覗いてる。

 

律「ホラホラ。それじゃあ特訓にならないだろ?」

 

澪「私はいいよ!そんなに沢山ウエイトレスが居ると邪魔だろ?」

 

律「澪の為にやってんだろ?」

 

澪「わ、分かったよ・・・」

 

店長「ではお店を開けますね。」

 

喫茶店が開店した。

 

豊「1番客〜。」

 

駿「おぉ〜。可愛いウエイトレスさんがお出迎え〜。」

 

陸「さて、澪の特訓を拝見しますか。」

 

 

 

 

お客様が次々と来店し、唯達が接客する。

 

澪「うぅぅ・・・どうして律達は平気なんだ・・・」

 

律「それは・・・ある人のお陰で免疫が付いたって言うか・・・」

 

女性客「すみませーん。」

 

澪「え!」

 

律「ホラ。呼ばれてるぞ。」

 

澪「え!?」

 

律「いいから行って来い!」

 

澪「うわああ!」

 

背中を押された。

 

 

 

 

緊張しながら接客する。

 

澪「え、えっと・・・い・・・行ってらっしゃいませ!!」

 

女性客2人「え・・・?」

 

 

 

陸「緊張のあまり言葉が間違ってる・・・」

 

 

 

 

女性客「あの、注文良いですか?」

 

澪「え!?あ、はい!ただいま・・・あれ?ない!」

 

ペンがなかった。

 

女性客「慌てなくてもいいのよ?」

 

澪「す、すみません!少々お待ち下さい!」

 

 

 

 

澪「唯!書く物貸して!」

 

唯「え?・・・はい。」

 

ソーセージチーズを出した。

 

澪「何でチーズが入ってるんだ!」

 

唯「さっき厨房のおじさんがくれるって言うから。澪ちゃんにもあげる。」

 

澪「いらない!それより書く物!」

 

唯「あ。これペンなんだよ。」

 

澪「え?」

 

唯「ホラ。」

 

ボールペンを出した。

 

澪「ややこしい!」

 

唯「え?」

 

 

 

 

律「コントだな・・・」

 

皐「うん・・・」

 

梓「ですね・・・」

 

律「ん?」

 

 

 

 

先程の女性客が。

 

女性客A「高校生かな?」

 

女性客B「何か可愛いね〜。」

 

 

 

 

 

 

注文のカフェラテを運んだ。

 

澪「お、お待たせしました・・・」

 

プルプル震えながらカフェラテを置いた。

 

女性客A「ありがとう。平気?」

 

澪「え!?はい・・・すみません・・・」

 

 

 

 

裏方で澪がボーッとしてる。

 

紬「ん?大丈夫?澪ちゃん。」

 

澪「うん・・・やっぱり苦手だな・・・それに迷惑掛けるし・・・」

 

紬「じゃあ例えば、お客さんを親しい人だと思って接客してみたらどうかしら?」

 

澪「親しい人か・・・」

 

唯と律に接客するイメージ。

 

澪「ムカムカしてきた・・・」

 

紬「あれ?まぁまぁ。」

 

梓「でも、本当に中々慣れないみたいですね。澪先輩。」

 

律「まぁな。澪は人前だとベースも練習の半分の腕前になっちゃったりするからなぁ。」

 

唯「でもライブの時はちゃんと出来てるよ?歌も歌えるし。」

 

梓「そう言えばそうですね!」

 

律「あれは切羽詰まって・・・そっか!追い詰められれば出来るのか。」

 

店長「皆さん。お客様も少なくなる時間ですし。そろそろ休憩を取ってもいいですよ。」

 

律「はい。」

 

店長「秋山さんと紬様も・・・」

 

律「ああ!澪はいいんです。」

 

澪「え?」

 

律「特訓中ですから、休憩は無しで!」

 

澪「ええ!?」

 

店長「はぁ。そうですか。」

 

澪「り、律!!」

 

律「じゃあな〜!休憩しようぜ〜。」

 

梓「え!?でも可哀想じゃ!」

 

皐「澪ちゃん1人にさせる気!?」

 

律「いいからいいから。」

 

ウインクした。

 

梓「あ、はい・・・」

 

澪「うぅぅ・・・律め・・・」

 

 

 

 

 

 

休憩が無くなった澪は、陸達の接客をしてる。

 

陸「あらら。律のお陰で澪1人になっちゃったのか。」

 

澪「そうなんだよ。全く律は・・・」

 

駿「でもこれも好機だと思うぞ。澪の苦手を克服するには。」

 

澪「まぁそれもそうだけど・・・」

 

豊「心配するな。澪の成長を見守るから気楽にやれ。」

 

澪「大丈夫か?ここにずっと座って・・・」

 

豊「大丈夫大丈夫。澪の為ならお安い御用だし。」

 

 

 

 

 

 

スタッフルーム。

 

唯「わぁ〜!綺麗なカップだね!」

 

紬「お店の食器は全てヨーロッパから取り寄せているんだって。」

 

皐「ヨーロッパ!」

 

唯「そうなの?」

 

紬「軽音部で出してるお茶も、ここから少し頂いてるの。」

 

律「へぇ〜。」

 

メニューの値段を見る。

 

律「ゲッ!た、高・・・!」

 

唯「え?りっちゃん見てなかったの?」

 

律「うぅ・・・」

 

梓「私達、こんな高価な物をガブ飲みしてたんですね・・・」

 

唯「所で澪ちゃん、本当に大丈夫かな?困ってたみたいだけど。」

 

律「きっと、かなり追い詰められたと思うから。そろそろいいかな?」

 

 

 

 

 

 

ホールでは。

 

澪「ありがとうございました。」

 

入り口に居る澪を覗いてみる。澪が素敵な笑顔になってる。

 

唯「おぉ!!澪ちゃん凄い!!」

 

皐「素敵な笑顔だね!!」

 

梓「笑顔100点満点ですね!」

 

律「な?」

 

ドアを閉めた澪に皆が寄って来た。

 

唯「澪ちゃん!・・・あれ?澪・・・ちゃん・・・?」

 

梓「もしかして、気絶してる!?」

 

律「なっ!おい澪!しっかりしろ!!」

 

今の澪は笑顔で気絶中。

 

律「私が悪かったああーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

翌日の学校。3年2組。

 

澪「おはよ。」

 

唯「おぉ・・・完璧な笑顔・・・」

 

澪「ん?」

 

今の澪は満面な笑顔。

 

律「特訓した甲斐があったなぁ!」

 

駿「最後の方も接客が上手くいってたしな。」

 

澪「うん。接客はもう平気かも。」

 

紬「本当!?」

 

澪「それよりこの顔・・・昨日から固まって治らないんだ。」

 

全員「ええ!?」

 

豊「昨日から抜けてねえの!?」

 

律「そんなに辛かったのか・・・すまん!今治してやるからな!」

 

澪「いひゃいいひゃい!!」

 

両頬を強く引っ張った結果。

 

澪「治った。」

 

何時もの表情に戻った。

 

駿「何時もの澪だ!」

 

律「兎に角。これで演劇の稽古は大丈夫だな。」

 

澪「それは無理。」

 

全員「え?」

 

澪「接客と演技は全くの別物だから。」

 

陸「特訓の意味ねえじゃん・・・」

 

駿「だけど笑顔は完璧だ!」

 

紬「で、でも!やってみたら出来るかも!」

 

澪「どうかな・・・」

 

 

 

 

 

 

放課後の部室。

 

梓「じゃあ律先輩と澪先輩は?」

 

唯「うん!今日から毎日稽古の時間倍にして何とかするって!りっくん達もBGMの佳境に入ってるよ!」

 

梓「そ、そうですか。・・・・」

 

ずっと木のポーズをしてる唯に梓が集中出来てない。

 

唯「そして!幕が降りたら音も無く去る!」

 

梓「ライブ・・・大丈夫かな・・・?」

 

学園祭までもう少し。

 

『END』




         キャスト

       平沢唯:豊崎愛生
       秋山澪:日笠陽子
      田井中律:佐藤聡美
       琴吹紬:寿美菜子
       中野梓:竹達彩奈

       古川陸:土屋神葉
       真中駿:堀江瞬
       西原豊:深町寿成
       真中皐:小倉唯

     山中さわ子:真田アサミ
       真鍋和:藤東知夏
      田井中聡:伊藤実華
    クラスメイト:MAKO
           巽悠衣子
           藤田麻美
           中村知子
           佐藤有世
           平野妹
           杉浦奈保子
           陰山真寿美
        店長:小池謙一




『次回予告』

純「おぉ〜。もう人いっぱいだ〜。」

梢「結構来てるわね〜。」

憂「席あるのかな?」

澪「僕は痛みを知っている!」

澪「夜に甘い物は・・・」

律「大丈夫だ!何時にケーキを食べようがへっちゃらだ!何故なら今日は!」

梓「何ですか?」

唯「いや〜ん。」

陸「何だその喘ぎ声。」

律「お前の全てを見せてみろー!」

全員「あはははははは!」

唯「今夜は寝かさないぞ!子猫ちゃん!」

#33「ロミジュリ!」
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