けいおん`S   作:naogran

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ある朝の平沢家。

唯「ん〜・・・」

洗面所の鏡の前で、唯が髪型を気にしている。

憂「ん?」

唯「ん〜・・・」

角度を変えたり、髪の毛クシャクシャしたり、七三分けにしたり、横向きにしたり、ウィンクしたり、ピースしたり、頬を膨らませたり。

憂「ふふふふふ・・・」

唯「あ。憂。」

憂「何やってるの?お姉ちゃん。」

唯「憂ぃ・・・どうしよう・・・」

憂「ん?」

唯が髪型を気にしている理由は。


#35「卒業アルバム」

冬の季節を迎えた桜高。

 

梓「おはよう憂〜。皐〜。」

 

皐「梓おはよう!」

 

憂「おはよう梓ちゃ・・・あ!髪型どうしたの?イメチェン?」

 

梓「え?」

 

皐「何時もの梓じゃない。」

 

梓「あ〜。ボーッとしてて結ぶの忘れてた。」

 

憂「ボーッとしてたって、大丈夫なの?」

 

梓「大丈夫大丈夫。」

 

そのまま教室へ向かう。

 

皐「あ!梓!靴靴!」

 

梓「え?・・・あ。」

 

右手に上履きを持ってる。

 

梓「えへへ・・・」

 

 

 

 

 

 

2年1組の教室で、憂が梓の髪を結んでツインテールにしてあげた。

 

梓「ありがとう。」

 

皐「何時もの梓だ。」

 

憂「梓ちゃんらしくないね。」

 

梓「いやぁ〜。学祭が終わって何か腑抜けちゃって。」

 

皐「盛り上がってたもんね。」

 

憂「でも髪型変えるの良いね〜。私も変えようかな〜。」

 

梓「良いじゃん。どんなのにするの?」

 

憂「じゃーん!」

 

姉の髪型。

 

梓「うわあ!?」

 

皐「唯ちゃん!!」

 

憂「あず〜にゃん♡」

 

そのまま梓に抱き付いた。

 

梓「もお!何で唯先輩の髪型なのよ!!」

 

憂「えへへ〜。梓ちゃんに抱き付くの1度やってみたかったんだ〜。」

 

皐「一卵性双生児かな?」

 

憂「皐ちゃ〜ん♡」

 

今度は皐に抱き付いた。

 

皐「わぁ〜!唯ちゃんと同じ温もり〜!」

 

純「何やってんの?」

 

そこに純が登校した。

 

憂「髪型の話をしてたの。」

 

純「わあ!平沢姉妹似過ぎ!」

 

憂「ありがと〜。」

 

純「お礼言うトコ?」

 

ブラシをポケットに入れた憂が、髪からヘアピンを外した。

 

梓「あ、それ唯先輩の。」

 

皐「唯ちゃんのヘアピン?」

 

憂「朝からしてたよ?気が付かなかった?」

 

梓「腑抜けてて・・・」

 

皐「気付いてなかった・・・」

 

純「どうしたの?そのピン。」

 

憂「付けたまま持って来ちゃったみたいで。」

 

純「どうして?」

 

憂「朝ね?お姉ちゃんと色々髪型とか研究してて。」

 

梓「へぇ〜。」

 

憂「どんな感じが良いかお姉ちゃん悩んでて。私がお姉ちゃんのヘアピン付けてモデルになってたの。もうすぐ個人写真撮るんだって。」

 

梓「へ?」

 

皐「もしかして、卒業アルバムの?」

 

憂「そうだよ。」

 

梓「・・・・」

 

 

 

 

 

 

一方3年2組では。

 

唯「・・・・・・・」

 

気力を無くしてる唯が居た。

 

陸「どうした唯?朝から。」

 

和「頭痛?」

 

唯「今日の私は何時もの私じゃないのです。」

 

陸「何じゃそりゃ?」

 

和「そんな風には見えないけど。」

 

唯「あう〜!和ちゃんりっくん・・・長い付き合いなのに・・・」

 

陸「どうしたんだ?」

 

唯「ここ・・・」

 

右の髪に手を当てて教えた。

 

和「ヘアピン?」

 

陸「あ。ない。」

 

和「忘れたの?落としたの?」

 

唯「憂に刺したまま。」

 

和「え?」

 

陸「憂に?」

 

唯「今朝鏡見ても分かんなかったから、憂を見て客観的に研究してたんだけど・・・」

 

和「それでそのまま来た訳ね。」

 

陸「本当お前と憂は瓜二つだよな。」

 

唯「そう。何か何時もピタッとしてる所がしてないと変な感じ。」

 

陸「分かる。」

 

唯「和ちゃんりっくん。何か留める物持ってない?」

 

陸「そう言われても持ってねえよ。姉ちゃんなら持ってるけどな。」

 

和「そうねぇ・・・こんな物しかないわ。」

 

机の中から、オレンジのクリップを出した。

 

陸「クリップ?」

 

唯「クリップっすか。フム。これで留まるかな?」

 

陸「アリエッティか。」

 

紬「良かったら使って?」

 

登校した紬が、唯に髪留めをあげた。

 

陸「ムギ。」

 

紬「結ぼうか?」

 

唯「ありがと〜!お願い〜!」

 

紬「うん!」

 

唯の後ろに回り、ブラシで髪を伸ばす。

 

紬「後ろで結ぶには、ちょっと長さが足りない。」

 

髪の毛を上に結んだ。

 

唯「フム。」

 

新しい髪型を鏡で見た。

 

唯「ギャアアアーーーー!!!」

 

おデコ丸出しで絶叫した。

 

澪「唯。何してるんだ?」

 

駿「どうしたんだ?悲鳴出てるぞ。」

 

唯「ムギちゃんが!ムギちゃんが!」

 

駿「ムギ?」

 

紬「おデコ禁止?」

 

陸「唯はおデコ出すのが嫌いなんだ。」

 

駿「律と正反対だ。」

 

律「な〜に〜!?キッパリ出せキッパリ!」

 

和「中々良いわよね。唯のおデコも。」

 

豊「何時もと違って新鮮な感じ。」

 

唯「ダメー!これだけは許してー!」

 

紬「お!じゃあ!」

 

 

 

 

今度は純と同じ髪型にしてみた。

 

律「あら可愛い!」

 

陸「純そっくり。」

 

唯「そお?」

 

和「うん。こう言う犬見た事あるわ。」

 

唯「犬!?」

 

すると教室のドアが開き、憂が出て来た。

 

憂「お姉ちゃん。」

 

澪「ん?ああ憂ちゃん。どうしたの?」

 

憂「すみません。これ、お姉ちゃんに。」

 

ヘアピンを渡した。

 

澪「唯。」

 

唯「あ!」

 

陸「あ。憂。」

 

唯「え?」

 

手を振ってる憂を見付けた。

 

唯「憂!ありがとー!」

 

 

 

 

 

 

放課後。梓達が教室からグランドを見てる。

 

梓「何かグランド寂しいね。」

 

皐「先輩達が居ないもんね。」

 

憂「運動部の3年生引退しちゃったもんね。」

 

純「ウチもだよ。」

 

梓「・・・あれ?」

 

皐・憂・純「ん?」

 

 

 

 

その後。梓が走って部室へ向かう。

 

皐「梓!どうしたの!?」

 

梓(学祭が終わったから3年生は引退!卒アルの写真撮るって言ってたし!もう!)

 

 

 

 

部室のドアを開けた。

 

梓「ハァ・・・ハァ・・・」

 

澪「息切らせてどうしたんだ?」

 

部室には3年生全員居た。

 

律「大丈夫か?」

 

梓「何で居るんですか?」

 

唯「はい。」

 

梓「ん?」

 

唯「早くムギちゃんのおやつ食べたかったんだよね〜。あ〜ん。」

 

ケーキを梓に食べさせてあげるが。

 

梓「唯先輩と一緒にしないで下さい!」

 

皐「唯ちゃん唯ちゃん!あ〜ん!」

 

唯「お!あ〜ん!」

 

ケーキを皐に食べさせた。

 

皐「旨し!」

 

律「私達が引退して部室に来なくなったのかと思ったんじゃないの〜?」

 

梓(うっ!こう言う時だけ鋭い!)

 

左右から唯と律が梓を抱き締めた。

 

律「梓は寂しがり屋だなぁ〜!」

 

唯「きゃわいいきゃわいい〜!」

 

梓「・・・だぁーーー!!」

 

力いっぱいに2人を弾いた。

 

律「暴力よ暴力!」

 

唯「こわぁ〜い!」

 

梓「何ですかそのキャラ!って言うか何で皆さん部室に居るんですか!?」

 

唯「え?何でって落ち着くし。」

 

律「空調完備。」

 

さわ子「お菓子も出て来る!来ない理由がないわよ〜。」

 

唯・律「ね〜!」

 

梓「先生まで・・・」

 

皐「もう実家みたいになってるね・・・」

 

澪「まぁ冗談はここまでにして。これからは、ここで受験勉強しようかなっと思ってね。」

 

梓「へ?」

 

紬「やっぱり迷惑かな?」

 

梓「いえ。そう言う事でしたら、私は全然。賑やかで良いですし。」

 

律「良かったなぁ〜。梓。独りぼっちにならなくて。」

 

陸「いや皐も居るだろ。」

 

律「そうでしたわね〜。」

 

梓「律先輩達は遊ばずにちゃんと勉強出来るんでしょうね?」

 

律「出来るわい!!」

 

唯「失礼な子ね!!」

 

駿「本当かいな?」

 

さわ子「所で、りっちゃん唯ちゃん。」

 

唯・律「うん!」

 

唯「美味しいよね!このイチゴショート!」

 

さわ子「じゃなくて、流石にもう進路は決めたわよね?」

 

唯・律「げっ!!」

 

さわ子「進路希望用紙まだ出てないけど。」

 

豊「お前等まだ決めてなかったのか!?」

 

律「いやぁ〜!私達ちゃんと夏期講習行ったし!」

 

唯「受験しようと思って!」

 

さわ子「だから何処の大学?何学部?」

 

律「うぅぅ・・・」

 

唯「私・・・さわちゃんみたいになりたいな!!」

 

さわ子「まぁ!嬉しい事言ってくれるじゃない!」

 

唯「さわちゃんみたいにお菓子食べてお茶飲んで!毎日楽しくお喋りしたい!」

 

”ゴチン!!”

 

だが陸に殴られた。

 

唯「あうぅ〜・・・」

 

陸「そんな理由で進路が決まるかアホ!!」

 

さわ子「そうよ!!それに私ちゃんと仕事もしてるわよ!!あ。澪ちゃんは書類早く出してね?」

 

澪「はい。」

 

唯「澪ちゃん。何の書類?」

 

駿「澪は推薦受けるんだ。」

 

唯「そお!」

 

さわ子「澪ちゃんの成績なら、公立の推薦選抜入試を余裕で受かるんじゃない?」

 

梓「凄いですね!」

 

皐「澪ちゃん凄い!」

 

澪「ああ、いやぁ・・・」

 

豊「ムギは私立の女子大だっけ?」

 

紬「うん。」

 

律「私もムギと同じ所受けよっかなぁ〜?」

 

紬「え?」

 

唯「あ!じゃあ私もそこ!」

 

陸「じゃあって何だよじゃあって!」

 

さわ子「もっとちゃんと考えて決めなさい?自分達のレベルも考えてね?」

 

唯・律「は〜い。」

 

さわ子「陸君達は上京するのは何時から?」

 

陸「来年の3月です。卒業式が終わった1週間後に予定してます。」

 

さわ子「そう。東京は大変かも知れないけど、頑張ってね。」

 

陸「はい。」

 

澪「・・・・・」

 

さわ子「じゃあ澪ちゃん。書類明日までに宜しくね。」

 

澪「あ、はい・・・」

 

さわ子が部室を出た。

 

唯「じゃあ進路も決まった事で!」

 

梓「まだ決まってないですよ?」

 

皐「さっきので進路決まったの?」

 

唯「こっちも!」

 

梓「どうしたんですか?いきなり。」

 

ファッション雑誌のヘアスタイルのページを見せた。

 

唯「卒アルに写る時の髪型研究するの。やっぱバッチシ決めたいよ。一生残るんだもん。」

 

豊「髪型にも拘るとは。」

 

梓「勉強しないんですか?」

 

唯「だって入試は来年だけど、個人写真の撮影は明後日なんだよ?あずにゃん。」

 

澪「来年って・・・」

 

陸「そんな簡単に言うか・・・?」

 

律「そこは私もツッコミたいぞ!」

 

梓「いいですか?ちゃんと勉強しないと落ちますよ?」

 

唯・律「うぅっ!!」

 

皐「落ちたら浪人生だよ?」

 

唯・律「ぐああああ!!」

 

痛い所を疲れた唯と律がダウンした。

 

唯「落ちるとか滑るとか浪人生とか・・・受験生には禁区だよ・・・」

 

律「切れるとか別れるとかもな・・・」

 

紬「それは結婚式!」

 

律「おぉ〜!こう言う漫才が成立した!」

 

唯・紬「わぁ〜い!」

 

駿「呑気だなぁ〜。」

 

澪「・・・」

 

1人髪型を見てる澪。

 

唯「あ!澪ちゃん。良い髪型あった?お!澪ちゃん!その髪型で卒アル写るの!?」

 

陸「パンクロック!?」

 

澪「ないだろ!どっちかと言うと、こんなの。」

 

駿「ドレッドヘアー?」

 

全員「おぉ〜。」

 

澪「ギャグなんだけど・・・」

 

陸・駿・豊・皐「知ってる。」

 

唯「私はこう言うの良いかなって。」

 

皐「ショート?」

 

梓「そんなに変えちゃうんですか?」

 

律「今のじゃダメなのか?」

 

紬「そのままで可愛いと思うけど。」

 

唯「そうかなぁ〜?」

 

律「じゃあ、明日デジカメ持って来るから試し撮りしてみるか。」

 

唯「おぉ〜!うん!」

 

 

 

 

 

 

その夜。唯が小学校中学校の卒アルを見返してる。

 

唯「小学校のはニヤけてて、中学のは緊張のし過ぎ。小学校のはもっと顎引いた方が良かった。中学校のは引き過ぎ。それに小学校は前髪が短くて、中学校はちょっと長い。」

 

憂「う〜ん・・・そうかな?」

 

唯「だから!今回はバッチシ決める!」

 

 

 

 

 

 

翌日の部室で、髪型の研究を始めた。

 

陸「じゃあまずは律からだ。」

 

阿弥陀クジで順番を決めた。1番手は律。

 

紬「本当サラサラね〜。りっちゃんの髪。」

 

カチューシャを取ってからブラシで髪を伸ばす。

 

律「もういいよ。」

 

紬「ずっと触ってた〜い♪」

 

律「おい〜・・・」

 

陸「駿。豊。律ってやっぱ、髪下ろすと美人だよな。」

 

駿「だろ?毎日おデコ丸出しだからな。」

 

豊「律。その髪型の方が世の男子にモテモテだぞ?」

 

律「もう茶化すなよ〜お前等〜。」

 

紬「よいしょ。」

 

カチューシャを付けた。

 

紬「もうちょっと上かな?」

 

カチューシャを少し上にあげた。

 

紬「上過ぎ?」

 

皐「澪ちゃん。」

 

澪「うん。この辺。」

 

カチューシャをジャストな位置にした。

 

唯・紬「おぉ〜!」

 

梓「行きますよ〜。」

 

律「おう!」

 

デジカメで律を撮影した。

 

梓「もう1枚。」

 

もう1枚撮影。取った写真を見てみる。

 

唯「おぉ!バッチシ!」

 

紬「うんうん!」

 

澪「あんま写真写りとか気にしない癖に決まるんだよな。律って。」

 

駿「じゃあ次は澪だ。」

 

澪「・・・」

 

次は澪を撮影。しかし本人は目を逸らして恥ずかしがってる。

 

唯「ビクビクしてる・・・」

 

律「この表情がなぁ・・・」

 

駿「澪は卒アルの時は緊張してるんだよなぁ〜。でもそこが可愛いんだよな。」

 

そう言いながら澪を撫で撫でする。

 

澪「うぅ・・・」

 

撫でられた澪が恥ずかしがる。

 

梓「明日はもっとリラックスして下さいね。」

 

澪「う、うん・・・」

 

豊「次はムギだな。」

 

紬「は〜い!」

 

豊「テンション高。」

 

紬「・・・ムッ!」

 

頬を膨らませて撮影。

 

律「何故?」

 

紬「何時もね?ぽわ〜んとした顔で写るから、キリッとした顔にしようと思って。」

 

唯「え〜?ムギちゃんはポワポワで良いんだよ!」

 

紬「そうかな?」

 

澪「何時ものムギで。」

 

皐「今のムギちゃんは私達の癒しだよ。」

 

紬「じゃあポワポワで行く〜!」

 

唯「うん!」

 

皐「あ!最後は唯ちゃんだね!」

 

唯「はい!」

 

遂に唯の出番。椅子に座って髪を整える。

 

梓「・・・プッ!ププププ・・・!」

 

何故か梓が笑い堪えてる。

 

唯「もお!あずにゃん!」

 

梓「すみません!」

 

気を取り直して撮影。

 

梓「あ!良いじゃないですか!」

 

律「マトモ過ぎる位マトモだ!」

 

澪「凄く真面目な生徒に見えるな!」

 

紬「えっと・・・そこは突っ込むトコ?」

 

唯「・・・・」

 

陸「どうだ唯?感想は。」

 

唯「ちょっと前髪長くない?」

 

梓「そんな事ないですよ。」

 

駿「そんなに変わんないと思うけど。」

 

唯「ううん。ちょーっとだけ長い。」

 

澪「そうか?」

 

唯「切る!」

 

全員「え?」

 

豊「前髪を?」

 

 

 

 

テーブルの椅子に座って、ハサミを出した。

 

紬「唯ちゃん!」

 

梓「ちょっと待って下さいよ!」

 

陸「何で髪型に関してはストイックなんだよ!」

 

律「切るなら美容院へ行った方が!」

 

澪「前髪だけカットしてくれるだろ!?」

 

唯「だって。美容院で切ると何時も短過ぎるんだもん。切って1週間位で丁度良くなるんだけど、明日まで伸びないし。」

 

律「せめてムギに切って貰え!」

 

紬「ええ!?私そんな重要な役出来るかな!?」

 

唯「大丈夫!時々自分でやってるもん!」

 

陸「そうだ!帰って姉ちゃんに切って貰ったらどうだ!?姉ちゃんなら唯の要望通りに切ってくれるだろ!」

 

唯「ううん!梢ちゃんにそんな重役任せられないよ!」

 

ハサミをゆっくりと前髪に近付ける。

 

澪「もう見てられない・・・!」

 

”チョキン”

 

ゆっくりと前髪を少しずつ切る。

 

”チョキン””チョキン””チョキン”

 

全員「お!」

 

唯「・・・どお!?」

 

紬「良いんじゃない?」

 

律「それで行け!それで!」

 

陸「その髪型をキープしろ!」

 

唯「ん〜・・・まだちょ〜っと長いかも。」

 

律・澪・駿・豊「え?」

 

紬・梓・皐「ちょっ!!」

 

陸「もう止めろ!」

 

しかし唯はハサミを再び前髪に近付ける。だがその時。

 

唯「ん?」

 

突然鼻がムズムズし始めた。

 

唯「はっ・・・はっ・・・」

 

陸「唯!!ハサミ置け!!早く!!」

 

唯「へっくし!!」

 

全員「うわああ!!」

 

だがくしゃみしてしまい、前髪を大方切ってしまった。

 

全員「・・・・・!」

 

唯「ん〜・・・」

 

陸「ゆ・・・唯・・・」

 

唯「何?」

 

鏡で唯を映した。唯の前髪がバッツリ切られてる。

 

唯「・・・・・ハッ!!・・・・・切り過ぎました・・・・・・」

 

駿・豊・皐「・・・・・!!」

 

後ろで3人が顔を隠して笑い堪えてる。

 

唯「ど・・・どうかな・・・?」

 

澪「う・・・うん!」

 

紬「凄く似合ってるよ!!」

 

律「メチャクチャ可愛い!!」

 

梓「はい!!若返ったって言うか!!」

 

唯「子供っぽいって事・・・かな・・・?」

 

梓「ああ!」

 

突然梓がダウンした。

 

陸「梓!!」

 

澪「で、でも!そこまで切ったな〜って感じじゃ・・・」

 

唯「果たしてそうでしょうか・・・?」

 

澪「ああっ!!」

 

今度は澪もダウンした。

 

唯「卒アルなのに・・・一生残る写真なのに・・・」

 

前髪が無くなって、唯が泣いてしまった。

 

律「誤魔化せ!!これで誤魔化せ!!」

 

自身のカチューシャを貸してあげる。

 

唯「いや!おデコだけは勘弁して頂きたい!!」

 

律「クッ!すまんかった・・・!」

 

紬「ちょっと横に流したら良い感じになるんじゃないかな?」

 

陸「ムギ。やってみろ。」

 

切った前髪を横に流してみる。

 

紬「ホラ。こうやって。」

 

陸「どうだ?」

 

鏡を見せる。

 

唯「・・・どう?」

 

律「うん!良い良い!」

 

澪「可愛くなった!」

 

梓「はい!」

 

唯「本当・・・?」

 

梓「何か垢抜けた気がします!」

 

唯「そうかなぁ〜?」

 

陸「笑った。良かった。んで、お前等まだ笑ってんのか?」

 

駿「す、すまん・・・」

 

豊「唯の前髪が切られた時は・・・」

 

皐「笑ってしまったよ・・・」

 

律「じゃあ、お茶にするか。」

 

澪「あぁ。」

 

紬「今日ね?モンブランなの!」

 

唯「モンブラン!?」

 

陸「モンブラン!俺の好物!」

 

 

 

 

お菓子のモンブラン。

 

唯「おいひ〜!」

 

律「ホレ。」

 

栗を唯にあげた。

 

唯「良いの!?」

 

律「うん!」

 

唯「わぁ〜!」

 

駿「俺からも。」

 

豊「食ってくれ。」

 

陸「今日は特別だ。」

 

他の皆も唯に栗をあげた。

 

唯「おぉー!」

 

梓「もう。甘やかし過ぎじゃないですか?」

 

皐「甘いだけに?はい唯ちゃん。」

 

2人も唯に栗をあげた。

 

唯「皆・・・ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

夕方の帰り道。

 

唯「じゃあまた明日ね〜!」

 

梓「失礼します!」

 

紬「バイバーイ!」

 

陸「また明日ー!」

 

律「じゃあなー!」

 

澪「またな!」

 

駿「バーイ!」

 

豊「気を付けろよなー!」

 

皐「またねー!」

 

横断歩道で唯達と別れた。

 

律「そう言や澪。推薦の書類今日までじゃなかったのか?」

 

澪「あぁ。」

 

律「おいおい忘れたのか?」

 

澪「律だって早く出さないと。進路希望用紙。」

 

律「分かってるけどさぁ。」

 

澪「私は明日出すよ。」

 

豊「そっか。期待してるぞ澪。」

 

 

 

 

 

 

翌日の桜高。

 

唯「・・・・」

 

陸「・・・」

 

タオルを頭に被った唯が陸と憂と一緒に登校した。

 

憂「おはよう梓ちゃん。」

 

梓「おはよ〜。」

 

陸「梓おはよう。」

 

梓「おはようございます。」

 

唯「おはようございます・・・」

 

梓「先輩。まだ気にしてるんですか?」

 

唯「うん・・・昨日に戻りたい・・・」

 

陸「それが出来たら苦労しねえよ。」

 

 

 

 

 

 

3年2組。

 

律「観念しなよ。」

 

澪「往生際悪いぞ?」

 

駿「ここまで来たんだし。決心付けよ。」

 

唯「お気遣いなく・・・直に良くなりますので・・・」

 

紬「唯ちゃん!そんな事してたら、今日のおやつ無しにしちゃいますよ?」

 

豊「流石にそれで唯が・・・」

 

唯がタオルを外した。

 

陸「素直だな。」

 

律「子供か。」

 

 

 

 

 

 

個人写真の撮影時間。空き教室でカメラマンが生徒の個人写真を撮影。

 

唯「そろそろだね。」

 

待機中の澪の髪型を真っ直ぐにした。

 

紬「はい。オッケー。」

 

さわ子「秋山さん。」

 

澪「はい!」

 

唯「怖くないからね〜。」

 

澪「うん!」

 

律「よし!行って来ーい!」

 

唯「行ってらっしゃ〜い!」

 

椅子に座ったが、まだ緊張してる。

 

駿「澪!深呼吸で緊張を解せ!」

 

澪「すぅ〜・・・はぁ〜・・・」

 

深呼吸して、緊張を解した。

 

”カシャッ”

 

バッチリ撮れた。

 

 

 

 

次は紬。

 

”カシャッ”

 

ポワポワに撮れた。

 

 

 

 

次は律。

 

”カシャッ”

 

何時も通り撮れた。

 

 

 

 

次は豊。

 

”カシャッ!”

 

これも何時も通りに撮れた。

 

 

 

 

唯「ああ!次私だ!」

 

ポケットからリップクリームを出して、口に塗った。律が唯の肩の埃を払い、紬が唯のネクタイをキチンとしてあげた。

 

唯「ん!」

 

律・澪・紬・陸・駿「うん!」

 

唯「よし!行って来る!」

 

 

 

 

椅子に座って、髪を整えて、襟を正して、何故か少しピースした。

 

さわ子「平沢さん。」

 

唯「は、はい!」

 

”カシャッ”

 

違和感なく撮れた。

 

 

 

 

唯「ただいま!」

 

紬「おかえり〜!」

 

 

 

 

次は陸。

 

”カシャッ”

 

 

 

 

そして駿。

 

”カシャッ”

 

 

 

 

陸「よし。これで軽音部員全員撮れたな。」

 

駿「お疲れさん。」

 

さわ子「秋山さん。」

 

澪「はい。」

 

さわ子「後で職員室にいらっしゃい。」

 

澪「あ、はい。」

 

全員「ん?」

 

 

 

 

 

 

その後。澪は職員室へ。唯と律と紬が覗いてる。

 

陸「何で覗いてんだよ。」

 

唯「だって気になるよ。」

 

駿「全くお前等は。」

 

豊「どうなっても知らねえぞ。」

 

澪「失礼しました。」

 

職員室から澪が出た。

 

唯「澪ちゃん。呼び出しって何だったの?」

 

陸「推薦はどうだった?」

 

澪「え?・・・・」

 

駿「お前、まさか。」

 

律「もしかして、推薦入試断ったとか?」

 

唯・紬・陸「え!?」

 

澪「っ・・・!」

 

駿「その反応、図星か。」

 

澪「何でそれを・・・」

 

律「やっぱりな。」

 

豊「お前が推薦の書類を忘れるなんて澪じゃないって思ってたからな。」

 

唯「でも何で断ったの!?勿体無いよ・・・」

 

陸「折角のチャンスを手放すなんて!」

 

澪「・・・あ・・・あの・・・」

 

全員「ん?」

 

澪「・・・私も皆と一緒に勉強して・・・出来たら・・・出来たらだけど・・・私も一緒の大学に行ければなって!」

 

唯・律・紬「っ!!」

 

唯「一緒の!?」

 

律「大学!?」

 

そう。澪は皆と一緒に大学に受かりたくて推薦を断ったのだ。

 

陸「澪・・・」

 

駿「こんなに成長したなんて・・・俺嬉しいぞ〜・・・」

 

豊「お前は澪の父か。」

 

 

 

 

 

 

翌日の桜高。

 

澪「先生!」

 

さわ子「ん?」

 

職員室に唯と律と澪が入って来た。

 

さわ子「3人揃ってどうしたの?」

 

唯「進路希望用紙出しに来ました!」

 

3人がさわ子に進路希望用紙を提出した。さわ子が3枚拝見する。

 

唯・律・澪「・・・」

 

3枚拝見したさわ子の表情が優しくなった。

 

さわ子「はい。受け取りました。」

 

唯・律「やったー!!」

 

澪「ホッ・・・」

 

やっと進路希望用紙が受理された。

 

 

 

 

覗いていた紬がウキウキしてる。

 

 

 

 

さわ子「頑張りなさい。皆一緒の女子大に行けると良いわね。」

 

唯・律・澪「はい!」

 

 

 

 

職員室から3人が出た。

 

律「いやぁ〜良かったな〜!」

 

唯「良かったね〜!」

 

澪「一緒に頑張ろうな!」

 

律「おう!」

 

唯「取り敢えず、お茶にしよう!」

 

律「だな!」

 

澪「おい!」

 

紬「ふふ。」

 

律「お茶お茶〜!」

 

4人は無事、同じ大学へ入る事が出来るのか。

 

『END』




         キャスト

       平沢唯:豊崎愛生
       秋山澪:日笠陽子
      田井中律:佐藤聡美
       琴吹紬:寿美菜子
       中野梓:竹達彩奈

       古川陸:土屋神葉
       真中駿:堀江瞬
       西原豊:深町寿成
       真中皐:小倉唯

     山中さわ子:真田アサミ
       真鍋和:藤東知夏
       平沢憂:米澤円
       鈴木純:巽悠衣子




『次回予告』

唯「ふー?誰?」

律「凡ゆる鉛筆で試した結果、7号は、正解率60%を記録した優れ物だぞ!」

澪「今度受ける所の試験は、選択肢1から9まであるけどな。」

紬「ちょっと休憩する?お茶でも入れよっか。」

梓「何お願いしてるの?」

憂「お姉ちゃん達が、全員同じ大学に合格して、無事卒業出来ますようにって。」

陸「皆は必ず合格出来る。俺達はそう願ってる。」

#36「受験!」
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