唯「ん〜・・・」
洗面所の鏡の前で、唯が髪型を気にしている。
憂「ん?」
唯「ん〜・・・」
角度を変えたり、髪の毛クシャクシャしたり、七三分けにしたり、横向きにしたり、ウィンクしたり、ピースしたり、頬を膨らませたり。
憂「ふふふふふ・・・」
唯「あ。憂。」
憂「何やってるの?お姉ちゃん。」
唯「憂ぃ・・・どうしよう・・・」
憂「ん?」
唯が髪型を気にしている理由は。
冬の季節を迎えた桜高。
梓「おはよう憂〜。皐〜。」
皐「梓おはよう!」
憂「おはよう梓ちゃ・・・あ!髪型どうしたの?イメチェン?」
梓「え?」
皐「何時もの梓じゃない。」
梓「あ〜。ボーッとしてて結ぶの忘れてた。」
憂「ボーッとしてたって、大丈夫なの?」
梓「大丈夫大丈夫。」
そのまま教室へ向かう。
皐「あ!梓!靴靴!」
梓「え?・・・あ。」
右手に上履きを持ってる。
梓「えへへ・・・」
2年1組の教室で、憂が梓の髪を結んでツインテールにしてあげた。
梓「ありがとう。」
皐「何時もの梓だ。」
憂「梓ちゃんらしくないね。」
梓「いやぁ〜。学祭が終わって何か腑抜けちゃって。」
皐「盛り上がってたもんね。」
憂「でも髪型変えるの良いね〜。私も変えようかな〜。」
梓「良いじゃん。どんなのにするの?」
憂「じゃーん!」
姉の髪型。
梓「うわあ!?」
皐「唯ちゃん!!」
憂「あず〜にゃん♡」
そのまま梓に抱き付いた。
梓「もお!何で唯先輩の髪型なのよ!!」
憂「えへへ〜。梓ちゃんに抱き付くの1度やってみたかったんだ〜。」
皐「一卵性双生児かな?」
憂「皐ちゃ〜ん♡」
今度は皐に抱き付いた。
皐「わぁ〜!唯ちゃんと同じ温もり〜!」
純「何やってんの?」
そこに純が登校した。
憂「髪型の話をしてたの。」
純「わあ!平沢姉妹似過ぎ!」
憂「ありがと〜。」
純「お礼言うトコ?」
ブラシをポケットに入れた憂が、髪からヘアピンを外した。
梓「あ、それ唯先輩の。」
皐「唯ちゃんのヘアピン?」
憂「朝からしてたよ?気が付かなかった?」
梓「腑抜けてて・・・」
皐「気付いてなかった・・・」
純「どうしたの?そのピン。」
憂「付けたまま持って来ちゃったみたいで。」
純「どうして?」
憂「朝ね?お姉ちゃんと色々髪型とか研究してて。」
梓「へぇ〜。」
憂「どんな感じが良いかお姉ちゃん悩んでて。私がお姉ちゃんのヘアピン付けてモデルになってたの。もうすぐ個人写真撮るんだって。」
梓「へ?」
皐「もしかして、卒業アルバムの?」
憂「そうだよ。」
梓「・・・・」
一方3年2組では。
唯「・・・・・・・」
気力を無くしてる唯が居た。
陸「どうした唯?朝から。」
和「頭痛?」
唯「今日の私は何時もの私じゃないのです。」
陸「何じゃそりゃ?」
和「そんな風には見えないけど。」
唯「あう〜!和ちゃんりっくん・・・長い付き合いなのに・・・」
陸「どうしたんだ?」
唯「ここ・・・」
右の髪に手を当てて教えた。
和「ヘアピン?」
陸「あ。ない。」
和「忘れたの?落としたの?」
唯「憂に刺したまま。」
和「え?」
陸「憂に?」
唯「今朝鏡見ても分かんなかったから、憂を見て客観的に研究してたんだけど・・・」
和「それでそのまま来た訳ね。」
陸「本当お前と憂は瓜二つだよな。」
唯「そう。何か何時もピタッとしてる所がしてないと変な感じ。」
陸「分かる。」
唯「和ちゃんりっくん。何か留める物持ってない?」
陸「そう言われても持ってねえよ。姉ちゃんなら持ってるけどな。」
和「そうねぇ・・・こんな物しかないわ。」
机の中から、オレンジのクリップを出した。
陸「クリップ?」
唯「クリップっすか。フム。これで留まるかな?」
陸「アリエッティか。」
紬「良かったら使って?」
登校した紬が、唯に髪留めをあげた。
陸「ムギ。」
紬「結ぼうか?」
唯「ありがと〜!お願い〜!」
紬「うん!」
唯の後ろに回り、ブラシで髪を伸ばす。
紬「後ろで結ぶには、ちょっと長さが足りない。」
髪の毛を上に結んだ。
唯「フム。」
新しい髪型を鏡で見た。
唯「ギャアアアーーーー!!!」
おデコ丸出しで絶叫した。
澪「唯。何してるんだ?」
駿「どうしたんだ?悲鳴出てるぞ。」
唯「ムギちゃんが!ムギちゃんが!」
駿「ムギ?」
紬「おデコ禁止?」
陸「唯はおデコ出すのが嫌いなんだ。」
駿「律と正反対だ。」
律「な〜に〜!?キッパリ出せキッパリ!」
和「中々良いわよね。唯のおデコも。」
豊「何時もと違って新鮮な感じ。」
唯「ダメー!これだけは許してー!」
紬「お!じゃあ!」
今度は純と同じ髪型にしてみた。
律「あら可愛い!」
陸「純そっくり。」
唯「そお?」
和「うん。こう言う犬見た事あるわ。」
唯「犬!?」
すると教室のドアが開き、憂が出て来た。
憂「お姉ちゃん。」
澪「ん?ああ憂ちゃん。どうしたの?」
憂「すみません。これ、お姉ちゃんに。」
ヘアピンを渡した。
澪「唯。」
唯「あ!」
陸「あ。憂。」
唯「え?」
手を振ってる憂を見付けた。
唯「憂!ありがとー!」
放課後。梓達が教室からグランドを見てる。
梓「何かグランド寂しいね。」
皐「先輩達が居ないもんね。」
憂「運動部の3年生引退しちゃったもんね。」
純「ウチもだよ。」
梓「・・・あれ?」
皐・憂・純「ん?」
その後。梓が走って部室へ向かう。
皐「梓!どうしたの!?」
梓(学祭が終わったから3年生は引退!卒アルの写真撮るって言ってたし!もう!)
部室のドアを開けた。
梓「ハァ・・・ハァ・・・」
澪「息切らせてどうしたんだ?」
部室には3年生全員居た。
律「大丈夫か?」
梓「何で居るんですか?」
唯「はい。」
梓「ん?」
唯「早くムギちゃんのおやつ食べたかったんだよね〜。あ〜ん。」
ケーキを梓に食べさせてあげるが。
梓「唯先輩と一緒にしないで下さい!」
皐「唯ちゃん唯ちゃん!あ〜ん!」
唯「お!あ〜ん!」
ケーキを皐に食べさせた。
皐「旨し!」
律「私達が引退して部室に来なくなったのかと思ったんじゃないの〜?」
梓(うっ!こう言う時だけ鋭い!)
左右から唯と律が梓を抱き締めた。
律「梓は寂しがり屋だなぁ〜!」
唯「きゃわいいきゃわいい〜!」
梓「・・・だぁーーー!!」
力いっぱいに2人を弾いた。
律「暴力よ暴力!」
唯「こわぁ〜い!」
梓「何ですかそのキャラ!って言うか何で皆さん部室に居るんですか!?」
唯「え?何でって落ち着くし。」
律「空調完備。」
さわ子「お菓子も出て来る!来ない理由がないわよ〜。」
唯・律「ね〜!」
梓「先生まで・・・」
皐「もう実家みたいになってるね・・・」
澪「まぁ冗談はここまでにして。これからは、ここで受験勉強しようかなっと思ってね。」
梓「へ?」
紬「やっぱり迷惑かな?」
梓「いえ。そう言う事でしたら、私は全然。賑やかで良いですし。」
律「良かったなぁ〜。梓。独りぼっちにならなくて。」
陸「いや皐も居るだろ。」
律「そうでしたわね〜。」
梓「律先輩達は遊ばずにちゃんと勉強出来るんでしょうね?」
律「出来るわい!!」
唯「失礼な子ね!!」
駿「本当かいな?」
さわ子「所で、りっちゃん唯ちゃん。」
唯・律「うん!」
唯「美味しいよね!このイチゴショート!」
さわ子「じゃなくて、流石にもう進路は決めたわよね?」
唯・律「げっ!!」
さわ子「進路希望用紙まだ出てないけど。」
豊「お前等まだ決めてなかったのか!?」
律「いやぁ〜!私達ちゃんと夏期講習行ったし!」
唯「受験しようと思って!」
さわ子「だから何処の大学?何学部?」
律「うぅぅ・・・」
唯「私・・・さわちゃんみたいになりたいな!!」
さわ子「まぁ!嬉しい事言ってくれるじゃない!」
唯「さわちゃんみたいにお菓子食べてお茶飲んで!毎日楽しくお喋りしたい!」
”ゴチン!!”
だが陸に殴られた。
唯「あうぅ〜・・・」
陸「そんな理由で進路が決まるかアホ!!」
さわ子「そうよ!!それに私ちゃんと仕事もしてるわよ!!あ。澪ちゃんは書類早く出してね?」
澪「はい。」
唯「澪ちゃん。何の書類?」
駿「澪は推薦受けるんだ。」
唯「そお!」
さわ子「澪ちゃんの成績なら、公立の推薦選抜入試を余裕で受かるんじゃない?」
梓「凄いですね!」
皐「澪ちゃん凄い!」
澪「ああ、いやぁ・・・」
豊「ムギは私立の女子大だっけ?」
紬「うん。」
律「私もムギと同じ所受けよっかなぁ〜?」
紬「え?」
唯「あ!じゃあ私もそこ!」
陸「じゃあって何だよじゃあって!」
さわ子「もっとちゃんと考えて決めなさい?自分達のレベルも考えてね?」
唯・律「は〜い。」
さわ子「陸君達は上京するのは何時から?」
陸「来年の3月です。卒業式が終わった1週間後に予定してます。」
さわ子「そう。東京は大変かも知れないけど、頑張ってね。」
陸「はい。」
澪「・・・・・」
さわ子「じゃあ澪ちゃん。書類明日までに宜しくね。」
澪「あ、はい・・・」
さわ子が部室を出た。
唯「じゃあ進路も決まった事で!」
梓「まだ決まってないですよ?」
皐「さっきので進路決まったの?」
唯「こっちも!」
梓「どうしたんですか?いきなり。」
ファッション雑誌のヘアスタイルのページを見せた。
唯「卒アルに写る時の髪型研究するの。やっぱバッチシ決めたいよ。一生残るんだもん。」
豊「髪型にも拘るとは。」
梓「勉強しないんですか?」
唯「だって入試は来年だけど、個人写真の撮影は明後日なんだよ?あずにゃん。」
澪「来年って・・・」
陸「そんな簡単に言うか・・・?」
律「そこは私もツッコミたいぞ!」
梓「いいですか?ちゃんと勉強しないと落ちますよ?」
唯・律「うぅっ!!」
皐「落ちたら浪人生だよ?」
唯・律「ぐああああ!!」
痛い所を疲れた唯と律がダウンした。
唯「落ちるとか滑るとか浪人生とか・・・受験生には禁区だよ・・・」
律「切れるとか別れるとかもな・・・」
紬「それは結婚式!」
律「おぉ〜!こう言う漫才が成立した!」
唯・紬「わぁ〜い!」
駿「呑気だなぁ〜。」
澪「・・・」
1人髪型を見てる澪。
唯「あ!澪ちゃん。良い髪型あった?お!澪ちゃん!その髪型で卒アル写るの!?」
陸「パンクロック!?」
澪「ないだろ!どっちかと言うと、こんなの。」
駿「ドレッドヘアー?」
全員「おぉ〜。」
澪「ギャグなんだけど・・・」
陸・駿・豊・皐「知ってる。」
唯「私はこう言うの良いかなって。」
皐「ショート?」
梓「そんなに変えちゃうんですか?」
律「今のじゃダメなのか?」
紬「そのままで可愛いと思うけど。」
唯「そうかなぁ〜?」
律「じゃあ、明日デジカメ持って来るから試し撮りしてみるか。」
唯「おぉ〜!うん!」
その夜。唯が小学校中学校の卒アルを見返してる。
唯「小学校のはニヤけてて、中学のは緊張のし過ぎ。小学校のはもっと顎引いた方が良かった。中学校のは引き過ぎ。それに小学校は前髪が短くて、中学校はちょっと長い。」
憂「う〜ん・・・そうかな?」
唯「だから!今回はバッチシ決める!」
翌日の部室で、髪型の研究を始めた。
陸「じゃあまずは律からだ。」
阿弥陀クジで順番を決めた。1番手は律。
紬「本当サラサラね〜。りっちゃんの髪。」
カチューシャを取ってからブラシで髪を伸ばす。
律「もういいよ。」
紬「ずっと触ってた〜い♪」
律「おい〜・・・」
陸「駿。豊。律ってやっぱ、髪下ろすと美人だよな。」
駿「だろ?毎日おデコ丸出しだからな。」
豊「律。その髪型の方が世の男子にモテモテだぞ?」
律「もう茶化すなよ〜お前等〜。」
紬「よいしょ。」
カチューシャを付けた。
紬「もうちょっと上かな?」
カチューシャを少し上にあげた。
紬「上過ぎ?」
皐「澪ちゃん。」
澪「うん。この辺。」
カチューシャをジャストな位置にした。
唯・紬「おぉ〜!」
梓「行きますよ〜。」
律「おう!」
デジカメで律を撮影した。
梓「もう1枚。」
もう1枚撮影。取った写真を見てみる。
唯「おぉ!バッチシ!」
紬「うんうん!」
澪「あんま写真写りとか気にしない癖に決まるんだよな。律って。」
駿「じゃあ次は澪だ。」
澪「・・・」
次は澪を撮影。しかし本人は目を逸らして恥ずかしがってる。
唯「ビクビクしてる・・・」
律「この表情がなぁ・・・」
駿「澪は卒アルの時は緊張してるんだよなぁ〜。でもそこが可愛いんだよな。」
そう言いながら澪を撫で撫でする。
澪「うぅ・・・」
撫でられた澪が恥ずかしがる。
梓「明日はもっとリラックスして下さいね。」
澪「う、うん・・・」
豊「次はムギだな。」
紬「は〜い!」
豊「テンション高。」
紬「・・・ムッ!」
頬を膨らませて撮影。
律「何故?」
紬「何時もね?ぽわ〜んとした顔で写るから、キリッとした顔にしようと思って。」
唯「え〜?ムギちゃんはポワポワで良いんだよ!」
紬「そうかな?」
澪「何時ものムギで。」
皐「今のムギちゃんは私達の癒しだよ。」
紬「じゃあポワポワで行く〜!」
唯「うん!」
皐「あ!最後は唯ちゃんだね!」
唯「はい!」
遂に唯の出番。椅子に座って髪を整える。
梓「・・・プッ!ププププ・・・!」
何故か梓が笑い堪えてる。
唯「もお!あずにゃん!」
梓「すみません!」
気を取り直して撮影。
梓「あ!良いじゃないですか!」
律「マトモ過ぎる位マトモだ!」
澪「凄く真面目な生徒に見えるな!」
紬「えっと・・・そこは突っ込むトコ?」
唯「・・・・」
陸「どうだ唯?感想は。」
唯「ちょっと前髪長くない?」
梓「そんな事ないですよ。」
駿「そんなに変わんないと思うけど。」
唯「ううん。ちょーっとだけ長い。」
澪「そうか?」
唯「切る!」
全員「え?」
豊「前髪を?」
テーブルの椅子に座って、ハサミを出した。
紬「唯ちゃん!」
梓「ちょっと待って下さいよ!」
陸「何で髪型に関してはストイックなんだよ!」
律「切るなら美容院へ行った方が!」
澪「前髪だけカットしてくれるだろ!?」
唯「だって。美容院で切ると何時も短過ぎるんだもん。切って1週間位で丁度良くなるんだけど、明日まで伸びないし。」
律「せめてムギに切って貰え!」
紬「ええ!?私そんな重要な役出来るかな!?」
唯「大丈夫!時々自分でやってるもん!」
陸「そうだ!帰って姉ちゃんに切って貰ったらどうだ!?姉ちゃんなら唯の要望通りに切ってくれるだろ!」
唯「ううん!梢ちゃんにそんな重役任せられないよ!」
ハサミをゆっくりと前髪に近付ける。
澪「もう見てられない・・・!」
”チョキン”
ゆっくりと前髪を少しずつ切る。
”チョキン””チョキン””チョキン”
全員「お!」
唯「・・・どお!?」
紬「良いんじゃない?」
律「それで行け!それで!」
陸「その髪型をキープしろ!」
唯「ん〜・・・まだちょ〜っと長いかも。」
律・澪・駿・豊「え?」
紬・梓・皐「ちょっ!!」
陸「もう止めろ!」
しかし唯はハサミを再び前髪に近付ける。だがその時。
唯「ん?」
突然鼻がムズムズし始めた。
唯「はっ・・・はっ・・・」
陸「唯!!ハサミ置け!!早く!!」
唯「へっくし!!」
全員「うわああ!!」
だがくしゃみしてしまい、前髪を大方切ってしまった。
全員「・・・・・!」
唯「ん〜・・・」
陸「ゆ・・・唯・・・」
唯「何?」
鏡で唯を映した。唯の前髪がバッツリ切られてる。
唯「・・・・・ハッ!!・・・・・切り過ぎました・・・・・・」
駿・豊・皐「・・・・・!!」
後ろで3人が顔を隠して笑い堪えてる。
唯「ど・・・どうかな・・・?」
澪「う・・・うん!」
紬「凄く似合ってるよ!!」
律「メチャクチャ可愛い!!」
梓「はい!!若返ったって言うか!!」
唯「子供っぽいって事・・・かな・・・?」
梓「ああ!」
突然梓がダウンした。
陸「梓!!」
澪「で、でも!そこまで切ったな〜って感じじゃ・・・」
唯「果たしてそうでしょうか・・・?」
澪「ああっ!!」
今度は澪もダウンした。
唯「卒アルなのに・・・一生残る写真なのに・・・」
前髪が無くなって、唯が泣いてしまった。
律「誤魔化せ!!これで誤魔化せ!!」
自身のカチューシャを貸してあげる。
唯「いや!おデコだけは勘弁して頂きたい!!」
律「クッ!すまんかった・・・!」
紬「ちょっと横に流したら良い感じになるんじゃないかな?」
陸「ムギ。やってみろ。」
切った前髪を横に流してみる。
紬「ホラ。こうやって。」
陸「どうだ?」
鏡を見せる。
唯「・・・どう?」
律「うん!良い良い!」
澪「可愛くなった!」
梓「はい!」
唯「本当・・・?」
梓「何か垢抜けた気がします!」
唯「そうかなぁ〜?」
陸「笑った。良かった。んで、お前等まだ笑ってんのか?」
駿「す、すまん・・・」
豊「唯の前髪が切られた時は・・・」
皐「笑ってしまったよ・・・」
律「じゃあ、お茶にするか。」
澪「あぁ。」
紬「今日ね?モンブランなの!」
唯「モンブラン!?」
陸「モンブラン!俺の好物!」
お菓子のモンブラン。
唯「おいひ〜!」
律「ホレ。」
栗を唯にあげた。
唯「良いの!?」
律「うん!」
唯「わぁ〜!」
駿「俺からも。」
豊「食ってくれ。」
陸「今日は特別だ。」
他の皆も唯に栗をあげた。
唯「おぉー!」
梓「もう。甘やかし過ぎじゃないですか?」
皐「甘いだけに?はい唯ちゃん。」
2人も唯に栗をあげた。
唯「皆・・・ありがとう!」
夕方の帰り道。
唯「じゃあまた明日ね〜!」
梓「失礼します!」
紬「バイバーイ!」
陸「また明日ー!」
律「じゃあなー!」
澪「またな!」
駿「バーイ!」
豊「気を付けろよなー!」
皐「またねー!」
横断歩道で唯達と別れた。
律「そう言や澪。推薦の書類今日までじゃなかったのか?」
澪「あぁ。」
律「おいおい忘れたのか?」
澪「律だって早く出さないと。進路希望用紙。」
律「分かってるけどさぁ。」
澪「私は明日出すよ。」
豊「そっか。期待してるぞ澪。」
翌日の桜高。
唯「・・・・」
陸「・・・」
タオルを頭に被った唯が陸と憂と一緒に登校した。
憂「おはよう梓ちゃん。」
梓「おはよ〜。」
陸「梓おはよう。」
梓「おはようございます。」
唯「おはようございます・・・」
梓「先輩。まだ気にしてるんですか?」
唯「うん・・・昨日に戻りたい・・・」
陸「それが出来たら苦労しねえよ。」
3年2組。
律「観念しなよ。」
澪「往生際悪いぞ?」
駿「ここまで来たんだし。決心付けよ。」
唯「お気遣いなく・・・直に良くなりますので・・・」
紬「唯ちゃん!そんな事してたら、今日のおやつ無しにしちゃいますよ?」
豊「流石にそれで唯が・・・」
唯がタオルを外した。
陸「素直だな。」
律「子供か。」
個人写真の撮影時間。空き教室でカメラマンが生徒の個人写真を撮影。
唯「そろそろだね。」
待機中の澪の髪型を真っ直ぐにした。
紬「はい。オッケー。」
さわ子「秋山さん。」
澪「はい!」
唯「怖くないからね〜。」
澪「うん!」
律「よし!行って来ーい!」
唯「行ってらっしゃ〜い!」
椅子に座ったが、まだ緊張してる。
駿「澪!深呼吸で緊張を解せ!」
澪「すぅ〜・・・はぁ〜・・・」
深呼吸して、緊張を解した。
”カシャッ”
バッチリ撮れた。
次は紬。
”カシャッ”
ポワポワに撮れた。
次は律。
”カシャッ”
何時も通り撮れた。
次は豊。
”カシャッ!”
これも何時も通りに撮れた。
唯「ああ!次私だ!」
ポケットからリップクリームを出して、口に塗った。律が唯の肩の埃を払い、紬が唯のネクタイをキチンとしてあげた。
唯「ん!」
律・澪・紬・陸・駿「うん!」
唯「よし!行って来る!」
椅子に座って、髪を整えて、襟を正して、何故か少しピースした。
さわ子「平沢さん。」
唯「は、はい!」
”カシャッ”
違和感なく撮れた。
唯「ただいま!」
紬「おかえり〜!」
次は陸。
”カシャッ”
そして駿。
”カシャッ”
陸「よし。これで軽音部員全員撮れたな。」
駿「お疲れさん。」
さわ子「秋山さん。」
澪「はい。」
さわ子「後で職員室にいらっしゃい。」
澪「あ、はい。」
全員「ん?」
その後。澪は職員室へ。唯と律と紬が覗いてる。
陸「何で覗いてんだよ。」
唯「だって気になるよ。」
駿「全くお前等は。」
豊「どうなっても知らねえぞ。」
澪「失礼しました。」
職員室から澪が出た。
唯「澪ちゃん。呼び出しって何だったの?」
陸「推薦はどうだった?」
澪「え?・・・・」
駿「お前、まさか。」
律「もしかして、推薦入試断ったとか?」
唯・紬・陸「え!?」
澪「っ・・・!」
駿「その反応、図星か。」
澪「何でそれを・・・」
律「やっぱりな。」
豊「お前が推薦の書類を忘れるなんて澪じゃないって思ってたからな。」
唯「でも何で断ったの!?勿体無いよ・・・」
陸「折角のチャンスを手放すなんて!」
澪「・・・あ・・・あの・・・」
全員「ん?」
澪「・・・私も皆と一緒に勉強して・・・出来たら・・・出来たらだけど・・・私も一緒の大学に行ければなって!」
唯・律・紬「っ!!」
唯「一緒の!?」
律「大学!?」
そう。澪は皆と一緒に大学に受かりたくて推薦を断ったのだ。
陸「澪・・・」
駿「こんなに成長したなんて・・・俺嬉しいぞ〜・・・」
豊「お前は澪の父か。」
翌日の桜高。
澪「先生!」
さわ子「ん?」
職員室に唯と律と澪が入って来た。
さわ子「3人揃ってどうしたの?」
唯「進路希望用紙出しに来ました!」
3人がさわ子に進路希望用紙を提出した。さわ子が3枚拝見する。
唯・律・澪「・・・」
3枚拝見したさわ子の表情が優しくなった。
さわ子「はい。受け取りました。」
唯・律「やったー!!」
澪「ホッ・・・」
やっと進路希望用紙が受理された。
覗いていた紬がウキウキしてる。
さわ子「頑張りなさい。皆一緒の女子大に行けると良いわね。」
唯・律・澪「はい!」
職員室から3人が出た。
律「いやぁ〜良かったな〜!」
唯「良かったね〜!」
澪「一緒に頑張ろうな!」
律「おう!」
唯「取り敢えず、お茶にしよう!」
律「だな!」
澪「おい!」
紬「ふふ。」
律「お茶お茶〜!」
4人は無事、同じ大学へ入る事が出来るのか。
『END』
キャスト
平沢唯:豊崎愛生
秋山澪:日笠陽子
田井中律:佐藤聡美
琴吹紬:寿美菜子
中野梓:竹達彩奈
古川陸:土屋神葉
真中駿:堀江瞬
西原豊:深町寿成
真中皐:小倉唯
山中さわ子:真田アサミ
真鍋和:藤東知夏
平沢憂:米澤円
鈴木純:巽悠衣子
『次回予告』
唯「ふー?誰?」
律「凡ゆる鉛筆で試した結果、7号は、正解率60%を記録した優れ物だぞ!」
澪「今度受ける所の試験は、選択肢1から9まであるけどな。」
紬「ちょっと休憩する?お茶でも入れよっか。」
梓「何お願いしてるの?」
憂「お姉ちゃん達が、全員同じ大学に合格して、無事卒業出来ますようにって。」
陸「皆は必ず合格出来る。俺達はそう願ってる。」
#36「受験!」