唯「ふふ〜♪」
綺麗なスカートに喜んだ。
唯「あ!メモメモ!」
今見ているテレビのお店をメモしようとしたが、次のコーナーに変わってしまった。
唯「間に合わなかった・・・」
次にタイツを確認する。
唯「これは掛けなくてもいっか。ん?毛玉いっぱい・・・」
”ジリリリ”
唯「ん?」
携帯の着信音が鳴った。律からの着信。
唯「あ!りっちゃん!」
電話に出た。
唯「は〜い。りっちゃん何〜?・・・おぉ!良いね!」
桜高の廊下では、憂がメールを打ってる。
純「何やってるの?憂。」
皐「メール?」
憂「うん。そろそろ起きたかな?って。明日の準備もしとかないと。」
梓「明日?」
憂「制服にアイロン掛けたり。新しいタイツ買ったり。」
純「先輩達、居なくなっちゃうんだよね・・・」
梓「・・・あ!」
憂「何?」
梓「居る・・・」
憂「え?」
皐「あ!」
外を見ると、唯と陸の姿があった。2人は校舎へ走っている。
軽音部の部室。
唯「おはよ〜!」
陸「おいっす〜!」
律「おーっす!」
駿「来たか!お2人さん!」
澪「おはよう。」
紬「おはよ〜。」
唯「お〜!朝からお茶〜?」
紬「唯ちゃんも陸君も早く座って?」
唯「うん!」
陸「朝からお茶なんて何か新鮮だな。」
3年生が集まり、お茶を戴く。
唯「ん〜・・・はぁ〜・・・」
お茶の匂いを嗅いで飲む。
唯「はぁ〜・・・」
陸「あぁ〜・・・あったまる〜・・・」
唯「何か贅沢な気分ですな〜。」
澪「他にやる事があるような気もするけどな。」
唯「何しろ明日は卒業式!だからね。」
そう言ってグラスのポッキーを1本取った。
律「いやぁ〜、短いようで長かった。」
澪「長いようで短かった。じゃないのか?」
律「そんな感じでもあるな。」
豊「本当だな。高校生活も明日で最後かぁ。」
唯「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ。」
ポッキーを素早く噛む。
律「ん?何やってんだ?」
陸「またリスか?」
唯「10秒でどれだけ齧れるか挑戦してたんだよ!」
律「下らねえ・・・」
駿「お前の思考ってどうなってんだ・・・?」
すると紬がポッキーを1枚取って。
紬「勝負!」
唯「え?」
駿「挑戦者現る。」
10秒でポッキーをどれだけ齧れるか対決が始まった。
陸「ヨーイ、ドン。」
唯・紬「もぐもぐもぐもぐもぐ!」
素早く噛んでるその時。
唯「いったーい!舌噛んだ・・・」
澪「大丈夫か?」
豊「痛そう・・・」
”キーンコーンカーンコーン”
学校のチャイムが鳴った。
唯「3時間目が始まる所かな?」
澪「うん。」
豊「何かこうしてみると、不思議な感じ。後輩達は授業受けてるのに、俺達はのんびりお茶してるの。」
駿「あぁ。」
律「さぁ〜て、何するかな〜?」
陸「おい部長。何かするから集合させたんじゃないのか?」
律「ノープラン。」
陸「おい!」
澪「だと思った。」
唯「じゃあ演奏しよう!」
紬「そうしよう!」
澪「今は授業中だぞ?」
陸「音で皆ビックリするぞ。」
澪「そうだぞ。放課後まで待とう。」
唯「そだね〜。」
外では、そろそろ桜が咲く頃。
澪「今日はあったかいな。」
駿「気持ちの良い天気だ。」
唯「ちょいと失礼・・・!」
隣の律の机の中から何かを漁る。
律「何処か遊びに行くか〜?」
紬「ここに居ようよ。」
澪「でも何をするか・・・」
すると唯が、律の机の中から1枚の紙を出した。
唯「デッカイ勝負しよう!」
全員「え?」
陸「デッカイ勝負とは何ぞや?」
その紙に、丸を描いて線を描く。
律「すごろくかよ・・・」
陸「マス目デケェな・・・」
唯「ただのすごろくじゃないよ?軽音部すごろくだよ!」
紬「軽音部すごろく?」
豊「ムギが興味湧いてる。」
澪「丸の中はイベントとかないのか?」
唯「あ。どうしよう?」
澪「考えてないのか・・・」
紬「歌を歌うとか、楽器を弾くとか?」
律「挫折してスタートに戻る。」
紬「オーディションに落ちて3回休み。」
澪「何か、辛いすごろくだな・・・」
陸「人生の闇を感じる・・・」
唯「じゃあ!お菓子を食べる!お茶を飲む!アメ舐める!」
駿「まさに軽音部すごろく・・・」
豊「何時もの俺達だな・・・」
澪「って言うかこの紙・・・」
すごろくの裏を覗く。
澪「あ!部活の申請用紙!まだあったんだな・・・」
駿「入れっぱなしかよ・・・」
律「それゴールないじゃん。」
唯「・・・描けなくなっちゃった。」
陸「ループ?」
律「うへぇ・・・それじゃすごろく出来ないじゃんかよ〜・・・」
唯「え〜?じゃあ何するの〜?」
律「・・・あ!そうだ!」
駿「何か閃いたか?」
3年2組の教室へ行き、律の机の中から本を出した。
律「立つ鳥跡を濁さず!」
澪「まだ荷物持ち帰ってなかったのか・・・」
駿「卒業前に気付いて良かったな・・・」
豊「っつか律。前々から持って帰っとけよ。」
律「えぇ〜?持って帰るの面倒だったんだもん〜。豊は生真面目だなぁ〜。」
豊「うるせ。」
7人しか居ない3年2組の教室を、澪と紬と駿が眺める。
澪「・・・自分達の教室なのに、何か違うみたいだな。」
紬「うん。」
駿「ここに、梓達が入るんだな。」
澪「あぁ。」
陸「おい唯、入れ過ぎだろ。」
一方の唯も、机の中から大量の紙を出していた。
律「唯。何だ?その紙。」
唯「りっちゃんから授業中に回って来た手紙だよ?話掛けの至りだよね〜。」
理想のパフェを描いた手紙を見せる。
唯「りっちゃん恥ずかしいね〜。」
陸「それは唯が描いた奴だろ!」
唯「あれ?そうだっけ?」
陸「忘れんなよ。」
紬「それ!皆私欲しい!」
律「え?」
陸「これ全部?」
紬「うん!」
唯「いいよ〜。」
律・陸「へ?」
紬「ありがと〜!」
駿「ムギはこれをどうしようと?」
唯「あ!袋あるよ〜!」
律・陸「捨ててくれぇ・・・」
???「あれ?」
全員「ん?」
ある人物と出会った。
和だった。
唯「あ!和ちゃん!」
陸「和!」
唯「和ちゃんも遊びに来たの?」
和「唯達は遊びに来たんだ。」
唯「え?違うの?」
陸「何か忘れ物?」
和「ううん。生徒会室の整理をしに来たのよ。」
唯・律・紬「おぉ〜。」
澪「卒業生っぽい。」
陸・駿・豊「俺らもだろ?」
和「それと、明日読む原稿の最終チェックして貰おうと思って。」
陸「卒業生答辞か。」
和「うん。」
職員室。さわ子が卒業生答辞の原稿を拝見。
さわ子「うん。問題無いんじゃないかしら?」
和「ありがとうございます。」
唯「さわちゃん読んでよ〜。」
さわ子「でも1つ付け加えたい事が・・・」
唯「ねぇ読んでよ〜。ねぇってば〜。」
さわ子「山中さわ子先生ありがとうございました。とか。」
唯「むぅ〜・・・」
陸「見事なスルースキル。」
和「それは止めておきます。」
さわ子「泣けるのに〜。」
律「さわちゃんがだろ?」
さわ子「じゃあこれ、教頭先生に。」
和「はい。」
答辞の原稿を和に返した。
さわ子「で?あなた達は何の用?」
唯「特に何も〜。」
さわ子「もう・・・呑気で良いわね〜。」
唯「さわちゃんもお茶しようよ。」
さわ子「まだまだ明日の事でチェックする事がいっぱいあるのよ。私にとっても、初めての卒業生を送り出す大事な式なのよ?」
唯「ふぅ〜ん。」
陸「色々お疲れ様です。先生。」
唯「じゃあさ、後で荷物運ぶの手伝ってよ〜。」
陸「おい!」
さわ子「そんな時間はないの!」
律「いいじゃ〜ん!さわちゃ〜ん!」
さわ子「自分で持って帰りなさい!」
職員室を出た。
唯・律「さわちゃんのケチ!」
澪「他の学年は授業中なんだから静かにしろよ?」
陸「愚痴なら帰ってからにしてくれ。」
唯・律「は〜い。」
駿「なぁ、この後どうする?」
紬「教室に戻る?それとも部室?」
豊「それとも帰るか?」
律「そうだなぁ〜・・・」
和『失礼しました。』
職員室から和が出た。
和「じゃあ私、生徒会室へ行くわね。」
陸「あぁ。またな。」
唯「は〜い。」
生徒会室へ戻った和が椅子に座って書類を整理しようとした時。
唯「お邪魔しま〜す。」
何故か7人が入って来た。
和「え?何しに来たの?」
唯「え?真っ直ぐ部室に戻るのつまんないし。」
和「・・・そう。」
陸「ごめんな和。」
律「何か新鮮だな。生徒会室。」
紬「うんうん。」
和「何度も来てるじゃないの。」
豊「学祭前の時も。クーラーの時も。」
律「いやぁ〜。こんな時って、何か言いたくなるじゃん?」
紬「うんうん。」
澪「まぁ、分からなくもないけど。」
駿「あんまり散らかしたらダメだぞ?」
唯「ん?」
そんな中唯は、1冊の本を取って開いた。
唯「お?おぉー!」
律「何だ?」
唯「和ちゃん!これ何!?」
それは、生徒会長・真鍋和の写真だった。
律「おぉ!お見合い写真か!?」
和「違うわ。生徒会長のアルバムを、毎年そうやって作る決まりなの。」
すると和の頬が赤くなった。
澪(新鮮だ・・・!和が赤くなった・・・!)
陸(和にしては珍しい・・・!)
唯「凄い和ちゃん!桜高の歴史にちゃんと残っていくんだね!」
律「やっぱお見合い写真だよな。」
紬「うんうん。」
駿・豊「お見合い言うな!」
唯「ん〜。」
ジッと和を見る。
和「何?」
そのまま和の方へ寄る。
唯「和ちゃん。ちょっとメガネ貸して?」
和「え?」
メガネを唯に貸した。唯がメガネを掛ける。
唯「ねぇねぇ!生徒会長っぽくなったかな?」
律「あんまし〜・・・」
豊「何かドジっ子っぽい。」
唯「ダメかぁ・・・」
和「私も。もう生徒会長じゃないんだけど・・・」
陸「元・生徒会長だからな。今。」
律「大丈夫!和は常に生徒会長っぽいから!」
和「何よそれ。」
律「オーラとか出てるし!」
和「出てない出てない。」
澪「ふふ。」
唯「はい。ありがとうね。」
和「うん。」
メガネを返して貰った。
唯「じゃあね和ちゃん。」
陸「悪いなお邪魔して。」
律「また明日〜。」
澪「じゃあな。」
紬「お邪魔しました〜。」
駿「明日の答辞、楽しみにしてるぜ。」
豊「またな〜。」
7人が生徒会室から出た後。
和「ふふ。」
小さく笑った和であった。
昼休み。購買前。
唯「今行けるよりっちゃん!」
律「唯が行けよ。」
唯「え〜?あ!」
純「憂用事あるから先にって。」
梓「うん。」
皐「分かった。」
唯「あずにゃーん!」
走って梓に抱き付いた。
梓「うわあ!?」
唯「良い所に来てくれたよ〜!」
皐「唯ちゃ〜ん!」
唯「皐ちゃ〜ん!」
今度は皐に抱き付いた。
皐「あぁ〜、この包容力は良いね〜!」
梓「まだ居たんですか?」
唯「ウッ!」
傷付いた唯を律が抱き締める。
唯「あずにゃん冷たい・・・」
律「私ら、もう過去の女・・・?」
陸「ミュージカルか。」
駿「よう。お3方。」
皐「あ!お兄ちゃん!」
純「駿先輩!こんにちは!」
駿「おぉ純。元気良いな。」
梓「で?用事は何ですか?」
2人はあるお願いを申し上げる。
律「私達の分のパンを買って来て頂けないでしょうか〜?」
梓「へ?」
陸「いや、唯達昼飯ないんだ。俺達はコンビニのおにぎりや弁当買ってるけど。」
梓「自分で行けば良いじゃないですか。」
唯「だって〜。今日3年生が居ない学校に居るの変だもん〜。」
陸「だからって、後輩をパシリに使うなよ。」
梓「・・・じゃあ買って来てあげます。」
唯・律「っ!ありがと〜!」
皐「で、何パンが良い?メモ取るよ?」
律「私!コロッケパンとメロンパン!」
唯「クリームパンとチーズパン!」
駿「澪とムギは?」
澪「・・・じゃあ、3色サンド。」
紬「私もそれ。」
純「澪先輩!」
全員「え?」
純「と、ムギ先輩の分は私が・・・」
澪「あ、ありがとう・・・」
皐「本当、澪ちゃんに憧れてるよね〜。純は。」
3人が唯達の為にパンを買ってあげた。
買ったパンを部室で戴く。
全員「おぉ〜!」
唯「これが幻のゴールデンチョコパン!」
陸「販売早々品切れとして有名なパン・・・生で見るの初めてだ・・・!」
紬「でも、どうしてゴールデン!?」
梓「え?もしかして皆さん初めてですか?」
駿「俺達毎日弁当だからな。」
澪「へぇ〜!よく買えたな!」
梓「隅っこに隠れてたのたまたま見付けて。」
皐「まさに灯台下暗しだね!」
律「こんなにデッカいのがどう隠れたんだよ!」
唯「では失礼して〜。」
ゴールデンチョコパンを開封して、9等分に分けた。
9人「戴きまーす!」
ゴールデンチョコパンを食べる。
律「甘〜い♡」
澪「チョコクリームギッシリ!」
紬「ん〜!幸せ〜♡」
陸「これがゴールデンチョコ・・・!」
駿「あぁ〜甘え!!」
豊「初めて食べたけど美味し!!」
唯「これ、卒業前に1度は食べてみたかったんだぁ〜!夢が叶ったよ〜!ありがとね!あずにゃん!皐ちゃん!」
皐「いえいえ。お役に立てて光栄でございます。」
梓「じゃあ私達戻ります。」
唯「あ!待って!」
余ったゴールデンチョコパンをお土産として貰った。
唯『これお土産!純ちゃんと憂に!幻だから、食べといた方が良いよ?』
皐「お土産貰ったね。でもこれ・・・」
梓「うん。食べた事あるんだけどなぁ〜。」
3年生の修学旅行中に試食済み。
梓「あ。早く着替えなきゃ。」
皐「あ!そうだった!」
その後部室では。
7人「はぁ〜・・・」
紬「5時間目始まるねぇ〜。」
律「何か授業サボってる気分〜。」
陸「普通出来ないよなぁ〜。こう言うの。」
唯「ねぇ、他にやり残した事ない?」
澪「やり残した事?」
唯「ゴールデンチョコパン以外に。」
律「そうだなぁ・・・」
駿「もう色々やってると思うけどなぁ〜。」
澪「あ!」
唯「何?澪ちゃん。」
トンちゃんの餌やり。トンちゃんが餌を食べる。
唯「澪ちゃん。トンちゃんにご飯あげた事なかったっけ?」
澪「うん。何時も誰かが先あげてて。」
律「細やかなぁ。」
駿「よかったなトンちゃん。澪からご飯貰えて。」
澪「律は何かないのか?」
律「ん〜・・・」
ポケットから封筒を出した。
律「実は部費が余っててどうしようかと。」
唯「え!?幾ら!?」
封筒を開けて残りの部費を確認する。
律「5円だけ。」
豊「5円かよ。」
澪「それは、残しといていいんじゃないか?」
紬「リボン付けよ?」
5円玉にリボンを付けた。
唯「おぉ!何かご利益がありそうな!さわちゃんにあげる?」
律「止めとこ。」
澪「うん。」
豊「ムギは何かやり残した事ないか?」
紬「ん〜・・・取り敢えず。」
何かをする事ない。澪はベースのペグを回し、律がドラムを軽く叩く。陸と駿と豊がBUMPとミスチルとポルノグラフィティの雑誌を読んでる。
澪「もう6時間目かぁ。」
紬「うん。」
陸「何かあっと言う間に時間が過ぎたなぁ。」
紬「あ・・・」
外を見た紬が何かを考えてる。
唯「今日新記録じゃない?」
澪「何が?」
唯「お茶飲んだ回数だよ。」
澪「あ〜、まぁ朝からだからな。」
紬「あった!」
澪「え?」
紬「私もあった!やり残した事!」
部室の窓をクロスで綺麗に磨いた。
全員「おぉ〜!」
紬「ふふっ♪」
唯「ピカピカ!」
紬「これ買って使ってなかったの。窓がピカピカになるクロス。」
豊「ホームセンターで買った奴か。」
紬「うん!」
唯「良いね〜!綺麗だね〜!」
澪「どうせなら、部室全部ピカピカにするのも良いかも!」
全員「ハッ!」
澪「え?」
唯「澪ちゃん!それ良い!そうだよ!私達は今日、部室の掃除をしに来たんだよ!」
律「そのとーり!」
澪「おいおい・・・」
駿「今思い出したのかよ・・・」
陸「それじゃ、皆で部室を綺麗にするぞー!」
全員「オー!」
こうして7人が部室清掃を始めた。
窓を開けて、机と椅子とソファーを隅に移動した。唯と律がクルクル回った。
その後、唯と律が床を雑巾掛け。
陸はオルガンを雑巾で綺麗にする。
駿は蛇口とシンクをスコッチスポンジでピカピカに磨く。
豊はドアと黒板を雑巾で綺麗にする。
紬は窓をクロスで磨く。
澪はホワイトボードを雑巾で綺麗にする。
唯はカエルの置物を雑巾で綺麗にする。
その後もありと凡ゆる箇所を重点的に清掃する。
夕方になり、掃除が終わった。
澪「終わった・・・」
唯「綺麗になったね〜。」
律「これで悔いなしって感じか?」
紬「うん。」
陸「あぁ〜、綺麗になった部室は清々しいなぁ〜。」
駿「達成感あるねぇ〜。」
豊「綺麗が1番〜。」
唯「また荷物増えちゃったけど・・・」
澪「自業自得だ。」
”キーンコーンカーンコーン”
学校のチャイムが鳴り、放課後に入った。
唯「放課後だー!」
律「よぉし!梓と皐が来たら演奏するぞー!」
紬「その前にお茶しない?」
澪「また?」
紬「だって、最後の放課後だもの。」
陸「そうだな。2人が来たらお茶するか。」
唯「あ・・・あ!ど、どど・・・どうしよう!」
突然唯が立ち上がって焦った。
律「どした?」
豊「唯?」
唯「何かしなくていいのかな!?」
澪「何かって?」
駿「どうしたんだいきなり?」
唯「だってだって・・・」
紬「唯ちゃん落ち着いて?」
陸「どうしたんだ唯。落ち着いて話してみろ。」
唯「こ、ここでお茶出来るのも・・・最後かも知れないんでしょ?」
澪「今頃気付いたのか・・・」
唯「うぅぅ・・・」
紬「唯ちゃん。」
陸「落ち着け。」
紬が唯の肩を掴み、陸が唯の頭を撫でて落ち着かせる。
唯「どうしようムギちゃん・・・りっくん・・・はっ!何か残すって言うのはどうかな?和ちゃんの写真みたいに。」
律・澪・駿・豊「おぉ・・・」
律「例えば?」
唯「皆の写真飾るとか?」
律「ウチらのだけあってもなぁ・・・」
唯「机に名前彫るとか!」
駿「ダメだろ絶対。」
唯「じゃあね・・・えっと・・・えっと・・・あ!歌は!?」
律「歌か!」
紬「良いかも!」
澪「でも、どうやって残すか・・・」
陸「何かカバーにして歌うか?」
澪「いや、それだとあんまり・・・」
紬「あ!あれ!」
全員「ん?」
一方2年1組では。
純「梓と皐は部室?」
梓「うん。」
皐「今日も行く。」
憂「梓ちゃん。皐ちゃん。お姉ちゃんがまだ居たら、あんまり遅くならないようにって言っておいて?」
皐「うん。」
2人は急いで部室へ駆け込む。
梓「まだお茶飲んでるかな?」
皐「多分ね。」
”ジャジャジャン♪”
梓・皐「ん?」
部室では、唯達が楽器の調整をしている。
梓「っ!」
2人が部室へ入った。
梓「あ!」
皐「皆!」
唯「あずにゃん来たー!」
駿「皐も来たか!」
律「さぁ!準備準備!」
梓「演奏するんですか?」
唯「うん!」
紬「今までの曲を全部ね。」
梓「全部!?」
皐「どうして!?」
唯「録音するの!」
1台のラジカセ。
梓・皐「これで!?」
唯「今はこれしかないし。取り敢えずカセットで。」
律「放課後ティータイムの記録っつーか。足跡っつーか。そう言うの残しときたいと思ってな。」
皐「もしかして、お兄ちゃん達も?」
駿「いや、俺達は放課後ティータイムの録音の助手。」
梓「・・・ッ!!分かりました!!」
急いでムスタングを出した。
律「おーっし!行くぞー!」
全員「オー!」
梓「っで、何からやるんですか?」
全員「・・・・」
梓「考えてないんですね・・・」
唯「いやはは〜。」
一旦休憩を挟み、曲名リストを作成する。
唯「最初はふわふわかな?」
紬「それ、最後が良いんじゃない?」
律「カレーからだろ。」
澪「うん。1曲目はアップテンポので。」
唯「いや、私達の音楽性を考えると・・・」
梓「・・・!」
唯「何あずにゃん?」
梓「唯先輩の口から、音楽性の言葉が!!」
唯「やだよぉ〜。何驚いてんのよぉ〜。」
陸(ハンマー性の違いじゃねえの?)
律「言ってみたかっただけだろ〜?」
梓「あ!じゃあ最初はふわふわのインストでどうですか?」
唯「インスト?」
駿「インストゥルメンタル。歌なしの演奏って意味。」
唯「あ!カラオケバージョン?」
豊「まぁ間違ってはないな。」
梓「ちょっとイメージ違いますけど・・・」
澪「分かる分かる!よくあるよな!アルバムの最初と最後にインスト入ってるの!」
梓「はい!」
律「分かるけど、そこまで来んなくても・・・」
梓「そ、そうですよね。時間ないですもんね。」
唯「ん〜・・・!曲順決めるの以外と難しいね〜・・・」
皐「うんうん。」
紬「お茶淹れよっか。」
唯「お!良いね!」
梓「あの、時間は?」
皐「録音は?」
唯「でもあずにゃん。皐ちゃん。今日1回もお茶飲んでないでしょ?」
梓「そりゃあ授業受けてましたから。」
唯「でしょ〜?やっぱりね〜。」
紬「・・・っ!!」
ラジカセを持った紬が机の上に置いた。
唯「私達だって、すっごいお茶してるんだから!」
澪「そこは威張る所じゃない。」
陸「随分可愛い威張りだな。」
すると紬が、ラジカセの録音ボタンを押した。
全員「ん?」
紬「この時間も録音しておかない?」
唯「おぉ〜!」
律「つまり!放課後ティータイムってのはな〜。今を生きる高校生の、ロックスピリッツを、熱〜く激し〜く表現するロックバンドっつーかさ!」
澪「良い事言おうとしてるだろ?」
律「だって跡にも残るんだろ?これ。」
唯「では部長のりっちゃん!あなたにとって放課後とは?」
律「そうだなぁ・・・人生の無駄遣いかな?」
唯「えぇ〜?」
紬・梓「ふふふふふ。」
澪「確かにな。」
梓「本当ですよね。」
唯「ちょっと聴いてみよ?」
ラジカセの停止ボタンを押して、再生ボタンを押して録音した言葉を聴いてみる。
律『そうだなぁ・・・人生の無駄遣いかな?』
唯『えぇ〜?』
紬・梓『ふふふふふ。』
澪『確かにな。』
梓『本当ですよね。』
唯『ちょっと聴いてみよ?』
停止ボタンを押した。
陸「おぉ。よく録れてる。」
澪「私の声、こんななのか・・・」
梓「止めましょうよ!録るのは曲だけにしましょうよ!」
唯「えぇ〜?面白いじゃん。」
駿「そうだな。もっと皆の声を聴かせてくれよ。」
そう言って録音ボタンを押した。
梓「や、止めて下さい!!」
急いで停止ボタンを押した。
豊「今の録れたか?」
駿「流してみる。」
再生ボタンを押した。
梓「ちょっ・・・!」
梓『止めて下さい!!』
皐「おぉ!録れてる録れてる!」
梓「怖い・・・」
律「そうだじょ〜。」
唯「あずにゃん怒ると怖いんだよ〜?」
梓「すみません・・・私ずっとこんな感じで・・・はっ!じゃなくて!早く曲順決めないとダメじゃないですか!!」
全員「あはははは!」
その後。
さわ子「忙しかった・・・」
仕事を一通り終わったさわ子が部室へ向かってる。
さわ子「ん?」
カエルの置物があり、プレートには、『レコーディング中。お静かに!』と書かれてある。
部室。陸が停止ボタンを押した。
”ガチャ”
丁度そこにさわ子が来た。
唯「あ!さわちゃん!」
さわ子「録音してるんだ。」
律「うん!放課後ティータイムの曲を全部!」
唯「ちゃんと残しておこうと思って。私達の演奏!」
紬「先生来たし。お茶にする?」
さわ子「いいわよ。続けて?」
放課後ティータイム「えへへ。」
律「よーし次!ふでペンボールペン!」
唯「あ!待って〜!トイレトイレ〜!」
紬「あ!私も行く!」
澪「私も!」
律「同じく〜!」
梓「皆ですか!?」
律「いやぁ〜、朝からお茶飲んでたからな〜。」
4人がトイレへ向かった。
梓「全く。・・・私も。」
同じく梓もトイレへ向かった。陸が停止ボタンを押した。
陸「全く。」
5人がトイレから戻った後。
律「気を取り直して!ふでぺんボールペン!」
陸「じゃあ録音押すぞ〜!」
録音ボタンを押したと同時に。
”キーンコーンカーンコーン”
絶妙なタイミングで放送が流れた。
駿「あ。放送だ。」
唯「ダメだぁ・・・」
さわこ「うふふ。ねぇ唯ちゃん。りっくん。」
陸「はい?」
唯「何?」
さわ子「録音手伝おうか?」
陸「大丈夫ですよ。な?」
唯「うん。さわちゃんはそこで見てて?」
さわ子「そう。」
陸「じゃあ気を取り直して。」
気を取り直して録音ボタンを押した。
紬「は・・・はくしょん!」
突然紬がくしゃみした。
唯「え?」
紬「ごめ〜ん・・・」
律「いいよ!やっちゃおう!」
唯・澪・梓「オー!」
紬「やっちゃおー!」
陸達が笑顔で放課後ティータイムを見てる。
律「じゃあ行くぞー!ワンツースリー!」
ふでペンボールペンを演奏。
メドレーを録り終え、夜になった。
唯「終わった〜。」
陸「お疲れさん。」
律「っつーか何やってんだろうな〜。私ら〜。」
唯「でも出来たよ?私達のアルバム。」
澪「うん。」
駿「そのカセットテープに、放課後ティータイムの魂が込められてるな。」
律「ちょっと貸して?」
カセットテープに、マジックペンで放課後ティータイムと書いた。
律「書けた!」
唯「聴いてみようよ!」
豊「おぉ良いね!」
さわ子「じゃああんまり遅くならないように1回だけよ?」
陸「大丈夫です。この後姉ちゃんが迎えに来ますから。」
さわ子「そう。」
唯「あ!新しいタイツ買ってない!」
紬「帰りに買ってこ?」
梓「あれ!?部室何か綺麗になってませんか!?」
皐「本当だ!ピカピカ!」
唯「あずにゃん!皐ちゃん!やっと気付いてくれた!」
梓「制服汚れてます。」
皐「綺麗にした証だね。」
唯「え!?うわぁー!本当だ!」
全員「あははははは!」
いよいよ明日は卒業式。
『END』
キャスト
平沢唯:豊崎愛生
秋山澪:日笠陽子
田井中律:佐藤聡美
琴吹紬:寿美菜子
中野梓:竹達彩奈
古川陸:土屋神葉
真中駿:堀江瞬
西原豊:深町寿成
真中皐:小倉唯
山中さわ子:真田アサミ
真鍋和:藤東知夏
平沢憂:米澤円
鈴木純:巽悠衣子
『次回予告』
#38「卒業式!」