【新装版】GR:DED   作:雁野 命

1 / 83
今作からは実験的に各話のあとがきにちょっとした解説をつけています。

読まなくても本編に影響はありませんが、作品への理解を深めてみたい方は是非ご覧ください。


プロローグ

夜、現代日本の首都である東京と言えどもこの時間であれば人気(ひとけ)のない場所は存在する。例えば森や山、そして廃墟である。特につい半年前に特定特異災害──ノイズによる事件が起こったドームとなればなおさらである。しかし、本来なら静寂に包まれているはずのこの場所には鉄火場を思わせる剣(げき)の音が響いていた。

 

まず目に入るのはライダースジャケットを着た燃える骸骨であり、それに対して剣を振るっているのはマゼンタと銀で彩られた仮面の戦士──仮面ライダージオウ。明らかに疲(へい)しつつも異形と相対するその姿はまるで特撮番組のワンシーンのようであった。

 

「……っ!?くそっ!何なんだ、コイツ!アナザーゴーストの亜種か何かか?!」

 

その姿の異様さに一度、反射的に距離を取るジオウだったが、それでも異形に動きは見られない。異形の姿は傍目(はため)に見れば隙だらけにしか見えないが、攻めあぐねているジオウからすればむしろ何かを待っているようにさえ見えていた。

 

「──けど、倒すだけなら!」

 

『フィニッシュタイム!』  

 

短い時間ではあったが、ジオウにとっては永遠にも思える睨み合いの中、膠着(こうちゃく)した状況を打開するべくベルトを一回転させたジオウは必殺技のために飛び上がる。

 

「こいつで──」

 

『タイムブレーク!』

 

「──どうだぁー!」

 

異形の周囲に浮かぶキックの文字をエネルギーとして右足に収束させてライダーキックを放つ必殺技タイムブレーク。轟音とともに放たれるその強烈な一撃は確実に異形を粉砕する──はずだった。

 

「これで全てか?」

 

「……え?」

 

放たれた必殺の一撃は異形の左腕によっていともたやすく防がれていた。あまりの事態に困惑したジオウは思考が停止して動けないでいた。

 

「では、こちらの番だ」

 

事態を把握出来ないままのジオウだったが、それよりも早く動いた異形はフリーになっている右手でジオウの足を掴んで持ち上げる。

 

「ちょっ、まっ──ぐぇっ!」

 

異形はそのまま流れるような動作で混乱したジオウを地面に叩きつけると轟音と共に地面が凹み放射状の亀裂が走る。

 

「……ゲホッ、ガハッ」

 

「まだだ」

 

ジオウが仰向けに倒れたまま動けずにいることからもその衝撃がうかがい知れるが、間髪入れず炎を纏った異形の右の拳がジオウの胸部めがけて叩きつけられる。

 

「ぐげぇっ!」 

 

二度目の衝撃で亀裂が広がり地面が周囲に瓦礫が飛散する。衝撃とダメージで動けずにいるジオウの姿は周囲の惨状と相まって打ち捨てられた玩具のようだった。

 

「……う……あ……」

 

「まだだ。俺の怒りはこんなものじゃない」

 

もはや立つことさえ叶わなず後ずさりもできないジオウに対し、悠然と近づいた異形は片手でジオウの首を掴んで持ち上げる。

 

「ぐぇっ……く、くそ……お、お前は、一体……」

 

「……最後に教えてやる。俺はアナザーゴーストでも、仮面ライダーでもない──」

 

「う、うわぁぁぁーーー!!」

 

異形の手から放たれる獄炎が広がりジオウの全身が燃え上がる。異形は無造作に手を放すとその場に崩折れたジオウには目もくれず振り向いて数歩進む。そのまま右手をかざし円を描くと何もない空間に異形が通れそうな大きさのゲートが開いた。

 

「俺はゴーストライダー。転生者(お前たち)を狩るものだ」

 

異形──ゴーストライダーがジオウを一瞥してゲートをくぐると空間が閉じる。そして、後には壊れた地面と灰の山が残されたのみであった。

 




●解説
・最初の世界
シンフォギアの世界にジオウがいる程度の設定しか決まっていませんが、一応、敵はアナザーライダーであることとライドウォッチの入手方法は決まっています。

●プロローグ転生者について
常葉修吾(ときわ しゅうご)(17歳/男)
・ジオウ転生者の少年でシンフォギアの世界でS.O.N.G.の一員として活動しようとしていたが、本編開始前に殺される
・その世界では原典のイベントを終わらせるといつのまにかライドウォッチが出現する仕組みになっていた
・何かのライドウォッチを持っていたが、使いこなす練習もしていなかったため、使っても勝てなかった可能性が高い
・冒頭でやられる捨てキャラのため、これ以上の深い設定はない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。