「俺たちの、死?」
「燃える髑髏の怪物……な~るほど。アンタが俺たちの偽物か」
「偽物、か。ならば、お前が
困惑する八雲を置いて睨み合うカイザとゴーストライダー。二人の間には5m程の距離があったが、超人同士の戦いにおいてその程度の距離は有って無いようなものであった。
「大当たり!俺は
ま、どうぞよろしく、と軽く一礼するカイザだが、その行動に反応を示さないゴーストライダーに不機嫌になる。
「無視かよ!ったく、これだから礼儀知らずの偽物は──」
「まずは、お前だ」
「ハァ?」
唐突にカイザを指差して宣言するゴーストライダー。その姿に一瞬、困惑を示したカイザだが直ぐに大笑いする。
「はははっ!……アンタ面白いわ──ぜってー殺す」
急に声のトーンを落として宣言するカイザは腰のカイザブレイガンを右手に構える。狙う先は当然ゴーストライダーであった。
『burst mode』
「フェイクはとっととくたばりやがれ!!」
引き金を引きながら走るカイザに対して、それを迎え撃つゴーストライダーは飛んでくるフォトンブラッドの光弾を左腕を盾にして防ぐ。
「それぐらいは──」
『ready』
「──想定済みよ!」
全弾受け切ったゴーストライダーにダメージは見られない。が、
「たあっ!てあっ!はぁっ!」
肩口を切り抜けた剣から一度手を放すと、即座に左手でキャッチしてそのまま胸を真一文字に切り裂く右薙ぎの一撃を放つ。そして、またもや切り抜けた先で剣を放し、右手で刀身を上にして持ち替えると、左肩から右の脇腹へ袈裟懸けに切り下ろす。
「コイツはオマケだ!──」
『burst mode』
「──とっときな!!」
切り下した先で剣を左手で逆手に持ち直すと、右手でレバーを引いてリロードしながら十二発の光弾を連射する。銃と剣が一体化したカイザブレイガンならではの連続攻撃は、長らくこの装備を使い続けているカイザの得意な技でもあった。
「どうやら足りないようだな」
「な──ぐえっ!?……っと、ま、これで倒れるワケはないわな」
連続攻撃の終わり、弾丸を撃ち切って次の動作に移る直前の一瞬の隙をついてゴーストライダーの右ストレートがカイザに叩き込まれる。大げさに5mほど吹き飛ぶカイザだが、予想していなかった訳ではないのか、危なげなく着地する。どうやら、攻撃が当たる直前に自分から後ろに飛ぶことでダメージを抑えていたようだ。
「猟犬を自称するだけはあるか」
「へっ、そりゃどうも」
「……これが、転生者狩り同士の戦い……!」
流れるような連続攻撃のカイザとそれを物ともせずに一撃で吹き飛ばすゴーストライダー。睨み合う形に戻る二人とその両者の激突に自分との実力差を実感して戦慄する八雲、三人の間に緊張が走る。
「もう来ないのか?」
「アンタにもチャンスをやろうと思ったんだが──」
『exceed charge』
ゴーストライダーの言葉を挑発と受け取ったカイザが、おもむろにベルトのカイザフォンのEnterを押すと、電子音声とともに甲高いチャージ音が鳴り、ベルトから体の黄色のライン──ダブルストリームを通してカイザブレイガンへとフォトンブラッドが注入される。
「──いらないみたいだな!」
「ぬっ!?」
カイザは言葉とともに右手に持ち直したカイザブレイガンをゴーストライダーに向けると、黄色のエネルギーネットがゴーストライダーの動きを封じる。
「コイツで──」
駆け出すカイザ。その前には
「──どうだぁ!!」
ゴーストライダーに当たる直前、光に合わせて
「あぁっ!?」
「念には念を──」
『exceed charge』
もう一度、カイザフォンのEnterを押すと、先ほどと同じように電子音声とともに右手に装着されたカイザショットへとチャージが始まる。周囲から見れば完全に隙だらけの姿だが、驚愕するだけの八雲は一歩も動けずにいた。
「──入れないとなぁ!」
「何て容赦のない攻撃なんだ……!」
カイザがゴーストライダーの居た位置に着くタイミングでチャージが完了すると、その勢いのままカイザショットでパンチを叩き込む。これもカイザの必殺技として知られているグランインパクトである。八雲の言葉通りそのどちらもが必殺と言える一撃であり、この技を受けて無事だった敵はそうおらず、二つとも食らってしまえばひとたまりもない──はずであった。
「あぁ?」
違和感、カイザが最初に感じたのはそれだった。確かに命中した、その実感はある。だが、これまでとは何か手応えが違うような、そんな気がしていた──そして、その感覚は正しかった。
「これがお前の全てか?」
「……え?」
「……おいおい、どんだけの威力だと思ってんだよ?」
八雲とカイザの驚愕も無理はない。合計で十トン以上の破壊力を持つ攻撃を受けたはずのゴーストライダーが五体満足で立っているだけでなく、その左手でグランインパクトを受け止めていたからだった。
「次は、こちらの番だ」
●#04について
・猟犬
Vol.4まではゴーストライダーを表す言葉でしたが、本来は上位存在から依頼された転生者狩りのことです。彼らは誇りを持ってハウンドを自称していますが、一騎は犬と称されることを嫌っているため、一騎が使う場合は自嘲気味に使うことが多いです。
・猟犬の仕事
上位存在から依頼された転生者を殺してその刻印を回収することが仕事です。回収した刻印は上位存在に納めることになっていますが、一部の猟犬は刻印の力で特典を強化して後年になって登場した新フォームや新たな特典を入手している者もいます。
・コンボ技
動きの流れが良さそうなので思い付きで書いていましたが、比較的高威力な技を動作としてつなげられたと思います。なお、作中で明記している通り、彼はこのコンボで何人か殺しているので、実力自体は転生者でもそれなりな方です。
●猟犬について
神代怜(かみしろ れい)(18歳/男)
・仮面ライダーカイザを使う少年で転生前は男子高校生
・他人と同じであることを嫌う傾向にあり、元々ダークライダーが好き
・自称ヤンデレ好きでヒロアカではトガヒミコが好き
・既にいくつかの世界で転生者を狩っており、殺すことに躊躇はない
・クールな性格に見えるが、どこか現実感がなく遊び気分でやっている
・個性は格納、無機物を異空間にしまっておける、と偽る