(……来たか)
「お前ら、エイムズだな!?」
「その通りだ。お前を逮捕する」
先頭の隊長らしき男がシューティングウルフプログライズキーのスイッチを押すと、バレット!、と音声が鳴る。そして、そのままプログライズキーをショットライザーに装填すると、オーソライズ!、と電子音声が鳴ってプログライズキーが展開される。
「変身!」
『ショットライズ!』
「うおっ!?」
引き金を引いて飛び出た弾丸が正面のタイガーレイダーを掠める。そのまま反転してきた弾丸を男が殴り飛ばしてアーマーが展開されるとその姿は仮面ライダーバルカン、シューティングウルフへと変身した。そして、そのままタイガーレイダーに殴りかかるバルカンの背後で男たちもベルトにプログライズキーをセットする。
「うおおっ!」
「ぐげっ!?」
「「「「実装!」」」」
バルカンの攻撃でタイガーレイダーが殴り飛ばされる間に男たちがスイッチを押すと全身にアーマーと装甲が装着されて武装が装着されると、その姿は機械の兵士バトルレイダーへと変貌し、バルカンを支援すべく三人が銃を構えると一人が近接支援に向かう。
「斉射!」
「ぐおおっ!?このっ!」
バルカンの合図で射撃組の一斉射が始まり、流石のタイガーレイダーもたたらを踏むが、何とか持ち直して炎で銃弾を防ごうとする。が、その銃撃を合図に左右からバルカンとバトルレイダーが挟み撃ちにする。
「突撃!!」
「了解!!」
「おがっ!?この──げぎゃっ!?」
振りかぶったバルカンのパンチを諸に喰らったタイガーレイダーが反撃しようとするが、立ち直り切る前にバトルレイダーのタックルで弾き飛ばされる。
「くそっ、五対一なんて卑怯だろ……お?」
『『『『ハード!』』』』
『バレット!』
「悪いが、犯罪者に対する慈悲は持ち合わせていない」
何とか立ち上がるタイガーレイダーだったが、その前に横一列に並んだエイムズがそれぞれ、銃を構えて必殺技の準備を終えていた。
「マジかよ?」
「ディスチャージ!」
『シューティングブラスト!』
『インベイディングボライド!』
「うおあぁぁっ!?」
バルカンの号令で放たれたバルカンのバレットシューティングブラストとバトルレイダーのインベイディングボライドがタイガーレイダーに炸裂する。爆発が収まるとそこには男が倒れていた。
「ふぅ……さて、これで──」
「っ!?隊長、
「何っ!?──早瀬!?」
戦いが終わって気を抜いた瞬間、上空から落ちて来た銀色の影にバトルレイダーの一人が吹き飛ばされ変身が解除される。途端に警戒してエイムズが銃を構える先にはかつて仮面ライダーゼロワン、メタルクラスタホッパーと呼ばれた者の姿であった。そして、その姿は路地から隠れて見ている一騎と香蓮の目にも映っていた。
「仮面、ライダー……」
(メタルクラスタ……なるほど、これは暴走もする、か)
「(
「撃て!──本部、<イナゴ>が出た、増援を頼む!」
悲しそうな目でゼロワンを見る香蓮に気づくこともなく射撃を開始するエイムズだったが、ゼロワンの正面に展開されたクラスターセルの盾に防がれ、全く通用していなかった。その間に応援を要請するバルカンだったが、その声色からどれほど状況が切迫しているか無線の通信先へ伝わるようだった。
「くそっ、全員、銃撃を絶やすな!絶対にここで止めるぞ!」
「うわあっ!?」
「六嶋!?──E-2で行く、撃ち続けろ!」
「「了解!」」
『バレット!』
銃撃の隙間を縫ってクラスターセルの一部がバトルレイダーの一人を襲い、六嶋が変身解除されて残り三人となったエイムズは起死回生の手段としてバルカンはバレットシューティングブラストの準備に入る。
「喰らえっ!」
『シューティングブラスト!』
「今だ!」
バルカンのバレットシューティングブラストが撃ち込まれたことで盾を強化するべくクラスターセルが集まる。そして、その一瞬を見逃さずにバルカンは合図を出す。
「「了解!」」
『『ハード!インベイディングボライド!』』
「……やったか?」
同時に放たれたインベイディングボライドがクラスターセルの盾ごとゼロワンを飲み込み爆発を起こす。一瞬、安堵しかけたバルカンだったが、油断なく銃を構えていた。──はずだった。
『メタルライジングインパクト!』
「うがっ!?」
「ぐあっ!?」
「な──ぬおっ!?」
煙の中から響く電子音声とともにクラスターセルで構成された二体の分身体とゼロワンによるキック──メタルライジングインパクトによって吹き飛ばされるエイムズ、変身の解けた彼らの前に佇むゼロワンの姿はまさしく災害と呼ぶに相応しいものであった。
「あ、あの、あれ!?マズいんじゃ……!?」
「……みたい、ですね」
「ぐ、くそっ……一ノ瀬、ぐぅっ……」
(これは、不味いな)
「(……!?奴は無抵抗の者を殺す気か?!)」
感情を感じさせない機械のような動きで倒れて動けない隊員──一ノ瀬の方へ向かうゼロワンは明らかに無抵抗の人間を殺そうとしているようだった。
「た、たいちょ──ぐえっ!?」
「ああっ、危ないっ!?って、ちょっと!?」
(チッ──やるぞ!)
踏みつけられた一ノ瀬の姿を見た一騎は目の前に転がっていたバトルレイダーの銃──トリデンタを拾い上げるとビルの陰に隠れつつヘルファイアで強化する。
「ぐ──」
(間に合えっ!)
『メタルライジングインパクト!』
「……!?」
電子音声とともに振り上げられるゼロワンの足、その直後にヘルファイアで強化された銃弾がゼロワンの腹部──ベルトの近くへと撃ち込まれる。そして、その衝撃でゼロワンは数mほど後ろへ吹き飛ばされて倒れた。
「な、何なんだ……?──まだ、起き上がれるのか!?」
(チッ、流石に太陽があると減衰するか……)
「(だが、今回は其れで足りたようだ。我らも行くぞ)」
「……ナイトさん、どうして……」
(ああ……いや、
不意打ちから起き上がったゼロワンは警戒したのかクラスターセルの足場に乗って何処かへと飛んで行った。そして、トリデンタを放り投げた一騎は香蓮の漏らした言葉を聞き、先程の場所にいた香蓮の元へ駆け出した。
「(一騎!?……成程、若しや、と言う事も在るか)」
(そうだ。おそらく、彼女は転生者と関係がある……手掛かりぐらいは掴めるかもしれん)
「あの、すごいの出てましたけど、大丈夫でしたか?」
「はい、何とか……ですが、ここから立ち去った方がいいみたいですね──っ!?今のは……?」
「何してるんですか、早く!」
(気のせいか?……ともかく、ここを離れるのが先、か)
周囲を探そうとしているエイムズに気づいた一騎はひとまず香蓮を連れて移動することになった。そして、一瞬だけそんな二人を見る視線を感じた一騎だったが、その正体を確かめられないままその場を離れるしかないのであった。
●#02について
・バトルレイダー隊
ザイアがあるため、エイムズとしてバトルレイダー隊が存在しています。ちなみに、隊員の名前は三人しか決まっておらず、い、ろ、は、で名付けました。隊長についてはのちのエピソードで解説します。
い→一ノ瀬(いちのせ)、ろ→六嶋(ろくしま)、は→早瀬(はやせ)
・<イナゴ>
例のアレです。暴走の理由はプログライズホッパーブレードがないことなので、世界の単純化が彼の運命を決定しました。人間だれしもこの手のミスはやりがちなので、テーマとしては面白いんじゃないかと思い採用しました。
・強化された銃弾
Vol.4でも使いましたが、映画のゴーストライダーでショットガンを強化したアレの延長として、日陰ならどこでも使えるようにしています。こういう小技は作者の大好物です。