「なるほど。イレギュラーの力を借りたか──考えたものだ」
「チッ、味なマネを……!」
「この世界の事はこの世界の者に任せた、それだけの事だ。そして──」
部下からの連絡で状況を把握して感心する尊と目論見が外れて歯噛みする総司だったが、そんな二人に対して冷たく言い放ったゴーストライダーは一度、言葉を切ると強い意志を籠めた視線を向ける。
「──
「ハッ、どうやら一度、俺たちに負けたことを忘れたみたいだなぁ!」
「っ!?総司が変身する時間を稼げ!」
「「「「了解!」」」」
ゴーストライダーの宣言に激昂した総司が歩きながら考え無しにオーマジオウに変身しようとするが、その動きを察知した尊の指示で近くに居た転生者たちが動き出す。
「行くぞ!」
「おう!」
最初に動き出した干将と莫邪を握った青年と仮面ライダーマルスはタイミングを合わせてゴーストライダーの右側から武器を構えて飛びかかる。
「はああっ!」
「うおおっ!」
続いてその対応に動くであろうゴーストライダーの動きを見越した仮面ライダーエターナルと仮面ライダーダークキバが左側から攻撃を仕掛ける──はずだった。
「そんなっ!?」
「バカなっ!?」
「動きが単純だ──もっとも、速さを重視するなら仕方がないがな」
完璧なタイミングで動いたはずの四人だったが、その動きはゴーストライダーの両手から伸びたチェーンで絡め捕られたことで完全に封じられてしまっていた。
「このっ!」
「放せっ!」
「ああ、放してやろう──地獄へとな」
銘々に喚く転生者たちだったが、ゴーストライダーの宣言と共にチェーンを伝って流された業炎によって断末魔を上げる間も無く焼き尽くされる。
「呆気ない奴らだ」
「だが、仕事は果たしたぞ?──変身」
『最高!最善!最大!最強王!逢魔時王!』
「安心するのは早い」
「お前もなぁっ!」
転生者たちの稼いだ一瞬を使ってオーマジクウドライバーを装着した総司がオーマジオウへと変身しようとするが、倒した転生者たちに冷たく吐き捨てるゴーストライダーはその隙を逃さずにチェーンを伸ばそうとする。だが、その動きをいつの間にか黄金の鎧を装着していた尊が
「……どうやら、お前もその力に引きずられている様だな」
「貴様、俺の財を──ぐおっ!?」
しかし、牽制に放たれたはずの宝具はゴーストライダーのチェーンに絡め捕られると逆にヘルファイアで強化されて撃ち返される。対応の遅れた尊は咄嗟に別の宝具で相殺するが、その陰に隠れるように伸びて来た左手のチェーンに絡め捕られた。
「借り物の宝具だと言う事を忘れたか──まったく、慢心とは恐ろしいな」
「(然り。だが、此のままでは焼く前に変身が終わるぞ?)」
「ぐっ!だが、例え縛られていても──」
「お前を焼くのは後だ──少し向こうへ行っていろ」
「なっ──うおおっ!?……」
絡め捕られたまま宝具を撃ちだそうとする尊だったが、勢いよくチェーンを振り回したゴーストライダーはハンマー投げの要領で中庭の吹き抜けから尊を遠くへと投げ飛ばした。
「(成程。一先ず分断は出来たか)」
(ああ──だが、少し面倒だな)
「まったく、アイツは肝心なところで役に立たんな──まぁ、元々、アテにはしていないがな」
尊たちを分断させたゴーストライダーは変身の完了したオーマジオウと静かに睨み合う。一触即発の空気の流れる中、一連の流れを見た転生者たちは恐怖で近づけず、周囲を取り込むだけにとどまっていた。
「クソッ、やってられるか!俺は逃げるぞ!」
「あっ!?この──俺も連れていけ!」
「お前ら──クソッ、俺だって巻き込まれるのはゴメンだ!」
耐え切れなくなった一人が叫んでから逃げ出すと、同じ考えだった他の転生者たちも一斉に騒ぎながら逃げ出していき、やがてその場にはゴーストライダーとオーマジオウだけが向かい合っていた。
「どうやら、取り巻きは逃げ出したようだな」
「抜かせ。貴様など俺一人で十分よ」
「そうか──なら、さっさとかかって来い、三下」
「ッ!?──ハッ、上等だ!真の王の力を見せてやろう!!」
●#06について
・変身と時間稼ぎ
仮面ライダーにとって弱点の一つである変身までの時間ですが、通常の相手であれば変身直後の自動防御があるので問題にもなりません。しかし、ゴーストライダーが相手ではそれも怪しいため、この場において他の転生者たちは全力で時間を稼ぐ必要がありました。
・分断される二人
原典に性質が引き寄せられた尊は宝具を射出するだけで十分だと慢心した結果、倒されなくとも分断されることになりました。このことで敗北を予感した転生者のほとんどは即座に撤退しました。
・オーマジオウ降臨
変身を完了させた総司ですが、強がりでもなんでもなく心の底から自分一人でゴーストライダーを倒すつもりです。原典での活躍を考えれば不可能ではなさそうですが、その戦いの結末がどうなるのかは次回をご覧ください。