灰被りの為の舞踏曲   作:ふかひれ

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0話 夢物語の始まり

 

 

「トレーナー君…いや、誠。ようやくだな」

「君の夢が叶った景色はどうだ?」

 

「…君が居ないのが寂しいな」

 

「………」

 

「君は覚えているか?私を皇帝と言ったのを…」

「その威光は衰えているか?」

 

「…まさか?」

 

「そう…初めてのその最高の舞台に私が上がらなくてどうする?」

 

「でも…君は!!」

 

「その為の準備は出来ている…」

 

「みていてくれ…」

「灰塗れの石ころが…輝きを失った石ころがもう一度ダイヤモンドに変わるのを…」

 

 

「祈願ッ!君の武運を祈るッ!」

 

「会長!頑張ってくださいね」

 

 

「皆…知ってたのかよ!」

 

「内緒にね…って言われてましたから」

 

 

「全く…」

 

 

彼女を見送りながら思い出す。

ここに至るまでの道のりを…。

 

「…感情に浸るにはまだ早いですよ?」

 

「たづなさん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話はかなり遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…もうすぐ…完成ですね!理事長!」

そう話しかけるのは緑の服がトレードマークの駿川たづな。

 

「感激ッ!ここから私達の夢が始まるんだ」

理事長と言われたのは秋川やよい。

見た目は完全にお子様な…理事長。

 

 

目の前に建つ建物はトレセン学園。

ウマ娘トレーニングセンター学園…といってもかなり小さい。

 

 

今の競馬…ウマ娘達のレースはおかしい。

 

そう、賭けレース…。

「疑問ッ!もっと伸び伸びと自由にウマ娘が走る事は何故出来ないのか!?」

 

勝ちを争って走る…そう、これは間違いではない。

だが…どうだ?

観客…彼らは何の為にレース場に足を運ぶ?

賭けた金が増える事を祈って来るのだ…所謂、金の為。

 

予想が外れればバ券と怒号が空を舞い…怒号や罵声はウマ娘に突き刺さり、バ券は地に積もる。

 

 

「ウマ娘が走るのは…まるで彼等の懐のためじゃないか!」

「そんなのおかしい!」

「私は…そんな競バ界を変えたい!」

 

 

全てのウマ娘が楽しく誇りを持って走れるように…

 

 

 

 

「たづな!私はやるぞ!

 

「来年の開校で何人くらい入学してくれるかな…と。」

ポロリと不安を漏らすたづな。

 

 

「……4人…」

ボソリとやよいは漏らす。

 

 

「まだ期間もありますから…頑張りましょう?!ね?」

たづなが両手を上げてポーズをとる…と、その時だった

 

ドン

 

「あっ!?」

たづなのあげた手は通りすがりの男に当たった。

 

 

「「すみません!!」」

お互いに謝り合う。

 

「余所見してたもので…」

と、男は言う。

 

「こちらこそ…周りを考えず…すみません…」

 

 

 

ひとしきり謝りあった後に別れる。

「………」

 

「理事長?」

 

「今の男…どこかで見たような……」

 

 

彼女達は知らない。

この男が後に学園に運命のように来るのを…。

 

 

 

「…何の建物が建つのかな?」

この男は知らない。

目の前の小さい学園が自分の運命を大きく変えるのを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





導入です。
ぜひぜひよろしくお願いします!
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