「……」
「なあ大将…」
「何だ?」
「今の競バってどう思う」
「……兄ちゃんは?」
「…間違ってると思います。金の為になんて彼女達は走らなくて良い!彼女達の誇りをもって走られるようになるべきだと思うんです」
「でも皆、納得して走ってんじゃねえのか?」
「…それは今の環境しかないからですよ」
「それが当たり前になっているから…なんですよ」
「俺は変えたい!そんな在り方を」
「夢物語だろう?」
「それでも!彼女達と叶えてみせたいんです!」
「その為に彼女達を利用するのか?」
「…ッ!?」
ルドルフが立とうとするのを止める。
「…そう思う人も居るでしょう。でも…俺は…彼女達が笑顔で走ってゴールして喜ぶのを見たい」
「その為に何すんだ?」
「まずは勝ちを重ねてスポンサー…ファンを獲得して信用と発言力を高めたいと」
「長え話だな」
「それでもやらなきゃ先は変わらないんです」
「……そうか」
「すまねえな!悪い言い方してよ!」
「……悪くねえ夢だ。頑張んな!」
「なら…今日のラーメンは門出の祝いだ!食っときな!」
さらに…と煮卵とチャーシューを出してくれた。
「大将…」
「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」
「ならよ…まずは俺がお前らのすぽんさーとやらになってやるよ」
「え!?」
「つってもよ…ラーメンくらいしか出せねえけどよ」
「ずっと応援してたんだぜ?兄ちゃん」
「え?」
「まあ…また来なよ」
「うまかったか?お嬢ちゃん達」
皆無言で親指を立てていた。
「…お前の言っていた事は間違いでは無かったんだな…」
「…あんな奴初めて見たぞ」
丈の首からかけられたペンダントには………
「そうだ!買い物があるんだ。すまない、皆は先に帰ってくれないか?」
と、ルドルフが言う。
「分かったわ。先に帰るわね」
と、信号で別れる。
「アンタ何してんの!?」
と、スカーレットに突っ込まれる。
「え!?何って帰るんだけど!?」
「アホか!ルドルフについて行かんかい!」
タキオンもキャラ忘れて突っ込む。
「…………」
ライスは黙ってる。
ほらほら行った行った!と追い払われながらルドルフを追い掛ける。
「ルナ」
と、後ろから声が聞こえた。
「…トレーナー君?」
「…一緒に行くよ」
「皆に言われたのかな?」
「…まあね」
「そこは自分で来て欲しいな…」
「ん?」
「何でもないさ!」
少し嬉しいような…寂しいような表情をしたルドルフだった。
「ルナ?」
「行こうか」
「荷物持つよ」
「ありがとう」
「…あ」
ルナの前にはスイーツ屋さん。
確かここは…フルーツパフェが美味しいんだっけ?
「……」
何も言わずに去ろうとするルナの手を掴んだ。
「食べてく?2人で」
「…いいのかな?」
ドキドキが止まらない。
私は待っていたんだろうな…そう言ってくれるのを。
追いかけてくれたのはチームメイトの言葉でも…この言葉は彼から発された言葉だから…。
2人でパフェを食べる。
雑誌で見た通りのパフェは美味しかった。
だが、美味しいのはきっと…君と2人で食べるからだろう。
他愛もない話で笑顔になる。
余計にこの時間が嬉しくて、パフェが美味しくて。
ああ…私は本当に君が好きなんだな…。
君はそう思ってないかもだけれど…少しずつ見てくれたら嬉しいな。
「ルナ?」
「うん?」
「ついてるぞ?」
と、口の端を拭ってくれた。
かなり恥ずかしいが嬉しかった。
「そういうとこだぞ…」
…帰りに試しに距離を詰めてみた。
車が通るから危ないぞと、車道側と変わってくれた。
…ああもう、君は本当にそーやって私を……。
「…好きだ」
「ありがとう…」
…いつかちゃんと振り向かせてやるからな!!