いつも月夜に米の飯、米の飯より思し召し   作:ルシエド

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『ささやかな祈りを』

 この人は日記に自分のかわいいところもかっこいいところも書かないんだろうな、なんて、ライスは思っちゃった。

 日記に自分を小さく扱う嘘を書いて、あとでそれを信じてそう。

 でも、たぶんそういう人だよね。

 

 

 

 

 

 ライスの名前はライスシャワー。

 貰えたことが嬉しかった、祝福の名前。

 でも、みんなを幸せにしたいと思っても、そうできないだめだめな子。

 

 気付けば、憧れてたの。

 夢の舞台に。

 それは、ライスだけじゃなかったみたい。

 周りのウマ娘に聞いてみても、みんなそうだったんだって。

 

 いつか、あの場所で、走りたい。

 きらきらしたものになりたい。

 みんなに元気をあげられるウマ娘になりたい。

 ここで走って、きらきらして、たくさんの人を笑顔にしていくウマ娘を見てきたから……ああなりたいって、ライスは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライスはなにになれるんだろう。

 ライスはなにになるんだろう。

 まだ、なんにもわからない。

 わからないけど、なにかになりたかった。

 

 きらきらしたなにかになりたかったんだ。

 

 

 だから、トレセン学園に入って、頑張って、頑張った。

 デビューする前に、世界は大変なことになっちゃったけど。

 頑張ったことに、後悔はしてない。

 だってライスは、走ることが好きで、なりたいものがあって、だから頑張ったんだから。

 

 

 ライスシャワーは、祝福の名前。

 結婚式のすてきなお祝い。

 祝福されるお名前じゃなくて、祝福するお名前で、だから好き。

 ライスは、ライスの名前が好き。

 幸せにするお名前で、笑顔にするためのお名前だもの。

 

 神様が、愛し合うふたりに祝福をあげるの。

 神父さまが、ふたりに言葉をあげるの。

 その後に、ライスシャワー。

 神様にも祝福されて、ふたりは幸せになる道を進んでいくんだって。

 

 ライスもそうなりたいなって、思って。

 たくさんの人を幸せに、笑顔にしたいって、思って。

 だから走り出したんだ。

 

 でも、みんながみんな、ライスと同じじゃなかった。

 みんなみんな、違う理由で同じゴールを目指して、走ってた。

 デビューする前に、色んな人がライスに優しくしてくれて、色んな人とライスは知り合って、いつかみんなと走るんだって思うと……ライスは、とってもわくわくしちゃった。

 

 タキオンさんと最初に話したのは、いつだっけ。

 

 一回、タキオンさんの研究室が爆発して、大変なことになっちゃったんだよね。

 

 

 そうだ、うん。

 研究室が爆発する前だったね。

 あんまりお話する機会は多くなかったけど、たまにお話する機会があった時は、ちょっとだけお話することもあったっけ。

 

 

「ライスシャワー。君は、わけもなくどこかのレース場に親しみを覚えることはあるかい?」

 

 ライスはよく分からなくて、"?"ってなっちゃった。

 

「たとえば私は阪神レース場に思い入れがある。

 何故かは分からないけどね。

 ロブロイ君は中山レース場に惹かれたようだ。

 ただ、当人も理由はわからないらしい。

 ライス君は淀……京都レース場が走りやすいと言っていただろう?」

 

「それは……なんとなく、です」

 

「そう、なんとなくだ。皆なんとなく、どこかのレース場に偏った感情を抱いたりする」

 

 

「ウマ娘は理屈を超えた存在だ。

 何故か、よく分からないものに思い入れを持つ。

 理由も分からず、何かにこだわる。

 そのメカニズムは不明だ。

 しかし、そういう現象があること自体は判明している。

 理由の無い思い入れを得たら、それを大事にした方がいいかもしれないね」

 

 タキオンさんが言うことは、いつもよくわからないけど、なんとなくわかりそうで、でも結局よくわからなかった。

 

 ライス、あんまり頭がよくなかったから。

 

「それはひょっとすると、君も知らない君の根源に繋がっているのかもしれないのだから」

 

 タキオンさんは、なにを言いたかったんだろう。

 

 ライスの知らないライスがいる、ってことだったのかな。

 

 

 

 

 

 あの日。

 世界がひっくりかえっちゃった、あの日。

 とっても、とっても、こわかった。

 いろんなものが壊れて、燃えて、なくなって、よくわからないまま、こわかった。

 

 

 ウマ娘(わたしたち)が練習するための、とっても広い芝の原っぱを、いろんな人が刈って揃えてくれてて、それがすっごく燃えてたのを、よく覚えてる。

 こわかった。

 本当に、こわかったの。

 だって。

 だれかが大切にしてたものが、だれかの優しさが形になったものが、なんの価値もないものみたいに消えていっちゃうのが、本当にこわかった。

 

 

 ライスもこのまま、そうなっちゃうのかなって思ったら、足が震えちゃった。

 なんの価値もないものみたいに、炎に呑まれちゃったらどうしようって、こわかった。

 ずっと、ライスはひとりでうずくまってた。

 もしかしたらあそこで、だれにも知られないまま、ライスも燃え尽きてたかもしれない。

 ひとりで震えてるだけだったライスは、そうなってもぜんぜん不思議じゃなかった。

 

 でも、あの人が倒れてたから。

 

 

 あたりを見回して、ライス以外にだれもいないってことがわかって。

 ライスは迷っちゃったけど、あの人を助けに行った。

 だって、ライスがなにもしなかったら、そのままあの人は死んじゃいそうだったから。

 ライスは、だめだめで、ライスのためなんて理由はぜんぜん頑張れなかったけど、ライスにしか助けられない人がいると思ったら、放ってなんておけなかった。

 

 

 ライスが握ったその手が、とっても弱々しく握り返してきたこと、でもとってもあったかかったこと、それもちゃんと覚えてる。

 ああ、生きてるんだ、って思って。

 ライスがしっかりしないと、って思って。

 死なせちゃだめ、って思って。

 だめだめなライスで居ちゃだめだって思って、もう無我夢中だった。

 

「e280a6e280a6e4bfbae381aae38293e381a6e7bdaee38184e381a6e280a6e280a6e697a9e3818fe98083e38192e3828de280a6e280a6e6adbbe381ace381aae280a6e280a6e7949fe3818de3828de280a6e280a6」

 

 なにを言ってるか、ぜんぜんわからなかった。

 あの人はそのあとすぐ記憶をなくしちゃったみたいで、本人もなにを言ったか覚えてないみたいだから、本当はなにを言ってたのかなんて、もうわかんない。

 でも。

 その時のライスは、『助けてくれ』って言われたような気がして。

 がんばって、がんばったんだ。

 あの人はいいひとだったから、ライスはあの人を助けられたことがずっと自慢で、きっとなにがあっても後悔なんてしないの。

 ライスが出したすこしの勇気で、だれかが助かったことが、本当にうれしかった。

 

 お兄さんは記憶がなくて、だれとも言葉が通じないみたいで、本当にたいへんみたいだったけど……それを表に出さないように、頑張ってた。

 少しだけ、肩が震えてた。

 だからライスも頑張らないといけないって思ったんだ。

 

 

 震える手を必死に抑えて、ライスの手を握って、震えてるライスを元気付けようとしてたあの人の手の温かさを、ライスが忘れることはないと思う。

 

 あの人は、だいぶおっちょこちょいだった。

 考えごとしてる時は、ライスよりずっとドジだったんじゃないかな。

 前も見てないし。

 足元も見てないし。

 いっつもすごく必死に考えてて、余裕を持とうとしてるけど余裕なんて全然なくて、だから時々視野が狭くなっちゃって、よく転ぶライスより足元を見てないことがあって。

 見てて、ほっとけないの。

 

 それで、気付いちゃった。

 あの人は、ライスの足元ばっかり見てるんだって。

 自分の足元なんて全然見てないんだって。

 ライスが怪我しないことが、その時のあの人にとっての一番だったんだって。

 

 あとでお話ししたら、『足を怪我したらもったいないが足の一部を交換すればいい』って言ってて、なんだか、ライスは怖くなっちゃった。

 

 足を大事にする人は学園でたくさん見たけど、こんなに足を大事にしない人を見たのは、ライスは、生まれてはじめてだったと思う。

 

 ライスには、お兄さんがたまに、牧場で育てられた牛さんみたいに見える時があるの。

 お兄さんは死にたくはない、なんて言ってるけど。

 誰かに「貴方を食べたい」って言われたら……断らない、気がする。

 そうならないって信じたいけど、そうなりそうな気がする。

 

 それが、ちょっとだけこわい。

 

 でも、なんだろう。

 

 ライスの手を引いてくれるあの人を、ライスが放っておけない理由は、そういうのだけじゃない気がして……ライスは、ライスのことがよくわからないのかな。

 

 

 そんなに長く一緒にいたわけじゃないけど。

 一緒にいればいるほど、話せば話すほど、針の上で歌って踊ってるお人形さんみたいに見える人だった。

 余裕があるように見えたことなんて一度もない。

 ずっとずっと、なにかに追われてるみたいに頑張ってる人だった。

 でも本人はライスを安心させようとして、取り繕おうとしてるのがわかったから、ライスも本当のことを言ったりなんてできなかった。

 

 あの人は大人だけど、子供だったんだ。

 だからライスは頼ってたけど、頼ってほしかった。

 あの人は危なっかしいけど、ライスはもっと危なっかしかった。

 ライスが子供扱いされてるのはわかってて、もやもやしたけど、それもしょうがないの。

 

 

 ライスの中で、あの人は、いつも走ってるイメージがある。

 あの人はライスやネイチャに「ウマ娘はいつも走ってるな」なんて筆談で言う。

 でもライスからすれば、あの人の方がずっと走り回ってるように見えた。

 だって、いっつもなにかしてたもの。

 

 

 

 ちょっと失敗したらすぐ謝って、同じ失敗しないように勉強してた。

 本がみんなばらばらになってた中で、ページを拾ってライス達の世界を知ろうとしてた。

 ギガスさんの操縦も整備も、ずっとひとりでしてた。

 洗濯もひとりでして、街に出て必要なものを集めるのも一人でやって、夜は寝ないで助けを求める人を見落とさないようにして、世界を救うためにちゃんと進んでる。

 ひとりで本当に頑張ってる人だから、すごいと思う。

 でも。

 

 あの人が寝てるところや休んでるところを、ライスは一回も見たことがない。

 

 ライスは、ぜんぜんだめだめだった。

 お手伝いを申し出ようとしても、強く押しきれなくて、いっつもあの人に説き伏せられて、ほんのちょっとのお手伝いくらいしかできなかった。

 後から来たネイチャさんの方がずっと上手くやってたと思う。

 ネイチャさんはお話しして、先に流れを作って、お手伝いを申し出るのが本当に上手かった。

 あとからあの人が「やっぱり手伝わなくていい」って言っても、ネイチャさんはするりと流して却下してたから、本当にすごいなって。

 

 ネイチャさんと比べると、ライスはまだまだ、ぜんぜんおこちゃまなんだ。

 

 ライスは、いそがしそうにしてるあの人を、見てるだけ。

 

 

 

 あの人は、いっつも、他の人に何をしてあげられるかで、満点を目指してる。

 自分に厳しいかって言うと、ちょっと違いそう。

 他人に優しいかって言うと、半分くらいはそうかも。

 

 ライスは、ちょっとくらいしかわかってない気がするけど。

 あの人のは、変な完璧主義なのかな。

 他の人に尽くす時にだけ満点じゃないと気が済まない人。

 

 だから、ちょっとしたことですぐ謝る。

 頼れる大人に見られたいなら、そんなにすぐ謝らない方がよさそうなのに。

 だから、他の人に満足してもらうことをいっつも考えてる。

 他の人に優しくしてるだけで十分だと思うのに、ちょっと減点できちゃうところを見つけると、すぐ反省して、もっとよくしようとする。

 

 "奉仕"ってあの人は言ってたけど、あの人はきっと、満点以外の奉仕がいやなんだ。

 

 他の人からもらう優しさにぜいたくな人、っていうのはライスも知ってる。

 ちょっとだけ、いやな人。

 他の人に優しくされて、お礼も言わないで、"もっとこうしろ"って言う人。

 他の人の優しさにずっといやなことを言わずにはいられない人がいるって、ライスも知ってる。

 

 でもあの人は、いっつも自分の優しさに"もっとこうしろ"って言ってるような気がした。

 

 あの人がライスよりもずっと後ろ向きな人であることを、ライスは覚えてないといけないの。

 

 

 ライスは、なにもないとこで転んじゃうだめだめな子だけど。

 あの人はなにかある場所で、だいたいなんでも踏んじゃう人。

 水たまりとか、窪みとか、釘とか、もっと危ないものも、ぜんぶ踏んじゃいそう。

 格好つけてポケットに手を入れちゃだめ、って言ってるのに。

 ぜんぜん聞いてくれないの。

 なんのこだわりなんだろう。

 ポケットに手を入れながら、考えごとして歩いてて、前を見てなかったせいで壁にぶつかってひっくりかえって、すごい勢いで床にぶつかったりしてたのに。

 

 しょうがないなあ、なんて思って、あの人が転んじゃわないように、ライスは横にぴったりくっついて、ずっとあの人の足元を見てて。

 そのせいでライスの足元が見えてなくて、転んじゃいそうになって。

 あの人に支えられて、あの人が苦笑いして、ライスは恥ずかしくてうつむいちゃう。

 

 そんなことが、なんどもあった。

 

 

 "これが正しい服装らしいから"って、街からネクタイを使う服を持ってきたのに、ネクタイ結ぶのに慣れてないみたいで、しょっちゅう失敗してた。

 ちょっと上手くいっても、"これは本の通りになってない"って思って結び直そうとして、もっと変な形になっちゃって、もっと変な形になってた。

 ライスが結んであげた方がきれいになったから、ライスが結んであげてたの。

 その後の"ありがとう"っていう筆談が、とっても嬉しかった。

 あと、ちょっとだけ、ネクタイが上手く結べず困ってるあの人は、かわいかったかも。

 

 

 へんてこになっちゃったネクタイを見てネイチャさんが笑って、あの人がネイチャさんにデコピンをしてて、「ごめんごめん」ってネイチャさんがもっと笑ってた。

 ネイチャさんは、"引きずらない一回だけの笑い話"にしようとしてたみたいだった。

 笑い話にして、恥ずかしい話にならないように区切りを作ってた。

 "たのしい空気になったからいいか"……っていう感じにする、みたいな。

 そういう交流の仕方とか、優しくする方法が、あるんだなって思ったなぁ。

 

 

 でもライスも、あんまりにも結べなくて嫌になっちゃったあの人が、やたらと格好いい風にネクタイを脱ぎ捨てた時は、さすがに笑っちゃったかな。

 ふふっ。

 

 だけど、あの人は、"できない"って開き直ることだけはしなかった。

 できないことに挑み続けてた。

 嫌になって一回やめちゃっても、また練習してた。

 それでね、ちょっとずつ上手くなって、できるようになっていったんだよ。

 

 ライスはあの人のそんなところを、ほんとに尊敬してる。

 ライスはそんなに強くないから。

 逃げちゃいけないと思ったら絶対に逃げないあの人を、かっこいいなって思ったの。

 

 ネイチャさんも、あの人のそういうところを、わかってたんだと思う。

 

 ギガスさんの上で二人で話してた時も、ネイチャさんとそういう話をしてたんだ。

 

 

 ネイチャさんはやわらかくて、なめらかな人。

 ちょっとひねくれたようなこと言ってる時も、ひねくれてるなぁ、って感じがしなくて、曲がってる印象がぜんぜんない。

 自然に他人の気持ちを分かってるから、失言とかもぜんぜんなくて、話しててひっかかるところがぜんぜんないんだ。

 そういうところが、ネイチャさんの優しさと繋がって表に出てくる、そういう人。

 

「なんかさー、キャプテンって、結構子供っぽいとこあるよね」

 

「お兄さんは、本人が言ってたけど、まだ九歳らしいから」

 

「えっ……なんか知らない設定が突然出て来たんだけど」

 

「ライスもよくわかってない……」

 

 

 ライスのことを時々妹みたいに扱ってるあの人が、ネイチャさんに時々弟みたいに扱われてるのが、おもしろくてついつい笑っちゃうこともあったかな。

 見かけは、あの人が一番大人なのにね。

 あの人は普段、すごく自然にライス達を子供扱いするから、なんだかおもしろいんだ。

 

「なんか、ライスの方がトレーナーみたいよね」

 

「え?」

 

「や、あくまで比喩としてね?

 あいつが子供っぽい感じの時、あんたは良い感じに手を引いてるな、って思ってさ」

 

「……そう? ネイチャさんには、そう見えるの?」

 

「ライスさー、ちょくちょく"めっ"ってするじゃん?

 キャプテンがポケットに手を入れて歩いてる時とか。

 キャプテンが包丁で手をぐっさり刺してた時とか。

 キャプテンがギガスの上から足滑らせて落下死しかけた時とか。

 なんかだらしない兄貴に控えめな妹が注意するみたいだな、って見えたわけね」

 

「うん。……控えめな妹かはわかんないけど」

 

「未デビューのアタシ達が訳知り顔で語ることじゃないけどさ。

 ウマ娘って、トレーナーと手を取り合って、二人三脚で進んでくものじゃない?」

 

「そうだね」

 

「で、さ。"目標"持ってるのはウマ娘の方だと思うのよ。あ、絶対じゃないけどね?」

 

「うん……そんな感じだね」

 

「それでその目標に辿り着くため、トレーナーが手助けするもんじゃない?

 でもさ。

 アタシ達は世界を救う"目標"持ってる人間の彼を、ウマ娘のアタシ達が助ける形じゃない?」

 

「あ……な、なるほど……」

 

「危なっかしいじゃない、キャプテンはさ。

 彼がゴールに辿り着いて、皆を笑顔にしようとすんのを、助けてあげたいわけよ」

 

「うん」

 

「だからアタシは、最初からそういう感じに見えてたの。

 ゴールに向かって走る彼と、そんな彼を支えるトレーナーのライスみたいだな、って」

 

「そう……なんだ」

 

 ネイチャさんは、ライスとは違う視点をいつも持ってる、そう感じる。

 

 

 ネイチャさんはなにか深く考えるみたいな顔を、たまにする。

 

 ライスがすべての気持ちを口には出さないように、あの人も、ネイチャさんもそうなのかも。

 

「ウマ娘が人間のトレーナーしてるみたいなヘンテコな関係が、なんか面白くない?」

 

「お、面白くはないかな……?」

 

 でも、ライスがトレーナー、か。

 

 たぶん、学校のウマ娘の中で一番、ライスがトレーナーに向いてないんだろうな。

 

「ライスがトレーナーになんてなったら、みんな嫌がりそう……」

 

「え? なんで?」

 

「なんでって……

 ライスは話すのが苦手で、賢くもなくて、一緒に居ると不幸になる、だめだめな子で……」

 

「アタシは、ライスがダメなやつとか思ったこと一度も無いわよ」

 

「―――」

 

「キャプテンもそうじゃない? そのへんはライスも疑わないであげてよ」

 

 

 そうだね。

 

 だからライスは。

 

 ライスよりもライスのことを大好きになってくれる人達が、大好き。

 

「キャプテンはずっとライスのこと、幸運の女神か何かだと思ってるんだろうし」

 

「……うん」

 

「一緒に居ると不幸になるとか一度も思ったことないんじゃない? あははっ」

 

「ふぇぇ」

 

 うん。

 

 そう思われてること、わかってる。

 

 わかってるから……ライスはどうしたいのか、わからなくなるんだ。

 

 

 

 

 

 

 昔から、ライスの周りの人は、みんな不幸になっちゃう。

 ライスが居ると、食べようとしたアイスを落としちゃったり。

 ライスと夜ふかししてお電話してたせいで、大切な日に寝坊しちゃったり。

 ライスがなにもないところで転んで、そのまま誰かにぶつかっちゃったり。

 ライスのせいで、みんな不幸になっちゃう。

 そんな自分が、きらいで、きらいで、本当にきらいだった。

 

 子供の頃、近くの学校のウマ娘みんなで集まって、子供のウマ娘のチームだけが参加するリレー大会に行こう、みたいな話があった。

 町内会の大人の人たちが、相談して話を進めてたんだって。

 ライスも、ライスのおともだちになってくれたウマ娘も、よく知らないウマ娘も、いっぱい集まってたの。

 でもね。

 その頃にはもう、ライスのせいで周りの人に不幸が起きるっていう話は、伝わってたんだ。

 

 リレーの少し前にね、言われたんだ。

 一緒に走るはずだった子に。

 

 

 

 

「ライスちゃんが居ると運悪く負けるかもしれないからさ。

 当日風邪引いたってことにして休んでくれない? 本気で勝ちたいんだよね~」

 

 

 

 たぶん、その子は、ライスのことを友達だと思ったまま、なんの悪気もなく、そう言った。

 

 その子はライスにそんなこと言ったって、きっと覚えてないし、その後もなにもなかったみたいにライスと話してたし、こんなこと気にするライスが悪いのかもしれない。

 

 でも、なんだか。

 

 胸に、抜けないトゲが刺さったような、そんな気がした。

 

 友達だと思ってた。友達だったのかな。友達ってなんなのかな。そんなこと、思っちゃった。

 

 もしかしたら、友達なんて最初から居なかったのかも。

 

 そんなことないって、わかってるけど、わかってるんだけど。

 

 

 ライスはみんなを不幸にするって、そう思ったら、怖かった。

 みんながライスを嘲笑ってたらどうしようって、変な想像が出てきちゃう。

 みんなに嫌われてるって思うと、足が震えちゃう。

 『みんな』は。

 『誰か』じゃないから。

 いっぱいいる、いろんな人の集まりだから。

 『みんな』に嫌われてるかどうかなんて確かめられないのに、怖かった。

 

 もしも。

 もしも、確かめられちゃったら。

 嫌わてるって、確信を見つけちゃったら。

 ライスはなにもかも放り出して、逃げてたかもしれない。

 

 

 ライスの名前はライスシャワー。

 祝福の名前。

 でも、ライスに祝福されたという人を、ライスは一度も見たことがない。

 みんな、みんな、不幸になっていく。

 

 でも。

 

 

 あの人は。

 ライスのことを幸運の女神だと信じて疑わない。

 ライスがなにを言っても、ライスのせいで不幸になったなんて思いもしない。

 なんでだろう。

 ライスは、なにもしてあげられてないのに。

 なんであの人は、ライスのことを幸運の女神だなんて、信じてくれてたんだろう。

 

 ライスのせいで、記憶もなくしちゃったのかもしれないのに。

 そのせいで、エレベーターみたいな機械の操作まで忘れてしまってたのかもしれないのに。

 ライスのせいで、ライスみたいなお荷物をかかえることになったのに。

 ライスのせいで、雑誌の切れ端の一ページしか手に入らなくて、ゲームの中のお肉の焼き方を見て勘違いなんてしちゃったのに。

 ライスのせいで、まだタイムマシンの設計図が見つかってないのかもしれないのに。

 

 『君のおかげで助かった』とか、そんなことばっかり、紙に書いて伝えてくる。

 

 

 なんであの人は、ライスのおかげとしか言わないんだろう。

 

 なにもできないライスに、なんで優しくしてくれるんだろう。

 

 なんで。

 

 ライスと出会えたことが幸運だったなんて、言ってくれるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライスはそういう子だから。

 

 『自分のせい』だと思って苦しむ人なのかどうか、話してるとなんとなくわかる。

 

 そういう人は、なんとなくライスと似てるような印象があるから。

 

 あの人は、そういう人だった。

 

 

 だれもいない夜だった。

 なんの音もない夜だった。

 みんなが寝てるから、じゃなくて。

 動いている人がもういないから、だれもいなくて、音のない、とっても静かな夜だった。

 

 ライスは耳がおっきいから、あの人がギガスさんから出ていく音に気付いちゃった。

 どうしたのか気になっちゃって、こっそり後をついていった。

 ついてく、ついてく、ついてく。

 それだけ考えて、こっそりついていったの。

 

 

 あ、スコップだ、って思って。

 なんでスコップ持ってるんだろう、って思って。

 ついてく。

 ついてく。

 

 

 火を着けて、灯りを作って、機械を操作して何かを探して、見つけた何かを回収するための最短経路だけを歩き回って、『全部集め終わった』ら、あの人は作業を始めた。

 

 すごく、すごく、手際よく。

 

 あの人は、死んじゃった人たちを、地面に埋めてた。

 

 

 

 

 すごくたくさんのほとけさまを見て、手が震えた。

 

 いままで考えないようにしてたことが、いっぱいいっぱい、蘇っちゃった。

 

 その時、ようやく気付いたんだ。

 

 ライスが『そういうこと』に気付かないように、あの人はずっと細心の注意を払ってて、ライスの気付かないところで、そういう負担も背負ってたんだって。

 

 ライスのために、ライスが朝に『そういうもの』を見ないように、夜中にこっそり一人で、探索する予定だった街を片付けてたの。

 

 設計図を手分けして探す時、どこを誰が探すのか、あの人がライスたちに指示してた。

 漏れがないように、って。

 でも、本当は、それだけじゃなかったの。

 あの人は死んでしまった人を片付けたところをライスたちに割り振って、まだ死んでしまった人が残っている場所を自分で請け負って、設計図を探してただけだった。

 

 死んでしまったたくさんの人を運ぶあの人の優しい手が、泣いていた。

 

 

 あの人は、すごくがんばって、たくさんの人を弔ってた。

 夜中の限られた時間を全部使って、できる限りの人をいたわろうとしてた。

 

 普段、"タイムマシンでなかったことになる"なんて、言ってる人だけど。

 なかったことになるからって適当に扱うなんて、絶対にしない人だったから。

 なかったことになると分かってても、これまで生きてきた人たちだったそれを、できるだけ大切にしようとしてた。

 ギガスさんと繋がって、ネイチャさんみたいに生き残ってる人を探すセンサーを動かしながら、ずっとひたすら、死んでしまった人たちにお墓を作ってあげてた。

 それが、あの人だった。

 

 はじめて出会った時、ライスはライスを無価値だって言ってるみたいな、すっごく無慈悲な炎がこわくて、こわくて、ふるえてた。

 あの人は、その正反対だった。

 

 この人は、ライスを粗末に扱ったりしないんだって―――そう、信じられた。

 

 夜に、あの人はだれよりもやさしかった。

 

 だから、ライスは、あの人が寝てるところを、一度だって見たことないんだ。

 

「e7b484e69d9fe38199e3828be38082e38193e381aee381bee381bee7b582e3828fe38289e3819be3819fe3828ae381afe38197e381aae38184e38082e79086e4b88de5b0bde381abe6adbbe381aae3819be3819fe381bee381bee381abe381aae38293e381a6e38197e381aae38184e38082e5bf85e3819ae585a8e593a1e69591e38186e3818be38289e280a6e280a6e5be85e381a3e381a6e381a6e3818fe3828c」

 

 

 泥にまみれながら。

 血にまみれながら。

 死んでしまった人の汚れにまみれながら、あの人はずっと作業を続けてた。

 

 穴を掘って。

 死んでしまった人を運んで。

 やさしく埋めて。

 簡単なお墓を作ってあげて、手を合わせる。

 そのくりかえし。

 

 

 本当にかんたんなお墓だったけど、あの人は一度も適当になんて埋葬してなくて、ただの一人も適当になんて扱ってなかった。

 

 全員を大切な友達みたいに扱いながら、埋めてあげてた。

 

「e7979be3818be381a3e3819fe38288e381aae38082e8be9be3818be381a3e3819fe38288e381aae38082e88ba6e38197e3818be381a3e3819fe38288e381aae38082e38194e38281e38293e381aae38081e69da5e3828be381aee3818ce98185e3818fe381aae381a3e381a6e38082e4bb8ae381afe59c9fe381aee4b88be381a7e5ae89e38289e3818be381abe79ca0e381a3e381a6e38184e381a6e3818fe3828ce38082e280a6e280a6e382bfe382a4e383a0e3839ee382b7e383b3e381a7e38081e8b5b7e38193e38197e381abe8a18ce3818fe3818be38289」

 

 いたそうで、いたそうで、ライスは、目をそらしちゃったけど。

 

 

 ばらばらになってしまっている人も、いた。

 あの人はそういう人も機械で探して、できるだけ全部集めてひとつの穴に揃えて入れてた。

 とても優しい手付きで入れてた。

 まるで、「これ以上痛いことにならないように」って言ってるみたいな、優しい手付き。

 

 あの人は死んでしまった人の顔をきれいにして、そうして埋めてあげてた。

 それもやさしさだったのかな。

 ……やさしさだったと、ライスは思う。

 

 途中、なんども、なんども、あの人は吐いてた。

 慣れてる様子じゃなかった。

 たぶん、あの人は、死んでしまった人を埋めるのが、これが初めてだったんだ。

 だからきっとつらくて、くるしくて、なんども吐いてたの。

 でも、やめなかった。

 あの人はつらくても、逃げることだけはしないの。ぜったいに。

 

 なんども、なんども、謝ってた。

 言葉は通じてないけど、それはライスにもわかった。

 謝りながら、たくさんの人を埋めて、謝りながら、お墓を作ってた。

 ライスは、胸の奥がきゅーってして、なにかしてあげたいと思ったけど……ライスにはなにもできないから、黙って見てることしかできなかった。

 

 

 月とライスだけが、それを見てた。

 世界を救おうとする人が。

 本当は、世界だけ救いたいみたいな、そういう人じゃなくて。

 人を救いたいから世界を救いたいというだけの、ささやかな祈りをかかげて生きてる、ただのやさしい人なんだって、わかって。

 

 ライスはなんだか、泣きたくなった。

 耐えられなくて、泣いちゃった。

 ライス、泣き虫だから。

 

 

 拭いても。

 拭いても。

 涙は止まらなくて。

 地面に涙が、落ちていったの。

 

 ライスには、あの人がなんで頑張ってるのかわからない。

 世界を救って、あの人がどんなものを得られるのか、ぜんぜんわからない。

 なんでだろう。

 あの人が世界を救いたいと思ってる理由って、なんなんだろう。

 

 なんのために、だれのために、世界を救いたいんだろう。

 

 もしかしたら。

 あの人はただ、他人を想う使命感だけで、たくさんの人を救いたいと思ってたりするのかな。

 そうなら……とっても、とっても、すてきだね。

 

 だって、それは『ヒーロー』だから。

 ライスのあこがれるものだから。

 

 でも、もしあの人が、だれかのために世界を救いたいと思ってるなら。

 それもヒーローだなって、ライスは思う。

 家族のためかな。

 友達のためかな。

 仲間のためかも。

 他の人のためにいつも走ってるあの人なら、なんだってありそう。

 

 あの人がもし、だれかのために世界を救いたいと思うなら、それはどんな人なんだろう。

 

 ライスには、わかんないや。

 

 ヒーローに背負われてるだけの内は、きっと、なんにも、わからない。

 

 

 

 

 

 だから、これは、ライスへの罰なんだ。

 

 そうだよね、ライス。

 

 周りを不幸にするってわかってたのに、だれかにそばにいてほしいだなんて思ったから。

 

 ライスが幸運の女神だなんて言う、あの人を信じてしまったから。

 

 ライスへの罰が、あの人に降り掛かった。

 

 きっと。何万回謝っても、ライスは、絶対に、許されない。

 

 

 ごめんなさいと、つぶやくライスの横で、ネイチャさんがギガスさんと何か話してた。

 

「えーっと、管制システムさんだっけ、どうなってんのこれ」

 

『パターン1-A-Cが入力されています。

 お二人を優先的に回収、自己判断で最適な経路を選択しています。

 アカウント00001が竜を誘導。

 そのまま、竜に捕獲された模様です。

 当機は入力されたコマンドに従い、このまま隠密逃走を選択、領域を離脱します』

 

「……キャプテンは本当にさぁ……」

 

『機体の操作権。

 及び命令権。

 どちらもお二人に移譲されています。

 入力された命令を取り消すことも可能です。どうしますか』

 

「どうしろって言われても……どうすりゃいいのって話じゃない……?」

 

 

『既存の命令を取り消し、新たな命令を入力することが可能です。

 人工知能の性能発揮制限を取り払い、全能力をもって命令を実行することができます』

 

「え、何? キャプテンが入れた命令をキャンセルしてほしいの? どういうこと?」

 

『ライスシャワー、ナイスネイチャ、両名には、当機への命令の権限があります』

 

「……キャプテンに通信とかはつながらないのよね?」

 

『はい。生存は確認されています。しかし通信は応答がありません』

 

「ちょっとどころじゃなく心配ね……助けに行く……迎えに行ければいいんだけど……」

 

 ライスのせいで。

 ライスのせいで。

 ライスのせいで。

 また、ライスの周りで、誰かが不幸になっちゃう。

 祝福の名前をもらったのに。

 

『どうしますか、ライスシャワー』

 

「えっ……!?」

 

 びっくりしちゃった。

 

 ぴっ、ぴっ、ぴっ、って音が鳴って、ギガスさんが、こっちに呼びかけてきた。

 

『命令を』

 

「命令を……って言われても……」

 

『クエスチョンを変更します。どうしたいですか、ライスシャワー』

 

「―――」

 

 なにをするか。

 なにができるか。

 なにをしたいか。

 

 ライスは、何をしたいんだろう。

 

 

 ライスの名前はライスシャワー。

 祝福の名前があるだけで、だれもしあわせにできないだめな子。

 ここにいちゃいけなかった子。

 全部間違いだった子。

 助けてくれた人さえ不幸にしてしまった疫病神。

 

 ―――それでいいの?

 

 

 違う。

 いいわけない。

 いいわけがないんだ。

 だって。

 ライスは甘えるだけでなにもしてない。

 不幸だ、不幸が来た、なんて言ってるだけで、なにもしてない。

 寄りかかるだけで、背負ってもらうだけで、なにもしてあげられてない。

 

 あの人が幸福の祝福(ライスシャワー)の名にふさわしい扱いをしてくれたこと。

 救ってくれたこと。

 助けてくれたこと。

 守ってくれたこと。

 なにも、恩返しできてない。

 

「……そういえば。

 ライス、自分の名前の由来のこと、思い出したよ。

 ライスシャワーは、教会で、神様の祝福と一緒に、贈るんだったよね」

 

『神は此処に在ります。私は機神。あなたの手足となる鉄の馬。命じてください』

 

「……うん」

 

 ライスシャワー。

 祝福の名前。

 結婚式のお祝い。

 神様の祝福を描く白。

 "あの人が幸せに、笑顔になれますように"という祈り。

 

 ライスは、そういう子になってほしいと願われて、生まれてきた。

 

「あの人を迎えに行きたい。

 なにかがあっても、なにもなくても。

 あの人にだれよりも先に、ライスがおかえりなさいって言いたい」

 

『願いを叶えます』

 

 ギガスさんが、応えてくれて。

 

 

 ギガスさんが、すごい勢いで、走り出した。

 

『オーダーを認識、行動計画を自動生成』

 

「マッジかー。ま、いっか。ネイチャさんも賛成賛成。

 あのドラゴンみたいなやつと戦ったりするとしても、行かないよりはマシよね?」

 

「うん」

 

 手を合わせて、あの人の無事を心から祈る。

 

 

 痛い思いをしてないかな。

 苦しい思いをしてないかな。

 怪我とかしてないかな。

 できれば、無事でいてほしいな。

 

 今、迎えに行くから。

 

 ライスが行くまで、自分を大切にしてくれてたら、いいな。

 

 

「行こう、ギガスさん」

 

 迎えに行こう。

 

 こんなにも心配してるんだから。

 

 こんなにも心配してるんだぞって、あの人に伝えに行こう。

 

 「無事でよかった」って言いに行こう。

 

 自分のことを粗末に扱いがちなあの人に、教えてあげよう。

 

 ライスたちはあなたが危ないと思ったら、こんなにも、こんなにも、心配するんだぞ、って。

 

 ライスが幸運の女神だって言うなら怪我なんてしないように生きてよ、って。

 

 大きな声で、言いに行こう。

 

 

 




旅の順序
 小倉レース場(福岡県)→阪神レース場(兵庫県)→京都レース場(京都府)→?

・ナイスネイチャ
 敗北続きだったが小倉競馬場で三連勝+初の重賞勝利で一転。小倉の商店街にファン多

・アグネスタキオン
 阪神競馬場でデビュー、阪神競馬場で引退式

・ライスシャワー
 『淀を愛した、孤高のステイヤー』。
 生涯三度のGI勝利が全て京都競馬場であり、京都競馬場で散る
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